東京都議会予算特別委員会速記録第四号

○星野委員長 次に、鈴木一光委員の発言を許します。

○鈴木委員 またまた、この間に続いて、また共産党がルールを守らない。まことに我々は許しがたいことだというふうに思います。議会というのは、ルールがあって初めて適切に運営できるものだと思いますので、共産党の方々には猛反省をお願いしたいというふうに思います。
 それでは質問に入ります。
 さきの我が党の代表質問で、衛生局の組織再編のねらいや、新たに設置する食品医薬品安全部について質問いたしました。
 お答えでは、都は、食品や医薬品に関する危機管理能力の強化策として、アメリカの食品医薬品局、FDAを参考に、先行的な調査研究から監視、検査、指導、処分、さらには情報発信までを一貫した体制で行うことをねらいとした食品医薬品安全部を来年度から設置するとのことでありました。
 食の安全や信頼、そして、医療に対する信頼が揺らぎつつある現在、こうした対応はまさにタイムリーな対策として、高く評価するものであります。
 BSE問題を契機として、国においても、EUなどの動向を参考に、新たな食品安全組織の設置を検討しているようでありますが、こうした中で、都が新たに東京FDA構想を打ち出したねらいについて、もう少し詳しくご説明をお願い申し上げます。

○今村衛生局長 ただいまは東京FDAにつきまして高い評価をいただきまして、大変ありがとうございます。
 都は、都民の安全や安心を確保するため、BSE問題が顕在化する以前から、食品、医薬品等に関する事件や事故など、健康危機の発生に備えた組織体制について検討を重ねてきております。国の組織の検討につきましては、いまだ不確かでございますけれども、都としては、今日必要なことは、食品等の安全監視機能をさらに充実強化することだと考えております。
 食品医薬品安全部は、先行的な調査や研究を任務の一つとしており、食品等が製造、加工される以前の原料や素材の段階から、安全性の調査を幅広く行い、その結果を監視、指導等に反映させていくという組織でございます。

○鈴木委員 食品医薬品安全部では、実際にどのように危機管理対策を行っていくのでありましょうか、具体的なご説明をお願い申し上げます。

○今村衛生局長 食品医薬品安全部は、都における食品と医薬品等に関する安全管理を一元的に行う総合的危機管理体制として構築するものであります。
 具体的には、先行的調査研究の実施による新たな安全基準の設定、厳重な監視、検査及び指導を一連の業務として行い、現在明らかになっている有害物質等を排除するだけでなく、将来起こり得る危害の未然防止に努め、食品や医薬品等の安全を確保してまいります。
 また、さまざまな手法を用いまして、食品、医薬品等の情報収集や都民への迅速な情報提供を行うことにより、健康被害の未然防止と健康不安の解消を図ってまいりたいと考えております。

○鈴木委員 今、声に出して初めてちょっと気がついたんですが、食品医薬品安全部って、非常にいいにくいですね。これはネーミングを考えた方がいいんじゃないかなというふうに思いますけれども、ここで、食品医薬品安全部が取り組む個々の事業についてお聞きします。
 まず、食品の安全確保対策についてでありますが、BSE対策については、昨年十月以来、と畜場に搬入される牛全頭を対象とした検査を実施していると承知をしております。現場では、連日夜遅くまで検査作業が続いていると聞いています。本当にご苦労さまなことでございます。
 牛肉の安全確保として、今後も継続的に検査を実施していくためには、現在、一次検査は都が実施し、二次検査は国が行っていますが、都民の安心を確保するためにも、二次検査も都が実施するなど、検査体制の充実が必要ではないでしょうか、お考えをお伺いしたいと思います。

○今村衛生局長 都は、昨年十月十八日から、BSE検査に関する東京ルールを定めまして、都内のと畜場に入るすべての牛を対象にBSEスクリーニング検査を実施しているところでございます。安定的な検査体制の構築を図るため、平成十四年四月からは、芝浦食肉衛生検査所に新たなBSE検査室を整備するほか、検査員の増強を図ることにしております。
 また、現在、国が行っております確認のための二次検査につきましては、国と調整を図った上で、都としても実施してまいりたいと考えております。

