東京都議会予算特別委員会速記録第三号

○前島副委員長 大山均委員の発言を許します。
〔前島副委員長退席、白井(威)副委員長着席〕

○大山(均)委員 まず、建設廃棄物対策についてお伺いをいたします。
 東京は、高度成長期に建てられた公共施設や道路などの建築物が更新時期を迎え、大量の建設廃棄物が発生すると考えられます。そこで、まず、都内から建設廃棄物がどのぐらい排出され、処理状況はどうなのか、また、将来どのぐらい排出されると予測しているか、伺います。

○中野環境局長 平成十年度に都内から排出された建設廃棄物は、一千五万トンであります。
 この建設廃棄物は、脱水や焼却などの中間処理によりまして二百十六万トンが減量化され、四百八十五万トンが再生利用されます。残った三百四万トンが最終処分されます。
 また、将来の予測でありますが、平成十七年度に排出される建設廃棄物は、約一千六十万トンと予測しております。

○大山(均)委員 聞いた話なんでありますが、埼玉県では、所沢市を中心にして産業廃棄物が焼却処理されております。その多くは、東京から運ばれているものと聞いております。最近、焼却施設の煙が余り見られなくなっているということであります。調べてみましたら、ダイオキシン類の排出基準が平成十四年十二月から強化されることに伴い、これに適合ができない焼却施設が次々と廃止をされているということでありました。
 環境省の資料で調べてみましたら、全国的に焼却施設や最終処分場の新規の設置の申請件数が激減をしているということであります。このまま手をこまねいておりますと、処理施設や最終処分場の不足から、産業廃棄物の処理が滞り、経済活動に支障を来す可能性があります。
 都内の建設廃棄物の多くは他県で処理されてきましたが、その行き場が失われると、不法投棄などの不適正処理が増加することが予測されます。大量の建設廃棄物を排出している東京都にとって、建設廃棄物対策を進めることは重要な課題であります。こうした中で、増大する建設廃棄物の発生抑制やリサイクルを推進するために建設リサイクル法が整備され、建設廃棄物の分別やリサイクル施設への持ち込みなどが義務づけられることとなりました。そのために、受け皿となるリサイクル施設の整備が急務でありますが、東京都内では他県に比べて大変地価が高いことから、民間の処理施設の整備が進みにくいという現状がございます。
 そこで、これまでは事業者に処理責任があるということで、民間の施設整備を前提としてきたのでありますが、都が公共関与により処理施設の整備を推進していく必要があると考えます。今年度は、公共関与による施設整備の基礎調査を実施していると聞いておりますが、どのような内容なのか、お伺いします。

○中野環境局長 今年度は、検討委員会の提言を踏まえまして、特に排出量が多く、リサイクルが進まない建設汚泥や建設混合廃棄物などの再資源化施設につきまして、その事業規模や採算性などを調査してまいりました。現在、関係団体等の意見も聞きながら、取りまとめを行っているところでございます。

○大山(均)委員 これまでは、東京都は産業廃棄物の処理の多くを他県に依存してまいりましたけれども、最終処分場の逼迫で、もはや他県にばかり頼っていられない状況であります。また、循環型社会への転換が求められる中、これからの廃棄物の処理はできるだけ負荷を軽減していかなければならないと思います。
 そのため、今年度の調査報告書がまとまり次第、十三年度から公共関与の事業化に向けて動き出すべきと考えますが、今後どのような事業を進めていくのか、お伺いいたします。

○中野環境局長 今年度の調査結果を踏まえまして、十三年度には、対象品目や事業採算性を考慮の上、再資源化施設の運営方式、処理能力あるいは必要面積などを精査いたしまして、十四年度以降、早急に施設整備に着手できるよう取り組んでまいります。

