東京都議会予算特別委員会速記録第四号

○樺山委員長 鈴木あきまさ委員の発言を許します。

○鈴木委員 まず、質問に入る前に、予算委員会の議論を通じまして、共産党の都市再生を中心とする質問を聞いておりまして、ためにする質問というものに非常に矛盾を感じております。行政サービスというものがどこまでどのように対応できるのか、今、東京都政にとっても大変重要なことだと思っております。
 きょう、ロンドンのコンサルティング会社が、二百十五の都市を対象にして暮らしの質の番付を発表いたしました。その中で東京は三十四位ということでございまして、ロンドンとニューヨーク、三十九位を若干上回ったということでございます。
 私たちは、行政サービスとしてこれから東京都に求めていくものは、この暮らしの質、クオリティーをいかに高めていくか。そのために私どももすばらしい提言をして、行政の皆さんと一緒に、都民のために行政サービスを展開していただく。きょうもそのような、まさにクオリティーが高まるような視点から、ぜひ質問をさせていただきたいと思っております。
 知事の力強いリーダーシップのもと、東京発医療改革が着実に前進をしているところでございますが、まず、患者中心の医療に向けた取り組みについて伺います。
 都が目指している患者中心の医療を実現するためには、患者がみずから選択し、主体的に医療に参加することが重要ですが、選択するために必要な情報を都民が手に入れることができるような環境がまさに求められています。しかしながら、医療の分野においては、医療法による広告規制が緩和された中にあっても、都民が求める情報が医療機関から十分に提供されているとはいえません。
 都が昨年行ったモニターのアンケートでも、八割の都民が、医療機関を選択する際には必要な情報は十分ではないと答えております。(資料を示す)このアンケートなんでございますが、実は、この中に、医療機関選択に必要な情報は十分あると思うは八%です。思わないは、何と八二%に上がっているわけでございます。
 また、広告規制が適用されないホームページによる情報提供が最近になって普及し始め、医療機関が都民に対する情報提供に取り組み始めたことは評価できるのですが、中には虚偽、誇大な表現が見受けられるほか、一般の都民には理解できない専門用語も多く使われております。都民が医療機関を選択するために必要とする情報、信頼でき、わかりやすい情報を手に入れることができる環境は、十分ではないと私は考えております。
 同じくアンケートの中にあるんですが、かかりつけ医を持っている方と持っていない方があるんですが、その辺の数字は後ほど述べるといたしまして、そういう中で私たちは、それではどんなふうに医療機関に関する情報を得ればいいのだろうか、また、得ているのだろうか、こういうことなんですね。
 それで、例えばここに、実は、いい病院--厚生労働省調査最新版という記事が、これは「週刊朝日」なんですが、連載をされておりました。これは二〇〇四年の十二月二十四日から二〇〇五年の二月四日にかけて、第六弾まで、整形外科編まで連載をされているわけです。ところが、こういうような週刊誌の記事を読むにつけても、また、今、見出しで売れる週刊誌なんていうのがありますが、よく売れているそうでございます。しかしながら、実際にこういうような情報がどこまで正しいのか、正しいんだろうか、こういうことに私たちはもっと気がつかなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。
 それで、実は、この週刊誌の中にも、我が東京都の、要するに都立病院のそれぞれの手術の件数というものが載っております。例えば、肺がん手術、癌研究会病院--これは違いますね。東京都豊島区、百五十九件。で、肝臓がん手術、都立墨東病院、これが墨田区で、手術数八十件。脳動脈瘤手術、都立墨東病院、墨田区、七十七件。そして、食道がん手術、都立駒込病院、これは文京区でございますが、四十一件。この件数についても--これは、件数というのは明らかなんでしょうけれども、さまざまな週刊誌に載っているいい病院という記述の中で、やっぱりどれだけ私たちが信頼できるものなのか、そういうようなことを改めて感じております。
 こうした状況を受けて、都は昨年の五月に医療情報提供推進検討会を設置し、都民が医療機関を選択する際の情報提供のあり方について検討を行ってきましたが、このたび、ホームページ等による医療機関からの医療情報提供に関するガイドラインを取りまとめたというふうに聞いております。
 そこで、まず、この検討会がまとめたガイドラインとはどのようなものなのか、お伺いをいたします。

