東京都議会予算特別委員会速記録第四号

○田村委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
 これより付託議案の審査を行います。
 第一号議案から第二十九号議案までを一括して議題といたします。
 昨日に引き続き総括質疑を行います。
 桜井武委員の発言を許します。

○桜井委員 平成十二年三月の予算特別委員会にも質問しましたし、同年十一月の決算特別委員会でも質問しましたし、今回も同じように質問するわけでございますが、下水道の整備についてまず質問します。
 平成十一年の夏、雨がたくさん降りまして、浸水被害がたくさん出ました。それを契機に、雨水整備クイックプランというのができ上がりまして、かなり高い評価を得ているわけでございますが、これは、繰り返し繰り返し被害を受ける地区を重点的にやるという政策ですけれども、昨年、平成十二年の集中豪雨による浸水被害が発生した地区についても、検討、追加がされていると聞いていますが、その対応をまず伺います。

○横山下水道局長 昨年、雨水整備クイックプラン策定後に発生した浸水被害地域を対象に、その被害の程度や緊急性を勘案いたしまして、大規模な被害に対応する重点地区として三地区、小規模な対策で対応可能なものとして五カ所を新たに追加いたしました。
 これらの地区についても、それぞれの地域に合った効果的な対策を速やかに実施してまいります。

○桜井委員 次に、合流式の下水道について質問しますが、ご承知のとおり、区部の場合は、汚水、雨水を合流式で流しているわけですけれども、大雨が降りますと、下水道の施設が悪いところは、汚物が流出してしまいます。さきにも、お台場の海浜公園で白色の固形物が漂着し、その原因が、家庭とか飲食店、そういったものから排出された油の固まりではないかといわれておりますけれども、こういうような大雨時に下水道施設から流出したものに対する対策として、新しい対策や工夫を凝らして改善していくべきだと思いますけれども、この点について伺います。

○横山下水道局長 合流式下水道を改善する幹線管渠や雨水貯留池の整備につきましては、今後も計画的に進めてまいりますが、これに加えまして、油の固まりやごみの流出など、緊急の課題や対策地域を重点化した、合流改善クイックプランを策定いたしました。
 この計画では、飲食店や都民にも、油などを下水道に流さないように要請するとともに、ろ過スクリーンなどの新たな技術を導入いたしまして、油やごみを下水道から海や川へ出さない新たな対策を実施いたしまして、早期に確実な効果を目指してまいります。

○桜井委員 都心部周辺では、八割以上の下水管がもう耐用年数を過ぎている、五十年を経過しているという状況が実態です。特に、私が住んでおります旧市街なんかは、早くつくっていただいたのはよかったんでしょうけれども、今になってみますと、一番老朽化しちゃっているということでございます。地下に潜っておりますから、その腐食度がいかに大変なのものかということは、一般都民は見えないものですから、余り苦情は出ないんですけれども、実際問題として、鉄骨がむき出ているような状態まで腐食が進んでおります。
 下水道の老朽化を原因として、前回も質問しましたが、道路陥没等々が起きて、非常に危険でありますので、考えていたんでございますが、この間、下水道局は、都民生活への影響が大きいものを初め、緊急性の高い--この場合、緊急性が高いというのは、繰り返し繰り返し起きるということだと思うんでございますが、そういう路線を重点化して、短期間で効率的に実施するための計画を策定する、そういう考えを表明しておりましたけれども、それについて答弁を願います。

○横山下水道局長 ご指摘のように、下水道施設の老朽化によりまして、道路陥没や臭気が発生しまして、都民生活の安全性や快適性に影響があらわれております。
 都民生活に悪影響を与えているこれらの課題に対しまして、速やかに、かつ重点的に対応するため、再構築事業につきましてもクイックプランを策定いたしました。

○桜井委員 大変大切な事業だと思うものでございますので、ぜひ頑張っていただきたいのでありますが、そのクイックプランというものの特徴はどういった点にあるのか、質問します。

