東京都議会予算特別委員会速記録第三号

○樺山委員長 中屋文孝委員の発言を許します。
   〔委員長退席、野田副委員長着席〕

○中屋委員 先ほどの民主党さんの質問で、私は大変消化不良を起こしております。気分を変えまして、私がこれから切れのいい質問を何点かさせていただきたいというふうに思っております。
 十一日から始まりました予算委員会の質疑の場で、我々自由民主党が、都民の立場に立って全力投球している姿が放映をされております。常に大きな観点に立って、未来を創造しつつ、新しい日本、新しい自民党を我々がつくっていくことで、必ず元気な東京を実現していくものと固く信じております。
 そのためには、さまざまな東京都の山積する問題に対して、勇気を持って取り組まなければなりません。それが、たとえ国家的また外交問題といった大きな問題につながったとしても、我々は都民の安全を確保し、豊かで快適に過ごせる東京をつくらなければならないのであります。
 そこで、幾つか質問をさせていただきますが、誠意ある前向きなご答弁をぜひともお願いをいたします。
 東京都の主税局は、全国的に見ても大変優秀であると、高い評価をいただいております。このことは、率直に大変うれしいことであります。しかし、そんな優秀な主税局でありながら、解決できない案件があると聞いております。例えば、伺いますが、二十三区の固定資産税の納税義務者の数、及び課税対象となっている家屋の数、これはどれぐらいあるのか、まずお伺いをいたします。

○山口主税局長 二十三区内における固定資産税の納税義務者数は、約二百五十万人でございます。また、課税対象となっている家屋につきましては、約二百九十万件でございます。

○中屋委員 その今いわれました数のうち、所有者の所在が不明の建物は何件あって、固定資産税の課税はどのようになっているのか、お聞きをいたします。

○山口主税局長 建物が空き家の状態で所有者の所在が不明なものは百三十一件でございます。
 これらにつきましては、公示送達により納税通知書を発付してございますが、さらに住所等を調査するなど所在の把握に努めております。

○中屋委員 それでは、所有者、使用者不明の建物で、課税ができないものは何件ありますか、お伺いいたします。

○山口主税局長 災害等の不可抗力な事由によりまして、所有者、使用者ともに不明のため課税のできない家屋は、二十三区内で一件でございます。

○中屋委員 恐らくその建物は、私の住む文京区の小日向にあります清華寮という建物だと思います。これ、ちょっと今パネルを、鈴木先生お願いいたします。
 (パネルを示す)この建物であると思います。今後、主税局として、この清華寮について、どのように取り組んでいくつもりか、まずお伺いをしたいというふうに思っています。

○山口主税局長 お話の清華寮につきましては、国有地の上に所在して、所有者である法人の実体がなくなり、所有権を正当に継承している者等も判明しておらず、国において所有権の帰属を明らかにしていないものでございます。
 課税をするためには所有者の特定が必要でありますので、今後とも国への働きかけを行い、所有者の特定に努めてまいります。

○中屋委員 これは、いわゆる、もう昭和二年にでき上がった建物でございまして、当時は、台湾という国が日本の統治下にありましたから、その中で学租財団という財団がつくりまして、今現在に至っているわけでありますが、戦争が終わりましてから、この建物は所有者が不明という形になっております。今現在も、今パネルを見ていただいてわかるように、大変荒れ果てているわけであります。
 この問題をこのままにするということは、大変危険きわまりないわけでありまして、過去にも国会の中でも取り上げられておりますけれども、この問題につきましては、地元の町会長さんだとか、またその方が地元の文京区の議会の議長さんも務めていらっしゃったほどの、そういう方が長年取り組んできた問題でありますけれども、常識的に見ても、警察、また消防の観点で考えても、私は、大変地域の所轄は困っているというふうに思います。あえて、警察、消防の答弁はいただきませんけれどもね。いたずらにこのお化け屋敷のような状態で、この放置というものをすべきではないと私は思っておるんです。
 ましてや、今、何人か外国の方がいるようでありますけれども、この建物自体を取り壊せとか、出ていけとか、こんなことを私はいっているのではないわけでありまして、所有者をはっきりさせていただきたいと。まず、その地元を初め、私はそう願っているわけであります。
 しかし、こうした非常に難しい問題について、石原知事は大変信頼を、台湾というところからも大変厚い信頼を受けているわけでありまして、こうした問題は、石原知事にしか解決できない問題だと私は思っているんです。ぜひ、知事にこの問題に取り組んでいただきまして、地域の安全と、そうした都民の声にぜひこたえていただきたい、こう思っております。
 知事、いかがでしょうか、お答えをいただきたいというふうに思います。