○鈴木委員 また、食品医薬品安全部には、医薬品等の安全確保策の充実についても期待をしたいというふうに思います。医薬品は人の命や健康に直接影響するものだけに、副作用の発生等の不測の事態に対して、メーカー等の事業者が速やかに事態を把握して、医療関係者等への必要な注意喚起や製品回収を的確に行っていかなければなりません。
 そのためには、事業者と使用者である医療機関等との不断の情報交流が不可欠であり、安全性情報の収集、提供を専管する事業者側の仕組みの整備を早急に図っていく必要があると考えますが、いかがでありましょうか。

○今村衛生局長 医薬品の販売後の安全確保を図るために、メーカー等には、平成九年度から安全性情報の収集、提供が義務づけられております。これを確実に行うためには、情報を一元的に管理する事業者側の体制の整備が重要であることから、都では平成十二年度から、都内の全事業者を対象とした実態調査を行うとともに、体制整備に向けた個別指導を実施してきたところであります。
 今後は、こうした指導を強化するとともに、医療関係者に対する啓発指導もあわせて行い、早急に医薬品の安全情報の収集、提供体制の整備を図ってまいりたいと考えております。

○鈴木委員 次に、医療用具の問題についてお伺いいたします。
 人の生命に直接影響するという意味では、医薬品と同じく、医療用具の問題も重要であります。そこでまず、現在、医療機関で使われている医療用具はどれぐらいの種類があって、日常的な管理はだれが行っているのでありましょうか。ちなみに、医薬品についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。

○今村衛生局長 医療用具は、X線CTスキャンやMRIのような大型機器から、人工呼吸器やメスのようなものまで、多種多様であります。現在、承認許可を得ている医療用具は約五万四千品目あり、管理につきましては、大型機器は診療放射線技師等の専門家が担当しておりますが、人工呼吸器などの機器につきましては、設置場所が院内各部署にわたっておりまして、看護師などが行っております。
 また、医療用医薬品は、診断薬から治療薬まで、品目数にすると約一万二千品目ありまして、管理は主に薬剤部門で行っております。

○鈴木委員 このごろ医薬品や医療用具の製品回収を新聞等でよく見かけますが、私が記憶している限りでも、平成十二年の暮れに植え込み型心臓ペースメーカーが、また、昨年の秋には人工腎臓用透析器の自主回収が新聞紙上で報じられております。
 そこでお伺いをしますが、こうした製品回収は、年間どれぐらいあるのでしょうか。
 また、医療機関において医薬品の副作用や医療用具のふぐあいが判明した場合、厚生労働省に報告する仕組みになっていると聞いておりますが、昨年度の報告件数はどれぐらいあるのでありましょうか。

○今村衛生局長 医薬品等の回収件数は、十二年度で見ると、全国で三百七十五件、うち医薬品は百十九件、三二%、医療用具は二百七件、五五%でございます。このうち重篤な健康被害または死亡の原因となり得るものは、クラスⅠという分類に該当しておりますが、そこに該当しておりますのはすべて医療用具でありまして、これは二十一件ございました。
 また、全国の医薬品等の報告件数でありますが、十二年度では、医薬品の副作用報告は二万七千六百二十三件、医療用具のふぐあい報告は二千九百二十二件でございました。

○鈴木委員 医療用具の回収の方が医薬品より多く、クラスⅠの事例がすべて医療用具だというのに、報告件数が少ないというのは、どのような理由になるのでしょうか。

○今村衛生局長 医薬品の場合は、副作用によると思われる症状が比較的判断しやすい場合が多いわけですが、医療用具の場合は、機種が多岐にわたることや、判定には専門的な知識が要求されることから、ふぐあいによると疑われる事象があっても、現場でその判断をすることが難しいことが、報告されにくい理由になっているものと思われます。
 また、医薬品に比べ、医療機関内やメーカーにおける情報の収集、提供体制の整備がおくれていることも、報告件数が少ない理由として考えられます。

○鈴木委員 医療用具のふぐあいによる患者の健康被害等を防止するには、それが疑われる事象への迅速な現場対応がなされなければなりません。しかし、現実は、ただいまの答弁にもあるとおり、現場スタッフが個々の用具に精通して的確な対応を図っていくことは容易ではないものと考えられます。
 そこで、こうした問題を解決し、医療用具による事故等を防止していくためには、ふぐあいの疑いの段階での情報をいち早く収集し、複数の医療機関やメーカーが共同で、専門的な見地からの検討と判定を行い、安全性情報の発信や製品回収等に速やかにつなげていく仕組みが必要ではないかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。