○横山下水道局長 従来から進めております再構築事業は、耐用年数を経過いたしました老朽化施設の更新にあわせまして、不足している雨水排除能力の向上などを計画的に進めるものでございます。
 クイックプランにつきましては、施設の老朽化が都民生活に与えている問題を速やかに解決することを目的としており、その内容といたしましては、歩行者や道路交通の安全を確保するための道路陥没対策、それから、快適な都市空間を維持するための臭気対策などに重点化いたしまして、それぞれの対策ごとに対象地区や施設を限定し、短期間に実施することが特徴でございます。

○桜井委員 次に、これも十二年三月の予特に質問したことの連続でありますが、私が長く、いつもいっているということでございますけれども、自転車の専用道をつくったらどうかと、こういったことで前回も質問しましたが、何か七つの地区で、モデル地区というのかな、計画を策定中と聞いていますが、現在の取り組み状況について伺います。

○古川建設局長 千代田・中央地区、葛飾・台東・墨田地区など七モデル地区については、既設の道路空間を活用して、各地域の特性を生かした自転車利用環境整備基本計画を十二年度までに策定済みであり、外堀通りなどで先行的に整備を進めているところでございます。

○桜井委員 自分の地区で恐縮なんでございますが、墨田区についてはいかがですか。

○古川建設局長 三ツ目通り、清澄通りを南北方向の、蔵前橋通りを東西方向の骨格路線として位置づけ、加えて、JR総武線などの主要駅へのアクセス路線や、江戸東京博物館や清澄庭園などの文化・観光施設を結ぶルートなどから形成される、墨田区内の自転車道ネットワークの整備を目指しております。
 また、駅周辺などの拠点となる駐輪場七カ所や、区の施設等を活用した、手軽に利用できる小規模な駐輪場の設置についても、区と連携して推進してまいります。

○桜井委員 質問をまとめてやりますので、お願いします。
 当然考えられることは、ぶつからないように、また、けがはないようにすることが必要でありますので、走行の安全性を図るためにどういうことを考えているのか、それからまた、ルール、マナーを守るためにはどのように考えているのか、まとめて答弁してください。

○古川建設局長 まず、安全に走行できる幅員を、自転車一台が走行に必要な幅は一メートルと道路構造令で定めておりますので、安全なすれ違いを考慮して、自転車道の幅員は二メートルを標準としております。
 また、その整備に当たりましては、自転車が通行できる部分をカラー舗装等で区別したり、植樹帯等によって分離するなどして、安全な歩行環境の確保に努めております。
 さらに、歩行者優先の交通ルールを守るためのマナー教育と連携して、自転車走行区分をわかりやすく示す図入りの標識の設置や路面標示を行うことにより、歩行者の安全確保をより徹底してまいります。

○桜井委員 次に、これもまた去年の予特で質問したことでございますが、地元の問題で申しわけないんですけれども、鐘ヶ淵通りの整備についてでありますが、いわゆるあかずの踏切を何とかならないかということでありますし、道路が狭くてしようがないということでございますが、鐘ヶ淵通りの整備に当たって、墨田五丁目地内に、昔から、もう何十年も前から都有地がありまして、その活用を含めて推進をお願いしたいと思うわけでございますが、この地区は、鐘ヶ淵通りと東武伊勢崎線の踏切の解消が今いったとおり問題でございますけれども、それの立体交差化についてどのように考えているか、もう一度質問します。

○古川建設局長 まず鐘ヶ淵通りの補助一二〇号線でございますが、鐘ヶ淵地区においては、延焼遮断帯を形成するため、補助一二〇号線の街路事業を進める中で、沿道区域を取り込めば防災性の向上が見込める当地区の特性に考慮し、沿道区域に重点化した区画整理を活用した整備手法など、引き続き検討を重ねてまいります。
 そのため、地元区と連携して、昨年九月に立ち上がった鐘ヶ淵地区まちづくり懇談会の活動に協力して、地域住民との合意形成に努めてまいります。
 また、道路と鉄道の交差については、道路交通量や踏切遮断時間を考慮した事業の優先順位、他の整備計画との整合性及び財政状況などを踏まえ、交差方法、整備方法などについて検討する必要がございます。
 本地区においても、今後、これらの課題について、地元区や関係機関と話し合ってまいります。

