東京都議会予算特別委員会速記録第二号

○松村副委員長 大木田守委員の発言を許します。
   〔松村副委員長退席、前島副委員長着席〕

○大木田委員 私は、都議会公明党を代表いたしまして、都政の重要課題について、石原知事並びに関係局長に伺います。
 平成三年に都庁が新宿に移転しまして、十年になります。移転後、四十五階の展望台に多くの人が見学に来まして、その高いところから東京を見ながら、東京の発展に皆さん目をみはったものであります。
 ところが、平成七年一月十七日、あの阪神・淡路大震災から、都民の皆さんの感想は一転しました。もし、この東京であの大地震が起きたら一体どうなるのだろうかということで、大きな不安を持つようになった。あの阪神・淡路大震災から六年が経過したわけですけれども、そうした危機意識と将来への不安は今広がっております。内閣の危機管理もこのときに問われたことでありますけれども、賢人は安きにいて危うきを思い、佞人は危うきにいて安きを思うといういにしえの言葉がありますけれども、大変重い言葉として受けとめております。
 そこで、具体的に危機管理について伺いたいと思いますが、先日、海で起きた「えひめ丸」と米原潜の事故、あるいは空で起きた日航ニアミス、この二つの大きな事件が今大きな反響を呼んでおります。先日「報道二〇〇一」で、知事もこの問題を取り上げておりましたけれども、二つの事故に共通していることは、米軍と民間人との関係であります。
 改めて知事に、この二つの事件、事故の持つ危機について伺いたいと思います。

○石原知事 「えひめ丸」の痛ましい事件はアメリカの領海の中で起こったわけでありますが、一方、正面衝突がすれすれにかわされたニアミスの事件は、まさに日本の領空であります。
 委員もそこにお持ちいただいていますけれども、それを見るとわかるように、つまり、その青いところが羽田の管制空域でありますね。その、こちらから見ると右側にあるグレーのこれが横田の空域でありまして、そこは定期便が定期航路として通ることができません。本来なら、関西の方から、西からやってくる便が多いわけですけれども、それが通る幹線道路が、いわば本来十車線であるべきものが二車線に制限されていて、そこでこの間ああいう際どい事件が起こった。
 それから、原潜の事件は、横田でも同じ経験を私たちしているわけですけれども、非常にアメリカの、米軍の演習というのはずさんでありまして、私が運輸大臣のときにも、「タワーズ号」という駆逐艦が実弾演習をしに、テレビでいいましたように、領海を離れずに、野島崎のつい目と鼻の先で、しかも、そのやって帰ってくる保安庁の船をターゲットにして、近くに至近弾を撃ち込んだ。保安庁が驚いて見ましたら、周りに駆逐艦から見えなかった遊漁船がたくさんいたという状況がありまして、それを報告して、すぐ外務省に抗議するようにいいましたら、外務省の役人が、そんなことは年じゅう沖縄であることだから、一々いわなくていいじゃないかというばかなことをいいましたから、激怒したんですが、結局、アミテージさんにもかけ合って、「タワーズ号」の艦長は首にいたしました。
 事ほどさように米軍の演習というのは、日本においても向こうにおいても、かなり乱暴でありまして、特に横田などは管制官が軍人なものですから、見て見ぬふりして、斜め横から滑走路に入ってきたり、主に今やっているオペレーションというのは、ヘリコプターの訓練ですけれども、飛行場の中でやらずに、外へ出ていって、北側の瑞穂町の大きなビルを目標にして、上でホバリングの演習した。その目標にされたのが町役場だったという皮肉な事件があったりしまして、こういうものに対して私たちやはり常に、軍事演習というのは周りの人間の生命等を毀損しかねない危険性をはらんでいるわけですから、それをじかにコントロールできなくても、見て見ぬふりせずに、きちっと一々クレームをつけ、安全な演習が行われるようにすべきだと私は思います。
 それから、加えていえば、横田のその非常に膨大な管制空域というのは、当然日本人の管制官によってコントロールされるべきものだと私は思っております。

○大木田委員 ただいま知事も話しましたけれども、空の鎖といいますか、横田のこの空域が設定されるために、今回の日航ニアミスについても、大きなそれが遠因になっているということで、三十五年に横田空域という空の鎖が設定されておりますけれども、これはこの管制を我が国に取り戻すという立場で、今後知事に強く国会あるいは米軍当局にも、アメリカ当局にも働きかけてもらいたい。知事の決意を伺います。

