東京都議会予算特別委員会速記録第三号

   午後三時四十二分開議

○大木田副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 鈴木貫太郎委員の発言を許します。

○鈴木(貫)委員 それでは、私は治安等にかかわる質問の前に、私の実体験から、体感治安の悪化がここまで来ているということで、私の体験を通して、竹花副知事、それから警視庁の参事官の方に、お礼の意味を込めながら、お話をさせていただきたいと存じます。
 本年一月二十三日、午後九時十分過ぎでありました。私の自宅事務所の斜め前でひったくりが発生したのであります。私ども出て無事犯人を捕まえました。捕まえたんです。アメリカ国籍の不良外人であったようであります。きゃあという、私の後援会に入っているご婦人でありました。給料を入れた自転車のかごからひったくろうとしたやからでありましたけれども、無事取り押さえることができた。下町ならではのやはり共同作業だったんですね。下町ですよ、荒川のど下町。そういうことで、きょうは総監がお見えになりません。警視庁から参事官がお見えでございます。
 実は、荒川署を通じて、私ご褒美をいただきまして、警視庁地域部長賞という、ぜひこれを受け取っていただきたいということで、届けていただきまして、(実物を示す)カメラさん、撮ってよ、これ。めったにこういうものはいただくことが--拍手がないんでありますけれども、(拍手)要求しなければいけませんか。
 これで何をいいたいかといいますと、私の身近なところで、こういう事件が発生をし始めたというところに、体感治安、この治安の回復こそ最大の都民福祉であるという、昨年、第三回定例会で私もこの言葉をもって知事にご質問をさせていただいた、そのことから、やはりもっともっと突っ込んでいかなければいけないのかなということで、実は、公明党荒川総支部としても、これが契機になりまして、ぜひ大きな運動を起こそうじゃないかということで、安心・安全のまちづくりのための防犯対策の強化を求める署名運動を、じゃ、しようと、貫太郎さんがこういうふうにやったんだからということで、燎原の火のごとく区内に広がりまして、今、署名運動が無事に終わりまして、代表質問の中で我が党の石井幹事長から六つの提案をさせていただいたあの内容を、じっくりと区民の皆様方に協力をいただくための、また、実現をするためのこの運動に結びついたことを私は誇りに思っておりますし、参事官、警視総監にも私から、こういう声が届いたということをぜひお伝えをいただきたいと存ずるわけでございます。感謝の意味を込めまして、ありがとう存じました。
 さて、本題に入ってまいりたいと思います。
 第一問目、知事に私の口から、このことだけは聞いておきたいということで、ご質問をさせていただきたいと思うんであります。
 NBC災害に関連してでありますが、スペインのマドリードでも、九・一一以降、九百十一日目に、あの悲惨な列車事故が起こったと報道されていますね。数字がどういう意味を持つか、それはわかりませんけれども、炭疽菌だとかリシンだとか、私たち、このいい知れぬ不安を東京都民は持っていることは事実だと思います。そういう中にあって、さきに地下鉄サリン事件の判決も出され、改めてテロ災害の恐ろしさを認識をさせられた次第であります。
 テロという認識は私たち日本人にとって、当時はまだまだ認識の外にありましたものですから、それはそれとして、知事に率直に私は私の言葉で質問させていただきたいのでありますが、首都東京のテロへの備え、だれしも不安を持っています。その東京のテロへの備えについて、率直にまずお伺いをさせていただきたいと思います。

○石原知事 備えあれば憂いなしといいますけれども、まあ、戦争のように名乗り合って行う大きな摩擦ならばともかくも、無差別に、全くまた無防備な人々を対象にして行うテロというものは、果たして何が有効な準備かということが、なかなか判断しにくい節がございます。
 これは抜本的には、国の責任において行うものでありましょうが、しかし、やはり、特に国際問題に関係あるテロは、その局面、局面で地方の自治体というものが、現場感覚のある地方自治体というものが準備を行うことで、都民の、あるいは市民の被害というものを防がなくちゃならないと思います。それこそ、また都に関しても都の行政の最大の課題であり、最大の責務の一つだと思っております。
 ということで、先般も、どこまで信憑性があるかわかりませんが、アルカイダなる者が東京においてのテロというものを、一応ロンドンで声明しました。その段階であり得ることを想定して、特に生物兵器でのテロリズムというものを、未体験でございますから、その実験、図上訓練というものをやりました。非常に得るところがございましたが、こういったものをこれから繰り返し、しかも、新しい情報を得るたびにやはり反復して行うことで、いざというときに効果が上がり、また、最小限に被害を食いとめるよすがになると思います。
 ということで、先般もちょっとあることを口にしましたら、特に許しを得て新幹線などの安全管理というものを見てまいりました。これはまさに世界に例のないパーフェクトなものであって、むしろやはり、この広大な都の中でどういう場所を選んで何が起こるかということを私たち、複合的に、重層的に想定して備えなくちゃいけないと思っております。