○石原知事 この案件につきましては、私、先日初めて耳にいたしました。聞くところ、中には台湾系の人と大陸系の両側の人が住んでいるそうですが、それぞれのコミュニティをつくって、そこでは紛争もなしに共存しているようでありますけれど、いずれにしろ、これは基本的に、土地を管理している国の責任において所有者を確定することだと思います。
 都として、文京区と連携をとりながら国に働きかけてまいりますが、私なりにも国のしかるべき部門に、この問題の解決を国の責任で一刻も早くするように、申し込みます。

○中屋委員 ありがとうございます。いずれにしても、戦後六十年の間、全く所有者がわからない状態で放置されているわけでありますから、ぜひ知事には、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 続きまして、中高一貫教育校につきましてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 都は、平成十七年度開校予定の都立白鴎高校附属中学校を皮切りに、今後、全都で十校の中高一貫教育校を計画されております。
 去る二月三日に行われました都立初の白鴎高校附属中学校の一般枠募集には、十四倍を超える応募があったと聞いております。これは、都民の中高一貫教育校への強い期待のあらわれだと思っております。
 また、実施をされました適性検査、大変多方面でも話題になっておるようであります。私は、友人で塾を経営しているオーナーがおりますけれども、大変衝撃を受けておりまして、今後、都立のこの都立一貫教育校を対象とした受検対策ですね、これは単に知識の詰め込みだけでは、これは受からない、こういっておりました。
 よく見る場面で、鉛筆の持ち方もできない、あいさつもできない、しかし頭はいい、問題は解ける、それで学校は入学できた。しかし、これからはそういう時代ではないと。きちっとそういうところも教えていく、そういう塾でないと経営が成り立っていかないと、こんな話をしておりました。
 私も、この適性検査の部分を新聞で見ましたけれども、一つの正解をそこに求めるということではなくて、日常の体験をもとにしました問題でございまして、難しいことを聞いているわけではないようなんですが、自分の考えをきちっと整理して答えなければならない、こんな出題だったというふうに思います。私は、大変工夫をされた出題だなと、こんなふうに思いました。
 今回、その入学を決定するに当たりまして、適性検査を実施したわけでありますけれども、その結果についてどのように評価をされているのでしょうか。教育長の見解を伺います。

○横山教育長 都立白鴎高等学校附属中学校の入学者を決定するに当たりまして、特定の教科の知識や理解ではなくて、小学校での学習活動全般で身につけた総合的な力を見るために、適性検査を実施したわけでございます。
 今回の適性検査では、正答が一つに限らない、こういう問題があったわけですが、子どもたちの個性や能力を反映した回答が多かった。そこの中で、思考、判断、表現する力であるとか、あるいは分析、考察する力を見ることができたと考えております。
 また、回答の中の豊かな表現や、あるいは論理的な説明などから、将来のリーダーとして必要な資質の片りんを見ることができたものと考えております。
 このように、小学校での学習成果や個々の資質を見ることができたことから、今年度実施しました適性検査につきましては、成果があったものと自己評価をいたしております。