○桜井委員 今の問題は、もう何十年も取り組んでいることでございますので、ぜひお願いします。
 次に、同じく墨田区内の旧中川ですけれども、私は、都議会議員になって大分たちますが、たくさんの都の施設をつくっていただきましたが、私の個人的な判断では、旧中川の整備が最もいいと、最もすばらしいな、いいものをつくってくれたなと、現在もつくりつつありますけれども、そう思っているわけでございますけれども、その整備状況についてまず伺います。

○古川建設局長 江東三角地帯の東側河川の整備に当たっては、軟弱地盤の対策として、堤防の強化工事を先行しておりまして、計画延長十三・六キロメートルのうち、今年度末で五・八キロメートル、四三%が施行済みです。
 さらに、環境、修景に配慮した河川整備を行っており、委員ご指摘の旧中川において、二・七キロメートルを完成させ、地域住民の方々に散策路などとして活用されております。

○桜井委員 時間の関係上、質問をはしょりますが、いずれにしましても、これは新東京百景の中の一つにも入るんじゃないかな、このように思いますので、ぜひこれからも力強く整備の促進をしていただきますようお願い申し上げます。
 次に、同じく墨田区ですけれども、東墨田地区という広大な面積のところがございます。皮革、油脂が集積した場所でございますが、両事業とも、ほとんど国際競争力に負けて、非常に厳しい状態でありますが、これに対して、国が、スーパー堤防絡みで、まちづくりに乗り込んできております。それに対して、地元の墨田区も対応しようということでございますけれども、国と墨田区だけではどうにもならない、そこに東京都が入っていかないとどうにもならないわけでございますけれども、東京都が入っていく、積極的に果たすべきであると考えておりますけれども、その見解をお願いします。

○山下都市計画局長 東墨田地区は、昨年策定されました荒川沿川整備基本構想におきまして、スーパー堤防と市街地との一体的な整備の計画づくりを進める地区に位置づけられております。
 同地区におきましては、住民が中心となって、まちづくり計画の策定に向けた取り組みが進められておりまして、昨年十二月には、整備計画策定委員会が設置されております。
 都といたしましても、こうした地元の活動が今後の事業化へつながっていくよう期待しているところでございます。
 また、この地区は、工業地域に指定されておりまして、多くの方が事業を営んでいることから、これらの方々にも配慮した計画とすることが重要な課題であると考えております。
 次に、都の取り組みについてでございますが、これまで、国土交通省荒川下流工事事務所が主体となって、まちづくりを含めた調査を行ってまいりました。これを受けて、平成十三年度は、地元の墨田区が整備計画の策定に向けた調査を進めていくことになっております。
 こうした地元の取り組みに対しまして、都といたしましても、技術的な協力を行っていくとともに、国やコーディネーターとなる都市基盤整備公団などの関係機関や、庁内各局とも十分に調整を図ってまいります。
 また、事業化に当たって、どのような支援が可能か、検討してまいります。

○桜井委員 東京都が本気でこれに取り組んでいただけるとするならば、平成十四年度にはぜひ支援に入っていただかないと間に合わないというように感じるものでございますので、強く要望しておきます。
 次は、教育長に質問しますが、私は、国立のところで問題が起きましたときに、たまたま文教委員でございましたので、行きましたが、それ以外の場合にもいつも考えているんですけれども、教育委員会というものの位置づけというものが、どうも一般国民はもちろんのこと、役所の中においても、教育委員会というものがどのように位置づけられているか、いかに重要な役割を担わされているか、それが本当に現実的にその担わされている役職のように機能しているかどうか、その点が甚だ疑問でなりません。
 そういった点について質問させていただきますけれども、教育委員会とは、法令上どのように規定されているのか、まず伺います。