○幸田福祉保健局長 医療情報の提供に関しますガイドラインは、医療機関からの積極的な情報提供を促すとともに、医療情報の信頼性やわかりやすさを確保することによりまして、都民の皆さんが医療機関を適切に選択できる患者中心の医療の実現を目指して、全国で初めて策定した指針であります。
 具体的には、対応可能な検査名や実施した手術件数など、医療機関を選択する際に参考となります七十七の情報項目を具体的に例示するとともに、根拠のない診療実績の提供の禁止、理解しやすい平易な表現の使用などの守るべき事項を定めております。

○鈴木委員 ここに医療情報提供推進検討会最終報告書というのをいち早くいただいております。今、幸田局長がおっしゃったように、七十七の項目について、これから東京都として責任を持って情報提供していこう、こういうことなんですが、例えば二五ページには、当該医療機関で行われた手術の件数、これは医療機能に関することですね。
 例えば、また、医療の提供に関する事項としては、医療機関の理念や基本方針、人員や体制に関すること、これは医師、歯科医師の略歴、年齢、性別など含まれると。また、常勤女性医師の配置、これは産科、婦人科、産婦人科、泌尿器科、肛門科に至るまで、こういうような情報を提供していこう。あるいはセカンドオピニオンの実施、その内容について。あるいは女性外来の設置、その内容について。
 そして、ここが患者としては非常に気になるところなんですが、外来診療の待ち時間等々、それから、費用に関してはどうなんだ、平均的にどれぐらい費用がかかるんだ、あるいは電子カルテを導入しているのかいないのか、そして、他の医療機関との連携に関することとしては、紹介することができる他の病院または診療所の名称、まさにそういったところまで、次の段階まで情報を提供していこう、これは非常に大事なことだと思っております。
 そして、もう一つ大事なことは、個人情報の保護に関することということで、個人情報の保護対策についても情報発信をしていこう、このように非常にすばらしい取り組みだと思っております。
 こうしたガイドラインの策定はまさに全国初とのことで、画期的であります。が、せっかくできたこの指針も、絵にかいたもちになっては、患者中心の医療の実現は望めません。今後は、それぞれの医療機関がガイドラインに基づいて必要な情報を適切に発信していくことを、都民の立場としては私自身も求めざるを得ません。
 例えば(資料を示す)これは我が大田区の都立荏原病院のホームページのプリントをしてきたものでございます。この中に、例えば--よくできています--診療実績、ちょっと古いですね、十四年、十五年ということで、しっかり載っております。それで、例えば内容につきましても、脳卒中専門病棟、SU、この内容なんかは、荏原病院、非常によくできていますよ。できています。あるいは民間の、例えば、この情報については、東邦大学医療センター大森病院、私の地元でございますが、ここでも--これは非常にサイトが見やすくできているんですよ。これは、私は参考にすべきだと思います。サイトが見やすい。そして、例えば医院、医師を紹介している、あるいはセカンドオピニオン外来の内容については、院長のコメントで詳しく書いてありますね。こういう情報を入手して、自分がどの病院にかかるべきなのかということを、やっぱり患者の立場から選択をしなければいけない、また、そういうような時代になってきているというふうに私は思っております。
 都内には約二万四千の医療機関があると聞いていますが、これだけ多数の医療機関がある中で、都はどのようにしてこのガイドラインを実効性のあるものとしていく考えか、お伺いをいたします。

○幸田福祉保健局長 このガイドラインの実効性を上げるためには、医療機関の自主的なルールとして活用されるよう、東京都医師会及び東京都歯科医師会などの団体が中心となりまして、積極的に普及を図ることが必要であります。そのため都は、ガイドラインをわかりやすく解説したパンフレットを作成するなど、各団体の普及活動を支援してまいります。
 さらに、ガイドラインを遵守した医療機関のホームページにつきましては、都が提供しております医療機関案内サービス「ひまわり」から直接該当ホームページにアクセスし、いつでも都民の皆さんにごらんいただけるようにしてまいります。