○中屋委員 子どもたちの個性、そして能力を反映したという回答が多かったということで、私も非常に頼もしく思っております。
 新しい中高一貫で求められる判断力とか分析力、これはすべての子どもに、小学校教育で醸成をする必要があると私は思います。この取り組みは、区市町村教委の役割であろうかと私は思いますけれども、都のそうした--都教委にも、ぜひご支援をいただきたいと、こういうふうに思います。
 また、白鴎高校の附属中学校では、特色を出す、いわゆる伝統・文化の教育を推進していると、こういうことでございます。畳の上での立ち振る舞いとか作法、こういうものを授業に取り入れたり、囲碁、将棋、茶道などのいわゆる畳の部屋で行われる伝統的な日本文化、そうした部活動を活発に行うと、こういうふうに聞いております。
 私は、日本の伝統・文化の根幹には、日本の礼儀作法があるというふうに思います。恭敬和親という言葉がありますけれども、これは相手を慎み敬う気持ちを持って、親しみ、仲よくするということであります。礼儀作法というのは、お互いに思いやりと真心を大切にして、コミュニケーションを円滑にするための手段でもあります。
 二十一世紀にグローバルに飛躍する、また今後の日本を担っていく、すべての若者にとって最も大切であり、必ず習得しなければいけないものが、日本の礼儀作法であると私は思います。ひいては、日本の伝統・文化であるというふうに私は思います。
 私は、こうした伝統・文化教育は、大変すばらしいというふうに思います。こうした文化活動が、どこのいわゆる学校でも行われるように、畳の部屋、これを整備をしていただいて、積極的に取り組んでいただきたいと、強く要望をしておきます。
 次に、私の地元にあります都立小石川高校が、平成十八年に中高一貫教育校に改編をされます。母体校であります都立小石川高校は、社会のリーダーたる人材を数多く輩出をしてまいりました伝統校であります。ぜひこの輝かしい伝統を引き継ぐとともに、日本の教育をリードしていくような学校にしていただきたい、こう思います。
 そこで、この学校がどのような特色を持っているのか、教育長にお伺いをいたします。

○横山教育長 文京区に設置をします予定の中高一貫教育校の特色につきましては、母体校となります小石川高等学校の伝統や実績を継承しますとともに、日本学術会議の組織的な支援を受けて、理科好き、数学好きを育てる自然科学教育を特色といたしております。
 とりわけ、大学や研究所と連携しました理科の学習につきましては、実験や観察を中心とすることによりまして、生徒に最先端の科学知識や科学的な物の見方、考え方を身につけさせまして、発明、発見の意欲など創造力の育成を重視することとしております。
 さらに、六年間にわたります教養教育を通じまして、生徒の総合的な学力を培いますとともに、自主性、主体性などを育成し、将来さまざまな場面や分野でリーダーとして活躍できる人間を育成してまいりたいと考えております。

○中屋委員 私は、昨年の一定で質問をいたしました中で、日本の国際競争力は、過去十年間で一位から三十位まで転落をしたといいました。こうした状況を回復するためには、十年、二十年後に高い競争力を、技術を持って世界じゅうからロイヤルティーを獲得できるような、知的財産を創造できる力のある人材を計画的に輩出すべきだと私は申し上げました。すなわち、教育の役割が何よりも肝要であると私は申しました。
 こうした点から、子どもたちすべてが大きな夢、希望を持って、創造性豊かに世界に通用するすぐれた知的財産を生み出せるような人間となる教育を、小中学校の段階で進めることが極めて重要であります。
 そこで、今後、総合的な学習の時間などで、生徒の興味、関心を大切にして、創造性や才能を伸ばす教育活動の充実をどのように進めていかれるのか、教育長にお伺いをいたします。

○横山教育長 お話の、その総合的な学習の時間につきましては、地域や学校、生徒の実態等に応じまして、横断的かつ総合的な学習や、生徒の興味、関心等に基づきます学習など、創意工夫を生かした教育活動を行うものでございますが、現在、各学校では、選択教科や総合的な学習の時間などで、豊かな個性や創造力を育てる学習活動を進めております。
 今後、文京区に設置します予定の中高一貫教育校においては、生徒の個性、能力の伸長や学習意欲を高めるために、総合的な学習の時間の活用のほか、自然科学を初めとします各分野で、最先端の学問等に触れる体験など、多様な教育機会の充実を図ってまいります。

○中屋委員 こうした小石川高校のような、地域で期待をされている伝統校でありますから、時代の要請にこたえた新しい中での中高一貫教育校として、東京の教育を大きく変えていく原動力になっていってもらいたいと、こう思います。
 今後、順次十校が開校されることになりますけれども、二十一世紀の我が国を支える人材の育成を目指して、切磋琢磨をして都民の期待にこたえていくように、強く要望をいたします。
 そして、もう一つございます。
 子どもたちは、勉強ばかりやっていても、これはいけないわけであります。文武両道という言葉があるように、子どもは、小さいときに勉強と運動を同時にやっていくことによって、子どもたちの才能というものが開花をしていく、そういう要因に私はなっていくものだというふうに思います。
 特に、学校での運動の部活動の活性化というものは、大変重要であるというふうに思いますけれども、こうしたその部活動につきまして、どのように今後取り組んでいかれるのか、教育長の所見をお伺いをいたしたいというふうに思います。

