東京都議会予算特別委員会速記録第四号

○大塚副委員長 大西由紀子委員の発言を許します。
   〔大塚副委員長退席、委員長着席〕

○大西委員 最後です。よろしくお願いいたします。
 財政の健全性の回復に全力を注ぎ、その上で、今後の新たな都政の発展を目指すことを基本に据えたと知事が胸を張る平成十八年度予算ですが、中期的、長期的な視点に立った基本ビジョンや、そのための政策の柱が明確に示されておらず、目先の需要にこたえるものが多くなっています。
 二〇〇〇年以降、分権の進行、少子高齢化による人口減少など社会背景は大きく変わっていますが、きょうは時間の関係もあり、直面する子育て支援や多様な働き方への対応などについて見解を伺います。
 初めに、暮らしの安全について伺います。
 BSE、マンション耐震偽装問題等、暮らしの安全、とりわけ消費生活に関する問題は、時代とともに後を絶たないわけで深刻です。特に子どもの安全を守ることは、単に犯罪を予防するだけではありません。日々の暮らしの中にある危険をできるだけ減らしていく努力こそ、今求められます。
 そんな中、都の調査で、子どものアクセサリーからの鉛の検出が明らかになり、速やかに回収されました。国に先駆けて安全への取り組みを行い、問題提起していることを高く評価したいと思います。化学物質から子どもを守るために、東京都は子どもガイドラインを策定してきたこととあわせて、東京都の姿勢を示していると考えますが、知事の見解をまず伺いたいと思います。

○石原知事 昨年二月、アメリカで高濃度の鉛を含有する子ども向けの金属製アクセサリーを四歳の男の子が飲み込みまして重篤な健康被害が出ました。
 我が国では、同種の金属製アクセサリーに対する鉛の規制がないために、国に先駆けて都が自身の調査を行いました結果、多くの商品が高濃度の鉛を含有していることが判明しました。
 このため、都は国に対して、鉛の規制と警告表示を行うように緊急提案をいたしました。
 今後とも、都の権限に拘泥せずに、次の時代を担う子どもたちの生命と健康を守るため、商品、サービスの安全対策に積極的に取り組み、国に提案をしてまいります。

○大西委員 非常に東京都の感度のよさがあったわけですが、これもやはりネットの提案で、子どものガイドラインの策定がそこにあったからではないかと思っております。
 一方、高齢者についても新たな安全問題が出てきています。
 最近、まちで電動三輪車、四輪車、このような乗り物に乗ったお年寄りを見かけることがふえました。この三輪車、四輪車は、ともに電動車いすに準ずる位置づけで歩道を走行しております。最大時速が、これは大人の早足程度なんですけれども、六キロ出せ、荷物を載せるスペースもあり、買い物や通院等にも便利で、しかも運転免許が要らないというものです。平成十六年度の全国出荷台数は約二万台で、今後さらにふえていくことが予想されます。
 しかし、その一方で、自動車から見えにくいことや、操作になれない高齢者が利用することからも事故が多く問題になっています。事故はたくさんあるんですが、子どもの事故と同じように、なかなか事故に遭った人たちがそれを届け出ないという問題もあります。
 そこで、都においては、この電動三輪車、四輪車の安全性の課題をどのようにとらえ、今後どのような対策を行っていくのか伺います。

○山内生活文化局長 電動三、四輪車については、高齢者の利用が多く、出荷台数も増加しているため、今年度、学識経験者、消費者団体及び関係事業者で構成される商品等の安全問題に関する協議会において、この安全確保策について検討しているところであります。
 電動三、四輪車の事故は、自動車から見えにくいこと、誤った操作などが原因であることが多いため、協議会においては、自動車からの認識性の向上策や誤使用防止対策などについて検討を重ねております。
 都としては、協議会のこうした検討結果を待って、今後、電動三、四輪車の安全性を高めるための新たな基準を取り入れるよう、国や関係機関に対する働きかけを行ってまいります。