○今村衛生局長 医療用具の安全性確保には、ご指摘のように、疑い段階からの対応が重要であります。そのため、医療機関やメーカーが判定を迅速、的確に行えるよう、現在、都におきましては、ITを活用して、ふぐあいに関する疑い情報の収集、検証等を行う医療機器安全性情報ネットワークを構築し、十四年度の早い時期に稼働させるための準備を進めているところであります。
 これによりまして、事故に至らなかった、はっとしたというようなインシデント事例も含めまして、安全性情報への適切な対応を確保し、機器のふぐあいによる健康被害の未然防止を図ってまいりたいと考えております。

○鈴木委員 もしそのようなシステムができるとすれば、全国でも初の画期的なものであり、医療の分野でも、ぜひ東京から日本を変えていただきたいというふうに思います。皆さんの今後のご活躍を期待して、この項の質問を終わります。(「まじめだね。おもしろい質問ないのかよ」「鈴木宗男とは違うんだから」と呼ぶ者あり)違います。
 次に、動物愛護についてお伺いをします。
 一昨年、八王子市の市街地に、野生化したと思われるギンギツネがたびたびあらわれました。市民がえさを与えたりしていたのであります。最近は、このような外国産の動物を含めて、ペットが逃げ出して野生化してしまうこともふえていると思います。
 そこでまず、野生化した動物に対しては何の法律が適用されるのか、お伺いをしたいと思います。

○浪越産業労働局長 自然の山野に生息している鳥やけものの保護、管理に関しましては、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律、いわゆる鳥獣保護法が適用されます。
 ご指摘のように、逃げ出したペットが野生化した場合には、野生鳥獣と同様に鳥獣保護法が適用されます。
 また、外国から持ち込まれたものでも、野生化すれば鳥獣保護法の対象となります。

○鈴木委員 野生化した動物が都民に保護される場合というのは、傷ついたり弱ったりしている場合が多いと思います。八王子市のギンギツネの場合には、保護されたが、病気でひどく弱っていたため、殺処分されたと伺っております。
 一般に、こうした弱った動物を保護した場合にはどのように取り扱うのか、お伺いしたいと思います。

○浪越産業労働局長 傷ついたり弱った動物を保護した場合には、治療を施し、回復させた上で、野生の生活に戻すこととしています。伝染病に感染して回復が困難な動物については、他の野生鳥獣への影響を考え、獣医師の判断により、やむを得ず安楽死させる場合がまれにございます。
 鳥獣の保護に当たっては、獣医師の団体や動物の扱いに熟練しているペットショップ、自然保護団体等とも連携を図り、都民の協力を得ながら、適切に対応してまいります。