○大山(均)委員 建設リサイクル法の本格施行や、ダイオキシン類の排出基準の強化の実施が来年に迫っており、都は、産業廃棄物、とりわけ建設廃棄物の処理対策を速やかに進める必要があります。
 特に、建設廃棄物は公共事業から発生するものがかなりの部分を占めておりますので、発注者の責任として東京都がどのような取り組みが求められるか。建設廃棄物の処理が大きな問題になることが目前に迫っておりますので、これへの対応は待ったなしだと思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 それから、この建設廃棄物だけの問題ではなくて、きのう、小林さんの方からもお話ありましたけども、今盛んに国の方でいろんなリサイクル法が出ておりますけれども、何か見ておりますと、リサイクル法を採用しやすいものから何かしているなという感じがいたしております。例えば、この建築廃材なぞは、はっきりいえば東京都の施設を壊すときには、東京都が責任を負わなければマニフェストが返ってこないという形の中で、建築廃材についてはやりやすい。
 しかし、きのうも話にあった容器包装リサイクル法ですか、ああいう問題とか、例えば国のいろんな法律を見ておりまして、例えば今も話に出ておりましたけれども、汚染土壌が出てまいりますと、その汚染土壌を中間処理をしたものが、残土なのか、それとも産業廃棄物なのか、これもいまだに法律ではっきりしていない。こういう問題、法律ができていないからしようがないんだではなくて、これは環境局の方で、これからどうしたらいいか、都民が直接困っていることに対して、しっかりとしたスタンスで国よりも早くスタートするぐらいの気概でこれからやっていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に参ります。
 先ほど元気出せ商店街の話もありましたけれども、まさに元気出せ商店街は議会主導でつくり上げた予算でありまして、商店街が大変喜んでおる予算であります。しかし、それも行政の方で、十三年度は廃止にしようとしましたけれども、議会が一致して、そのまま残すという格好で残りました。実は、これは一回一回のイベントを助成していくという予算でありまして、そのイベントが商店街ごとにいろいろと特色を持ってやられております。
 しかし、せっかくイベントに出てきたお年寄りたち、また消費者たちが、再び商店街に戻っていかない現状が今起きております。それは何かといいますと、一回は商店街の人たちの呼びかけによって行ってみたけれども、次のときに行ったら、お年寄りの方たちが大変につらい思いをした。それは何かといいますと、今のお年寄りは、例えば商店街まで歩いて二十分、買い物に二十分かかったとして、帰りまで二十分、丸々一時間立ち続けないとならないという商店街が主だと思います。
 なぜそうなったんだろうと考えてみますと、今まで、商店街を、買い物道路であっても道路とみなしまして、道路交通法で取り締まられておりまして、道路交通法と東京都道路交通規則に基づいて、商店街の買い物道路であっても、いすやテーブルを置いてはいかぬという解釈が今までずっととられてまいりました。これは私は違うと思いまして、ずっといろいろと話し合いをしてまいりまして、このたび、いすやテーブルぐらいなら危険なものだとは考えないから、買い物の時間帯においてなら、置いても構わないという見解が出されました。
 高齢者にとりまして、自宅から商店街に出かけ、買い物をして帰宅するまで、その時間帯の間に一休みできる場所、そういうものが出てくることによって、お年寄りが少しでも商店街に出てくる。そして、商店街に出てきたときに、昔の商店の息子さんたちだったのが、今ご主人になっている姿、そういうコミュニケーションが出てくるんではないかなと思っております。
 それから、これは余分なことかもわかりませんけれども、共産党の資料の数字とは違うんでありますが、今七十歳代の方たちの貯蓄ですか、あれが約二千万円といわれております。この貯蓄を、お金を一番持っている年代の方たちが商店街に出てこられない。この方たちが出てくることによって、商店街で一つでも物を買う。夏休みや春休み、天気がよかったら、お孫さんの手を引きながら孫のものを一つ買ってやる。そういうことによって、商店が元気が出てくるんじゃないか、そういう思いで今までやってまいりました。
 そういう地域の商店街により親しめる環境をつくっていくことは、商店街の活性化につながると思いますけれども、労働経済局長、いかがでありましょうか。

○浪越労働経済局長 時間規制された歩行者用買い物道路において、いす、パラソルなどを置く行為の是非については、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに置いてはならないなど、法令に定める禁止行為に抵触せず、道路に露店を出すなどの道路使用許可対象行為に該当しないような形態で、時間規制された歩行者用道路上にいす等を置く行為は、許可を要しないことと承知しております。
 このようなことを活用することが、地域コミュニティの中核としての商店街活動の一層の促進や顧客サービスの向上等に資するものと考えております。
 今後、この趣旨を、区市町村とも連携して商店街に周知を図り、都の商店街活性化事業において活発な取り組みが展開されるよう、推進してまいります。

