東京都議会予算特別委員会速記録第四号

○樺山副委員長 花輪ともふみ委員の発言を許します。
   〔樺山副委員長退席、委員長着席〕

○花輪委員 いよいよ最後ですね。頑張ってやりましょう。
 まずは、エレベーターの話から入らせていただきます。
 エレベーターに乗りますと、まず右あたりにボタンがあります。ボタンの上をちょっと見ると、エレベーターをつくったメーカーの名前、例えば三菱とか、日立とか、オーチスとか書いてあります。その下に目をやると、そのエレベーターを管理している、そんな会社の名前が、ステッカーが張ってある場合が多いわけです。
 大体日立さんがつくったエレベーターは日立何とかという、いわゆる日立さんの系列の会社。三菱がつくった場合には三菱何とかという三菱さんの系列の会社。私は、それを見まして、ああ、きっと三菱がつくったエレベーターは三菱が保守点検、メンテナンスをするのが一番効率的だし、安いし、そして、安心・安全なんだろうな、日立がつくったのもそうなんだろうな、そんなふうに思っていました。
 ある日のことでした。私の知り合いのビルのオーナーさんが、花輪君、エレベーターのメンテナンスの会社をかえたらば、今まで一カ月に七万円もしていた保守点検のお金が三万円代になったよ、そんな話をされました。え、何でですかという話をしましたら、今までエレベーターの会社というのは、ある意味寡占状態、会社が幾つかしか、限られて、いません。ということは、メンテナンスをする会社も寡占状態です。そこには競争がなかったわけですね。ですから、高くなっていたんだ。値段が高どまりしていたんだ。ところが、ここのところは、保守点検だけする会社が随分出てきて、そういう会社にお願いすると、随分安くできるんだよ、そんな話をされました。
 いや、とはいわれても、例えば私が東芝の社員だったり、また、ほかの会社の社員だったら、ほかの関係ないところに部品を卸すのは嫌ですし、また、マニュアルなんかも出すのは嫌だな、意地悪しちゃうんじゃないかな、そんなことをいいましたらば、いや、もう今はそんなことはないんだ、公正取引委員会もそういうところに目をつけて、それをやっちゃいかんぞと。また、裁判所でも、それはやっちゃいけないという、そんな判決が出ているということでした。
 だったら、東京都でもやったらいいんじゃないか。私はそんなふうに思いました。
 まず、お尋ねいたします。東京都はエレベーターを幾つお持ちですか。

○櫻井財務局長 学校、警視庁、消防庁も含めた都全体では、約三千九百台のエレベーターが設置されております。そのうち約六割の二千三百台が都営住宅に設置されており、事務所などの一般庁舎で約三百台設置しております。

○花輪委員 三千九百台ですね。びっくりします。
 これ、メンテの金は一年間に幾らかかっているでしょうか。

○櫻井財務局長 今お話しした約三千九百台のエレベーターの保守点検委託経費は、全体で年間約三十三億円であります。

○花輪委員 三十三億円です。やる気が出ますね。
 今、このエレベーターの保守点検の契約の方式、例えば一般競争入札とか、指名競争入札とか、または特命入札ですね。特命発注ですか。随意契約。こういうような入札の種類があると思いますが、どういう契約の方式になっていますか。

○櫻井財務局長 エレベーターの保守点検委託は、整備点検と部品交換などを行うことも含めましたフルメンテナンス契約として、メーカーまたはメーカー系のメンテナンス会社との特命随意契約がほとんどであります。しかし、約二百台について競争入札による委託契約をしております。

○花輪委員 三千九百台のうち二百台以外、三千七百台は、今のところ随意契約ということでございますが、どうして随意契約なんですか。地方自治法では、たしか随意契約にするためには、それなりの理由が、随意契約にせざるを得ない理由というのが必要だったと思うんですが、そのあたりをお答えください。

○櫻井財務局長 エレベーターの特命随意契約の理由ですけれども、メーカー系列以外の会社と保守委託契約を行った場合、部品等の入手が困難なこと、故障の際の緊急対応が十分でないことや、メーカーとの責任分担が不明確であることであります。
 一方、メーカー系列と契約することでこれらの問題が解決できるとともに、迅速かつ的確なサービスが期待できることなどから、特命随意契約としてきたところであります。