○鈴木(貫)委員 今、知事のご答弁の中に、昨年のことを踏まえてご答弁いただきましたが、それに関連して、昨年の図上訓練の結果を踏まえて、それではNBCマニュアル作成の進捗状況についてでありますが、いつまでにこれを取りまとめていかれるのか、まずお答えをいただきたいと思います。

○赤星総務局長 都は、現在生物剤、化学剤等によりますテロなど、いわゆるNBC災害に対処するため、昨年十二月、天然痘による生物テロを想定した実践的な図上訓練を行いました。
 この訓練を通じまして明らかになりました課題につきましては、関係局、関係機関共同で検討を重ねまして、現在マニュアルに反映させるための作業を行っております。
 この検討結果も踏まえまして、NBC災害の発生に備えましたマニュアルを今年度中に取りまとめる予定でございます。

○鈴木(貫)委員 それで(「三月までだから」と呼ぶ者あり)もうわずかだよね。わずかな日数、もうあと旬日しかありませんけれども、ここで私がいっておきたいことは、訓練の実施、その成果をマニュアル化するだけでは私は不満でありまして、それをローリングさせながら繰り返しやっぱりこれをしていかなければいけない、これが大事ですよね。そのために十六年度の都単独での何かの恐らく訓練を想定はされているのでありましょうけれども、都単独ではなくて、国を巻き込んだ、国を視野に入れたやはり合同訓練に格上げをしていかないと対応できないのではないかなと私は思うんです。先ほどの知事の発言を踏まえて私はそう感じざるを得ないと思います。お答えをいただきたいと思います。

○赤星総務局長 今回実施いたしましたNBC訓練は、生物テロを想定いたしました図上訓練でございまして、主に庁内各局の連携確保に重点を置いて実施いたしました。
 来年度は、ご提案も含めまして、より実践的かつ効果的な訓練とするために、今年度の訓練で得られました成果を踏まえまして、訓練の内容、実施方法を見直しますとともに、国など関係機関と幅広く連携して取り組むことを検討してまいります。

○鈴木(貫)委員 ぜひお願いをしたいと思います。我々の不安を払拭をしていただく上から、あえてこの問題をまず触れさせていただきました。
 次に、私はずっとライフワークとして取り組んでまいりました、このトリアージ制度、知事も所信表明の中で何度となく取り上げられていて、大変力強く私も感じています。
 なぜかといいますと、東京からこれを実現をして地方に、そして国が東京のやつを応用展開をして日本国としてこれをやっているという、当然、阪神・淡路大震災を契機にしてでありましたけれども、東京がやれば全国が、全国がやれば国が後追いをするという、一つのモデルだったと私は自信を持っているんです。これを私は、左翼の連中がこういうものを触れたがらなかった、そういうことから、あえてナポレオンの時代の話をしながら触れて、これを取り上げて実現をしたことを誇り高く思っております。
 こういうことをやりながら、東京都としても順次いろいろなことで災害のためのテーマを取り上げて、今回、東京DMAT、これを新しく立ち上げていこうという形を私は高く評価をさせていただくと同時に、昨年、第四回定例会で我が党同僚議員が、これについて、どんな課題があるのかということで質疑をさせていただいて、課題の何項目かをお答えをいただいた経過もあります。それらの出動の要請の方法、出動基準、専門スタッフの確保などなど、何項目か挙げていただきました。それに対する具体的な今日までの取り組み、これは今後どうしていくのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。