○大西委員 高齢者が活動範囲を維持し、日常生活を自立して行うためにも、このような電動三輪車、四輪車は大変有効な乗り物です。今後、高齢社会に対応して次々に生まれる新しい商品に対する安全対策に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 また、安全な走行には道路の整備が欠かせません。先ほどの自転車道の整備も問題になっておりましたが、遅々として進んでおりません。
 十八年度予算案では、都の幹線道路の整備費は八百四十四億円余りですが、このところの道路整備は車中心の道路建設費です。超高齢社会になると、車線の一つを、環境に配慮して走る人たちの自転車や、それからこのような電動車に開放していくことも必要になるのではないかと考えます。これからの道路建設には何よりも高齢社会を見据えた道路づくりという視点も加わると思いますので、きょうは時間がありませんのでこの辺はいきませんが、今後求めていきたいと思います。
 次に、多様な働き方について伺います。
 東京構想二〇〇〇の中に、多様な働き方を可能にするとした項目があります。そこには、短時間労働、ワーカーズコレクティブなど多様な就業形態についての就業モデルを作成し、多様な人々の就業意欲を生かせる就業の仕組みを普及すると示されています。ワーカーズコレクティブというのは、雇う、雇われるという関係ではなく、それぞれ一人一人が出資した事業主として地域に働く場をつくり、事業を行うことです。全国で五百八十団体あり、一万六千人以上の人たちがこのような新しい働き方を実践しています。
 平成十五年の東京都雇用・就業対策審議会答申にも、雇用によらない働き方をする人々を支援するとか、NPO、ボランティア活動の促進としてワーカーズコレクティブやNPOへの施策が提示されています。地域のニーズがかなう新しい働き方として期待が寄せられてきております。多様な働き方として浮上してきたこのワーカーズコレクティブやNPOですが、施策の取り組み状況を伺いたいと思います。

○成田産業労働局長 今お話ございましたワーカーズコレクティブは、働く人が協同で出資し、ともに事業を行っていく協同組合でございます。
 都は、都民の就業を推進するという観点から、こうした多様な働き方につきまして、平成十一年度からセミナーを実施し、普及を図ってまいりました。
 また、十六年度には、しごとセンターの開設と同時に多様な働き方に関する相談窓口を設置するとともに、NPO法人と人材のマッチングに関する調査を実施し、その結果を相談事業に反映させております。
 さらに、十七年度からは、NPOでの仕事の体験機会を提供する事業も行っているところでございます。

○大西委員 この耳なれないワーカーズコレクティブのメリットとして、自分のライフスタイルに合わせて働くことができるという点があると思います。特に、女性の一生を考えたとき、子育ての時期や介護の時期は常に仕事との両立を迫られるわけですが、その両立を可能にする働き方としてこれがあり、このような形で広がっているんだと思います。
 これからは、女性だけではなく、新たな働き方として、このワーカーズコレクティブやNPOが、団塊世代やフリーターやニートの雇用の受け皿として就業機会に結びつく可能性が高いといえます。
 現に地域では、安全な食材で弁当をつくり、配食サービスや、それからパン屋さん、ホームヘルプ、配送、情報・企画、保育、それから移送サービス、リサイクル、介護予防のための体操指導など、コミュニティを豊かにするあらゆる分野で地域貢献する事業体で、こうした市民が開拓してきた新たな働き方ですが、従来の雇用や労働の範疇を超えたものです。
 このように、従来の雇用や労働を超えた働き方として、既に地域では着実に社会貢献をしているんですが、このワーカーズコレクティブやNPOのようなものが、まだまだ残念ながら行政の認知度が十分とはいえない状況です。
 そこで、都は、ワーカーズコレクティブやNPOを就業の受け皿として広く周知に努めるとともに、行政が行う雇用就業に関する事業の担い手として活用すべきと考えるんですが、いかがでしょうか。

○成田産業労働局長 都は、これまで、しごとセンターのセミナー等を通じまして、ワーカーズコレクティブなど多様な就業形態を紹介してまいりましたが、今後とも、こうした事業の内容充実を図ってまいります。
 また、従前より、民間教育機関等への委託訓練を実施する中で、多様な就業に向け、NPO法人などの団体も活用してきたところでございます。
 来年度は、これら団体から、若年者の就業支援に関する企画、提案を募るなど、より一層の活用を図ってまいります。

○大西委員 指定管理者制度も緒についたところで、新たな公共のあり方や市民との協働を促進するためには、行政側も多様な分野の職員の意識改革が不可欠です。ワーカーズコレクティブやNPOなどが新たな市民事業の担い手として認識されるために、どのような普及啓発を行っているのでしょうか。このような市民事業等の育成や活用についても、私から見れば十分とはいえないように思うのですが、今後どのように育成を支援し、協働や連携を進めていくのか、あわせて伺います。

○山内生活文化局長 東京都では、平成十四年度より、都・区市町村職員を対象に、NPOとの協働に関する公開講座を開催しております。
 講座の内容としては、協働に関する基礎的な講座を初め、協働相手を選定する際の留意点や、協働を取り巻く新たな課題への対応などをテーマに実施してきており、今後とも行政職員の協働意識の普及啓発に努めてまいります。
 また、NPO、ボランティアやワーカーズコレクティブ等、多様な市民活動団体との協働を推進する立場から、東京ボランティア・市民活動センターを通じて、市民活動団体に関する情報提供や相談事業、ボランティアリーダーなどの人材育成事業等を実施しており、今後も引き続き支援してまいります。