○花輪委員 先ほどの私の最初の話を聞いていただければ、もうそのような心配はないこともおわかりになるかと思います。
 せんだって、私は千葉県に行ってきました。千葉県では、最近、メーカー系列だけじゃない、メンテナンスだけをされる、そういう会社も入札に入れたらしいんです。そして、本庁舎、県庁舎ですね。そして、警察本部の建物、また、議会の建物、この議会は三十年ぐらいたっているエレベーターだそうですが、そういうところに入札をかけてやったらば、何と三分の一ぐらいになっちゃったという話なんですよ。
 また、住宅局もそれなりに頑張って、今少しずつやっているらしいんですが、住宅局がやったやつは、入札をかけたらば、六割ぐらいまで下がってきた。四割値段が下がったという話なんですね。ですから--住宅局はまだ試行なんです。なかなか本格的にはいかないんですと、まだいっているんですが、ぜひ本格的に、全庁的にこの契約の方法を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○櫻井財務局長 契約に競争入札を導入した事例を見ますと、契約金額は下落しておりまして、コスト縮減効果は大きいと思います。
 一方、今お話にありました千葉県庁の例がございましたけれども、その場合、例えば故障の際に一週間程度停止せざるを得なかったと、こういうような事象も実際に起きております。
 したがって、これまで特命随意契約により確保していました機能維持や故障発生時の迅速な対応などについて、メーカー系列以外の場合にもリスクが生じるなどの課題がありますので、そういうことをきちんと保障するような仕組みを考えなくちゃいけない、こういうことでございます。
 したがいまして、競争入札の導入につきましては、機能や安全性が適切に確保できるよう、エレベーターの規格や設置された年度、相手方の履行能力などを見きわめながら、今後、順次拡大していきます。あわせまして、特命随意契約につきましても民間とのコスト比較などを行い、さらなるコスト縮減に取り組んでいきます。

○花輪委員 エレベーターの管理運営、確かに安心・安全、これは大事だと思います。ですが、コストとの見合い、どれだけリスクがとれるか、そのあたりも十分検討されながら、新しいことに取り組むのは勇気が要ることかと思いますが、ぜひ頑張ってやっていただきたいと思います。お願いします。(「何でも安ければいいってものじゃないよ」と呼ぶ者あり)安心・安全も大事だと思います。
 次に、外郭団体の問題についてお尋ねしようと思います。きょうは、外郭団体や天下りの問題についてしっかりと向き合うという、そんな意味からいろいろと質疑をさせていただければと思います。
 まず一番最初に、全体像というか、それを把握させていただくために、東京都が補助金とか、または交付金、そういうことでおつき合いしている団体、または役所のOBの方がそちらに再就職をされるとかでおつき合いをされている、そういう団体は全部で幾つぐらいあるんでしょうか。

○櫻井財務局長 補助金などの交付先についてでありますけれども、予算、決算は科目別、事業別に編成、調製しているものでありまして、補助金などの交付先の団体別に整理しているものじゃありません。また、いわゆる包括補助金、メニュー補助金など、あらかじめ交付団体数を確定できないものもあります。したがって、お尋ねの団体数については不明でございます。

○花輪委員 要は、東京都が今補助金を出している、交付金を出している、その団体の数がわからないということがわかりました。
 私、今、手元にあるのは、監査委員が調べています、自分たちが監査しなければいけない団体、お金を出している団体、財政援助団体等監査対象内訳表というのがあります。ここでは二千六百九十三団体、いわゆる補助金とか交付金を出している団体があるというふうに、監査委員調べということで出ております。恐らく今財務局長がわからないといったということは、これ以上に、もしかしたらあるのかなと、そんなふうに考えます。
 では東京都が、例えば、株式を持っているとか、財団法人でいえば出資している、出捐金を出している、出資をしている団体というのは幾つぐらいあるんでしょうか。

○櫻井財務局長 東京都が出資している団体ということでございますけれども、平成十四年度末におきまして、一般会計で出資、出捐している団体は百二十一団体であります。

○花輪委員 今、一般会計でというただし書きがつきました。ということは、水道会計とか、下水道とか、都営地下鉄とかが入っていないんですね。さっきエレベーターのことを聞いたときには、一遍に全部、都営地下鉄から、水道から、全部の数が出てきたんですが、財務局長、どうして出てこないんですか。

○櫻井財務局長 公営企業会計等々につきましては、各公営企業管理者の方で出資しているという部分もございますので、私どもで直ちに把握できない、こういうことでございます。