○鈴木委員 この八王子のギンギツネの問題というのは、私は直接は、現場では知りませんが、ちょっと大きな問題になっていまして、発端は、このギンギツネが野生であるかペットであるか定かでないという考え方があります。また、その取り扱いが、今局長がおっしゃったように、安楽死させることがまれにあるということでありましたが、その線引きが不明確な中で、ギンギツネは殺処分になったわけであります。
 このギンギツネは、平成十二年七月ごろに八王子の都立館高校にあらわれるようになり、そして、徐々に毎日えさをもらいに来るようになってきたそうであります。生徒や教師ともにかわいがるようになっていた九月、皮膚病が目視でわかるようになったので、教師たちが費用を負担し合って獣医師に連れていき、治療期間中に逃げて、行政に助けを求めたために起きた事件ということであります。
 そもそも移入鳥獣というのは、海を渡ってギンギツネが自分で来たわけじゃないわけですから、だれか人間が連れてきたものでありますから、これは、野生というよりは、私はペットだというふうに解釈が成り立つと思います。
 そのペットが逃げて、捕獲して、鳥獣保護員が保護と称して連れて帰って、即日殺処分、殺されてしまったというふうな事件なんです。
 先生や子どもたちは、鳥獣保護員が保護して持って帰ったんだから、まさかそんなことは考えてもいなかったわけでありますが、そういう中で、動物の命を大切に扱い、ギンギツネを病院に連れていくことを、子どもたちは喜んでいたわけです。そして元気になって戻ってくることを楽しみにしていたわけでありますが、その後殺されてしまった。しかも、安楽死というには、実際には本当に安楽死といえるのかどうか--車の排気ガスで殺して、その鳥獣保護員は、それを確認するために水につけたというふうにいっていますが、実際には、それは事実かどうか、私にはわからないことでありますけれども、これでは動物虐待であり、とても安楽死とはいえないような状態であります。
 しかも、殺したギンギツネを、人の山林に黙って埋めて処分をした。それで、じゃあどこに埋めたのですかと聞いたら、人の山林だから、どこだかわからなくて、なかなか見つからなかったということだそうでありますが、このようなことは二度と起こしてはならないというふうに私は考えます。
 私は、鳥獣保護員のとった行動を非難しているわけではありません。鳥獣保護員を非難しているのではなくて(「非難しているじゃないか」と呼ぶ者あり)移入鳥獣に対して、犬、猫と違い、行政は、保護、収容施設もなく、鳥獣の保護は警察が落とし物として扱うなど、都の対応のマニュアルに不備があるということを、私は指摘をしておきたいというふうに思います。
 ペットブームという中で、多くの移入鳥獣が都内でも飼育されています。特定動物といわれるライオンやワシ、ワニ、その他の危険動物以外は、飼育の許可も登録も必要ありません。犬はもちろん別ですけれども。それらが野生化したならば、日本の生態系に大きな影響を与えるわけであります。
 きょう、たまたま控え室へ行ったら、このような冊子が置いてありまして、ぺらぺらっとめくってみたら、ここにちょっと書いてありましたが、
 奄美大島では、ハブ退治を目的として、一九七九年ごろ、東南アジアから中近東が原産のジャワマングースが放されました。
 しかし、人間の都合通りにはならず、マングースはハブよりも捕らえやすい小動物を捕食していることがわかってきました。小動物のなかには、世界中で奄美諸島にしかいないアマミノクロウサギ、奄美大島と徳之島、沖縄島にしかいないケナガネズミ、奄美大島と加計呂麻島、請島にしかいないルリカケスなどが含まれています。奄美諸島にはもともとマングースのようにほかの生きものを食べる捕食性の哺乳類はくらしていなかったため、これらのもともといた生きものは影響を受けやすく、現在、絶滅の危機に瀕しています。
 一方、放された当初は三十頭ほどであったマングースはどんどん増え続け、一九九九年時点では一万頭とも推定されています。マングースは、沖縄本島でもヤンバルクイナを捕食していると考えられており、やはり駆除対策が取られています。
 こうした移入種問題の対策を取ると同時に、国民の一人ひとりが移入種を持ち込んではならないことを知っておくべきです。
というふうな、財団法人日本生態系協会「エコシステム」という小冊子に載っているのをたまたま見つけましたので、今、読ませていただきましたけれども、要は、鳥獣の輸入禁止がいきなり無理ということだというふうに思いますけれども、これは、東京都において販売規制や飼育者の登録、あるいは繁殖規制管理がなくては、不幸にも営利を目的として無理に連れてきた鳥獣を殺し続ける、生命軽視を増長させるような経済擁護になりかねないというふうに考えます。ぜひご検討を願いたいというふうに思います。
 犬猫についてもちょっと触れさせていただきますが、ペットブームの中で、最も多く飼われているのは犬猫であることは、申し上げるまでもありません。私もかつては飼っておりましたけれども、この中にも多くの方々が飼っていることと思います。飼い主の中には、心がいやされて、女房や子ども、あるいはだんなよりもずっとかわいい(笑声)という話もよく伺います。裏返せば、それだけ家庭ではいやされない家庭が多いのかなと思ったりもします。
 しかし、飼い主の都合で捨てられてしまう犬猫も相当数いると聞いています。ヨーロッパでは、私、新聞で読みましたけれども、日本人には犬、ペットを売らない。転勤で、例えばヨーロッパで勤めていて、犬はかわいがるんですが、帰りには連れて帰ることができないからと捨てて帰ってきてしまうというふうな日本人が数多くいるので、日本人にはペットを売らないというふうな国があるというのか、お店があるというふうな話が載っていました。
 あえて都の犬猫の処分数はお伺いしませんが、捨てても行政が処分してくれるというシステムがある限り、本当の意味での生命尊重は成り立たないと考えます。ぜひ、でき得る限り、そのようなかわいそうな犬猫を生み出すのではなくて、処分される犬猫を生み出さない、東京都は、私は、キャンペーンを張るなりして、努力をしていただきたいというふうに思います。答弁は要りません。
 次に、水元公園の利用計画についてお伺いいたします。
 先月九日、二月九日でしたが、水元公園において、自然と森林を守り育てる大自然塾の開設式と、「水元で山しごと」発進大会が行われました。先日も一般質問において、我が党の樺山議員から、その場に石原知事がお見えにならなかったのはまことに残念でしたというふうなお話がありました。私も全く同感であります。しかし、知事は答弁の中で、必ず葛飾区へ参りますとおっしゃってくださいました。樺山議員と二人だけの話ですが、石原知事が来るんだったら、大歓迎実行委員会をつくらなくてはいけないというような話もしたところでありますけれども(笑声)ぜひ、たっぷり時間をとっていただいて、知事に葛飾区内をつぶさに視察をしていただいて、いかに都心区と葛飾区にいろいろな差があるか、水元公園みたいなすばらしいところもありますけれども、そういうご認識をいただいて、いろいろな課題の解決のために存分なお力添えを賜りますればありがたいというふうに思います。
 さて、葛飾区内への知事視察については、私は、昨年の一定の一般質問においても私が提案をしました。そのときにも知事は、知事の言葉をおかりすれば、最近中に必ず伺いますというふうな答弁をしてくださいました。まだ実行されていませんが、その件は水に流しますので(笑声)今度は必ずおいでいただきたいというふうに思います。
 さて、私の去年の一定のときの質問に対して、その数日後に--前段が長くて済みません--「赤旗」に(「どこだ、赤旗というのは」と呼ぶ者あり)共産党の機関紙なんですよ。去年の三月一日の「赤旗」の新聞紙上において、このように書いてあるわけですよ。「KSD汚染に一言もなし 自民・鈴木都議」、「汚職のKSDから九七年の都議選のさいに資金提供を受けていた問題が発覚した自民党の鈴木一光議員は、十八分間の質問時間で、KSDのケの字もなし。『葛飾では知事が来ないという声があがっている。森総理は来なくていいから、石原知事に来てほしい』と地元への知事の視察を求め、議場の失笑をかいました。」というふうに「赤旗」に載っているんですよ。