○平井健康局長 既にこの二月に、災害医療の専門家や東京都医師会、東京消防庁などで構成する東京DMAT計画運営検討委員会を設置いたしまして、具体的な検討を開始しております。

○鈴木(貫)委員 具体的に着手をされているんでありますから、検討するための検討委員会で検討するなんていわれたんじゃ困るんでありまして、その結論をいつ得て、運用をいつからするのかという、具体的にお答えをいただきたいと思います。

○平井健康局長 本年の夏を目途にこの検討委員会の結論を得まして、速やかに東京DMATの運用を開始する予定としております。

○鈴木(貫)委員 結構ですね。先ほどの三原先生の質問じゃないですけれども、スパンが大変短いです。ありがとうございました。
 そして、課題の検討と並行して、その中でも、局長、可能なものについてはこの取り組みをできるだけ早く、検討委員会の検討を待って夏までにというんでは、これはやはりまずいですから、できるものは早期にやるべきだと私は思いますが、その点はどうなんですか。

○平井健康局長 専門スタッフの確保や訓練など、実施までに一定の期間を要するものがございます。これらにつきましては、ご指摘のとおり、早目に検討を進めまして、夏の運用開始を目指して、できるだけ早期に取り組んでまいります。

○鈴木(貫)委員 それで知事も、ことしの一定の所信表明の中で、十二医療圏のうち七チームをその中でもセレクトしてやるということを具体的に表明をされているわけであります。どのような医療機関で、また、そのチームのメンバー構成、これを具体的に、まだまだ我々としてはわかりませんから、お答えをいただきたいと思います。

○平井健康局長 東京DMATの諸課題につきましては現在検討中でございますが、担当する医療機関につきましては、当面、三次救急に対応できる災害拠点病院を中心に考えております。
 メンバー構成は、基本的に一チームにつき医師一名、看護師二名程度を考えております。

○鈴木(貫)委員 ですから、私は思うんですが、DMATというからには、医師一名、看護師二名というと、うっと、こう思わざるを得ないんですね。もちろん当然いろんな方々とその場で連携をし、最少のスタッフでという、そういう意味として私はとらえておりますけれども、そのような認識で間違いはないと私は思いますが、どうかこれが機動的、そしてまた適時適切に運用されますることを私は期待をさせていただきます。
 同時に、最後のこの項の質問でありますけれども、当然これは訓練、そしていろんなことのエトセトラをしていかなければだめだと私は思います。したがって、ことし行われる東京都の総合防災訓練等々の場で、こういうメンバーが東京DMATのメンバーだということをきちっと皆様にお伝えをする、その場ではないのかなと思います。ぜひそういうところに出動をしていただいて、都民にアピール、PRをするべきだと私は思いますし、実践的な訓練をその場をやっていただきたいと私は思いますが、この点大丈夫でしょうか。

○平井健康局長 九月一日の東京都総合防災訓練につきましては、消防など関係機関との連携等につきまして、実践的な検証を行う極めてよい機会でもございます。東京DMATも参加させたいと考えておるところでございます。

○鈴木(貫)委員 よろしくお願いいたします。時間の関係で、あれこれいう時間がありませんので、適宜次のテーマに入ってまいりたいと思います。
 次に、私はあえて公明党として東京都交響楽団の問題について、三つだけ承っておきたいと思います。
 いうまでもなく、東京は政治、経済の中心であると同時に、文化の中心都市でありましょう。これは私、個人的でありますし、皆さんもお考えあそばされていると思いますが、文化、芸術活動に携わる人、これは国家、地域の発展に寄与する大切な宝であり、私は財産だと思っております。
 こうしたことから目を世界に向けますと、ユネスコでも芸術家の社会貢献を認めるべきだというそういう観点から、社会保障、労働条件、課税の改善が必要との勧告まで出されております。我が党としても、二十一世紀の国の形の一つとして、文化芸術立国を目指すべきだという、そういう立場に立って、国の方でも文化芸術振興基本法の成立を見たことはご案内のとおりだと思います。
 そして、この文化芸術の各種の振興策が今大きく花を開いています。もちろん部分的にまだまだ不満足ではありますけれども、その根っこを植えた、種を植えた、我々はそう自負をいたしております。
 そこでさらにその種を大きくしようということで、芸術家の社会的地位向上法、仮称でありますけれども、それを国会の方で制定をしてほしいと私たちは今お願いをさせていただいております。
 そういうことを私たちは視野に入れながら、じゃ、東京の方に目を向けてみますと、この都響、来年は発足して四十年を迎えると私は聞いておりますけれども、N響、読響、都響という順番なんですね。ある新聞では五番目なんて書いてありますけれども、私は三番目だと思っておりますが、そういう観点から第一番目に伺いたいのは、今、都響は経営の改善策として、楽員を契約社員に切りかえるという契約楽員制度の導入をするということで、大分揺れ動いておるようでありますけれども、私は聞きたいのは、今回の契約楽員制度の導入の経過、そしてユニオン側の主張について、改めて本席でお伺いをしたいと思います。