○横山教育長 教育委員会につきましては、地方自治法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律がございますが、その規定によりまして、地方公共団体の長の権限とされております大学に関する事務、私立学校に関する事務等を除きまして、教育、学術、文化に関するすべての事務処理について権限を有しております。
 また、教育委員の選任につきましては、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する者のうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て任命すると定められております。
 教育委員長の職務につきましては、教育委員会の会議を主宰し、教育委員会を代表することとされておりまして、教育長の職務は、教育委員会の指揮監督のもとに、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどり、事務局の事務を総括し、所属職員を指揮監督すると規定されております。

○桜井委員 教育委員は、ご承知のとおり、首長が選任します。互選で教育委員長が選任されますが、教育長は首長が任命すると。その下に、実質的なあらゆる事務体がくっついていると。
 ですから、どうしても教育長に権限が行って、教育委員長並びに教育委員が、教育長、またその部下の機関の、いいなりにならざるを得ないというとおかしいのでございますが、非常に引きずられてしまうという傾向があるんじゃないかなと思うものでございますので、その点について、今後、東京都の教育委員会はいいと思うのでございますけれども、区市町村の教育委員会について、十分な指導、監督をお願いしたいと思います。
 次に、教育委員の中に保護者を含めることに関して、国会に法案が提出されましたが、その趣旨と内容について伺います。

○横山教育長 先ほど委員の質問の中に、教育長は教育委員会の互選で任命される--長が任命するのは、あくまでも教育委員でございますので。
 今のご質問でございますが、昨年十二月の教育改革国民会議最終報告の中で、教育委員会の活性化の一つの方策としまして、高い識見と経営感覚、意欲と気概を持った適任者の教育長及び教育委員への登用、あるいは、親の参加や年齢、性別など教育委員の多様性の担保といった提言がなされました。この提言を踏まえまして、本年二月に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正法案が国会に提出されたところでございます。
 この改正法案の中身ですが、保護者や地域住民の多様な意向を的確に反映させ、教育委員会の活性化を図るために、教育委員の任命に当たり、年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、委員のうちに保護者である者が含まれるよう努めることという規定が新たに盛り込まれたところでございます。

○桜井委員 今、教育長が私に対して指摘されましたが、確かにそうなんですけれども、現実問題として、実際的には、首長がこの人を教育長にしてくれというふうにやっているんですよ。それがいけないというのじゃないのでございますが、その点が非常にさまざまな--きちんと機能していればいいですけれども、機能がまずくなった場合のことをいっているわけであります。
 次に、これは知事が、都立大学ちゃんとやらなかったら、あんなの売り飛ばしちゃうぞといったとかいわないとかといいますけれども、大分勉強したようでありまして、なかなかすばらしい機関に改められつつあるようでありますが、私は、地元墨田区、地元下町というのか、中小、家内、零細企業の集積地でありますので、一生懸命、一生懸命働いているんですけれども、いかんせん、弱点は、ノウハウというか、技術力というか、革新力というか、そういったものについて、意欲はあっても、それをサポートする機関とか施設とか、そういったものが足らないというわけでありますので、ぜひこの--うちの区内に、この間、知事はベンチャー・SUMIDAをつくっていただきまして、非常にありがたいのでございますが、都立大学が今度やろうとしているものも、中小零細、家内工業のそういったベンチャー精神といいますか、ベンチャー的な意欲といいますか、そういったものをドッキングできるようにしていただけないかということを、まず質問します。

○横山教育長 企業との連携につきましては、都立大学あるいは科学技術大学におきまして、企業との共同研究あるいは受託研究を初めとして、企業で就業体験をするインターンシップ、それから、企業関係者等と大学との意見交換の場の設定などを実施しているところでございます。
 また、都立大学におきましては、昨年発足しました技術移転機関でございますTAMA-TLO株式会社の設立に教員が携わるなど、企業への技術移転につきましても取り組みを始めたところでございます。