○石原知事 この問題は、私、議員のときに、国会の中ではたったひとり孤独な戦いをしたものでありますが、そのときに自民党の総務会で発言しましたら、政調あたりから返ってきた非難は、あの男は自民党にいながら社会党より左だなというばかな批判でありました。つまり、そこにそういう非常に無法に近い米軍の、日本の国民の生命を毀損しかねないいろいろな形の存在があるということを、とにかく国会議員のほとんどが知らないわけです。
 私はそのときからいったことですから、知事になっても当然、東京の中の基地ですから、同じことをいい続けるつもりでありますが、やはりこれは国会は何であろうと、都議会がひとつ全面的にバックアップしていただきたい。それで、もしそれが共同使用になって、全面返還の前に、例えば国内線で使えるとしたら、これは岡山とか熊本とか広島の飛行場に比べて、はるかにダウンタウンから近い飛行場になるんですね。新宿から電車で急行を編成しましたら、もう二十分足らずで行くんですよ。それから八王子からモノレールも出ていますし、ちょっと延伸すれば飛行場の瑞穂町にも入ってこれますし--ちなみに岡山空港は、これは割と近いんです。広島はとにかくダウンタウンから六十分、熊本空港も五十五分。これに比べて、横田の場合には、タクシーで新宿から今でも四十分、まして電車を特急で運転しますと三十分足らずで行けるんです。
 これは本当にもう七年たったら、国内線もパンクで、乗ろうと思っても乗れない、切符を高く払わなかったら乗れないという状況が来るわけですから、本当に数年のうちに何とか、せめて共同使用にも取り戻したいなと思っておりますので、議会挙げてのひとつご声援を願いたいと思います。

○大木田委員 私も、議会の立場から、この点については知事と全く同じでございますので、ぜひ取り組んでまいりたいと思いますが、横田の滑走路が三千五百メートルで、成田と同じなんですね。使用量が成田の六分の一になっているわけです。この広大なところをそれだけで置くということは大変あれですから、民間活用すべきだと。特に、私が最近聞いているところですと、アメリカのエアラインが横田に飛んできているわけですね。例えばコンチネンタル航空、エバ航空、あるいはペンタゴンと関係している、いろいろと知り合いにあるビジネス機もチャーター機として入っているというようなことを聞いておりますけれども、こういうことは本当なのか、ちょっと伺います。

○安樂政策報道室長 米軍が軍の関係者やその家族を輸送するなどの軍用目的で民間の航空機を運航するということは、日米の地位協定上認められておりますので、恐らくそのような民間航空機が横田飛行場に乗り入れるということは行われているというふうに思います。
 ただし、横田に飛来する民間航空機のすべてがこういう地位協定上許されている軍用目的で来ているのかどうか、あるいはそれ以外の民間航空機が飛来しているのかどうか、こういうことについては、外見上からはちょっと判断ができないという問題は残ります。

○大木田委員 私は、ソウルオリンピックのときに、仄聞しているわけですけれども、選手団が横田に泊まってソウルへ行って、またソウルから横田へ泊まって帰っているというようなことを聞いておりますけれども、これは調査をしていただけますでしょうか。

○安樂政策報道室長 ソウルオリンピックのときに、選手団を乗せた飛行機が横田飛行場を経由したという話は耳にはしておりません。聞いておりません。
 この件につきましては、国に問い合わせをしたいというように思っております。

○大木田委員 それから、原潜も、民間人が多数乗っていたわけですけれども、横田飛行場でも、軍用機に民間人を搭乗させていろいろとやっていることがあるのではないか、このことも調査していただきたいと思います。

○安樂政策報道室長 横田飛行場に飛来する軍用機に、今回の原潜事故の場合のように、本来の軍事目的以外で民間人を乗せていることがあるのかどうかにつきましては、現在のところ把握をしておりません。このような米軍の運用にかかわる情報につきましては、なかなか聞いても明かさないのではないかというふうに思いますが、これも調査をしたいというふうに思っております。

○大木田委員 知事、この横田空域が設定された三十五年ですけれども、東京で飛行機に乗っている人は百十万なんです。ところが、平成十年度は、羽田だけを見ても五千万の人が飛行機に乗っているわけです。ところが、三十五年に空域ができて、これはそのままになっている。
 その間に、知事もこの前大変わかりやすく、高速道路で十車線あって、八車線がだめ、二車線に五十倍の、民間機がどんどんふえているんですけれども、この狭いところを通っているということで、この問題を非常にわかりやすく説明されて、私もいろいろな人に聞きましたら、横田空域というのがよくわかった、それで日航ニアミスの大きな遠因になっていることもよくわかったということでありますけれども、これだけ航空事情が変化をしているわけですね。したがって、この横田空域が空の鎖としてこのまま固定されてしまうと大変なことですから、再度知事にこの問題の返還の決意を伺っておきたいと思います。