○花輪委員 エレベーターの数は把握できるけど、出資している全体像というのは見えていない。自分が株式を持っている、また、出捐している団体の全体像が見えていない。また、私が調べたんですが、それぞれの決算書を引っぱがしまして、水道とか下水道とか、都営地下鉄、全部入れると、大体百四十前後になるんじゃないかな。これも、数は私が勝手に調べたもので、正しいかどうかわからないけど、そのぐらいの想像はつくと思います。
 では、全体が二千六百幾つか、それ以上あるのか、そういうふうにお金とかでおつき合いしている団体があり、また、出資をしているという意味では百二十か百四十か、そのぐらいの団体がある。そういう中に、監理団体とか報告団体があるというような、そういう考え方でよろしいんでしょうか。

○赤星総務局長 都が出資等を行っております団体のうち、都の関与の必要性から、監理団体及び報告団体の区分を設けております。
 まず、都が出資、出捐し、継続的な財政支出、人的支援を行っている団体で、全庁的に指導監督または関与を行う必要のある団体を監理団体として指定しております。
 また、都が公益上の必要性から、出資あるいは委託等を行っている団体であって、都の出資割合が低い、あるいは都の財政支出がない等により、監理団体のような特別な関与、指導の必要性が低い団体を報告団体として、運営状況の報告のみを求めております。

○花輪委員 今は監理団体と報告団体の差について答弁をいただいたんでしょうか。
 では、報告団体は後にしておきますが、まず監理団体、改革をされたというお話ですが、改革の目的と成果について、また、進捗についてお答えください。

○赤星総務局長 監理団体改革でございますけれども、団体の設立趣旨までさかのぼりました抜本的な見直しと経営改善を行うことによりまして、団体の自立的な経営と都民サービスの向上を目指すものでございます。そのため、平成十二年に監理団体改革実施計画を策定いたしまして、都財政支出などの数値目標を掲げまして、見直しに取り組んでまいりました。
 その結果、都財政支出額につきましては、七百二十億円減の目標に対しまして、十四年度決算で九百六十七億円を削減いたしました。職員数は、九百五十人削減の目標に対しまして、平成十五年八月一日現在で千六百八十三人の減、役員数も、四十二人削減の目標に対しまして、四十五人の削減となっております。

○花輪委員 監理団体については一生懸命されて、天下りといわれる方々の退職金もなくされたというようなお話をお伺いしました。自分たちの先輩が行かれているような団体の改革、そこで退職金をなくしちゃうとか、お給料を減らすとか、または団体そのものをなくしてしまうとか、そういうことをするのは大変ご苦労があったかと思います。そのあたりは、知事とか、また所管の方々、私は率直に評価をさせていただきたいな、そんなふうに考えます。
 ただ、私からいわせると、まだまだもうちょっと頑張ってほしいな、頑張った方がいいな、そんなことがあるので、少しきょうはいわせていただきたいと思います。
 まず、監理団体のトップの多くが、二年とか三年で定期異動のようにかわってしまっているんですね。私もここに、監理団体のトップのすべての在任期間の表をいただきましたが、一年で終わってしまう場合もあれば、二年、三年、そんなところが、大体四十七団体のうち、三十団体以上は三年未満で終わってしまうわけです。まるで公務員の定期異動のようですよね。
 私、トップの人というのは、もうちょっとちゃんと腰を据えて、しっかりと団体の管理とか運営というものに目を光らせていただきたい、そんなふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○赤星総務局長 監理団体の役員の選任につきましては、各団体の要請に基づきまして、団体が都政に果たす役割にかんがみまして、職員の能力と実績を考慮いたしまして、適材適所の観点から役員にふさわしい候補者を推薦しておりますが、監理団体のトップは、都の現職局長級職員を充てていた例が前にございました。
 このため、在職期間が短いものがございましたけれども、平成十二年十一月の監理団体改革実施計画に基づきまして、これを順次解消し、責任あるトップを置く方針でございます。

