東京都議会予算特別委員会速記録第四号

○白井(威)副委員長 石川芳昭委員の発言を許します。
〔白井(威)副委員長退席、前島副委員長着席〕

○石川委員 初めに、今後の男女平等参画施策のあり方について伺います。
 東京都は、長年にわたって男女平等を推進してまいりましたが、昨年には全国に先駆けて男女平等参画基本条例を制定し、男女平等参画の実現に向けてさらなる一歩を踏み出したところです。
 一方、昨年十一月に発表された監理団体改革実施計画では、男女平等の社会的風土づくりを目的として設立された東京女性財団について、平成十二年度に廃止するという方針が示されました。その後、廃止の時期については、平成十三年度中に結論を出していただくという知事答弁がなされ、一年間の猶予が示されたようでありますが、財団が管理運営を委託しているウィメンズプラザについては、この四月から予定どおり直営化するとされています。
 東京の男女平等参画にとって重要なのは、拠点となるウィメンズプラザで具体的にどのような施策が展開されていくかということであります。ウィメンズプラザでは、直営化後も、今まで同様、事業を実施していくと伺っております。そうした中で、直営化後に重点を置かれ、充実していかれるのは何なのか、都は今後ウィメンズプラザでどのように事業を展開しようとしているのか、まず伺います。

○高橋生活文化局長 直営化後のウィメンズプラザにおいては、基本的には、これまで財団が行ってきた事業を継続いたしますが、男女平等参画の新たな段階に対応し、広域センターとして、人材養成に重点を置いた講座や、時宜に応じた重要テーマに即した民間活動支援などを実施いたします。
 さらに、事業実施部門でございますウィメンズプラザと本庁企画部門との緊密なコミュニケーションのもとに、参画促進に向けた企業に対する積極的な働きかけや、家庭内等における暴力に対する相談の充実など、行政としての取り組みの強化を図ってまいりたいと考えております。

○石川委員 女性財団は、今後一年かけて、そのあり方について検討していかれるわけでありますが、財団がみずからの存廃を含め、結論を出すに当たっては、財団が今まで行ってきたことが東京都にどのように引き継がれ、男女平等参画がどのように推進されていくかが大変重要なポイントになります。その方向性の見通しが立たなくては、財団自身の存廃の方針も決定できないでしょう。
 東京都は、これから推進していく男女平等参画施策の全貌を示す必要があると考えますが、そのための行動計画の策定が平成十三年中に予定されています。現在は、男女平等参画審議会において行動計画について検討がなされ、この一月には中間のまとめが出されていますが、条例制定後、初めて策定される行動計画は、今までの計画とどう違ったものになるのか、行動計画策定に当たっての基本的考え方を伺います。

○高橋生活文化局長 これまでは普及啓発、意識改革を行動計画の重要なテーマとしていたのに対しまして、今回示された男女平等参画審議会の中間のまとめでは、全国に先駆けて制定した男女平等参画基本条例にのっとり、参画の促進、性別による権利侵害の禁止というところに軸足を置いております。
 新たな行動計画は、こうした観点を踏まえ、現下の重要課題である企業における参画の促進や、家庭内等における暴力に関する専門相談の新設等、具体的な施策を盛り込んだものにしてまいります。
 また、都民や事業者にともに取り組んでいくことを要請し、今後、この行動計画に基づいて男女平等参画を積極的に推進してまいります。

○石川委員 参画の促進と性別による権利侵害の禁止が重要であるとのことですが、この二つの分野では、確かに改善すべき課題が数多くあります。働く場における参画の状況を見ると、女性の平均賃金は男性の約三分の一にしかなりませんし、雇用労働者の約四割は女性であるにもかかわらず、民間企業における女性の管理職の割合はわずか二、三%という現状です。今までも風土づくりということでさまざまな普及啓発支援がなされてきましたが、もう一歩具体的な施策を展開しなければ、状況はなかなか変わりません。
 働く場における男女平等参画の状況を改善するため、都は具体的にどのような手だてを講じようと検討されているのか、伺います。