○横山教育長 東京都交響楽団におきましては、経営改善の観点から、契約楽員制度につきまして、昨年十一月十八日に都響ユニオンに対しまして、平成十八年四月までに全楽員の契約楽員化を目指すことを提案をいたしております。
 その後、都響ユニオンと現在も労使交渉中でございますが、この提案に対しまして都響ユニオン側からは、オーケストラが独自のサウンドを育てていくには、同じメンバーで長い時間を要すること、あるいは、オーケストラプレーヤーを客観的かつ公正に評価する方法がないのではないかという点、それから、不公正な解雇を可能にし、都響の消滅をもくろむものではないのかとの主張がなされていると聞いております。

○鈴木(貫)委員 今お答えをいただいたとおり、だからユニオン側からも、この懸念の声が出されているんでございましょうね。
 私が申し上げたいことはもう一つ、今回の改革に当たっては、まず手続の面、進め方について、どうか十分な協議をしてほしい、そして結論を出してほしいということであります。
 さらにもう一言いわせていただくならば、拙速な対応だけは避けてほしいという、そのことを私は願わずにはおられません。どうでしょう。

○横山教育長 契約楽員制度は、これは現在の楽員が一たん退職した上で、新たに契約楽員として有期に雇用契約を締結しようとするものでございますが、お話のとおり、この制度の円滑な導入には、楽員の理解と協力が必要でございます。
 このため、都教委としましては、制度の実施に当たりましては、その趣旨が楽員に十分に理解されるよう、誠意をもって協議を進めることを東京都交響楽団に対して指導しているところでございます。

○鈴木(貫)委員 私、個人的には、やはり都響も愛される楽団として今後もぜひ頑張ってほしいと願う立場から質問をしているわけでございまして、そのことをぜひわかっていただきたいと、こう思います。
 そして、この項の最後の質問でありますけれども、都響の経営改善に当たっても、都民、そして関係者、さまざまな分野の方々の理解を得ながら、今、わきから声が出たとおり、まだまだ時間的にそうやってないわけですから、どうかより慎重の上にも慎重に検討してほしい、私はこの本席でそう申し上げたいと思っております。ご見解をいただきたい。

○横山教育長 東京都交響楽団などの監理団体に現在望まれることは、都民へのサービス精神、あるいはコスト意識など鋭敏な経営感覚だろうと考えております。
 東京都交響楽団の経営改善策の柱にございますが、その一つに、都民に顔の見える交響楽団、こういうことを目指して改革を行っていくということでございますので、都民や関係者の理解を得ながら、楽員とも協議を進めていくよう指導してまいります。

○鈴木(貫)委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。
 次のテーマに移ってまいりたいと思います。
 私は環境という問題について、知事もこの問題については大変見識を持たれておりまするがゆえに、環境に関してエネルギーの問題、とりわけ私も現地をつぶさに視察をした上での皆様に対する問いかけでありますが、バイオマス発電、それに伴うグリーン電力問題について、この際何点か伺いたいと思います。これは東京発という、これまたうまくいけば自治体として初めての出来事であるという大きなテーマでありまするがゆえに、私はあえて触れさせていただくわけであります。
 二酸化炭素による温室効果ガス、この問題が今大変気になるところであります。東京に目を転じてみますと、この温室効果ガスのうち半分が下水道事業から出される。それは処理場、ポンプ場などの施設を持ち、大量の電力を消費する事業であるがゆえに、そういう状況になるんでありましょう。これはだれしもが何とかしてほしい、また、何とかしなければならないということで、さきの所信表明の中で知事からも、本年四月から森ヶ崎水再処理センターでバイオマス発電事業を、この四月から開始をすると述べられておりました。
 このように、都が、下水汚泥の処理過程で発生する消化ガスを活用した発電事業に対し、これは全国から注目をされています。そして、このバイオマス発電について、以下、順に伺っていきますので、端的にお答えをいただきたいと思います。
 第一問目でありますけれども、当然これはPFI方式によって、バイオマス発電事業の仕組みについて、どういうものなのか、皆様にわかりやすくお答えをしていただきたいと思います。