 私は大変不愉快な思いをしましたよ。これは大変失礼な話でありまして、何で失笑を買ったのか。「赤旗」の記者もいるでしょうけれども、私が葛飾区のさまざまな問題点を取り上げて、その現場を知事に視察に来ていただきたいというふうに私はお願いをしたわけであります。それに対して、知事が必ず伺いますと答弁をしていただいたんです。何でこれが失笑を買うのか、私には全く理解ができないんです。たとえ失笑する人がいたとしても、それは勝手ですから、構わないんですが、「赤旗」のような大新聞が--あえて大新聞といいますが、そのような批判記事を載せるということは、「赤旗」もやっぱりその程度の新聞なのかなと、こちらが失笑してしまうような感じがしますけれども、そのときには、その時点では本当に不愉快でありました。このことは、私たちが都民を代表して真剣に本会議場で議論している知事と私を全くばかにした話で、議会を冒とくするものだというふうに私は思うのであります。許しがたい感じがします。
 さらに、「赤旗」は、昨年、KSD汚染都議として、私の顔写真入りの記事を含めて、六回にわたって執拗に私に対する誹謗中傷記事を載せられたんです。去年の今ごろというのは、私たちも選挙を前にして、非常に(「もっと怒らなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)これから怒る。非常につらい思いをしている中で、あたかもKSDから悪いお金をもらって政治活動をしているような記事が書かれているんです。「KSD汚染都議やめて」、「葛飾・会員ら怒る」、葛飾民商の何とかさんは、「業者は、地元の金融機関から融資を受けるときに、『一口どうですか』と誘われれば、KSDに入らざるを得ない。KSD会員は、万が一けがをしたときのために、共済掛け金を払っているんです。それがまさか自民党に横流しされていたとは、とんでもない話です。怒って、やめる業者も増えてます。国会議員だけでなく、葛飾区選出の都議までKSDに汚染されていたと知って、業者のひとりとして怒りを感じます、と語りました」と。こんな全くでっち上げな--私には確かに「赤旗」から電話一本、取材がありましたけれども、中身も何にも聞いてくれないで、このような記事が載っているわけであります。
 ここにいっぱいあって、それで、さらに、またこれは人の名前を挙げて恐縮ですけれども、保坂三蔵議員もKSDから政治献金をもらっていたんだそうでありますが、保坂三蔵議員と--選挙前には、我々は、政党のポスターと称して、例えば私と保坂さんとかいうふうなポスターを張りますけれども、これを足立区の自民党の三人の候補者、あそこに一人いるけれども、この三人の候補者と保坂さんとの連名のポスターをわざわざここに載っけて--この足立区の三人の方々は、KSDとは何の関係もないそうですよ。ただ余りにも、あの時点での足立区の選挙を考えると、非常に意図的なんですよ、「赤旗」がこういうものを載せて。(「献金はあったのか」と呼ぶ者あり)私ですか、ありましたよ。私がKSDからは献金を受けたのは事実です。
 ただ、私は、申し上げたいのは、事実を報道するだけならいいですよ。これが汚染しているだの、KSDから横流しの金をもらっただのというのは、非常に意図的な選挙妨害でありますよ。私が献金を受けたのは、平成九年のことなんです。その時点でKSDは、経営基盤の弱い中小企業、零細企業の味方として、健全な団体だったんです。私の家も商売をやっていましたから、KSDの設立当初から入会をして、おやじは役員もやっていました、たかだか班長でありましたけれども。しかし、もう二十年近くになっているんです。
 私は、KSDの活動というものは、すばらしい活動だというふうに思って、KSDの会員を今でも続けていますけれども、何の問題もない団体から献金を受けて、適正に処理をしている、その団体が後で問題を起こした、それに対して汚染議員だなんていうふうな、こういった全くデマ、中傷、でっち上げの記事を書く「赤旗」というものは、私たちは非常に許せない。全くあの時点で明らかな選挙妨害でありますよ。(発言する者あり)
 私の知り合いの共産党の区議会議員にこの話をしたんですよ。そうしたら、共産党の区議会議員が、うちの党はそういうところがいけないんだよなというふうに(笑声)共産党の区会議員がいっていましたよ。良識ある共産党の議員もいるんだなというふうに私は思いました。
 事実、考えてみていただければ、大量な発行部数を誇る「赤旗」に、一方的に、選挙直前に批判記事をまかれてしまうということは、我々はもうそれに対して対抗しようがないんですよ。マイクを持ったって変な誤解を招くだけであって、こういった卑劣な選挙運動、ぜひこういうことはやめていただきたいというふうに思います。
 そういった「赤旗」と申しますと、私は葛飾区議会議員時代から(「知事の見解を聞いた方がいいよ」と呼ぶ者あり)いや、別に、中西さんもきのうは余り……(笑声)これから質問するんですけれども、区議会議員時代からおかしいなと思ってきたことがあります。それは、現職の区議会議員が「赤旗」をたくさん抱えて、区役所の中を飛び回っている光景を私はたくさん、頻繁に見かけております。区の職員に聞くと、区の幹部職員はほとんどが、読みもしないのに買わされているという話でありました。
 その後、都議会議員になって、同じことを都の職員に伺いますと、やはり同じような答えが返ってきました。共産党の議員が所属する委員会の所管の理事者に講読を依頼してくるといった証言もありました。理事者側は議員に頼まれるとどうしても断れない、一度講読してしまうと、退職まで断れないとのことであります。給料もカットされている中でありますから、できればいっときも早くやめたいとのことでありました。
 これは大変な問題であります。「赤旗」というのは、まさに今、国会で大問題になっている、議員が黙ってお願いをしただけで、これは圧力ですよ。そして、「赤旗」を買ってくれというのは、これはあっせん、口利きじゃないですか。政・官・業のまさにこれは癒着ですよ。嫌々買わせるのは、そういうのは押し売りというんですよ。本来、行政と議会というのは対等の立場でなければいけないんです。それが、議員と理事者とが金銭的な利害関係が生じているというのは、異常なことなんですよ。そして、普通は、利害関係があった場合には、理事者は「赤旗」のお得意さんでしょう。それが、通常、商売でいえば、お金を払ってくれるお得意さんには、商人は頭が上がらないわけであります。しかし、この商人、新聞屋さんは、お得意様に対して無理難題を押しつけ、あげく、やることには何でも反対、一般社会の常識から全くかけ離れている状況だというふうに私は思います。
 共産党は、企業、団体からお金をもらわないといっておりますけれども、その穴埋めは役人にしてもらっているのでありましょうか。私は、理事者もだらしないということもいえます。不当な圧力に屈することなく、嫌なものは嫌といわなくてはなりません。ノーといえる役人でなければならないというふうに私は思います。
 いずれにしても、大変に納得いかないことばかりであります。ぜひこの件に関しては、議運の理事会等で、もう一度私は検討をしていただきたいというふうに、心からお願いを申し上げる次第でございます。
 例えば(「聞けよ」と呼び、その他発言する者多し)私も時間配分があるからね。ともかく、共産党の方も、新聞の販売の部数のノルマがあって苦労されているんでしょうけれども、でも、私たちも党員のノルマありますよ。しかし、理事者に、役人に党員になってくださいとか、自由民主を買ってくださいといったことはやりませんよ。私たちはそれぞれ地元をはいつくばって、党費四千円もらうのも、今の時代、大変な時代でありますけれども、でも、いろいろな苦情を聞きながら、陳情を聞きながら、頭を下げながら、このノルマを果たしているんです。共産党みたいに、皆さんに新聞--公明党さんだって新聞あるでしょう、それぞれがみんな、皆さんに新聞を売りつけたらどうなるんですか、皆さん。そうでしょう。こういったことは、私は、即刻、共産党さんの良識によってやめることを、ぜひお願いしたいというふうに思います。
 今、話が横道にそれましたが、これは先般の、先ほど申し上げました--話がころっと変わりますけれども、大自然塾大会が開かれまして、ツリークライミングで木に登ったり、竹トンボをつくったり、たき火で焼き芋づくりをするなど、現在の東京ではなかなか体験できないさまざまな催しでありました。この大自然塾をこれからどのような具体的に活動し、進めていくのか、お伺いをしたいというふうに思います。