○横山教育長 お話のように、児童生徒の健全な成長のためには、児童生徒の体力向上を図ることがぜひとも必要でございます。そのため、各学校体育に関します実技講習会の実施であるとか、指導資料の作成、運動部活動推進重点校の指定などを行ってまいりましたが、今後、実は昨年十月に設置をしました部活動基本問題検討委員会におきまして、ご指摘の外部指導者の活用を含めた部活動の総合的な振興策を、本年八月を目途に策定する予定でございます。
 また、平成十六年度より行っております体力向上のモデル地域の成果を普及啓発するなどしまして、児童生徒の体力向上策を積極的に推進してまいります。

○中屋委員 次に、間近に迫ってまいりました団塊世代の大量引退、これは、いわゆる二〇〇七年問題としてクローズアップされております。日本のものづくり産業を支えてきた多くの技能者が定年を迎えることから、その技能が受け継がれないことが懸念をされております。
 こうしたその技能伝承の危機は、実は既に十年も前から指摘をされておりました。今まさしく次代を担う若者に、ものづくりの技能を伝承することは、東京の活力を維持発展させていく上で、極めて重要なことであります。
 私は、海外視察研修で、ドイツの職人制度、いわゆるマイスター制度を調査したことがございます。この制度は、職人を目指す若者が、マイスターのもとでわざを磨いて資格を取得するというものであります。このような取り組みが、ドイツの今の技能の伝承というものを支えてきた大きな要因であると思います。
 ところで、都は、ものづくりのわざを持ちます職人に若者を弟子入りさせる職人塾を十七年度から新たにスタートするというふうに聞いております。この職人塾の事業のねらいは何なのか、お伺いをいたします。

○関谷産業労働局長 お話の職人塾という事業は、若者が一カ月程度、すぐれた技能を持つ職人のもとで技能の世界を体験するというものでございます。参加する若者には、職人が持つ誇りとわざはもとより、仕事に打ち込む熱意なども学んでもらいたいと考えております。こうした体験を通しまして、就労へのきっかけづくりと、ものづくりの魅力を発見してもらうことをねらいとしております。

○中屋委員 鉄は熱いうちに打てという言葉がありますけれども、若い時代に夢とか希望とかを持って、何事にも興味を持ってチャレンジするということはとても大切なことでありまして、将来必ず役に立つものと私は信じております。若者がものづくりに触れ合って、労働に汗することは、とても貴重な体験であります。ものづくりの基本は、物に触れて感動することであります。
 この職人塾において、体験先である職人とはどのようなところを考えておられますか、お伺いをいたします。

○関谷産業労働局長 体験先といたしましては、弟子として入門する若者に対して、マン・ツー・マンの指導をお願いできるところを考えております。具体的には、ものづくりの現場でじかに技能の習得が見込める貴金属工芸、家具、畳などの分野において、積極的に後継者育成に取り組んでいる事業主などを想定しております。