○二村下水道局長 今回の発電事業の仕組みは、まず、当局が、バイオマスであります下水汚泥から発生するメタンガスなどの消化ガスをPFI事業者に提供いたします。発電設備などを建設し、運営するこのPFI事業者が、これを燃料といたしまして、三千二百キロワットの発電を行うものでございます。
 また、これに八千キロワットを貯蔵できるナトリウム硫黄電池、いわゆるNaS電池でございますが、このNaS電池を組み合わせまして、森ヶ崎水再生センターへ電力を供給するものでございます。

○鈴木(貫)委員 今のお答えを、さらに理解を深めてもらうために、次の質問をしないとなかなかわかりにくいんでありますが、このPFIを導入するからには、当然のこと、民間のノウハウですよね、それから創意工夫を最大限に引き出すことによって得られる、都民にとっての財政縮減効果、これが大事なんですね。やったって、どれだけ財政縮減効果がある、これが評価をされなければ、やる意味は私はないと思います。
 どれだけその効果を見込んでいるのか、具体的に数字で挙げていただきたいと思います。

○二村下水道局長 今回の発電事業では、未利用でありました消化ガスを活用すること、低廉な夜間電力をNaS電池に貯蔵しまして、これを料金の高い昼間に利用するほか、さまざまな創意工夫を行っております。
 この結果、事業期間であります二十年間で、約百三十億円のコスト縮減効果を見込んでおります。

○鈴木(貫)委員 すごいですよね。ですから、アバウトで年間約六億円強、財政縮減効果が出てくる。二十年間ということですから百三十億、こういう効果を得られるということで、これなんかも、やはりどんどんどんどんPRを私はすべきだと思います。
 現地を見たときに、NaS電池、ええ、これがそうなのかという、コンパクトにできた、それを夜間電気に使う。非常に研究をされていると私は思っておりますし、もちろん、こういう自然エネルギー、バイオマスのほかに風力だとか、太陽光だとか、地熱だとか、ミニ水力だとか、いろんなものが現在ありますけれども、私は一つの視点だと思っておりますがゆえに、あえて触れさせていただいたわけでありますし、私たちも、昨年十月に発表いたしました党の政策綱領マニフェストの中でも、このことを、どんどんやっていこうじゃないかと、こう記述をしているわけなんです。
 そして、次に伺うんでありますけれども、それでは、今、財政縮減効果のほかに、環境面にどういう効果を果たしていこうとするのか、これも数字にあらわして、わかりやすく説明をしていただきたいと思います。

○二村下水道局長 環境効果といたしましては、未利用の消化ガスを全量利用すること、それから化石燃料使用の比率が低い夜間電力を、世界最大の規模であります八千キロワットのNaS電池に貯蔵して、これを昼間に使用すること、これを重油に換算しまして、年間でドラム缶約二万三千本分のエネルギー削減効果を見込んでおります。
 これは、二酸化炭素に換算いたしますと、四千八百トンの削減効果がありまして、代々木公園約二十五個分の森林が吸収する量に相当いたします。