○大西委員 市民事業の育成や協働には、局を越え、横断的に施策展開できる仕組みが必要です。NPOやワーカーズなどの中間支援組織との連携や支援が必要となるわけですが、各局ばらばらで、今ちょっといろいろ調べてみましたら、なかなかその先ができない状況になっているんだと思います。しかしながら、一方で、地域の中ではしっかりと都民はどれが一番自分たちのニーズに合っているかということで選択をしております。
 先ほどもいいましたように、この新しい働き方は、行政の範疇を超えているというところがあるわけですが、ぜひそこから一歩踏み出してやっていただきたい。そのためには、やはりどこかによりどころが必要ですので、この市民事業との協働を明記した条例の設置など、今後の有効な展望を期待して、次の質問に移りたいと思います。
 女性施策について伺います。
 十四日に公表されました東京都配偶者暴力対策基本計画の基本計画策定協議会には、DV被害者の自立支援を行っている民間団体が参画してできました。このことを評価したいと思っております。
 十六年度のDVに関する相談件数は九千五百十一件と増加しており、DV被害者の支援に当たっては、先駆的な相談、緊急一時保護施設の運営、就労支援、自助グループ活動など自立までの支援を行っている民間団体の活動によるところが非常に大きいのですが、この運営は非常に厳しいものです。これからもこの民間団体が持続的、継続的に活動運営できるような支援が必要です。
 同時に、DV被害者の自立をトータルにサポートする体制が必要です。自立サポートに向けた総合的かつ一貫した支援のための連携体制をどのようにつくっていくのか、伺います。

○山内生活文化局長 被害者の支援に当たっては、相談から自立に至る各段階に応じて行政と民間団体の両者が連携を図り、継続的な支援を行うことが必要であると認識しております。
 一昨日公表した東京都配偶者暴力対策基本計画においても、基本目標の中に、自立生活再建のための総合的な支援体制の整備、関係機関・団体等の連携の推進を掲げ、具体的施策を展開していくこととしております。
 関係機関の機能や役割を体系的に示した被害者支援基本プログラムを作成、活用するとともに、配偶者暴力対策ネットワーク会議、仮称でございますが、それを設置し、関係機関や民間団体の連携のもと、被害者の自立のための総合的な支援体制を整備してまいります。

○大西委員 DV被害者の一時保護は、DV防止法により、都の女性相談センター一時保護所で行うほか、婦人保護施設や民間シェルターにも委託できるとされています。十六年度の利用者は六百九人に上っています。
 一時保護の必要なDV被害者のうち、子どもを同伴している女性も多く、同伴の子どものケア、特に心のケアが見逃されることがあってはなりません。ここで食いとめなければ、この暴力の連鎖というものが次の世代にも及んでくるということで、非常に大事な部分です。しかしながら、特に民間シェルターに一時保護された同伴の子どもへの対応というものがなかなかできていないんじゃないかという指摘があるんですが、その辺の見解を伺います。

○平井福祉保健局長 DVなどで一時保護を行いました女性の約四割は子どもを同伴しておられまして、その子どもの多くは心理的なケアを行う必要がございます。
 このため、一時保護を委託する際には、心理職が配置されている婦人保護施設を優先しておりますが、民間シェルターに委託せざるを得ない場合にあっては、女性相談センターの心理職の職員が事前面接を行うとともに、委託中におきましてもシェルターに出向くなどにより必要な支援を行っているところでございます。

○大西委員 ぜひ、もっと心を持って対応していただきたいなと思います。
 都内に今五カ所ある婦人保護施設の利用者のうち、DV被害者の数が増加傾向にあります。実質的には多摩地区の一時保護を担っている都立新生寮は、毎月の一時保護の利用枠が一三〇%を超えています。こうしたDV被害者の多くは、精神的な問題を抱え、そして、より専門的な支援が必要です。しかし、婦人保護施設全体の入所者、長期入寮者は減少傾向にあります。女性への権利侵害による一時保護の需要は増加しているはずですが、利用が減少傾向にあるのは、施設の体制が今の実態に合っていないのではないでしょうか。
 これまでの売春防止法による保護施設として機能してきた婦人保護施設ですが、DV防止法制定により、社会的役割に変化が生じているのであれば、今後の取り組みに工夫が求められます。これにこたえられるように都としても取り組んでいくべきだと思うんですが、その見解を伺います。