○大山(均)委員 昨年の予算特別委員会で、私は土地収用法の問題を取り上げておりました。それは、東京都の事例で、百四十坪の土地を買うのに、五千七百万の費用で済むところが、いろんな旅費や事務費や送料等を含めて七億円払った事例がありました。そういうものを国に向けて法改正を訴えていくべきだと提案をいたしまして、そして知事のさまざまな働きかけもあって、先日、政府の閣議決定がされ、土地収用法の改正について一歩前進がありました。
 また、同じ委員会で、羽田空港に第四の滑走路を整備して、さらに国際化を進めるべきだという提案をいたしましたけれども、これも昨年、知事が国に提案し、何かその場で調査費が十二億ついたという、大変異例な決定が行われました。これがまさに常々知事がおっしゃっている、東京から国を変えるという実例になったことだと思っております。
 さて、羽田空港の国際化については、今までたくさん、多くの議員からそれぞれの立場で質問がありました。先般、長いこと要望してまいりました国際チャーター便が正式に認められまして、本年二月十六日に羽田空港から五便のチャーター便が飛び立ちました。今後は、さらにチャーター便をふやしながら、定期便の実現の道を進め、羽田空港の国際化に向け、東京都が一層取り組むべきだと考えます。
 ところで、本年二月二十一日と二十二日にワシントンで行われた日米航空交渉において、アメリカから、羽田から旅客のチャーター便が出ているのであるから、貨物のチャーター便の就航も認めるべきだという提案がありましたが、その際、我が国はこの提案に対して非常に難色を示したといわれております。
 私は、今後の羽田空港の国際空港の方向性として、旅客、貨物、いずれも国際化を目指していくべきだと思いますが、最初に、そのチャーター便、貨物のチャーター便について、我が国の対応がどうだったか、都市計画局長の方に何か入っていましたら、教えていただきたいと思います。

○山下都市計画局長 通関や検疫手続などを含めた国際貨物の受け入れ体制が整わないということで、日本政府は、国際貨物チャーター便の受け入れは難しい旨の回答を行ったと聞いております。

○大山(均)委員 ところで、羽田空港には、現在、中華航空が就航しておりますけれども、その中華航空の国際貨物を取り扱っておりますけれども、どの程度の取扱量になっておりますか。

○山下都市計画局長 平成十一年度の羽田空港における国際航空貨物の取扱量は、約三万トンとなっております。

○大山(均)委員 それでは、成田空港はどの程度の航空貨物量があるのか、また、世界での位置はどれぐらいか、教えてください。

○山下都市計画局長 平成十一年の成田空港の国際航空貨物取扱量は約百八十万トンでございまして、香港に次いで世界第二位でございました。

○大山(均)委員 成田空港が取り扱っている航空貨物のうちの七〇%が東京都民向けの物資でありまして、しかも、その東京向けの物資の中のまた七〇%が生鮮産品であります。その約七〇%の生鮮産品の乗っている飛行機が成田に毎日着いているわけでありますけれども、成田空港は羽田空港の六十倍近くの物資を取り扱っております。その大部分が東京に向かっておりますけれども、それでは、その貨物を運ぶ貨物便は、成田空港に何時ごろ到着し、何時ごろ出発しているか、お教えください。

○山下都市計画局長 新東京国際空港公団の資料によりますと、成田空港におきます国際貨物便の到着のピークは、午前九時前後と午後七時前後にございまして、出発のピークは午後十時前後にございます。

○大山(均)委員 実は、この時間帯は、羽田空港の国内線がほとんど使われていない時間だと思いますけれども、羽田空港はどのような状況になっているか、お教えください。

○山下都市計画局長 羽田空港は、他の国内空港の運用時間との関係から、朝六時から八時半までの到着枠、それから夜八時半から十一時までの出発枠が十分活用されておりません。現在、これらの時間帯におきましては、到着、出発を合わせまして百五十便程度利用可能な枠があります。

○大山(均)委員 二月の日米航空交渉で、アメリカ側から、羽田空港に貨物のチャーター便を就航させることが提案されるなど、貨物の物流の面でも羽田空港が着目されております。そして、横浜には、成田でおりた貨物をさばく横浜航空貨物ターミナルもございます。税関や荷さばきの問題も解決できるのではないか。
 例えば、ジャンボジェットの着陸料は、成田は九十五万円に対して、羽田の場合、チャーターですと五十万円であります。コスト面でも有利となります上に、空港周辺にとっても航空物流施設の立地が期待できる、このように、羽田空港の国際貨物便は大変大きな効果があると思いますが、どうお考えになりますでしょうか。