○中屋委員 くれぐれも、東京都の方からそうした職業を限定するとか、多種多彩でいろんな方々がおられるわけで、余り決めつけずに、こうした問題は大きくとらえてやっていきたい、こういうふうに思います。
 ものづくりの後継者育成に向けて取り組みを始めたということは、大変歓迎すべきことであります。若者に就労のチャンスを与える、そして、東京における技能の伝承の第一歩となりますように期待をしております。この職人塾を通じて、ものづくりのわざと心を学んだ若者が、少しでもものづくりの現場に定着することが私は必要であるというふうに思います。
 この事業を確実に成果を上げていくために、受け入れ先との調整というものは十分に図っていただきたい。基本的には、今受け入れられるような職人さんというのは少ないというふうに思います。むしろ、育てるよりも自分の会社やお店を何とかしてほしい、こういうふうに思っている人たちの方が多いわけであります。しかし、これから未来のことを考えたときに、若者を育てなきゃいけない、そういう観点に立って、職人さんたちが一生懸命育てていくということを忘れずに、いろいろと協力をしていただきたい、こういうふうに思っております。
 そしてまた、いろいろと伝統工芸品も含めて、職人さんたちが今まで伝承してきたものというものは、形になっていろいろと現在もあるわけであります。その中に、べっこうというものがございます。このべっこうというのは、もうご存じのように、江戸べっこうと、こういわれているぐらいに大変歴史があるわけであります。
 べっこうというのは、タイマイというウミガメの甲羅をいうわけであります。これはいうまでもありませんが、ワシントン条約でもう既に輸入が禁止をされております。新たな入手ができないわけであります。しかし、今さまざまなところで、これを何とかしようということで、自前のタイマイは何とかできないものかということで取り組んでおられます。
 今、沖縄の石垣島というところで養殖をいたしておりますけれども、実は、産卵が確認をされました。これは世界でも大変珍しいことであります。しかし、日本の海域の水温というのは二十五度に満たない。タイマイを養殖することができる水温というのは二十五度といわれております。石垣島が今、大体年間の平均が二十四度ぐらい、超えるぐらいかといわれておりまして、実はそことほぼ同じ緯度である、我が東京都には小笠原という、父島も含めて大変恵まれた環境があるわけであります。そこの水温が、年間、石垣島と一度ぐらいしか変わらないということでありますから、少し水温を研究することによって自前のタイマイを養殖できるのではないか、こう思っておりまして、まさに東京都で養殖をした自前の江戸べっこうというものが現実に少しずつ見えてきているのではないかと私は思っております。
 いずれにしても、今、研究段階でありますから、石垣島でこれから安定した養殖が可能になれば、東京都としてもぜひ小笠原で、新しい産業の一つとしてタイマイの養殖というものを考えていただきたい、こういうことを強く要望したい、こういうふうに思います。
 続きまして、中小河川の利用につきまして何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。
 江戸の時代から、河川、運河は、人の荷物や、そして人が行き来する場所として栄えてまいりました。しかし、陸地を中心とした開発が進められてきた結果、水辺のにぎわいは全くなくなってしまいました。東京の水辺がかつてのようなにぎわいを取り戻すためには、それぞれの地域が、河川や運河など水辺が本来持つ魅力を十分に生かしながら、水辺に親しめるような取り組みを進めていくことが重要であると思います。
 そのことについて、まずは所見を伺いたいというふうに思います。

○関谷産業労働局長 隅田川や運河等を観光資源として活用し、東京を新たな都市空間として再生することを目的に、東京の水辺空間の魅力向上に関する全体構想の策定を開始いたしました。地域が水辺空間を活用し、にぎわいを創出するためには、地域の発想を生かしていくことが重要であり、構想では、観光、景観、回遊性などを重視し、ソフト、ハードの両面から検討を進めてまいります。

○中屋委員 よく研究をしてもらいたいんですけど、水辺の持つ本来の魅力というのは十分に、これはいろいろと地域によって特色が違うというふうに思いますけれども、まさに人が行き来できるような交流の場として活用されるということが、まず一番最初に求められることであろうかというふうに思うんです。
 私は文京区に住んでおりますけれども、神田川という川がありまして、私は、この神田川をいつしか人が行き来できるような、都民の足として実現できるようなことを日ごろから運動し、研究をしておりますけれども、先日、都の方からも協力をいただきまして、神田川をいわゆる周遊してきました。
 川から見上げますと、私は隅田川から入りましたけれども、柳橋、万世橋、聖橋と、こうした船から見る景色というものは、本当に新しい東京の魅力、顔を見るようで、大変楽しい思いをいたしました。これは恐らく都民の方々も望んでいることだというふうに思います。
 しかし、今申し上げましたように、中小河川はいろいろな縛りがございまして、都民が自由に護岸をおりまして船着き場を利用できるような状況には、実はないわけであります。これを何とか船着き場というものが都民に開かれた状態で利用できれば、私は、神田川初め日本橋川も含めまして、新しい東京の顔を発見できる新しい政策の、水辺のにぎわいを取り戻す大きなテーマの一つになっていくものだというふうに思います。
 この既存の船着き場の利用を進めるべきだと私は思いますが、所見を伺いたいというふうに思います。