○平井福祉保健局長 お話のように、婦人保護施設は、売春防止法と配偶者暴力防止法の双方の機能をあわせ持つことになりましたことにより、支援体制を再構築していく必要があると考えております。
 都はこれまでも、指導員、心理職などを対象とする職種ごとの専門研修や、専門的支援を要する事例の検討などを行ってまいりました。
 今後、このような取り組みをさらに充実させまして、施設職員の一層の専門性の向上を図りながら、施設に対し、ニーズの変化に対応した受け入れが進むように働きかけてまいります。

○大西委員 婦人保護施設は、役割の変化とともに、退所後の自立をサポートするグループホームの設置などによる地域生活への移行支援や、婦人保護施設に入所している母親と児童養護施設に入所していた子どもとの統合を促進する支援ホームの設置なども重要な課題です。見解を伺います。

○平井福祉保健局長 施設入所者の自立は重要な課題でございまして、都では、婦人保護施設を退所した方が地域生活に定着できるように、施設職員が訪問して相談などを行い、支援してきたところでございます。
 また、施設入所時に分離した母と子の再統合に向けまして、施設に入所している母親のもとを子どもが訪問し、一緒に宿泊するなどの取り組みを、施設や女性相談センター、児童相談所が連携しながら行ってまいりました。
 今後とも、関係機関や施設が連携を緊密にしながら、こうした取り組みを一層促進することによりまして、婦人保護施設入所者の自立を支援してまいります。

○大西委員 国の制度の壁もあるんですが、せっかくの施設ですので、時代に合った保護施設になるように、重要な課題と思って取り組んでください。
 次に移ります。
 次世代育成支援の具体的な対策として五つの目標が挙げられていますが、中でも特別な支援を必要とする子どもや家庭の自立を促進する基盤づくりは、緊急課題と考えます。
 悲惨な虐待事例や、先日の世田谷区の放火事件など、深刻さを増す子どもと家庭の問題に対応するためには、児童相談所の機能強化が重要です。児童福祉司の増員配置、一時保護所の拡充などが必要ではないかと考えますが、これまでどのような対策をとってきたのか、伺います。

○平井福祉保健局長 児童虐待等に迅速かつ機動的に対応するため、都では、児童相談所の児童福祉司を、この五年間で四十三人ふやし、百四十九人といたしました。来年度はさらに十人増員する予定でございます。
 また、任用に当たりましては、高い専門性を持つ有能な人材を幅広く確保するため、庁内公募制や民間人の任期付採用を実施しているところでございます。
 一時保護所につきましては、児童虐待の増加などにより逼迫する保護需要に対応するため、本年二月、新たな保護所を設置いたしました。
 四月の全面開所後は、一時保護所の総定員を、今年度の百二十八人から十六人ふやしまして、百四十四人とする予定でございます。

○大西委員 答弁の中にもあるとおり、徐々にふやしているということがわかるんですけれども、これはやはり欧米と比較しても、一人当たりが対応するのが百人ぐらいです。そういう意味では、一人当たりが欧米は二十人とか三十人、五十人ですので、まだまだ深刻化し、それぞれが多くの問題を抱えている中には、対応するには非常に不十分だと思いますので、今後この問題もよろしくお願いいたします。
 平成十七年四月から児童福祉法が改正され、区市町村は子どもに関する第一義的な相談窓口として役割を担うことになりました。そこで、都における児童相談所の機能強化が進むこととあわせ、虐待相談に対応できる先駆型子ども家庭支援センターの設置など、区市町村の相談体制も整えていかなくてはなりません。東京都全体として子どもと家庭の問題に的確に対応していくには、子ども家庭支援センターなど地域の相談機関の人材育成、これが必要なんですが、見解を伺います。

○平井福祉保健局長 ご指摘のとおり、子どもと家庭の問題の早期発見や再発防止には、身近な相談窓口でございます区市町村の役割が非常に大きいものがございます。
 こうした考えのもと、都は、平成十七年の児童福祉法改正以前から、住民に身近な区市町村による子ども家庭支援センターの整備を進めておりまして、職員の資質向上につきましても、相談援助技術に関する研修や、児童福祉司業務の体験など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
 来年度は、こうした取り組みに加えまして、多様化する相談ニーズに的確に対応するため、非行相談や精神保健に関する研修を新たに実施する予定としております。