○山下都市計画局長 成田空港で取り扱われております輸入貨物の約六〇%が、東京と神奈川に運ばれております。また、輸出貨物では、東京と神奈川を生産地とするものが約四〇%となっております。このため、消費地や生産地に近い羽田空港において国際航空貨物を取り扱うことになれば、物流コストの低減を初めさまざまな効果がございます。
 また、空港周辺の既存施設を有効に活用できるとともに、物流関連施設の新たな立地も考えられ、首都圏経済の活性化が期待できると考えます。

○大山(均)委員 知事、私、よくわからないんですけれども、日米航空交渉というのは、国土交通省の国際航空課長程度が行って話をする交渉なんでしょうか。ちょっと教えてください。そうですか。
   〔知事「そうです」と呼ぶ〕

○大山(均)委員 そうですか。
 その課長が話している中に、先ほど局長がいっておりましたけれども、CIQを含めた受け入れ体制の問題にあるという話をしておるんですけれども、今ずっとお話を聞いていただいたと思うんですけれども、例えば、貨物そのものは横浜の方の横浜航空貨物ターミナルに持っていけばいいじゃないかという話を空港対策室からちょっと話をしてもらったら、今度はパイロットがいるんだと。パイロットの入管が要るんだ、だから認められないんだという答えが来たんですけれども、ちょっと私、CIQの今の羽田の状況を調べてみましたら、入管手続全部で十三人所属、昼間の時間帯は六人体制、六人体制でふくそうしたときは、基本は三、三に分かれ、予約状況で四、二のときもある。夜中は、二人は泊まっているということなんです。航空貨物ですから、乗ってくるのはパイロットだけですね。それで、ましてや、普通、私らも空港へ行きますと、クルーのレーンがあって、そこはそのまますうっと通っていくぐらいのお互いの信頼関係があると思うんですけれども、その入管の手続ができないから、貨物を認められないんだというような見解を、日本の、今は運輸省じゃない、国土交通省の航空局の人間が話すということが、私は信じられないんですけれど、知事のご所見を伺います。

○石原知事 今お尋ねにありましたが、日米航空交渉というのは、せいぜいが行って局長レベルでありまして、私も在任中、次官級なり大臣級の話し合いをしようといっても、これはアメリカが非常に事ごとにわがままをいって、アメリカ側の権利というものを日本側に譲らない。占領中の延長のような姿勢で航空問題を考えているものですから、勢い日本側もちょっとむきになるというか、意地悪するようなことになりまして、こういう意趣返しみたいな--本当の意図はよくつまびらかにしませんが、いずれにしろ、課長クラスが国の利益を左右しかねない、こういう問題について言及するのもおかしな話でありまして、政府そのものも、空港に対する認識と、それからやっぱりアメリカに対する航空交渉を通じてのスタンスがしっかりしていないから、結局こういうことになるんだと思います。
 おっしゃるとおり、時間帯があいていますし、何といったって二十四時間使用できる空港になっているわけですから、発進基地の時間帯の問題もあるでしょうけど、いずれにしろこちら側の事業体制というのは、非常に大きなキャパシティーがあいているわけでありまして、私は、まだまだ羽田の、例えば東急の、要するにホテルの前のあれ、大田区が返せとか返さないとかいっていますけど、あんなものももっと有効に、この空港を複合的に活用するためのスペースに使ったらいいんで、CIQのための施設なんて知れているものであります。
 ただ、やっぱり問題は、検疫をした後の保税の倉庫をどこにつくるかという問題があると思いますけど、いずれにしろ大きなスペースがあいていますから、私は極めて可能なことだと思いますし、なお、もう二歩三歩進んだ形で羽田が国際化されていくプロセスで、この問題については強く国に申し入れるだけではなしに、かなり強引な形で実現させたいと思っております。