○岩永建設局長 防災船着き場は、震災などの災害時に、船により迅速に被災者を避難させ、緊急物資を輸送するための施設であります。
 神田川など中小河川に設置されました防災船着き場の平常時の利用につきましては、利用者の安全の確保、施設の管理と運営の仕組みに加え、施設を管理する地元区や船着き場周辺住民の理解と協力などが必要と考えております。
 今後、水辺空間の魅力向上に関する全体構想を踏まえまして、地元区などと連携しながら、防災船着き場の利用を検討してまいります。

○中屋委員 今ご答弁いただきましたけれども、護岸を利用できるためには、やはり東京都がリーダーとなって地域の自治体に声をかければ、つくっているのは東京都なんですから、護岸も管理しているのは東京都なんですから。ただ、何か災害が起きたときにすぐに出動しなければいけない地域の自治体が、そうした管理を任されているだけなんでありますから、こうした大きな観点に立って理解をしていただいて、一歩でも二歩でも、この水辺空間を利用するために、皆さん方に工夫をしていただいて進むように、今後ともよろしく取り組んでいただきたい、こう思います。
 続いて、消防団についてお尋ねをしたいというふうに思います。
 私は、かねてから消防団の活性化につきましては幾つか提案をして、実現をさせていただいたわけであります。これはいうまでもなく、我々と同じ思いに立って、消防総監初め署員の方すべてが、活性化に向け、日夜努力をしている結果であると私は思います。
 例えば、私が提案をした、実現をした中に、二年前に小型船舶免許取得というものを実現をさせていただきました。これは大変若手の消防団の育成、活性化につながっていると私は聞いておりますし、地域でも大変喜んでいただいております。
 しかし、現在、最も深刻なことは、圧倒的に消防団が高齢化になっているという現状であります。恐らく一番多いのは、多い年齢は、五十代から六十代であるというふうに思います。そして一番少ないのは、十代から二十代ではないでしょうか。私は、この年齢構成状況を逆転しなければ、将来の東京における防災活動は伸びていかないと考えております。
 そこで、今、消防団員に入隊できる年齢というのは幾つになっているか、お伺いをいたします。

○白谷消防総監 特別区の消防団に入団できる年齢につきましては、特別区の消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例により、十八歳以上の者となっております。これは、労働基準法第六十一条に定める深夜業の制限及び第六十二条の危険有害業務の就業制限の趣旨によるものであります。

○中屋委員 今ご答弁いただきましたけれども、採用年齢は十八歳と、こう明記をされておりますね。私は、法律とか公務員法もわかりますけれども、今の現状を考えたときに、十八歳というのは、いわゆる学校に、大学に入ったり就職をしたりとか、地域をあけることの方が多いというふうに思うんですよ。しかし、十六歳から十八歳というのは、まだ家にいる時間が非常に長いわけでありまして、こうした若者を、やはりそこに私は--消防団の年齢の部分について消防庁がご理解をいただければありがたい。だから、いっそのこと、年齢を十六歳から消防団の予備隊として入隊を認めたらいいのではないかと私は思います。
 これは乱暴なことではなくて、十六歳から予備隊でありますから、十六歳から--なぜ私がこうやっていっているかというと、現在、少年消防クラブというものがありまして、ここで拡大をしてもらって、十五歳までになっていると思いますけれども、十六歳から十八歳まで枠を拡大してもらえれば、十六歳から十八歳の間、地域でいろいろと、地域の先輩方にしつけをされながら、悪い道に入らないように、成長していくように私は思っているんです。
 ですから、総監におきましても、十六歳から学ぶことがとっても重要であると思いますし、消防団の中の組織に従う、そして行動する、人間関係を初めいろいろな訓練をすることによって、青年たちは必ず成長するものだと私は思っているから、今質問をさせていただいたわけでありまして、どうか、今後いろんなハードルがあるかというふうに思いますけれども、総監におきましては、いろいろと解釈を工夫しながらそうした方向に、そして、安全で安心な首都東京をつくるために協力をしていただきたい、こう強く強く要望させていただきまして、私からの質問を終了させていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

○野田副委員長 中屋文孝委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。
   午後七時休憩

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