○桜井委員 これは、ほかの先生も既に質問されておりますので、ダブりますけれども、二十三区の合区というか再編というか、これについて、知事もかなり前向きなご意見を述べておられますけれども、もうちょっと局全体、東京都全体--知事が一人だけ突出しているわけでもないと思うものでございますので、これは総務局長ですか、その点だけ答弁してください。

○大関総務局長 今後、特別区が行財政運営の効率化を図り、広域的な行政需要に対応していく上で、合併というのは重要な選択肢の一つであろう、このように考えておりまして、特別区の合併に当たっては、今後、それぞれの特別区がどのような規模あるいは権限などを有したらよいかということを考慮するとともに、やはりどういう時代になろうといたしましても、大都市行政の一体性、統一性の確保というのは重要なわけでございます。これらについても留意する必要があるだろうと思っています。
 いずれにいたしましても、基本的には、住民の意思を尊重しつつ、特別区みずからが自主的、主体的に考え、取り組むべき課題であると考えておりますけれども、東京都といたしましても、今後、広域的自治体としての立場から、特別区の合併のあり方につきまして具体的に検討し、提案していきたい、このように考えております。

○桜井委員 ごく短時間に質問しますけれども、自由化に伴って、建築確認が民間でもできるようになったわけであります。これは悪いことじゃないと思うのでありますけれども、そのいい点はわかるのでございますが、弊害について答弁願います。

○山下都市計画局長 民間も確認検査業務ができるようになったことから、確認検査の窓口がふえ、建築行政全体として事務処理が迅速化され、検査業務も充実されるなど、建築規制の効果が上がってきております。
 一方、指定確認検査機関が行う建築確認につきましては、まちづくりへの配慮や近隣との調整が十分なされていないとの意見が住民から出されております。
 本来、建築確認に当たりましては、建築基準関係法令に限定して審査するものではございますが、都としましては、今後とも指定確認検査機関との綿密な連絡調整に努め、建築行政の円滑な推進を図ってまいります。

○桜井委員 悪いことが行われないように、よく監視してください。
 時間の関係上、最後でございますが、知事にご答弁をお願いします。
 東京から国を変えると。今や東京じゅうで、それに対する賛成、反対は別でございますが、東京都民は知らない者はないくらい浸透してきたんじゃないかと思うのでありますけれども、私もすごく評価しておりますが、具体的なことを、時間の関係で、一つか二つ挙げてご答弁願いたいんですけれども。

○石原知事 別に、殊さら功を誇るわけではございませんけれども、何といっても日本の心臓部、頭脳部の東京でありますから、国がなかなか重い腰を上げて動かさないもので、やはり国家のためにも首都圏のためにも、すべきことは、いい出してしなくちゃいかぬと思って、幾つか手がけてまいりました。
 例えば、災害というのはいつどこから来るかわからぬわけで、これだけ肥大化した東京をいざというときにどうするかということ、そのパニック的な状況が現に神戸であり、あるいは、いい例では台中などの大地震でもあったわけでありますけれども、どうもそういうものに対する万全の体制がしかれていないために、国に要請して自衛隊の出動も仰いで、警察、消防と協力して、昨年の九月、大演習をやりましたが、あれは都市部、中心部でありますから、ことしは三多摩の方で形を変えて行いまして、この二つをあわせて、いろいろ収れんする問題は収れんして、来年からはほかの大都市部で、あるいは中京なり大阪で行うことになると思います。
 また、数年先に恐慌状況が見えている国際線の需要が一向に保障されていないので、東京からいい出して、新しい飛行場、羽田の沖合の再展開を、案を出しまして、これは与党の政調も協力してくれまして、速やかに調査費がつきましたから、早期に実現すると思います。
 また、何といっても、党派を超えて、立場を超えて、すべての人にかかわりある大気汚染、つまり、健康にかかわる大きな問題でありますけれども、多角的にこれに対処してまいっておりますが、これは金目の問題でないので、国もすぐ動いたのでありましょうけれども、軽油の取引というものに対する課税が今まで消費税で行われていたために、非常にごまかしやすく脱税が進み、かつまた、それを促進するためか、脱税の効果を上げるために非常に不正の軽油がつくられて、一層大気の汚染を助長しておりましたけれども、これは強く要請しまして、既にもう法律ができて、ことしの六月から、従来の消費税で徴税した軽油の代金を庫出という形にしましたので、末端でごまかしようがなくなったというのは一つの成果だと思っております。
 その他この他、やることはたくさんございますけれども、中小企業対策としても、本当にこれは国がやらなくちゃいけないことでありますが、新しいCLO式の債券市場もつくりましたし、去年とことしと合わせて大体一千億を超す金融の保証制度というものをつくりました。
 まだまだこれから問題はいろいろありますが、ひとつ議会の協力をいただきまして、決して国の鼻を殊さら明かせるつもりはございませんが、都が率先してやるべきことは、東京のためにも、国のためにもやりたいものだと思っております。