○鈴木委員 ガイドラインの実効性の確保に向けて、東京都医師会や東京都歯科医師会が率先して普及に取り組んでいくことは大変望ましい姿勢であり、都も必要に応じて各団体の取り組みを支援して、医療機関からの自主的な情報提供が、これを契機にきちんとした形で進んでいくことを大いに期待するものであります。
 また、「ひまわり」から医療機関ホームページが直接見られるということは、さっきお見せしました都立荏原病院、東邦大学医療センター大森病院などのホームページに飛ぶことができるわけでして、非常にその辺も便利になる、こういうことです。
 この「ひまわり」から医療機関ホームページが直接見られるということは、より詳しい医療情報を望む都民にとって大変便利な取り組みと考えますので、きちんとした運用を決めた上で--準備に期間は当然のことながらかかると思うんですよ、必要だと思うんですが、できるだけ早期に取り組むことを強く求めたいと思います。
 また、医療機関が適切な情報提供を行うためにも、都民が必要な情報を入手することができるようにするためにも、ガイドラインの策定や「ひまわり」の存在、そして「ひまわり」から医療機関のホームページが見られるようになったということを都民に対して十分に周知するということも、この際、要望をしておきます。
 その一方で、医療機関からの情報提供が進み、「ひまわり」から各医療機関のホームページを直接見ることができるようになっても、提供される情報の意味を都民が正しく理解できなければ、医療機関の選択に有効に活用できないおそれがあります。
 そこで、都民が医療情報を正しく理解するための施策展開が、今後、都の重要な課題となりますが、どのような取り組みを具体的に進める考えか、伺います。

○幸田福祉保健局長 ご指摘のとおり、都民が医療情報を正しく理解し、医療機関を選択する際に有効に活用できるようにすることは、極めて重要な課題でございます。このため、セカンドオピニオンや緩和ケア病棟などの専門用語について、「ひまわり」の画面上でわかりやすい解説を加えてまいります。
 さらに、今年度から実施しております都民医療学習セミナーにおきまして、医師への上手なかかり方などをテーマとし、医療情報の活用方法などについても啓発してまいります。

○鈴木委員 これが「ひまわり」のチラシなんですが、既に平成十五年度の「ひまわり」アクセスは年間百万件あって、平成十六年度はもう年間百万件を超えたということでございます。「ひまわり」のこのパンフレットなんですが、より都民がわかりやすい、理解しやすいパンフレットにつくり直して、広報をしていただきたい、そのように要望をしておきます。
 都民がどれほど医療について学び、みずから判断しようとしても、極めて専門性の高い分野のことですので、医療従事者と同程度の理解に達することは難しいと思います。やはり何でも相談し、質問できる助言者としての身近なかかりつけ医の存在が重要になってくるわけでございます。
 このアンケートの中でも、かかりつけ医に診てもらった、医師の意見を聞く、これが、かかりつけ医のいない人は四九・八%、かかりつけ医のいる人は九一・三%。だから、かかりつけ医を持っている人は、やはりそれなりのきちっと確度の高い情報を当然得られるわけでございます。家族や知人、友人、近所の人や患者から医療機関の評判や意見を聞くという項目につきましても、かかりつけ医のいる人は六四・三%、そしてかかりつけ医のいない人は七三%ということで、やはりかかりつけ医の存在というものが、私どもの健康を維持増進していく上では、大変大事な存在であることがわかるわけでございます。
 しかしながら、ガイドラインに基づく医療機関からの積極的な情報提供も、都が構築していく情報提供の仕組みも、患者が納得し、みずから判断する際の支えとなることはいうまでもありません。
 例えば三月十一日金曜日の読売新聞には、NPOが評価機関を設置して、そして優良歯科医に認定証を発行するというものなんです。こういうような記事も載っておりましたが、インターネットなどで公開をする審査料は医院の負担とするということで、こういうような取り組みも始まっているわけでございます。
 検討会が最終報告の中で指摘しているように、医療機関及び都による取り組みと医療に対する都民の積極的な姿勢を通して、都民と医療機関との間の情報の格差が解消され、患者中心の医療が一日も早く実現するよう求めて、この質問を終わります。
 次に、海上公園についてお伺いをいたします。
 私は、昨年の第一回定例会において、海上公園を観光資源の観点からとらえて質問させていただきました。石原知事からは、海上公園の魅力を向上させるよう、発想と知恵を出し合って実を上げたいという力強い答弁をいただいたところでございます。今回もその延長線上に立って、具体的な提案をしてみたいと考えております。
 今、お台場海浜公園を拠点として、臨海副都心が大いににぎわいを見せている。ちょうど東京港の真ん中に位置するわけでございます。東京港の中でもう一つのにぎわいを見せている拠点といえば、羽田空港であると思います。
 同空港には、ビッグバードと呼ばれる待合施設を兼ねた複合施設、ターミナルビルがあり、一日十六万人から十七万人、年間で六千二百万人という大変大勢の人々が行き来をしているわけでございます。
 せっかくこうした観光資源があるのだから、例えば、城南島海浜公園と羽田空港を、さらに私の地元である大田区の区立公園とを海上交通を使って有機的に結べば、一段と魅力が増し、にぎわいをつくり出すことになると考えます。
 その手始めとして、都と民間事業者とが連携をして、船による遊覧ツアーを考えたらどうかと考えますが、いかがでしょうか。