○高橋生活文化局長 これまでも都におきましては、労働相談や企業への普及啓発などを行ってきており、今後さらに雇用の分野における男女平等参画を積極的に推進していく必要があると考えます。
 具体的には、男女平等参画基本条例に基づき事業者に報告を求め、実態を把握するとともに、事業者との連絡会を新たに設置して、参画促進に向けた取り組みを進めてまいります。さらに、企業にとって具体的な取り組みの指針となる参画促進プログラムを開発し、企業担当者との講習会等を通じて、その普及、周知に努めてまいります。

○石川委員 参画と同様、人権の問題も重要です。家庭内等における暴力問題の悲惨さは、近年実態が明らかにされつつあり、行政としても早急な対策が求められていると考えます。深刻な被害を受けた女性が緊急に保護を求めるシェルターも、まだまだ不足していると聞きます。
 国においても法の制定が進められておりますが、都はこの問題でどのように対策を強化しようとされているのでしょうか、伺います。

○高橋生活文化局長 家庭内等における暴力については、相談件数や一時保護のニーズが増加しており、対策を充実する必要があると考えております。
 平成十三年度に直営化後のウィメンズプラザにおいて、新たに暴力専門相談や夜間相談を実施するほか、区や市の女性センターの相談員研修など、体制の強化を図ってまいります。
 さらに、今後、区市の福祉事務所、警察、民間シェルターなど関係機関のネットワークや総合的な窓口の整備など、初期相談から自立支援に至るまで、一貫してサポートするシステムづくりに向けて検討を進めてまいります。

○石川委員 行動計画の策定に向け、具体的な施策の検討が一つ一つ進められているようで、大変心強く感じます。しかし、今示されたのは、行動計画に盛り込まれるべきもののごく一部にすぎません。都庁全庁を挙げて男女平等参画社会を推進していくため、実効性のある行動計画の策定を要望いたします。
 次に、安心、安全なまちづくりについてであります。
 我が国では、他に例を見ない急速な高齢化が進んでおり、二〇一五年には、国民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者となる本格的な高齢社会を迎えます。そして、それに伴い、高齢者、障害者などの社会進出が進んでいくことが見込まれております。
 一方、阪神・淡路大震災の発生により、多くの人々の生命と財産が失われたことなどにより、震災に対する都市の脆弱性が一層明らかになってきております。また、犯罪の凶悪化やピッキング強盗など身近な犯罪の増加、国際組織犯罪、ハイテク犯罪などの発生などにより、犯罪に対する都民の不安も高まっております。さらには、交通事故も増大しており、都民の日常生活を脅かす不安がさらに増大してきております。
 もとより、安心、安全は都政の根幹に据えるべき重要な課題でありますが、このような状況の中で、だれもが安心して、しかも安全に暮らせるまちの実現を目指すことの重要性は、ますます高まっていると考えます。
 そのため、震災や犯罪に対する備えを万全にしていく必要がありますし、また、高齢者や障害者にとっても生活しやすいまちを実現していく必要があると考えますが、安心、安全なまちづくりについて、知事の考え方を伺います。

○石原知事 住んで安全、安心という状況は、都市行政が提供すべき最重要な商品であると思います。
 さきの阪神大震災を見ましても、あの例を見て、東京をにわかにハードウエアにおいて防災都市に直すということは、ほとんど不可能でありますから、一たん緩急のときに被害をいかに少なくするかという、そのシミュレーションのためにも、昨年、あの大演習を行いましたが、また、さきの警視総監の治安状況報告にもありますように、都内におきます凶悪犯罪の著しい増加や、外国人による強固な犯罪組織というものができつつあります。ほっておきますと、特に中国系の蛇頭などという組織がこの東京に定着しますと、ニューヨークにおけるシシリア系のマフィアということにもなりかねませんので、早い手を打たなければならないと思っておりますが、いずれにしろ、現況を眺めますと、日本が誇りにしていた治安に大きな陰りが出てきているという気がいたします。
 さらには、高齢者や障害者を初め、だれもが活動しやすい生活環境の整備も欠かせません、高齢化が進んでおりますから。
 そういうことで、それらの視点に立ちまして、今後もあらゆる角度から、おっしゃるように、住んで安心、安全なまちづくりに腐心していくつもりでございます。