○石原知事 水元公園につきましては、私、就任して早々、テレビの特集で見まして、ちょっと驚きました。これだけ広大な、特にメタセコイアのような、ああいう大きな森林というのは、東京の近郊で例のないことでございまして、ですから、いろいろな構想がわきまして、とにかく一度行こう行こうと思っているうちに、今日まで時期を逸してまいりましたが、必ず行きたいと思いますし、自分の考えている構想が水元公園を舞台にして実現できるかできないかも、自分で現場を踏んで確かめたいと思っておりましたが、それをもって、何か「赤旗」が中傷し、また、あなたにご迷惑をかけたということであって、大変私にとって不愉快でございます。
 それから、「赤旗」の販売の実態、今、初めて知りましたが、やっぱり私、かねがね、共産党が自民党に次いで政治資金がいかに潤沢かということに(「自民党より多いんですよ」と呼ぶ者あり)あ、そう、驚いていましたけれども、それは、こういう暴力的な新聞の一方的な押しつけの上に(「何ですか、その発言は」と呼び、その他発言する者あり)いや、うそをいうことは暴力の一種じゃないですか。(「言葉の暴力だよ、言葉の暴力」と呼び、その他発言する者あり)言葉の暴力をあえて繰り返す新聞の一方的な押し売り、そういった搾取によって共産党の資金が賄われていることは大変意外でありましたし、これはやっぱり国民の目の前で、あの政党も反省すべき問題じゃないかと私は感じました。