○成田港湾局長 お話の海上公園の魅力を都民に紹介する企画としての船による遊覧は、海上公園の広大さや海と調和する美しさを体感し、また、景色としての港や運河を発見できるなど、意義深いご提案であると考えております。
 今後、城南地区の海上公園やレインボーブリッジなど、東京港の観光資源をめぐる船による企画ツアーを民間事業者とともに検討してまいります。

○鈴木委員 大変いい答弁をいただきました。船による遊覧ができるようになれば、また一段と利用者もふえ、活性化するわけですから、ぜひとも既存公園の桟橋を整備して、船による遊覧ツアーを早期に実現をしていただきたいと思います。
 ところで、今述べた城南島海浜公園ですが、年間約三十九万人が訪れるといいます。しかし、お台場海浜公園の二百万人には及ばなくとも、せめて葛西海浜公園の七十万人には肩を並べるぐらいになってほしいと思っております。もう一つ工夫をして、活気のある、利用される公園を目指すべきだ。
 そういう意味から、この公園の中心であるつばさ浜は、平成十四年にオープンして以来、家族連れなどに人気が大変あります。潮干狩りの時期などになると、所狭しと人出があって、大田区に住んでいる身としては大変うれしく思っております。また、自然が回復した証左だと思いますが、このつばさ浜では、毎年アサリなどの貝がよくとれます。
 そこで、こうしたことを活用して、にぎわいのあるイベントを提案したいと思っております。例えば、潮干狩りの時期を見計らって、家族連れなどに最大限の楽しみを提供するために、春のつばさ浜祭り、こういうようなイベントをやってはどうでしょうか。そこで、私の提案も含めて、城南島海浜公園における新たな活性化策についてお伺いをいたします。

○成田港湾局長 お話のように、城南島海浜公園は、平成十四年度のつばさ浜のオープンにより、着実に来園者が増加しております。都といたしましても、地元企業、また地元の住民の方と協力しまして、クリーンアップ大作戦として砂浜の清掃を実施する一方、平成十五年度からは海釣りや潮干狩りを解禁するなど、にぎわいの創出に努めてきたところでございます。
 ご提案の新たなイベントにつきましては、つばさ浜を活用しまして、例えば砂浜に立てた旗を取り合うビーチフラッグ大会といった、これはお子さんから大人まで楽しめる競技でございますが、こうした競技を企画するとともに、地元と連携しながら、試行的に実施してまいりたいと考えております。

○鈴木委員 私は、昨年の第一回定例会で、城南島の海浜公園を、特に若者を中心に利用してはどうか、例えば公園の広場を活用して若手ミュージシャンの育成の場などにしたらどうかという、こういう提案をさせていただきました。あるいはライトアップなどによって集客が見込めるのではないか、こういう提案をしたところでございます。
 加えて、若者に人気のあるストリートスポーツの拠点として、スケートボードやインラインスケートの走行のできる広場、最近若者に大変人気があるのですけれども、こういった広場として、今後も新たなる名所となるようなイベントとともに、施設についても検討するよう提案をしておきたいと思っております。
 いずれにしても、城南島連合会を初めとする地元の協力が必要で、精力的に協議を進めていただきたいと思っております。
 さて、次に、指定管理者制度について伺います。
 本定例会でも我が党の比留間幹事長が代表質問しましたが、海上公園に関連して、個別具体的な事項を中心に何点かお伺いをいたします。
 現在、公の施設の管理委託を行っている施設について、平成十八年度から新しい制度へ移行するということですが、そうしますと、四十二の海上公園すべてが対象となるわけです。先ほど述べた城南島海浜公園のように、広い砂浜やキャンプ場など多目的な施設を有する公園もあれば、大森緑道公園のように、運河沿いに緑化を施しただけの公園もあります。千差万別とまではいかなくても、文字どおり四十二とおりの公園があるわけです。
 地方自治法が既に改正され、制度の導入が不可欠である以上は、制度のメリットを最大限に生かさなければならないと考えております。
 そこで、具体的に、海上公園に指定管理者制度が導入されることによってどのようなところが変わってくるのか、伺います。