○花輪委員 順次解消していただいているそうですが、例えば、住宅供給公社の理事長のポストについて見てみたいと思うんです。(発言する者あり)それはすばらしかったです、本当に。
 平成十二年九月からの二年弱、理事長さんが不在だったそうです。理事長がいなくて大丈夫だったんですかと聞くと、大丈夫でしたとお答えになります。なぜかと聞けば、優秀な副理事長が住宅供給公社の代表者としての職務をこなしていたとおっしゃいます。では、なぜその人を理事長にしなかったのかと聞くと、お答えがないんですね。
 その方は、都庁退職時のポストは教育長だったそうです。教育長では、公社の理事長に物足りなかったのでしょうか。だって、理事長としてしっかりと仕事をこなしているにもかかわらず、ポストも給料も副理事長。これじゃ、やっぱり社会の不条理だな、私はそんなふうに思います。その方は、その後、報告団体の一つである東京都競馬株式会社に行かれました。
 そして、住宅公社の理事長には、今度はきちんとした理事長として、出納長を終えられた方が就任しました。しかし、その方は、たった一年ほどで、一身上の都合で退職されてしまいました。そして、報告団体ですが、首都高速道路公団に再就職されたようです。一年でやめてしまうなんて、何か不祥事でもあったんですかと聞けば、全くなくて、それどころか、公社の改革について本当に力を発揮された、そんな方だということでした。
 あいた理事長ポストには、副知事を終えられた方がついたとのことです。要は、この副知事さんを処遇するために、もしかしたら、玉突きでほかの団体に行っちゃったのかなと私は思ったわけです。
 都庁の仕組みとしては、大変わかりやすいように見えるんですけれども、これだと、本当に責任のある経営ができるのかなというふうに思ってしまうんですよ。
 先週の土曜日なんですが、私の地元で、公社の賃貸住宅の建てかえの説明会がありました。公社の職員の方は、本当に丁寧に、いろいろいわれながらも、頭をぺこぺこ下げて説明をされていました。二時間、大変だなと思いました。本当に、私は見ていて、頭の下がる思いがいたしました。そういう方々が上を見上げて、自分たちのトップを見たとき、今のような状況だと、本当に納得してくれるかな、そんな不安さえ覚えます。
 この件につきましては、総務局長さん、また住宅局長にはお尋ねしました。
 知事、きのうは、三原先生の質問に対して、住宅公社にも民間人の登用というような、そんなご発言がありました。私は、それは大賛成でございます。ぜひこういうことをもうなくすんだというような、そんなご決意のご答弁をいただければと思います。

○石原知事 都はこれまでも、監理団体改革に全力を挙げて取り組んでまいりましたし、大きな成果を上げたと思います。また、民間の活力を活用した都市再生や認証保育所などの規制改革も積極的に推進してまいりました。
 この監理団体に関しましては、外部監査を入れていろいろなことがわかりまして、例えば国際フォーラムのようなものは、めちゃくちゃなことをやっていましたので民営化いたしましたが、これは非常に特異な例だと思いますけどね。
 今後とも、いずれにしろ、都民サービスの向上と東京の再生という広い視野で改革に取り組むつもりでございます。
 なお、だれがトップに座るかという人事については、有能な人材を活用することがベースでありまして、官と民との境はないと思います。
 ただ、官の持つノウハウ、民の持つノウハウはいろいろあるでしょうが、いずれにしろ、都の職員が、退職後もその経験や能力を生かし、社会に貢献することも大いに意義があるとは思います。

○花輪委員 今のご答弁、私も、ある意味、それは納得できるなと。ちょっと後で、後半戦でまた今のことはやらせていただきたいと思います。
 今、住宅公社のことをちょっとお話しした途中で、報告団体に随分移られているというようなお話をさせていただきました。監理団体に行かれた方が、報告団体にその後、再々就職されることもあれば、または、職員を終えられた方が直接報告団体に行かれる場合もあると思うんですね。
 監理団体のことについては改革されたというお話でしたが、私は、ここで改革が進んだからこそ、もう一歩進んでみて、報告団体もやはり改革をするべきではないかと思います。
 例えば、OBについては、監理団体は退職金を払わないというふうに決めたようでございます。今、報告団体についてはどのような改革をされているでしょうか。
 また、報告団体の都庁のOBの役員の報酬や退職金について、情報の公開も、ある意味必要かと思いますが、いかがでしょうか。

○赤星総務局長 報告団体でございますけれども、全庁的な指導監督が必要と位置づけられております監理団体とは異なりまして、出資比率が低い団体、先ほど申し上げましたけれども、財政支出、人的支援がわずかな団体など、自主的な経営を行っている団体でございまして、役員への退職金の支給の可否及びその額の公開につきましては、団体みずからが経営責任のもとに判断すべきものと考えております。