○大山(均)委員 羽田の空港の問題で、ほとんどの皆さん方が羽田空港を利用したことがあると思いますけれども、高速で行きますと、高速道路をおりたところ、あの先から羽田空港の東急ホテルのあたりまでが、ちょうどそこの間だけが、今、東京都の中で暫定環状八号線という形になっております。何でそんなことになっているのかなと不思議なんでありますけれども、そういう環状八号線の問題について、これから空港アクセスについて伺います。
 昨年、新B滑走路が供用され、いよいよ終盤を迎えている羽田空港でありますが、現在整備が進められている三期事業の主要施設である東ターミナルビルや空港アクセス道路の完成目標はいつになっておりますでしょうか。

○山下都市計画局長 東ターミナルは、来年度着工され、平成十五年度末の供用開始を目標に整備される予定と承知いたしております。
 また、空港アクセスの道路でございますが、旧空港ターミナル近くの環状八号線から分岐し、東西のターミナルに連絡する道路でございますが、東ターミナルの供用開始までに全区間を完成する予定でございます。
 なお、現ターミナルと蒲田方面とのアクセスを改善するため、早ければ平成十四年度末に片側だけでも供用開始できるよう、整備を急いでいるというふうに聞いております。

○大山(均)委員 今、局長の答弁の中でありました空港アクセス道路って、ここにいる方たちの中で何人が果たしてご存じでしょうか。
 今、羽田空港に行きますと、ちょうど空港の外側を回るようにしてターミナルビルの方にずっと行きますね。あれは、実は湾岸道路の方に主に使うはずの道路でありまして、あそこまで、家からタクシーで行きますと、三千二百円かかります。私の家は羽田空港から五分のところですから、そんなかかるはずはないんですけれども、ちょうど今、新A滑走路の下に、ターミナルビルから真っすぐ羽田東急ホテルのところまで、もう地下を掘れている道路があるんです。これが平成十四年にできる。これができ上がらないと、先ほど私の家から三千二百円といいましたけれども、品川駅までが三千五百円なんです。ですから、それぐらい行く距離をいつも皆さん走っていっている。だから、これは大変不便な道路になってしまっているんですね。だから、このアクセス道路が早くできれば、大変利便性がよくなるという道路であります。
 それから、空港周辺の道路事業としては、国が管理している弁天橋の架けかえ工事の事業があると聞いておりますけれども、その事業のスケジュール、事業者はどのようになっておりますでしょうか。

○山下都市計画局長 この橋梁、弁天橋でございますが、昭和初期に建設されたものでございまして、大変老朽化が進んでおります。このため、国が現在、架けかえ工事を計画しております。現在、工事着手のために関係者と協議中であるというふうな状況になっております。

○大山(均)委員 環状八号線の穴守橋から空港内の二・四キロについては、区部における第二次前期事業化予定路線に位置づけられておりますが、いまだ未着工であります。暫定道路と聞いておりますが、いつごろ本格整備を行うんですか。

○古川建設局長 環状八号線の穴守橋から空港内の二・四キロの区間は、国が空港内の道路として管理しております。
 現在、この区間を含む空港沖合展開に伴う跡地利用計画を、国、都及び大田区で協議中です。
 今後、この跡地利用計画を踏まえ、整備を進める予定です。

○大山(均)委員 今、建設局長から話がありましたけれども、跡地利用が決まるまでは手をつけられないんだという感じでありましたけれども、皆さん方、通っておわかりになりますように、あそこは、環状八号線が片側二車線なのに、あの部分は、片側三車線の立派な道路になっております。しかし、それを一日も早くやらなければならないという状況もありますけれども、とにかくこのアクセス道路、十四年に一部供用開始ができるならば、環状八号線の整備を都がどのように考えて、どのように住民の利便性のために利用できるかをお答えください。

○山下都市計画局長 先生ご指摘のとおり、先ほどの空港アクセス道路が整備されますと、蒲田方面からのアクセスが大幅に改善されます。そして、空港利便性は大きく向上することになります。
 現在、この付近にちょうどくっついております環状八号線、先ほどもございましたが、六車線となっておりまして、空港アクセス道路が供用される時点におきましても、交通量的には対応できるものと考えております。
 しかしながら、今後の交通量の増加、あるいは開発の動向を見定める必要がございまして、都といたしましても、そうした動向を踏まえて適切に対処していきたいと考えております。