○石川委員 昨年の十一月から、高齢者、障害者が支障なくまちを移動できるようにする交通バリアフリー法が施行されました。
 都は、国に先駆けて、平成七年三月に福祉のまちづくり条例を制定し、都内全域にわたるバリアフリー化を初めとし、急速に進展する少子高齢化に対応するため、昨年、同条例の改正を行ったところであります。
 しかし、法律や条例を整備するだけでは、高齢者、障害者のための安心、安全なまちづくり、円滑な移動を確保することを実現することは難しいし、今後、まちづくりの担い手である区市町村が福祉のまちづくりを推進していく上で、都はその取り組みを支援していくべきであります。所見を伺います。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 高齢者や障害者の方々が活動しやすいまちづくりを進めるためには、区市町村が、住民、事業者と協力をしながら、主体的に取り組むことが重要でございます。
 都は、こうした取り組みを積極的に支援していく方針であり、このたび、福祉改革推進プランにおきまして、新たに五カ年にわたる緊急整備事業を計画化し、地域におけるバリアフリー化を重点的、集中的に推進することといたしました。
 この計画では、福祉のまちづくり事業の補助基準額の引き上げや、地域の実情に即した補助要件の緩和などを講じております。
 今後とも、区市町村の主体的な取り組みを積極的に支援してまいります。

○石川委員 まちのバリアフリーはもちろん大切でありますが、実は東京のまちの中には、都民が安心や安全に不安を感じていることが実に数多くあります。例えば、交通事故防止のための標識やカーブミラーの設置の問題、あるいは幹線道路の横断歩道の青信号時間帯の延長など、日々の都民生活に身近なことから、地震や水害に対する不安や治安の問題など、幅広い分野にまたがって存在しているのではないでしょうか。
 都民が安心し、安全に暮らせるまちを実現するために、今、都民が何を望んでいるのか、意識調査を実施し、対策の重点を決めて取り組んでいくことが重要であると考えますが、所見を伺います。

○安樂政策報道室長 お話にありますように、都民の安全にかかわるものは、例えば日常の交通安全のための道路標識から、大規模災害に対する備えまで、さまざまなものがあります。
 東京都には、都民からの要望や提言などが毎日寄せられておりまして、年間一万件にも達しておりますが、このような要望や提言の中からも、人々が都政に何を求めているのか、その一端をうかがうことができます。
 それを参考にしながら、これまでは、交通安全、防災、バリアフリーなどといった個々のテーマに焦点を当てて、都民の意識調査を行ってきておりますが、今後は、ご指摘の視点も踏まえまして、安全で安心、そういうまちづくりを目指す都政運営に必要な意識調査を実施していきたいと思います。

○石川委員 ぜひ実施していただきたいと思います。
 さらに、現在策定中の第七次交通安全計画の策定に当たりましては、こうした都民の身近な要望にも視点を置き、少子高齢社会、さらには交通マナーの低下、あるいはキックボードの普及など、社会環境の変化に対応できる計画になるよう努力すべきでありますが、見解を伺います。