○花輪委員 今、局長が、出資比率が低い団体とか、人的関係が薄い団体というようなお話をされました。出資比率が低い、人的関係が薄い。
 しかし、私はここに、報告団体の出資比率の一覧表というのをいただいております。これを見ますと、例えば株式会社セントラルプラザ、ここには三一%の出資をして、三人のOBが行っております。日本自動車ターミナル株式会社、ここには四三・三%の出資をして、二人のOBが行っております。東京都国民年金福祉協会、ここには四九・三%の出資をして、一人のOBが行っています。これは数を挙げていったら切りがないんですが、要は、相当な出資をしているところもたくさんあるわけですね。五〇%近い出資をしているところがたくさんあります。人も行っているわけです。
 ですから、私は、ある意味、出資をしているということは、都民が間接的なオーナーになるわけですよね。そうすると、都民に説明をする必要もあると思うんです。それに、今のように退職金とか、せっかく監理団体やったのに、報告団体のものを残しておけば、結局、監理団体を通らずに、報告団体に何件か行く人も出てくれば、今、国民的な批判の対象になっている渡りをして、何回も退職金をもらってしまうという構造もできてしまうわけです、今のままだと。
 ですから、私は、報告団体についても、もうちょっときちんとこれは改革していく、情報の公開なんかもしていくべきだと思うんですが、改めてお答えください。

○赤星総務局長 今、報告団体で出資比率の高いものがあるかというと、ございますし、ただ、関与の程度が大分違いまして、それぞれの目的、当時の公益上の目的等で都が出資したという経過がございます。その後の関与はずっと低くなったものもございますので、そういう意味で先ほど申し上げたわけでございます。
 ご指摘の団体でございますが、都が施策を進める上で、必要な範囲内で出資、補助、または業務委託を行っているものでございまして、株式会社、社会福祉法人あるいはNPO、学校法人などの団体もございます。本来、おのおのが自立的な経営を行っております。
 各団体につきましては、所管局において全く指導しないというわけではございませんで、所管局において、団体との委託契約や補助要綱などに基づきまして日常的な指導監督を行っております。

○花輪委員 では、ここで幾つか事例を挙げさせていただきます。
 まず、東京交通サービス株式会社です。都が二二・五%を出資する報告団体です。常勤役員五人のうち、都のOBは五人です。
 交通局の職員住宅の保守管理業務を受託したり、都営地下鉄の昇降機設備の保守の委託を受けたり、機械設備の保守の委託を受けたりしております。結構、随意契約で受けているものも多いです。どれも民間でもできる仕事だと私は思います。
 平成十二年度の監査で、契約方法を見直すようにと、意見、要望が出されていますが、残念ながら、ほとんど見直されておりません。
 ここには、民間でもできることを役所が出資した会社がやってしまう、民業圧迫というそんな視点の問題と、都庁のOBが役員を務める会社に特命発注で利益を与えてしまっているという、公平性、公正性という観点からの問題があると思います。
 次に、東京都昇降機安全協議会というのがあります。これはエレベーターの保守管理業務の報告書の点検をする任意団体です。国土交通省の通達により、昭和四十年代にできたそうです。ここには、都は出資や補助金は出しておりませんが、常勤役員二人のうち二人が都のOBです。
 何をしているかというと、ここにある三枚の書類をチェックしています。エレベーターの住所とか、どんなエレベーターか、そしてチェックするところがあります。丸をつける箇所が何カ所か出てきます。この書類は、法定点検、年に一回、すべてのエレベーターはやらなきゃいけないそうですが、資格を持った方が法定点検して、法律では区役所とか市役所に持っていくんですが、この団体を通してチェックする暗黙のルールになっているようなんですね。
 都には、エレベーターが全部で十三万台以上ありますが、十三万台のエレベーターのほぼ一〇〇%が、年に一度、この団体に手数料を払っています。直接区とかに出したらば、受け付けてもらえなかったという、そんな話も聞こえてきました。
 一台当たりの価格は千七百円です。この値段は、団体が勝手に決めているそうです。現在は、財団法人になるために、鋭意お金をためているそうです。十三万台のほとんどがここにお金を払い、値段はいい値、団体は鋭意貯金中、常勤役員はOB。日本の高コスト体質の原因と無縁ではないような、そんな気がします。
 監理団体改革を進めている知事、そして、職員の皆さんの努力は評価いたします。何度もいいます。しかし、今取り上げたような問題を初め、最初に、例えば補助金を出している団体は幾つかわからないですが、そういうところに例えばOBさんが行っていると、必要もない補助金、本当はもうそろそろやめた方がいい補助金も、なかなかなくならなかったかもしれない。なくならない原因、遠因になっているかもしれないわけです。ですから、私は、監理団体改革が一歩進んだからこそ、もうちょっと進んでほしい、そんな思いがあるわけですね。
 やはり緊張感と責任感のある経営、そして民業圧迫をしない、そして社会の公平性、公正性を守る、社会の高コスト体質の原因にならない、そういう観点から、もう一歩も二歩も進んで改革に取り組んでいただきたい、そんなふうに思いますが、いかがでしょうか。