○大山(均)委員 局長、ちょっと伺いますが、たしか三者協の窓口は東京都の都市計画局がやっていますね。私、平成十年三月十一日に、この問題をやっぱりやっているんです。そのとき、やっぱり三者協において検討してまいりますというご答弁でしたけれども、その後何回三者協を開きましたか、通告しないで申しわけないですけど。

○山下都市計画局長 その後でございますが、二回もしくは三回程度だと思いますが。

○大山(均)委員 今、知事は、跡地については国際空港に沿っていくようなことにしたらいいんじゃないかといっているんですけれども、三者協でやっていきます、やっていきますだと、これはいつまでたってもらち明きませんよ、あそこを大田区はただで六十ヘクタールよこせといっているんですから。こんなばかな話をしているんですからね。買うというならまだしも、ただよこせといっているんですから。
 それで、弁天橋のところの跡地のところですね、あそこに去年の暮れに駐車場をつくったんですよ。それは、帰省する方たちが東京じゅうから羽田空港を使うのに便利になるだろうと。例えば、お子さんやおばあさんたち、お年寄りたちを乗せていたら、お父さんは一回向こうで車からおろして、車だけ置きにくれば--ターミナルのあそこはすごく高いんですね、何万と取られるんですね、三日、四日だと。一日二千円で置いてあげようという施設をせっかくつくったんですよ。
 そうしたら、それを今度反対した人間がいました。あそこは避難地になっているんですよね。避難地になっているから、もし震災が来たら、逃げられないから反対だ、あんなところで自動車が燃え始めたら大変だから反対するんだということで、つくっちゃった後、今そのまま寝ていますよ。
 これは、実は広い都民から見ますと、大変利便性の強い駐車場でありまして、お父さんだけ一生懸命動いて、天空橋から地下で京浜急行で行けば家族と会えるという、また、三日、四日とめておいても一晩二千円で済むという施設だったんですよ。こういうことを、跡地利用の問題を検討する検討委員会が、跡地利用の検討委員会が行われないから、東京都はここ何にも手をつけないんだ、検討しないんだということだったら、これ永遠に手をつけませんよ。ということは、この道路問題も永遠に解決つきませんよ。
 なぜこんなことをいうかといいますと、跡地利用のときに、大田区は、環八を真っすぐやって道路をつくれと要望しているんでしょう、提案しているんでしょう。じゃ、さっきいったこの弁天橋との整合性をどうするんですか。道路を二本つくらなきゃいけないですよ。そんなことより、今ちゃんと片側三車線できている道路を活用してぐるっと行けば、全く問題ない話なんですね。
 これは何とか東京都がイニシアチブをとってやってほしいと思いますけど、局長、いかがですか。

○山下都市計画局長 ご指摘のとおり、跡地の範囲を早く確定いたしまして、その将来に通ずる跡地利用を定めていくということが非常に急がれているということは、先生ご指摘のとおりでございます。
 私どもも、地元区とともにそうしたことを現在調整中でございまして、できるだけ早い時期に範囲を確定させていきたいというふうに考えているところでございます。