○鈴木(貫)委員 すごいことではないですか。代々木公園二十五個分の森林が吸収する量に相当すると、二酸化炭素を。やはりこれだけのものですから。それから重油に換算して、年間でドラム缶約二万三千本分ですよね。やはり、私はそういう効果というものを積極的に訴えて、PRをしてほしいなと願わずにはおられません。
 さらに、論を進めていきますと、そのほかに私は、皆さん、経営計画、下水道二〇〇四の中に大変大事な記述がありました。目を凝らしてみますと、小さい字ですからよく見えなかったんですが、この経営計画二〇〇四の中で、グリーン電力制度の活用という、おっと思うような活字がちりばめられておりました。
 今のバイオマスのずっと延長線上の問題だと私は思うんですけれども、グリーン電力制度の活用について伺いたいと思いますが、そもそもこのグリーン電力とはいかなるものか。また、今後の活用について、この際承っておきたいと思います。

○二村下水道局長 グリーン電力とは、風力、太陽光、バイオマス、水力、地熱などの再生可能エネルギーにより発電される電力のことでございます。
 このグリーン電力は、電力という物理的な価値と、二酸化炭素削減や省エネルギー効果といった、環境付加価値をあわせ持っているものでございます。このうち、環境付加価値を有価で取引するグリーン電力証書システムの活用を、今回導入を検討しているものでございます。
 このシステムによります環境付加価値の売却は、自治体として初めての取り組みということになります。

○鈴木(貫)委員 そこが、局長、実は皆さん、ポイントでございます。自治体として初めて取り組んでいく。電力そのものを売却するんじゃなくて、証書で、いわゆる企業に買ってもらうという、そういう制度だと私は思うんですね。
 ですから、この問題の中で、では御局としていつから、どういう手順で国内の取引状況に持っていかれようとするのか、明らかにしていただきたいと思います。

○二村下水道局長 売却の手順でございますが、まず、森ヶ崎水再生センターのバイオマス発電がグリーン電力であることを、グリーン電力認証機構が認証いたします。次に、グリーン電力の販売を受託した仲介者が、購入を希望する企業等と契約いたしまして、電力量、販売期間などを明記したグリーン電力証書を発行することになります。これに基づきまして、購入企業は、契約に応じたコストを負担し、仲介者が発電事業者、この場合は私どもでございますが、ここに対価を支払うという手順でございます。
 現在、ソニーとかアサヒビールなど四十三団体が環境付加価値を買い入れておりまして、環境に優しい企業、団体であることを、商品、パンフレットなどで、社会的にアピールすることができるものでございます。
 なお、グリーン電力の契約量の合計は、現在約四千三百万キロワットとなっております。

○鈴木(貫)委員 大手企業が、環境に優しい企業、環境にこれだけ貢献をしているんだということで、これからもっともっとこれ、幅広くできるわけですよね。ここがポイントだと私は思うんです。
 そして、再度またお伺いするんですけれども、ではこれを東京都として、いつからこのグリーン電力認証機構に入って、企業に買ってもらおうと、その量を明らかにしてほしいと思います。

○二村下水道局長 環境付加価値につきましては、本年四月から売却する予定でございます。現在、売買交渉を進めております。
 当初におきましては、千六百万キロワットの売却を見込んでおりますが、発電能力は年間最大で二千六百万キロワットでございます。
 これまでの取引事例から見ますと、発電事業者である私どもが企業から受け取る対価は、一キロワット当たり二円から三円でございまして、年間最大で五千万円から八千万円になる見込みでございます。

○鈴木(貫)委員 東京都として、年間これだけのものが、やはり企業に買ってもらう。今四千三百万キロワット、これに一千六百万が加算をされているわけですから、まさに新しい時代の、私は先駆けではないのかなと、このように存じています。
 こういうことで、さらにもう一つ聞きたいんですけれど、局長ね、このグリーン電力証書システムに参入することによって、どのような効果が、では東京都にとって得られるのか、これをもう一度お答えいただきたいと思います。

○二村下水道局長 下水道局が参入することによりまして、現在の国内取引規模であります四千三百万キロワットに加えまして、二千六百万キロワットが合わせられますので、市場規模は一挙に一・六倍に拡大することになります。
 これを契機に、地球温暖化対策の取り組みの一つとして、二酸化炭素排出量削減などに効果のあるグリーン電力証書システムが、普及拡大するものというふうに考えております。