○赤星総務局長 今ご指摘のありました報告団体でございますけれども、私どもは、補助要綱ですとか、委託契約の徹底されていない部分があるんだろうと思いますので、それにつきましては、本来の委託契約、補助要綱などに基づきまして、今おっしゃったような適切な運営がなされるよう、所管局が指導監督を強めるように徹底してまいります。

○花輪委員 今の団体についてはというお答えでしたが、何とかもう一歩、私は進んでほしいな、そんなふうに思います。
 さらに、これは一般論になっちゃうんですが、私は、すべてのOBの方が再就職しちゃいけないとは思わないんですよ。ただ、一つのポストがあったら、そのポストに対して、民間人の方も、またプロパーの職員の方も、役所のOBの方も、そこにだれが座ったら一番いいかというような形で選んでいくべきだと思うんですね。そういう工夫というのもしていくことができないか、そんなふうに思いますが、いかがでしょうか。

○赤星総務局長 先ほども申し上げましたけれども、監理団体の役員の選任につきましては、経営上の必要性などの観点から、団体みずからが判断すべきものでございまして、既に幾つかの団体において、民間の人材やプロパー職員が役員に就任しております。
 今後も、民間の人材を活用することによりまして一層効率的な経営が期待できる団体につきましては、民間からの優秀な人材の活用を促進してまいります。

○花輪委員 とにかく頑張って、きのうも公社の話で、知事が民間からということをいってくださいました。そういう視点で、ぜひ進んでいっていただきたい、そのことは思います。
 天下りという言葉は、私は余り好きじゃないんですが、その言葉についてちょっと考えてみたいと思います。
 私は、公務員の方々が培ってきた能力を社会のために使ってもらう、これは大変いいことだと思いますし、有意義なことだと思います。公務員の方だって再就職する権利だってあるし、そしてまた、老後の安心をつくる権利も当然あると思います。さらにいえば、民間企業だって、退職した後、子会社に行く人もいれば、取引先に再就職する人もいます。それなのに、何で公務員だからといって天下り批判を受けるんだろう、それこそ不条理じゃないかなんていうふうに思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、現実問題、天下り批判はあるわけです。何ででしょうか。退職金を何度ももらったり、ポストのたらい回しをするからでしょうか。私は、それは、実はある一面だと思うんです。
 もっと事の本質というのは、さまざまな許認可権や補助金などの支給を決める権限、また公共事業の発注をする権限、こういう大きな権限を持たれている幹部職員の方が、その権限を有していたような団体とか企業に再就職するということが、これは、公正とか公平とかいうそういう観点から、ちょっとずれているんじゃないか。そういうところが私は問題だと思うんですが、この辺の認識はいかがでしょうか。

○赤星総務局長 監理団体につきましては、都の行政を補完、代行するなど重要な役割を担っておりまして、都退職者が在職中に得た知識や経験を還元いたしまして、団体の経営に寄与することは、都政にとっても有用であると考えております。
 次に、民間企業への再就職につきましては、地方公務員の場合、国家公務員とは異なりまして、退職後の再就職を法律で規制されてはおりませんが、都では、独自の取扱基準を設けまして、局長級職員につきましては、退職後二年間は、退職前五年間に担当した職務に関連した民間企業への就職を原則として禁止いたしますとともに、その他の幹部職員につきましても、民間企業での営業活動について一定の規制を設けております。

○花輪委員 今、局長が最後の方にいったのは、ないよりはあった方がいいんでしょうけれども、ある意味、国と同じようなレベルになってしまっているような気がいたします。ですから、もうちょっと私は、制限はしっかりとやっていくべきではないかなと。理想をいえば、すぐにはできないかもしれませんが、その公務員が権限を持っていたとされるような、認定されるような、そういう団体とか企業への再就職というのは、やはりしっかりとした規制を、年限を切るとかいうことじゃなくてしていくべきだと思います。
 本来、再就職をするのであれば、在職中に養った権限ではなくて、例えば人事担当の方が身につけられた人を見る目とか、マネジメント能力とか、企画力とか、交渉力とか、そういうスキルで再就職していただきたいと私は思うんです。
 恐らくここにいらっしゃる方は、大所高所から見る目をたくさん養ってこられた方ばかりだと思います。だからこそ、そういう権限となるべく関係のないところに行くことが、ある意味、社会の批判というものを受けずに済むことにつながるのではないか、そんなふうに思うわけですが、局長、いかがでしょうか。