○大山(均)委員 もう一回、積極的にやる答弁できますか。--まあ、いいや、もう。
 知事、せんだって、二月十九日に、羽田のギャラクシーホールで「石原知事と議論する会」というのがございました。私も出席をさせてもらいまして、聞いておりましたけれども、冒頭、一番最初に、きょうは大演説をするので覚悟して聞いてほしいという言葉から始まりました大演説がありました。これは、やはり羽田という空港が国際空港となってきちんと利用しないと、日本国が沈んじゃうぞという大変な話でありまして、これに対してコメンテーターの白石さん、杉浦さん、棚橋さん、それぞれの立場でコメントをいたしておりましたけれども、その中で私が気になったのは一つだけありまして、それぞれのお立場はわかるんですけどね……。
 さっきも林さんの質問のときに、私の感じと同じようなことを感じたと思うんですけれども、棚橋さん、東京都参与ですね、元航空局の方だと思います。世界の主要都市圏の空港は、ニューヨークでもパリでもロンドンでも内陸型で、飛行機が町の上を飛んでいる。ところが、東京だけは上空を飛行機が離発着することはない。都民は何も犠牲を払わないで、空港の利便だけを享受している。犠牲をかぶっているのは千葉県民である。国際線の成田は、千葉県民の頭上を飛んでいる。国内線の羽田は、海上と千葉県の上を、都民は何もかぶらないで、二つの空港の利便だけを享受している。都民も少し我慢するから、千葉の人にも我慢してくださいでなければ話は通らないという話がありました。
 私は、これは多くの都民はそうかもわかりません。多くの都民はわかりませんけども、知事、覚えていらっしゃいますか、その次に発言をした高橋さん、あの人の家をちょっと調べてみましたら、ちょうど羽田空港から行きますと、あそこの高速道路の手前を左に入って、向こう側の通りのところなんですね。それで、これはどういう場所かといいますと、ちょうど左側旋回が始まったときに、その真上を飛んでいく家なんですよ。
 高速道路の手前で左側旋回していくようにしてありますから、最初の計画が。ですから、今ちょうどそこの地域だけは、実は毎朝五便です、私も音が聞こえますから。毎朝五便、七時十五分から八時十五分の間、五便だけが左側旋回しているんです。ただ、これも運輸省、おかしなもので、わざわざ航空機騒音の大きいやつを一機入れているんですよ。それを飛ばさなかったら、そんなに大きな音はしないんですけどね。そういう地域に住んでいる人間だから、この間ああいう発言が出ちゃっただけ。
 しかし、我々、何も千葉の方たちに恩を着せているわけじゃありませんし、東京だって、これから将来に向かって、第四滑走路をつくって、真っすぐ上げていこうという話も出ておりますし、そういうことを考えたら、やはりこれは、この発言だけは、やはりこういう形だから、運輸省が地元の住民たちといつももめちゃうのはこういう感覚かなという感覚で、あのとき聞かせていただいたんですよ。
 ほかのことでいっていることは、ほとんど正しいです。ほとんど正しいけど、あの感情論だけは少し抑えた方がいいんじゃないかなと、私、聞いていて即座にそこでそう思ったんですけれども、確かにこれから、航空機騒音も、こうむるところとこうむらないところ、いろいろあります。
 正直いいまして、羽田の場合には、産業道路まで既に民家防音終わっていますから、本来そんな補償とかなんとかという問題じゃないんです。ただ、あくまでも、自分の上--あれも本当に突然だったんですね。最初、うちの上まで来たんですよ、パイロットの腕が悪くて、最初熟知できなくて。それが今は大分向こう側になったんで、迷惑も少ないと思いますけれども、やはりそういう形の中で、ちょっと配慮してあげる一言があれば、ああいう感情はおさまったと思うんですけれども、知事、いかがでしょうか。

○石原知事 外国に限らず、内陸型の空港で典型的なものは、伊丹があるわけですね。私も、環境庁にいるときに騒音の問題で苦労したんですが、結局、利便性ということからしても、関西空港の沖合展開というのが決まった後でも、やはり地元の方から残してくれという要望がありまして、ああいうことになりました。それなりの手当てもしてきたわけでありますが、現況、羽田を見ますと、やはり東京側からの進入、東京側へ向かっての発着が極めて数が少ないということも事実ありまして、羽田を、例えば現況、つまり北側に向かっての離発着というものを許したなら、かなり便数もふえるわけです。ですから、そういうものを加味しまして、さらに今度、再沖合展開など行いますと、騒音もかなり居住地から遠のいた形になりますし、いずれにしろ、あるものはある形で活用しながら、大事なことは、羽田のキャパシティーをふやすということだと私は思います。
 ただ、やっぱりそれが一部の方に迷惑をかけるなどに対する対処というのはきちっとしなくちゃいけない。ただ、やっぱり東京は今まで非常に無神経でありまして、八潮団地をつくるときに、あれは運輸省が、ここは航路になりますから、絶対に集団住宅つくらないでくれと--勝手につくっちゃった。それで今度、補償だ、補償だということで、A滑走路の角度を変えたものだから、八潮はあの被害から免れましたけれども、運輸省側にすると非常に不本意な、そういう点で、国と東京都、つまり、現有の空港というものを持っている東京都が、もうちょっといろんな形で連絡を取り合って、飛行場の効率を上げる努力というのをすべきだということを今でも考えております。

○大山(均)委員 ありがとうございました。(拍手)

○白井(威)副委員長 大山均委員の発言は終わりました。

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