○鈴木(貫)委員 ぜひ都民のために、全国のモデル、自治体のモデルとして、リーダーシップを図っていただきたいと、私はこのように熱望いたします。
 以上の問題で、この項は終わりたいと思います。
 次に、もう一つお聞きしたいことは、次のテーマでありますけれども、昨年--今年度ですか、銀行税のお金を返すときに、なぜこんなに還付金の加算、還付加算金がつくんだということで驚かれた、また私もびっくりいたしました。その問題について、疑問点を踏まえながら、何点かお伺いをしておきたいと思います。
 これは、第一に、地方税収入の経理の問題と、第二に、高過ぎる還付加算金にこれはつながるからでありまして、この十六年度の都税収入が約三兆九千二百億円強となっていますけれども、この都税について、見落としてはならないのが、毎年毎年毎年毎年、ずっと過去から来ると、多額の過誤納還付金を支出をしているんですね、よく調べてみますと。
 この十五年度での銀行外形での多額の還付の例は別といたしまして、都は、毎年度どのくらいの還付金を歳出予算から出しているのか。平成十四年、十三年、十二年と、この三年度間の推移を、まず、お示しをしていただきたいと同時に、還付加算金は、それではどれだけその中でまた別建てとしてあったのかどうか、お示しをいただきたい。

○川崎主税局長 歳出予算から支出した還付金等の総額は、平成十二年度、七百四億円、平成十三年度、六百七十九億円、平成十四年度、千百二十七億円となっております。
 このうち還付加算金は、それぞれ三十四億円、二十七億円、四十一億円となります。

○鈴木(貫)委員 ですから、これを毎年度平均してならせば、一千億円規模にも上がる還付金及び還付加算金を歳出予算から出しているんですね。裏を返せば、それだけ税収が膨らんじゃっているんですね。都民には、本当の意味での都税収入の実態というものが、なかなか、だからわからないということになってしまうと思います。
 昨年だったでしょうか、福永副知事、なぜこんなに還付加算金返すんだというつぶやきの声が、私の方にも聞こえてきたことも存じ上げております。そうした疑問に対応するために、第二次財政再建推進プランの中、五五ページですか、エンドページの方に、地方税収納金整理資金制度の創設問題が取り上げられているんです。
 一回で読んでも、なかなかわかりづらい制度でありますけれども、一体、地方税収納金整理資金制度とはいかなるものなのか、財政運営面から見てどんなメリットがあるのか、この際、お答えをいただきたいと思います。

○櫻井財務局長 地方税収納金整理資金制度でございますけれども、これは、税を一たん同整理資金に受け入れ、そこから過誤納還付金等を控除した額を、都税として一般会計に歳入する仕組みのことであります。
 例えば、法人事業税を中間納付した法人が、最終的に確定申告で赤字となった場合、都は、その中間納付された税を還付することになりますが、確定申告、還付の月が翌年度になるときは、現行制度では歳出予算に計上して還付することになります。
 このため、当初予算額以上に還付金が増加してしまうと補正予算を編成する必要が生じるなど、手続が煩瑣で還付に時間がかかると。それと、実際の事業には充当できない還付金の財源まで歳入計上されると、そういう問題がございます。したがいまして、この整理資金制度を導入することで、真の都税収入を都の歳入として計上することができるようになります。

○鈴木(貫)委員 ですから、国の方は、もう既に昭和二十九年、いわゆる地方交付税制度ができたときから、これをやっているわけですよね。なぜ東京都は、そういうものをきちっとやらないのかということを、我々、こう思うんです。大変メリットのある制度なんだから、そういうものをきちっと国に積極的に私は働きかけるべきだと思いますが、どうなんですか、これは。

○櫻井財務局長 ご指摘のとおり、地方税収入の経理の合理化と、過誤納還付金等の支払い事務の円滑化を図るためには、地方税収納金整理資金制度の創設が必要と考えております。制度を創設するには、法令改正もしくは特別法の制定が必要であることから、これまでも再三、国への提案要求を行ってまいりました。
 一方、国は既に、お話のとおり昭和二十九年から、国税収納金整理資金制度を採用してございます。
 そもそも国税では既に採用されている制度を、地方税について適用できないのは合理的ではなく、地方一律でなくても、必要とする自治体が個別に条例を定めるなどの方法により採用することができるよう、今後も引き続き積極的に国に対して働きかけてまいります。