○大西委員 ところで、都は、このような児童相談体制の強化の一環として、平成二十一年度に向けて、子ども家庭総合センターの整備を進めています。本年一月に出された子ども家庭総合センター基本構想では、福祉保健局の児童相談センター、教育庁の教育相談センター、そして警視庁の少年相談室、新宿少年センターのそれぞれの相談機関が連携し、それぞれの専門性を生かしながら、子どもへの支援だけでなく、親への支援を総合的、一体的に実施するとしております。協働して専門的支援などが可能になる点は期待するんですが、児童相談所の機能強化と区市町村の相談体制の整備に合わせて、子ども家庭総合センターではさらにどのような機能を持つことになるのか、具体的にお聞かせいただきたいんです。
 それから、もう一つ、悩み、傷ついている当事者にとっては本当に相談しやすい体制になるのかが問題なんですが、子どもの権利の視点から、整備に当たっての検討の中に、当事者の意見を聞く場所がぜひ保障されるべきだと考えるんですが、新しいセンターについてどのような考えでしょうか。

○平井福祉保健局長 仮称でございますが、子ども家庭総合センターは、福祉保健、教育、警察が連携いたしまして、子どもと家庭を一体的に支援する拠点として整備するものでございます。
 主な機能といたしましては、子どものあらゆる相談にワンストップで対応する総合相談機能、悩みで傷ついた心のケアや、児童虐待などで分離した家族の再統合などを行う専門支援機能、区市町村職員への助言や研修を行う地域支援機能などを考えているところでございます。
 また、仮称子ども家庭総合センターの整備に当たりましては、区市町村や子どもの相談、支援に携わる関係機関などからの、広くさまざまな意見も踏まえまして、適切に対応してまいります。

○大西委員 相談を受ける大人の都合だけではなく、また行政の都合だけではなく、子ども自身の意見を聞くことで、本当に相談しやすい場所になり、子どもがみずから立ち直るきっかけになるのではないかと思いますので、ぜひ当事者の声というものも入れた中での検討をお願いしたいと思います。
 最後に、都庁職員の次世代育成支援対策について伺います。
 次世代育成支援は、男女ともに子育てをしながら働き続けていくことのできる環境を整備していくことが重要です。東京都も雇用主としての積極的な取り組みを進めることによって、民間企業での取り組みを先導することが期待されます。
 昨年三月に策定されました東京都職員次世代育成支援プランに基づき、職員の仕事と子育ての両立支援という観点から、全庁的な取り組みを実施したのは初めてのことですが、プランの初年度の具体的な取り組みについては、パンフレットをつくったり、それから掲示板をつくり、そして三月を両立支援月間として現在取り組みを実施中と聞いております。我が会派の部屋にもポスターを張っております。また、今後育児体験談、講演会などもあるということで、非常に目に見えて進むということを期待しております。
 しかしながら、公務員の勤務条件に対して厳しい視線が注がれる中、やはり各職員の意識に身近なところから働きかけるということが非常に難しいというものもいろいろ聞いているんですが、このような取り組みを着実に推進していくことを要望しております。
 先日発表された厚生労働省の調査では、夫の家事・育児時間が多い夫婦には多くの子どもが生まれるという結果が出ています。女性が子どもを産み育てるには、男性の育児参加が重要なかぎであると考えます。しかし、昨年度の男性の育児休業取得率は、都職員も〇・六%と非常に低いのですが、ぜひこの東京都においても、男性が積極的に子育てに参加するような取り組み、これを最後に伺いたいと思います。

○高橋総務局長 男性職員の育児参加のための制度といたしまして、都におきましては、育児休業や出産支援休暇などが整備されております。
 本年一月からは、男性職員が配偶者の出産前後の一定期間に取得できる育児参加休暇を新設するなど、男性の育児参加を促進するための制度の充実を図りました。
 今後とも、制度の周知や職場の雰囲気づくりのための取り組みを進めてまいります。

○松原委員長 大西由紀子委員の発言は終わりました。(拍手)
 以上をもちまして付託議案に対する総括質疑は終了いたしました。

○松原委員長 次に、部局別質疑について申し上げます。
 部局別質疑は、本委員会設置要綱の定めるところにより、各常任委員会の調査をもってこれにかえることとなっておりますので、所定の手続を議長に申し入れます。ご了承願います。
 各常任委員長に申し上げます。
 部局別質疑に関する調査報告書は、三月二十三日の午後五時までに提出されますよう、特段のご配慮をお願いいたします。
 なお、来る三月二十七日については、締めくくり総括質疑を行っていただきます。
 また、三月二十八日に予定しております討論などの委員会運営につきましては、理事会にご一任願いたいと思います。ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後九時散会

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