○成田港湾局長 類似施設におきます指定管理者制度導入の先行事例では、自然探索などのイベントの企画立案やスポーツ教室の種類の増加、また予約受付時間の延長など、制度導入の効果が顕著にあらわれてきております。
 海上公園におきましても、民間事業者等によるきめ細かな取り組みによりまして、新たなにぎわいがつくり出されるとともに、スポーツ・レクリエーション施設などでは、利用者が実感できるサービスの向上が図られると考えております。

○鈴木委員 これも大田区にある東京港野鳥公園についてですが、この公園は、そもそもの成り立ちからして、普通の公園とは異なっております。まだ大井ふ頭が埋立造成の最中に、自然に雨水がたまって池のようになったところに野鳥が飛来して、野鳥の宝庫となったところであります。
 その後、日本野鳥の会やボランティアの方々の強い情熱と当局のご努力の結果、今日の野鳥公園が生まれたわけでございます。現在でも、日常的にボランティアの方が下草の処理や来園者に対する観察指導に当たっているんです。
 また、野鳥公園には、毎年シギやチドリなどが飛んできます。東アジア・太平洋地域では、毎年最長一万二千キロメートルにも及ぶシギ、チドリの渡りが繰り返されており、野鳥公園も貴重な飛来地となっております。こうした飛来地の生息環境を守るための国際協働活動として、東アジア・オーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワークがあり、野鳥公園は、国内では谷津干潟などに次いで四番目の参加地となっております。
 こうしたことを踏まえて、野鳥が生息しやすい環境を維持するためのボランティア活動も地道に続けているところでございます。こうした野鳥公園特有のボランティア活動をどのように評価し、指定管理者制度の導入に当たってどのように生かしていくのか、伺います。

○成田港湾局長 お話のボランティア活動でございますが、昭和五十年代初頭から始まった歴史ある取り組みでございまして、来園者からも高い評価を得ているところでございます。
 具体的には、その専門的な知識や経験を生かしまして、来園者に対する野鳥の解説、例えばこれは東京都の鳥であるミヤコドリですよとか、これはパンダカモといわれておりますミコアイサですとか、そういった野鳥の解説や環境学習、また、野鳥の生息に適した干潟づくりなどの活動を年間百回以上実施しておりまして、公園の運営に不可欠なものとなってございます。
 このため、こうした実績のあるボランティア活動を今後とも十分生かせるよう、具体的な取り組み方針、内容などを盛り込んだ提案を事業者等に対して求めてまいります。

○鈴木委員 ボランティア活動というのは非常に大事でして、同じく森ヶ崎の水再生センターの屋上に、本当にまれなる野鳥が飛んでくるんですが、下草が生えて、去年は全くそういうような鳥が来なかった、こういう事実もありまして、やはりこういうボランティア活動をしてくださる皆さんをどう支援していくのか、これは指定管理者制度の導入に当たっても大変大きな課題だ、このように指摘をしておきたいと思います。
 先日、海上公園を海から船で視察をしてまいりましたが、改めて、羽田から葛西沖までに配置されているその広大さ、美しさに感動いたしました。そして、今まで、海を抱く独特の公園として都民に定着し、お台場海浜公園、大井ふ頭中央海浜公園、城南島海浜公園、葛西海浜公園など、年間で約一千六百万人もの利用者を集めているわけでございます。
 しかし、こうした立派な公園群にあっても、公園管理のあり方としては、残念ながら、我々都民の目から見るといただけない事例があります。
 例えば葛西の臨海公園と葛西の海浜公園がそうだと思います。陸地の管理と人工なぎさを含む海の管理で分かれているわけですが、駅から歩いて散策したり、あるいは海上バスで行ってみると、両公園の区別は全くつきません。しかしながら、問い合わせなどの窓口は別々になっていて、来園者にとっては非常にわかりにくいわけでございます。このような事例は、港湾局所管のお台場海浜公園と建設局所管の潮風公園の関係でも同じことがいえます。
 それで、これは実際乗ってみて私の感想なんですが、第一航路からお台場の方を見ると、約二キロにわたって海際に緑が映えて、副都心の景観を非常に重厚なものにしております。こうした景観を活用して観光の目玉にすれば、きっとすばらしいものになると思うわけです。
 例えば船の科学館から海際を通ってくれば、対岸は大井や品川のコンテナターミナルのガントリークレーンがまるでロボットのように見えるわけです。そこを過ぎてお台場に入っていくと、大小の岩礁で囲まれた自然の雰囲気があるいそ浜があり、その先には砂浜が広がって、来園者がはだしになって砂と海の感触を楽しんでおります。
 さらに足を運べば、第三お台場の史跡があって、桜の季節に見事な花が咲き誇り、子どもたちの社会見学のコースとしても、大人の散策コースとしても格好なものとなるのではないでしょうか。この第三お台場の先にある岩礁も一体的に整備して、歩ける、渡れる散策コースとして、観光スポットの一つに加えてはどうでしょうか。
 しかし、これだけの公園や水辺がありながら、建設局所管の潮風公園と港湾局所管のお台場公園に分かれていて、僕は、こういう発想さえも出てこないんじゃないか、利用者の立場に立った取り組みがなされていないのではないか、このように思うわけでございます。
 臨海部の活性化や効率的な管理のためには、こうした公園管理のあり方は阻害要因であります。今後、もっと利用者の視点に立って、都民の貴重な財産である公園の管理をするべきではないでしょうか。
 そこで、都市公園に隣接した海上公園の管理を、今回の指定管理者制度の導入でどのように変えていくのか、お伺いをいたします。