○高橋生活文化局長 これまで都は、人命尊重の理念に立ちまして、五年ごとに交通安全計画を作成し、施策の総合的、計画的推進を図ってまいりました。
 その結果、死亡事故は趨勢的には減少してきておるものの、残念ながら、昨年は交通事故が多発し、死者数が五年ぶりに四百人を超えるなど、大変厳しい状況でありました。
 策定中の第七次交通安全計画におきましては、こうした厳しい状況や、今後五年間の交通を取り巻く社会環境の変化を見据えまして、高齢者の交通安全の確保、それから若者の二輪車事故等の防止、それから自転車の安全利用の推進の三つを重要課題に位置づけまして、区市町村や関係機関、団体と連携し、交通安全対策に取り組んでいく考えでございます。

○石川委員 次に、高齢者住宅対策について伺います。
 高齢社会の急速な進展に伴いまして、高齢者の住宅問題には、例えば民間の賃貸住宅に入居しにくい、また持ち家がありながら住み続けられないなど、さまざまな問題や課題が顕在化してきています。
 高齢者が安心して生活できる居住を実現させることが急務でありますが、知事は、高齢者住宅対策の重要性についてどのように認識しておられますか。

○石原知事 本格的な高齢社会を迎えつつあるわけでありますが、一概に高齢者といっても、それぞれお立場の違う、生活の様式も違う方がおられるわけで、そのためにも、多様なライフスタイルや、収入あるいは身体状況に応じた住宅の確保が必要だと思っております。
 今後、それぞれの方々の生活にふさわしい住宅の選択や供給が、豊富な状況のもとに円滑に行えるように、福祉施策などとも連携しながら努めていきたいと思っております。

○石川委員 ところで、都内の六十五歳以上の高齢者人口、また高齢者単身世帯数は今後どのように推移していくのでしょうか。二〇〇〇年と二〇一五年との比較で伺います。

○戸井住宅局長 東京構想二〇〇〇におきましては、六十五歳以上の高齢者人口は、二〇〇〇年で百八十六万人、二〇一五年には二百八十三万人、高齢化率はそれぞれ一五%、二三%と想定されております。
 また、高齢の単身世帯数でございますけれども、この間、三十五万世帯が六十万世帯に増加するとしております。

○石川委員 現在、都営住宅の高齢者向け募集や、区市町村の高齢者向け住宅の応募状況、もしおわかりでしたら、明らかにしてください。

○戸井住宅局長 平成十一年度の高齢者向けの、まず都営住宅ですけれども、応募状況は、シルバーピア、それからポイント方式による募集を合わせまして、募集戸数千五百二十八戸に対しまして、応募者数は一万四千百三十三人でございまして、倍率は九・二倍となっております。
 一方、区市町村の高齢者向け住宅につきましては、応募状況は、平成十一年度で、募集戸数二百六十九戸に対しまして、応募者数は四千四百八十六人となっておりまして、倍率は十六・七倍でございます。

○石川委員 このように、公的住宅などの募集倍率は高い状態であります。したがって、これからは、高齢者の住宅対策は、公的住宅だけに頼るのではなく、民間賃貸住宅への入居がよりしやすくなるような、また持ち家が住み続けられるような、新たな施策の展開が求められますが、所見を伺います。

○戸井住宅局長 今後の高齢者住宅施策は、公共住宅の直接的な供給だけでなく、民間活力を活用した仕組みを充実していくことが必要であります。
 現在、国会におきまして審議されております高齢者の居住の安定確保に関する法律案も踏まえながら、ご指摘のように、民間賃貸住宅については入居しやすくなるように、また、持ち家に住み続けたいと願う人については、それがかなうような仕組みづくりを、区市町村とも連携して、幅広く検討してまいりたいと思っております。

○石川委員 答弁にありましたように、高齢者の居住の安定確保に関する法律案が、現在国会で審議され、速やかに成立が図られるようでありますが、この法案の主な内容について伺います。

○戸井住宅局長 この法律案は、高齢者の居住の安定確保を目的としたものでございまして、その主な内容でございますが、第一は、民間活力を活用した賃貸住宅の供給促進、第二は、円滑に入居し、安心して生活ができる賃貸住宅市場の整備で、具体的に申し上げますと、賃貸住宅の登録や、生涯住み続けられる終身建物賃貸借制度の創設などがございます。それから、第三といたしましては、住宅資産を利用した新たな融資制度の創設によります、バリアフリーリフォームの推進という制度もございます。