○赤星総務局長 職員も、退職後は一私人でございます。一私人でございまして、その再就職を規制することは、現行法上困難でございます。もちろん、批判を得るような行為はしてはならないと思います。
 なお、都職員の再就職は、民間企業はもちろん、監理団体におきましても、最終的にはそれぞれの企業等が判断して行っておりまして、当該職員の能力やスキルが適正に評価された結果と受けとめております。

○花輪委員 この天下りの話を局長さんを前にしてするというのは、ある意味、私も大変いいづらいことなわけですが、今まで天下りの話をしてきました。ある意味、これというのは、護送船団方式で、日本が高度経済成長社会で発展してくる過程で、国家がいわゆる日本経済の隅々まで力を及ぼす、そういう役割としては非常に有意義だったのかもしれない、そんなふうに思います。
 ただ、時代も変わってきております。ここで一朝一夕、すぐに変わるということはなかなか難しいかもしれません。ですが、私は、この天下り改革、何度もいいますが、監理団体改革がここまで来ているわけですから、もうちょっと一歩でも二歩でも進んでやっていただきたい。そんなことを再度繰り返して、お願いしておきます。
 今までの答弁、局長、聞いていますと、なかなかすれ違いでした。監理団体改革はやってきたと。それはわかります。もうちょっと一歩でも二歩でも、それはお願いします。進めましょうよ。
 そして、さらにいえば、この天下りの問題というのは、やっぱり規制とか補助金などの権限と密接に関係していると思うんです。ということは、逆にいうと、規制改革とか、民でできることは民でやる、いわゆる官から民へ、こういうものを進めれば、天下りの問題というのは相当解決していくのではないかな、私はそういうふうに思います。逆にいえば、権限がなくなればなくなるほど、ある意味、皆さんの堂々と行ける就職先がふえてくる。
 そしてまた、もっと逆にいえば、天下りの規制をすると今度は、皆さんが行くところがなくなっちゃ困るから、今持っている権限をどんどん放出していく。官でやらないで、民でできることはどんどん民でやっていくし、規制も、こんな規制は要らないと思ったらばなくしていく。そうすれば、自分の仕事は、将来再就職する場所がふえるかもしれない。そんなふうにも考えるわけです。
 小泉さんも、ここに来て随分と、国でやっている金融機関の天下りをもうやめさせましょうとかいうこともいい始めているようです。ぜひ小泉さんに負けないように、知事も頑張って、この監理団体改革を進めていただきたい。そんなふうに思いますが、いかがでしょうか。

○石原知事 たびたび申し上げているように、太政官制度以来続いている、つまり官僚を軸とした、別の言葉でいえば、よらしむべし知らしむべからざるというヒエラルキーは、当然、歴史的な必然、蓋然で変わらなくちゃいけないと思います。今、その大事なプロセスにあると思います。外郭団体、監理団体の整理、合理化も、人事も含めて、その軸になる大事な問題だと心得ております。