○桜井委員 まだ五分ありますので……。知事がいわれます都というのは、よく聞いておりますと、場合によっては、首都圏というのですか、七都県市というんですか、それを指している場合が多々あるんじゃないかなと思うのでありますが、それについて、それを使ってやるんだといいますか、その場合でも都という場合があるんですけれども、多分、その場合、首都圏、こういっていると思いますが、その点について、ちょっともう少し説明をお願いしたいと思うんですが。具体的に……。

○石原知事 どうも言葉が紛らわしくて申しわけございませんが、やっぱり私たちが東京都として、この議会活動も通じて考えるべきものは、ひとり東京都だけではなくて、東京都の周辺にある三つの県、そして、そこにあるさらに三つの政令指定都市を含めた首都圏だと思います。
 これが合わさって、日本の心臓であり、頭脳である首都圏の活動を運営しているわけでありまして、早い話が、昼間人口で二百数十万の人が東京外部から東京にやって来て、ここで働いて、国家を動かす首都の機能を運用しているわけでありまして、そういう点で私たちは、やはり首都ということを考えるときに、ひとり東京だけではなしに、この七都県市というものを縫合したメガロポリスというものを、東京を中心にした首都圏としてとらえることが、これからの地方自治体の行政にとっても不可欠ではないかと思っております。

○桜井委員 きょうは、これは質問通告しておりませんが、きのうの答弁の中に、今の首都圏のことに関して、社会工学的に、あるいはまた文明論的に、そういったものを、首都圏というものをそろそろ定義づけなければならないんじゃないかという答弁をされておりましたので、その点をもう少し踏み込んでご答弁願えますか。

○石原知事 たまたま前後して道州制の話題も俎上にのりましたが、やはり今日の既存の何十年か続いている行政区分というのは非常に不自然でありまして、時間的、空間的にこの日本も狭くなってきた現況で、私はやっぱり、現に埼玉県に、土屋知事の達見で副都心がつくられまして、関東一円に散らばっていた国家の行政機関があそこに集約されるという非常に機能化された集積があるわけでありまして、そういうものを踏まえまして、さらにあの環状道路というのが整備されれば、この七都県市を環状で結ぶ大きな大きな人の動き、仕事の動きも出てくるわけで、現に三多摩にもそういう兆候がございますけども、やはりこうなってくると、東京の都知事とか何県の県知事とかということじゃなしに、この七都県市合わせた行政区分というものが、日本の中で最初の道州制という形で実現されれば、私は、国家にとってもこの地域にとっても、行政の実が上がるし、住民の、国民、都民も余計な負担をせずに済むと思いますので、そんなものも想定して、何年かかるかわかりませんけれども、まずそういう発案をするということが大事だと思って心がけていきたいと思っております。

○桜井委員 ありがとうございました。
 終わります。(拍手)

○田村委員長 桜井武委員の発言は終わりました。

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