○石川委員 この法律の成立によりまして、高齢者に向けた住宅政策が充実することを期待するものでありますが、今後、高齢者に対する住宅政策を都はどのように展開するお考えか、伺います。

○戸井住宅局長 都はこれまで、区市町村と連携し、シルバーピア住宅の供給や、住宅のバリアフリー化の普及啓発などの高齢者の住宅施策を進めてまいりました。
 今回の法律案により充実が図られます高齢者の居住安定確保のためのさまざまな施策が、区市町村や民間事業者等に幅広く活用されることが重要であると考えております。
 このため、今後、都といたしましては、地域福祉の担い手でもある区市町村と新たに連絡協議会を設置するなどいたしまして、高齢者住宅施策に積極的に取り組んでまいります。

○石川委員 都において、今後、高齢者向け住宅施策の一層の充実を図っていくということですが、この点については大いに評価をいたしますし、その成果を期待するものであります。
 しかし、そのような施策も、都民である高齢者に伝わって初めて、施策としての意味合いを持ちます。一カ所で買い物を済ますことができるワンストップショッピングではありませんが、高齢者がそこに行けば、住まいに関することがすべてわかるような総合的な窓口があると、施策の効果を一層高めることになると思いますが、所見を伺います。

○戸井住宅局長 高齢者に対し、住まいに関する情報を的確に提供することは、高齢者向け住宅施策を進める上で欠かせないことでございます。その際、住民に身近な区市町村の窓口における、いわゆるフェース・ツー・フェースの対応というものが重要であると思います。
 このために、公共と民間の高齢者向け住宅の募集案内や、住宅のバリアフリー化など住まいに関するさまざまな情報を、区市町村の職員が高齢者に的確に提供できるよう、都としては、区市町村に対するインターネットを活用した情報提供など、支援の充実に努めてまいります。

○石川委員 次に、住宅局の管理業務に関連して、住宅変更について伺います。
 手続を開始してから一日千秋の思いで待っているにもかかわらず、なかなか実現しない。さらに、今どのような状況になっているのかもわからない。一年経過したから、書類の再提出をしなさいと。こうした関係する住民から苦情が寄せられております。
 住宅変更はどういう場合に認められるのか、申請と入居の実態はどうなっているのか、示してください。

○戸井住宅局長 住宅変更は、都営住宅の入居者が、入居後の状況の変化によりまして、当該住宅に住み続けることが困難になった場合、例えばエレベーターのない住宅で、その後、高齢、それから障害のために、階段の上りおりができなくなった場合、そういうケースなどに認めることができる制度でございます。
 申請件数についてでございますけれども、平成十一年度は九百五十六件、平成十二年度は、二月末になりますが九百七十七件、結果として入居した件数は、平成十一年度は三百六十一件、十二年度は二月末で三百九件となっております。

○石川委員 統計のとり方が難しいんだそうでありますけれども、一年間で変更が可能になるのは、申請に対して約三分の一、こんな状況のようであります。
 住宅変更手続をした方は、さまざまな理由があって、現在の住宅では何らかの障害があって困難な日常生活を余儀なくされていることから、迅速な対応を求めております。なぜ時間がかかってしまうのか、明らかにしてください。
 早期あっせんが無理な状況であれば、手続の際に状況をきめ細かく説明することや、新たな業務システムなどを開発し、関係者に必要情報を提供できるようにすべきでありますが、あわせて伺います。