○花輪委員 続いて、臨海高速鉄道について、ちょっとだけ触れさせていただきます。
 臨海鉄道、ことし三百億円というか、これから三百億円出資する。新しく株式を東京都が買って、増資に応じるということなのかな。やることによって、経営が、ある意味、安定するというようなことをお伺いいたしました。
 去年、百四十六億円の債務保証をするというときに私は発言させていただきましたが、そのときには、長期的な収支を見ても、収支の出と入りが、結構バランスがいいかげんであったりとか、そういうのも指摘させていただき、また、乗降客数の予測なんかも、本当に大丈夫なのかなと、そんなことも指摘させていただきました。
 ことしになって三百億円入れるよということで、ちょっとお話を聞きましたらば、その収支も地に足のついたものに、私が去年指摘させていただいたとおりに直していただいていたし、そしてまた、何と建築費も、いわゆる建設費も、二百何十億円コストダウンしているということでございました。
 私は、電車のことですから、これをとめるわけにはいかないと思います。ですから、三百億円を出資するということに反対するものではありません。しかしながら、幾らこの間経営努力をしてきたとしても、三百億円の公的資金を入れなければいけない、この現実には変わらないわけですね。三百億円の公的資金、これは都民の税金です。これを入れないと、この会社はもたなくなってしまった。やはりどこかで過去の反省をして、そして、ある意味、どこかで責任の所在を明らかにするべきだと思うんです。
 最近、会社がつぶれたりすると、社長さんが出てきて頭を下げています。あれはやはり、責任の所在がここにあるんだよ、そういうことを示しているシーンだな、そんなふうに思います。
 しかし、今回、三百億円をここに入れることになった。だけども、この三百億円を入れるに当たって、だれも謝っている人がいないんです。都民にちゃんと頭を下げている人はいないんですよ。やっぱり僕、この責任のとり方をあいまいにするということは、モラルハザードも起きるし、また同じような問題が起きる、そういう原因にもなるのではないか、そんなふうにも思うのですが、どこにこれまでの経営上の問題点があって、そして経営の責任はどういう形でとるのか、そのことをお答えください。--もうこれで終わりにしますから、再質問の時間がないので。
 多分、局長は、余り責任の所在の答弁をしないと思います。ここには、実は、勝田さんもその第三セクターの役員なんです。そして、ここには役員の方が何人もいらっしゃいますね、座っていらっしゃる方。その方々に、私は、どこに経営の問題があったのか、そして責任のとり方はどうするのか、そういうことをやっぱり考えていただきたい。
 電車だから、とめることもできないだろう。今までバブルの崩壊があって、そしてまた、工事金に余計なお金がかかっちゃったかもしれない。でも、一年間、私が去年指摘して一年たったらば、二百何十億円という工事金がすぐに減っちゃったんですよ。もっとずっと前からやっていれば、もしかしたらば、これはもっともっと減ったかもしれない。この経営の緊張感というものが、もしかしたらばなかったのかもしれない。そういうようなことも含めて、ご答弁いただければと思います。

○勝田都市計画局長 少し長くなりますが、会社では、新たに平成十五年六月に、抜本的な経営改善計画を策定しましたが、今後五年間で、約三十億円のさらなる経費の削減策、あるいは各種増収策を中心とする極限までの経営努力を行いました。
 さらに、会社と都は、平成十四年十二月の全線開業以来、鉄道・運輸機構と交渉いたしまして、建設費をさらに二百三十一億円削減するとともに、鉄道・運輸機構からの建設資金の借入金の償還金利につきましても、約一%の切り下げを実現いたしました。これは約百八十億円の削減に相当します。
 今回、都が国の支援と連携いたしまして、今後五年間で三百億円の追加出資をすることといたしましたが、このことで、会社の資金不足はほぼ解消いたします。また、これによりまして対外的な信用度も向上いたしまして、金融機関からの借入金利を抑制する効果が生じるなど、会社の経営安定化に寄与するものでございます。
 長くなって恐縮ですが、りんかい線は、申すまでもなく、都民の足を確保するという観点から平成十四年十二月に開業いたしましたが、会社の集客対策の効果もございまして、今、花輪委員からご指摘があったように、着実に乗客数は、おかげさまで伸びている状況にございます。
 しかし、開業後一定期間は、構造的に資金不足が発生いたしますから、当初から金融機関の融資を受ける予定でございましたが、昨今の金融情勢の悪化によって、それが困難になったという流れがございます。このため、都は、国の経営支援策を引き出すとともに、今回、追加出資を行うものでございます。
 会社は、さらなる経費削減や増収策に取り組みまして、極限までの経営努力を引き続き行っております。
 都といたしましても、会社がこれまで以上の経営実績を上げていけるように、今後とも厳しく指導していくということで責任を全うしたいというふうに考えております。

○花輪委員 責任の所在は明らかになりませんが、終わります。(拍手)

○宮崎委員長 花輪ともふみ委員の発言は終わりました。
 以上をもちまして、付託議案に対する総括質疑は終了いたしました。

○宮崎委員長 次に、部局別質疑について申し上げます。
 部局別質疑は、本委員会設置要綱の定めるところにより、各常任委員会の調査をもってこれにかえることになっておりますので、所定の手続を議長に申し入れます。ご了承願います。
 各常任委員長に申し上げます。
 部局別質疑に関する調査報告書は、三月二十二日午後五時までに提出されるよう、特段のご配慮をお願いいたします。
 なお、来る三月二十五日については、締めくくり総括質疑を行っていただきます。
 また、三月二十六日に予定しております討論などの委員会運営につきましては、理事会にご一任をいただきたいと思います。ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時二十二分散会

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