○成田港湾局長 ご指摘のように、海上公園と隣接する都市公園の現場管理を一元化することは、利用者サービスの向上や効果的、効率的な公園管理の観点から重要であると認識しております。このため、今般の指定管理者制度の導入を契機に、所管の異なる二つの公園を一体的に管理できるよう、その仕組みについて検討しているところでございます。
 今後は、お話のように指定管理者制度のメリットを最大限に生かしまして、これまで以上に都民が親しみを持ち、利用しやすい、魅力あふれる海上公園の創造に取り組んでまいります。

○鈴木委員 この指定管理者制度の導入によって、すばらしい発想がより生まれてくるような、そういう努力をぜひしていただきたいと思います。ますます使いやすく、より魅力のあるエリアとなるよう、海上公園は大きな観光資源であることを強く意識して、改革に取り組んでください。
 さて、最後に、沖ノ鳥島にかかわる知事の行動に対し、私も考えを述べさせていただき、知事にお考えをお伺いしたいと思います。
 韓国が不法占拠を続ける日本固有の領土である竹島について、島根県議会が三月十六日の本会議で竹島の日制定の条例案を可決するとのことです。まさに島根県議会の見識を示したものであり、国・外務省が動かないから県議会が行動したといえます。細田官房長官は、基本的には島根県の問題だとの立場をとっています。しかし、本当にそうなんでしょうか。
 さて、沖ノ鳥島にかかわる知事の行動は、東京が日本を守る、日本の国土を守ることの大義について、改めて国民の関心を呼び覚まし、全国レベルでその機運を高める契機となりました。国もこうした世論に後押しされて、遅まきながらようやく対策に重い腰を上げ始めたところでございます。
 我が党の吉野委員の質疑で明らかになったように、改めて申すまでもございませんが、沖ノ鳥島は、昭和六年七月の内閣告示により小笠原支庁に編入された日本の領土であり、かつ国連海洋法条約に基づき排他的経済水域を有する日本の島なのであります。
 こうした沖ノ鳥島は、長年、国際社会のどの国からも異を唱えられることもなく、日本の領土として極めて平穏に秩序が維持されてきました。
 しかし、昨年になって突然、中国が理不尽なご都合主義の主張と違法な海洋調査を繰り返すようになってきたわけです。その意図は海洋調査ではなく、軍事用海洋データの収集であることは火を見るよりも明らかです。
 こうした我が国の主権にかかわる国家危機に対し、石原知事は、もたつく国政をしり目に、ちゅうちょなく国政に具体的な行動を起こし、国を動かす先鞭をつけたわけでございます。私は、こうした沖ノ鳥島への取り組みを通し、改めてこの国日本を思う政治家のあり方について考えさせられたところでございます。
 思うに、国家の存在にとって、すなわち政治にとって最も重要なことは、主権と独立の保持にあることは言をまちません。十九世紀の英国の首相ベンジャミン・ディズレーリは、英国の思想的、国家危機を……

○樺山委員長 鈴木委員、早く答弁者をご指名ください。

○鈴木委員 新しい保守の理念と傑出した外交手腕によって乗り切りました。
 文学者として成功を得て政界に入り、広く国民の人気を集めた……

○樺山委員長 鈴木委員、時間が来ておりますので。

○鈴木委員 保守政治家であります。まさに天命をいただいた政治家といえると思います。政治家石原慎太郎知事に、政治家としての天命についてぜひお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。

○石原知事 政治家としての私の天命は何かということで、これは天命という限り、天のみぞ知るであります。(笑声)

○樺山委員長 鈴木あきまさ委員の発言は終わりました。(拍手)

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