○鈴木(貫)委員 ですから、これはもう三位一体とは違った意味でどんどんやるべき課題なんですよね。こういうことはどんどんやるべきだと、こう私は強く訴えておきたいと思います。
 そうして、この問題に関連して、もう一度これを浮き彫りにしなければならないのは、高過ぎる還付加算金の利率、現在、還付加算金の利率は四・一%、どう見ても、現在の市場金利から見ても段違いですよね。だから昨年十月に、銀行外形問題で銀行に還付した際の還付金総額、一千五百七十二億円に対して還付加算金が百二十三億、こういうことで、だから中にはですね、都による元本保証、しかも年四・一%の確定利率つきと、こういわれるわけですよね。
 もう一度いいますと、都による元本保証、しかも年四・一%の確定利率つきと。これを、中には--悪用するといいませんよ、中には、こういうことを知っている人は、税金を、法人税多く納めて、後で返してもらうということになれば四・一%の利息がつくということになりかねないということも考えられなくはないと、私は想像にかたくないと思うんです。
 ですから、その還付加算金とはどんな性格のものか、この年四・一%の利率は、いついかなるときに、これが決まったのか、お答えいただきたいと思います。

○川崎主税局長 還付加算金は、法人二税について、事業年度の中間時点で納付した税額が、決算に基づく確定税額を上回った場合や、都税の課税について誤りがあった場合など、税を還付する際に付される一種の利息でございます。
 その割合は、地方税法によりまして、従来、年七・三%とされておりましたが、近年の金利水準の低下、諸外国の状況等を踏まえ、平成十一年度に公定歩合プラス四%にされ、現在は、お話のとおり四・一%になっております。

○鈴木(貫)委員 今説明を、局長、いただいたんですけれどもね、やはりどう見てもこれは国の方に文句をいわなければだめですよね。
 先ほどご答弁いただいた、この三十億とか、還付加算金四十億とか、どうこう数字があらわせましたね。この利率を仮にですよ、二%に下げてごらんなさい、二%に。十五億から二十億の節税になるわけですよね。持ち出しが少なくて済むわけで、こういうことを私たちは都に、どんどんいい続けなさいと。去年の予特で、我が党の小磯議員が、定期代のことも触れられました。二十何億、東京都の、いわゆる六カ月定期にすればという、二十数億なのかな。これだって、利率を引き下げるだけで二十億もの、この東京都にお金がプールできるということになるわけですから、小さな問題と私は受け取るべきではないと思います。この予特で質疑をしたテーマというものは、大変重いものがあると私は思っておりますので、ぜひご検討をしていただきたいと思います。
 以上で、この項を終わります。
 時間があとわずかでございますが、残り最後の一問は、はしょるわけにもいきません。せっかくお互いに論議をして、やってきたものであります。
 この道路整備の戦略的という問題の中で、アウトカムプランという、非常に時代の流れを受け取った潮流の言葉が、実は入っているわけ。横文字を使って申しわけないんですけれども、経済財政諮問会議でも、国は、きちっとこの面で、この検証をしていきなさい、どういう成果が生まれたのかということで、地方自治体にもこのプランをつくりなさいということで、建設局の方としても、きちっとこのアウトカムプランをつくられておることを、私は高く評価をさせていただきたいと思います。
 と同時に、今定例会で都市計画局長から、第三次事業計画の中で、十年のスパンで区部の道路整備計画をやるとおっしゃっていました。これは、アウトカムプランどころではなくて、今までの流れと--勝田さん、これ聞いてくださいね、十年のこれは願望にしかすぎないんでありまして、きちっと、やはりアウトカムプランに準じてできるような、しっかりとした体制をとって私はいただきたいと、こう願っています。願望ではいけないと思います。
 例えば、私の住んでいる荒川の一部地域、補助九〇号線では、第一次プランにものり、昭和五十六年から第二次プランにものり、第三次もあって、そのままほったらかされているわけです。そのことを、きょう私は申し上げながら、やるべきことはきちっとやってほしいと最後申し上げて、御局との論議がなかなか進まなかったおわびをしながら、これはまたいずれかの機会に、きちっとふろしきをたたませていただくことをお約束申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)

○大木田副委員長 鈴木貫太郎委員の発言は終わりました。

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