○石原知事 私、議員時代、この問題は非常に孤独な形で取り組んだんですけれども、政府は非常にちゅうちょしておりましたが、日本の航空業界が非常に賛意を表してくれまして、日本側のワーキンググループができました。あのとき全日空の会長だった若狭さんが、日航の社長は怖がって逃げちゃったんですけれども、若狭さんが座ってくれましてね、これにこたえてアメリカ軍側にもワーキンググループができたんですよ。
 それで、ここでちょっとすべて明かすわけにいきませんが、当時の大統領のブッシュは、この問題について非常にポジティブな、前向きな姿勢を示してくれたんです。これが、あることでとんざいたしまして、結局もとのもくあみになったわけですけれども、いずれにしろ、これはもう国家的、政治的な問題でありまして、本来なら政府が動かなくちゃいけないんですけれども、外務省が腰抜けだから動かない。今度の共和党政権には、私の知人が、アミテージさん以下、たくさん入りましたので、既に間接、直接に交渉も行っていますけれども、いよいよ自分が出かけていって、もっとそういう模型も示しながら具体的な話をする段階に来たと思います。
 相手の感触次第では、後は政府にバトンタッチして、政府が動けばいいことで、どんな内閣がいつごろどういうふうにできるかわかりませんけれども、そういうことも政府に期待したいと思っております。今はやはり水面下ですべき仕事を、この問題を解決するためにも、私が都知事として果たしていく段階だと思っております。

○大木田委員 大きな事故に結びつかないうちに、この問題については私は積極的に取り組むことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 基地返還のアクションプランについてであります。
 今、横田基地を初めといたしまして、首都東京には八つの米軍基地があります。その面積は千六百五ヘクタールでありまして、臨海が四百四十二ヘクタールですから、その四倍に当たる米軍基地が首都に存在するわけであります。かつて関東計画というのがありまして、私の北区の王子キャンプも返還になったわけでありますけれども、私は、このままこの基地の問題、横田も含めてですけれども、基地返還のアクションプランを立てて、それで具体的な見直し、交渉等をしていかないと、これが固定化されてしまうのではないかということを懸念するわけでありますけれども、国がやらなければ、都民が首都の国民として基地の返還アクションプランを策定して、国にどんどん提案していったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

○石原知事 今までは、なぜか横田の基地に関しては、全面返還ということが建前としていわれていなかったわけですけれども、私が横田の問題を提案してから、横田に関する会議でも、関係の市町村長さんたちも、とにかくどこでいつかなうかわからないけれども、全面返還をまずとにかく唱えよう、その過程でジョイントユース、つまり共同使用というものもあり得るだろうという形で、大方の合意を得ています。一部絶対反対、基地が返ってきて、基地として使われるのは困るという首長さんもおられますけれども、それぞれの立場はございますが、大方の方々から賛意を受けております。
 いずれにしろ、アクションプランと仰々しく銘打つ前に、やはりすべき根回しとかサウンディングというものは必要だと思いますし、その段階に来たら国がアクションプランを立てるべきだと思いますが、さきの沖縄の県知事の大田さんは、私も個人的に知っていましたけれども、国防総省に乗り込んでいって、目の前でこぶし振り上げて返せといったって、これは返ってくる問題じゃありませんで、某政党のような反対運動にしかならないと思うんですよ。

○大木田委員 次に、首都の第三空港について伺います。
 国は、首都圏における将来の航空需要に対して、第三空港検討委員会を設置しておりますけれども、設置してから二年という時間もかかっております。まず、伺いますけれども、首都圏第三空港を新たにつくるということになれば、どの程度の年数がかかるのか、伺いたいと思います。

○山下都市計画局長 首都圏第三空港が何年ぐらいで建設できるか、一概にいうことはできませんが、例えば関西国際空港の場合、航空審議会が規模と位置を答申してから開港するまで二十年が経過しており、首都圏第三空港につきましても、候補地を決定し、開港するまでには相当の期間を要するものと考えられます。

○大木田委員 今の答弁にもありましたけれども、大変第三空港の時間がかかるわけでありまして、そうなりますと、航空需要に全くこれは追いついていけない。その意味で、私は、羽田空港の再拡張を国は速やかに決定して実施すべきだ、こう思っておりますけれども、知事の見解を伺います。