○鈴木委員 大自然塾について、引き続き質問させていただきたいと思いますが、大自然塾が子どもたちや青少年、高齢者などの多くの都民と一体となって実現されることは、東京における自然環境の回復に大きな意味を持っていることは申し上げるまでもありません。これから、水元公園で発達したこの事業が多摩の丘陵地や山地の森に展開して、東京の森林再生と自然環境保全に役立つことを大いに期待するとともに、この事業の積極的な推進を願っております。
 さて、東京の森づくりは、百年の大事業であります。私たちの世代から将来を担う子どもたちへ、森林や自然を守ることの大切さを引き継いでいくことが重要であります。そこで、大自然塾に多くの子どもたちが関心を持ち、参加してもらうためにはどのような方法が考えられるか。実際にこのときに、大自然塾という割には、青梅だとか奥多摩だとかから人が来ていました。子どもたちは、ボーイスカウトとかガールスカウトとか、ふだんから野外活動に参加している子どもたちであって、青木区長に聞いたら、区内の小学校には声をかけましたということなんですが、それらしい子どもたちがほとんど来てなかった。それは、私は、これからの大きな課題だというふうに思います。
 どのように子どもたちなどに参加してもらう方法を考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。

○山下建設局長 大自然塾に多くの子どもたちが関心を持ち、参加するには、自然の中での遊びや活動を通しまして、自然と直接触れ合う機会をつくることが大切でございます。
 そこで、発進大会で人気のあったツリークライミングや炭焼きのほか、ログハウスづくりなど、親子で楽しみながら参加できる、大自然塾ならではのプログラムを企画し、子どもたちの積極的な参加を促していきたいと考えております。