○戸井住宅局長 住宅変更を申請する方の大部分は、住みなれた同じ団地の一階ですとか、近隣のエレベーターのある住宅を希望しております。一方、公募で入居する高齢者や身体に障害のある方につきましても、同様の住宅が必要でありまして、こうした条件を備えた空き家というのは、実はなかなか発生しないことでございまして、入居あっせんまでに、したがいまして時間がかかっている、そういう状況でございます。
 こうした状況につきましては、申請を受け付ける際や、審査結果のお知らせの中で説明しておりますけれども、今後、より一層の理解が得られるよう努めていかなければならないと思っております。
 また、現在、再構築を進めている住宅管理システムの中でも、よりきめ細かな情報提供ができるよう、検討してまいりたいと考えております。

○石川委員 都庁改革アクションプランの中で都営住宅管理運営体制を見直すとしていますが、その基本的な考え方を伺います。
 また、公社に管理業務を一元化としていますが、そうした場合の公社への対応について伺います。

○戸井住宅局長 現行の都営住宅の管理は、各種申請書類の受け付けなどは住宅供給公社で行い、その審査などを都が行っている、そういう状況にあるわけでございます。
 この状況を見直し、平成十四年度を目途に、公社への委託を可能な限り進めていくことによりまして、これまでにも増して便利、迅速なサービスの提供と、効果的、効率的な事務処理が可能になるというふうに考えております。
 こうしたことによりまして、公社の責任の一層の明確化を図るとともに、公社に対しましては、ノウハウの提供なども含めまして、適切な指導に努めてまいります。

○石川委員 次に、都市基盤整備に関連して、まず西武池袋線連続立体交差事業について伺います。
 この事業は、昭和四十六年一月に、桜台から石神井公園駅付近が都市計画されました。そのうち、事業認可された桜台から練馬高野台駅付近については、一部立体化が昭和六十二年十二月に完了、残りの区間は現在事業中であります。
 そこで、事業中区間の今後のスケジュールについて伺います。

○古川建設局長 西武池袋線連続立体交差事業の桜台駅から練馬高野台駅間については、三月三日深夜から四日朝にかけて、目白通りを九時間にわたり通行どめして、道路と線路の交差を従来と逆に切りかえる逆立体交差工事を行いました。これによって、この区間の在来線部分の高架化が完了し、十九カ所すべての踏切を解消しました。
 今後、線増部分の工事を行い、平成十四年度末までに完了する予定でございます。

○石川委員 事業区間は、平成十四年度末までに完了予定であります。その結果、石神井公園駅付近のみが、都市計画決定されているにもかかわらず、事業化されていない状態のまま取り残されています。
 この事業は、石神井公園駅に連結されて事業効果が発揮されるものであり、より費用対効果も生きてまいります。したがって、石神井公園駅付近から大泉学園駅までの連続立体交差化は早急に取り組む必要がありますが、事業化に向けた課題は何でしょうか。

○古川建設局長 事業化に当たっては、事業区間の設定、沿線まちづくりとの整合、外環など関連する道路との計画調整などが課題です。
 これらの課題を解決するために、事業区間の設定などについては、関係者間で協議を進めているほか、沿線まちづくりについては、本事業との整合を図るよう、地元区と調整を進めております。

○石川委員 調整すべき課題の一つが沿線まちづくりであるということでありますが、連続立体交差事業とまちづくりの関連性について伺います。

○古川建設局長 連続立体交差事業は、鉄道により分断されている沿線地域が一体化されることから、周辺まちづくりを進める上で大きな契機となります。
 実施に当たっては、再開発や区画整理などのまちづくりを総合的に進めることによって、その事業効果を高めることが重要であります。

○石川委員 事業化に向けて、駅付近のまちづくりが不可欠な要件であることはわかりました。しかも、この役割は地元区が担うということから、練馬区は建設省の補助制度を活用して調査を開始し、十二年度には周辺住民主体のまちづくり協議会を立ち上げ、今後のスケジュールも作成し、平成十五年度までには面的整備事業の合意形成を得るとしております。
 そこで、地元区の面的整備の立ち上げと同時に、連立事業の事業化に向けた手続がとられるよう、都は積極的にこの問題に取り組むべきでありますが、所見を伺います。