○鈴木委員 葛飾区では、現在、柴又の観光文化センターにレンタサイクルセンターを併設して、レンタサイクルによる地域の観光と活性化に努めています。下町における地域の活性化のためには、行楽地や観光ルートの充実は不可欠であると思います。レンタサイクルによって、これは、いわゆる寅さん記念館なんですが、帝釈天などの観光資源と江戸川堤防のサイクリングロードから展望できる河川の景観、あるいは水郷の景観を生かした水元公園の間に回遊性を持たせることによって、新たな観光ルートとなることが期待できます。
 葛飾区では観光文化センターのほかに、もう一カ所、水元公園内にレンタサイクルの拠点を設置したいというふうなお話であります。ぜひ東京都にもご協力をいただきたいと思いますが、その辺のお考えをお示しいただきたいというふうに思います。

○山下建設局長 サイクリングコースに回遊性を持たせ、水元公園などの観光資源の活用を図ろうとする地元区の取り組みは、地域の活性化にとって大変有意義だというふうに考えております。
 地元区が関係機関と協議、調整の上、水元公園内にレンタサイクル拠点を設置、運営する場合、都といたしましては、観光や公園利用などを総合的に勘案いたしまして、地元区と十分協議をしてまいりたいと思います。

○鈴木委員 ぜひよろしくお願いを申し上げます。青年の家も廃止の方向で動いているということは残念でありますけれども、あれが廃止になって、後、更地になってしまうのではなくて、何かぜひお土産のようなものを残していただきたい。友好の家シンタロウハウスとか、(笑声)何かぜひご検討を願いたいというふうに思います。
 次に、まちづくりについてお伺いをします。
 三菱製紙工場跡地についてでありますが、葛飾区の北部、中川沿いに三菱製紙工場が今あります。この跡地、正確には近々跡地になるわけでありますけれども、この土地をどう利用していくかは、葛飾区のまちづくりにとって極めて大きなインパクトがあります。
 今、東京都あるいは葛飾区が参加をして、都市整備公団が取得した用地についてどのようなまちづくりを進めていくか、検討委員会が行われています。その検討委員会の中でどのような検討がなされているのか、お伺いをしたいというふうに思います。

○木内都市計画局長 現在、検討委員会において、地域の道路ネットワークの強化方策や、工場にかわる新たな活力を生み出す機能の導入など、開発の基本的な方向について議論をしているところでございます。

○鈴木委員 都として、このまちづくりにどうかかわり、対処していくのか、お伺いをいたします。

○木内都市計画局長 このまちづくりについては、地元の葛飾区や、土地所有者である都市基盤整備公団が主体的に取り組んでおりますが、都といたしましても、お話しの検討委員会に引き続き参画して必要な支援を行うなど、積極的に対応してまいります。

○鈴木委員 次に、中川にかかる高砂橋の整備についてお伺いいたします。
 今、高砂橋の工事が行われています。私も毎日通っておりますけれども、川に挟まれた、葛飾区の中心に位置する高砂橋であります。震災に強い橋をつくってくださるということでありますが、あそこは大変交通事故が多くて、その点も気をつけなきゃいけません。
 そういう中で、間もなく高砂橋が完成をするというふうに聞いておりますけれども、いつ開通するのか、お伺いをしたいと思います。

○山下建設局長 高砂橋の完成時期でございますが、高砂橋を施工するに当たりましては、深さ四十メートルにも及ぶ軟弱地盤への対策、JR新金線との近接施工や中川の航路の確保など、課題を一つ一つ克服しつつ、地元の協力を得て事業を進めてきたところでございます。
 現在、橋げたの架設工事を行っておりまして、平成十四年度末には開通させたいと思っております。

○星野委員長 以上で鈴木一光委員の発言は終わりました。(拍手)

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