○古川建設局長 まちづくりの進展や都財政の状況などを踏まえながら、国、地元区、鉄道事業者など関係機関と協議を進め、種々の課題を解決して、早期事業化に向けて努力してまいります。

○石川委員 ぜひ地元と調整の上、よろしくお願い申し上げます。
 次に、都市計画道路の都施行の補助線街路整備について伺います。
 この路線については、区部における都市計画道路の第二次事業化計画に基づき、各路線において事業が進められてきました。しかしながら、都財政の悪化を背景に、都は、重要な路線に集中投資すべきとの方針を打ち出し、区部では、主に放射・環状道路の整備に重点が置かれるようになりました。この結果、練馬区内では、環状八号線の整備に事業費が集中的に投資され、事業中あるいは事業化に向けて動き出していた補助線街路に予算が配分されず、事業が中断した状態になっています。
 そこで、具体的に幾つかの補助路線の都の取り組みについて明らかにしてください。
 まず、補助一七二号線について、この道路は既に光が丘から環八までは供用開始し、環八から早宮通りまでの八百八十五メートルは平成元年に事業化され、全体の九一%で道路改造工事が終了していますが、車道をパイプさくで囲い、車が通行できないようになっている状況が六、七年も続いています。そのため、現地では、植え込み部分などにごみが散乱、路上ではひったくり事件が発生したり、暴走族風の若者が騒ぐなど、防犯上も問題を抱えています。このままでは、道路整備への投資が生かされないのであります。
 そこで、供用開始はいつごろになるのか、明確にしてください。

○古川建設局長 補助一七二号線は、環八との交差点から早宮通りまでの区間九百メートルのうち、八百メートルが完成しています。残る早宮通り側の百メートルについては、一部の土地が未取得であり、今後全力を挙げて用地取得に努め、早期に全線供用開始を目指します。

○石川委員 次に、補助一三三号線について、平成二年六月に目白通りから千川通りの区間が事業認可取得、用地買収率は平成十一年度末で七〇%、工事については、一部区間で街築工事や車道舗装等を実施、しかし、十二年度当初から用地買収が凍結されています。この道路は、西側に位置する中村橋駅通りの商店街の再整備とも関連することから、一日も早い事業の再開が望まれています。
 今後の整備方針と見通しについて伺います。

○古川建設局長 練馬区内の補助一三三号線は、千川通りから西武池袋線を挟んで目白通りまでの四百メートルを事業中で、用地は六九%を取得しています。平成十二年度は、地元商店街の方々の期待にこたえ、二区間百七十メートルで街路築造工事などを実施しております。
 今後は、財政状況などを踏まえつつ用地取得に努め、整備を進めてまいります。

○石川委員 次に、補助二二九号線、庚申通りから青梅街道間は、平成十年九月から現況測量を、平成十一年七月から用地測量を実施し、その後事業認可手続に入る予定でありましたが、現在まで具体的な動きがありません。さらに、補助二三〇号線については、大泉学園通りから外環の区間は、平成十年十月から現況測量を、十一年十月から用地測量を実施し、外環から土支田通り区間は、平成十一年十二月から現況測量を実施しました。
 都は、地元の説明では、その後事業認可手続に入る予定であると明言しています。この道路は、地下鉄大江戸線の導入空間となるべき重要な路線で、測量のため一たん地元に乗り込んだにもかかわらず、その後の手続が進んでいないことから、地元からいら立ちの声が上がり、区も都に対して事業の再開を再三要望しております。これらの路線に係る地元の人々は、事業化にあわせて生活再建を考えており、事業化のおくれにより大変困惑しております。
 厳しい財政状況にあることは理解しますが、長い間、都市計画道路の規制を受け、ようやく事業化かと期待している都民の気持ちを思い、早期事業化に向けたなお一層の努力を強く要請して、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○前島副委員長 石川芳昭委員の発言は終わりました。

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