○石原知事 これは、都のスタッフが合議して、あそこにコンテナ船の航路もございますし、あるいは小さなバージが通る航路もございますが、そういうものをしんしゃくしまして桟橋式でつくろうということで、これはもう調査費もつけましたが、本気でやり出したら三年でできると思いますよ。それで、二十五万便が四十一万便までふえますし、皆さん余りご存じないと思いますが、私も初めて聞いたんですが、たった二カ月前、日本の技術がついに超鉄鋼というものを開発しまして、普通の鉄板でも、結晶の粒子が十分の一細かいものだから、同じ厚さ、同じ重さでも倍以上の強度がある、こういう鉄板が物すごい付加価値を持って今世界に輸出されているんですけれども、こういうものをもってしますと、非常に強度の強い、軽い、そういった橋梁型の、桟橋型の空港ができるわけですよ。
 これは足場の工事だけしていて、それが完成したときに、内陸でつくったものを運び込んで、組み立てればいいわけですから、私はあっという間にこれはできると思います、三年もあったら。しかも、恐らく額にして千億単位、もう兆までいかないです。非常に安価な空港が必ずできます。

○大木田委員 私は、早くつくって、それを東京の国際競争力を高めるという意味において、日本の国際線を、その大部分を新しいところで国際線に振り向けたらどうか、こう思っておりますが、いかがですか。

○山下都市計画局長 再拡張により拡大する発着枠につきましてでございますが、増大する首都圏の国内線の需要に対応する必要性もございます。したがいまして、大部分を国際線に使うというわけにはいきませんが、昼間帯、昼間におきましても、国際定期便の発着枠を相当数確保できることが可能であるというふうに考えております。

○大木田委員 次に、三宅島に関連して伺います。
 私の住む北区では、桐ヶ丘団地がありまして、百世帯二百人を超える人が現在避難してきておりまして、地元の皆さんとの交流も続けているわけでありますけれども、いろいろとお会いしますと、いつごろ帰島できますでしょうかという声が再三聞かれます。
 青山副知事は、担当副知事としまして再三三宅島を視察されていますけれども、火山学、地震学の立場から、現在の状況について、また、いつごろ帰島できるのか、その見通しがありましたら伺いたいと思います。

○青山副知事 現在の三宅島は、ガスと泥流と二つの問題を抱えております。そのうち、泥流につきましては、その現状についても、今後の見通しにつきましても、対策についても、都として把握ができております。問題はガスです。
 昨年九月以降、一日当たり約二万トンを超える有毒な二酸化硫黄が放出される、活発な火山活動が続いております。山ろくでは、環境基準の百倍を超える二酸化硫黄が観測されることもあります。
 二月五日に、火山噴火予知連絡会が、多量の火山ガスを放出する活動は今後も続くと考えられるとの統一見解を発表しております。しかし、肝心の、いつ帰島できるかということに関連する、その火山活動がいつまで続くかということにつきましては、マグマだまりの体積の見積もり、それから、そのうちガスがどのくらいの期間放出されるかということについて、さまざまな見方に分かれております。都が設置した専門家による三宅島火山活動検討委員会は、火山活動の状況をさらに詳しく把握するために、観測体制の充実を提言しております。
 こうした状況を踏まえまして、都は、観測と泥流対策と応急復旧工事の進ちょくを図るために、火山専門家等十人から十五人程度による、三宅島での夜間の常駐を企画しております。村民の一日も早い帰島を目指して、都としては、現地での作業に全力で当たってまいります。

○大木田委員 この項の最後になりますけれども、首都圏再生緊急五カ年計画、いわゆる十兆円プロジェクトについて伺います。
 知事は、首都圏に我が国が抱えるさまざまな危機の本質が日本の縮図として先鋭的に出ているということで、このプランを立てて、災害に強い快適なまちづくりということで六・九兆円、世界初の三千三百万電子都市の実現で一・一兆円、新しい環境対策として二兆円、時代に適合した制度の構築ということで十兆円を挙げております。
 この背景につきましては、先ほど宮崎委員の質問のときに、与党三党の政策責任者から頼まれたということで、個人的なことを含めて取りまとめたということはよくわかりましたけれども、石原知事が先日テレビでもこれを説明しておりましたけれども、石原知事の提案だけに、大変内外から大きな反響があります。今後、このプロジェクトについて、具体的に都議会についてはどういう説明をされるのか、これが第一点。
 二点目は、このプロジェクトの具体的な資金の調達ですね。かつて七千億のことについては知事が発言されておりますけれども、そういう問題。それから、この具体的な、さっきの大きな四つですけれども、中身はどういうことがここへ盛り込まれているのか、伺いたいと思います。

○石原知事 先般、与党三党の亀井、北側、井上、三政調会長と話をしまして、今おっしゃったような、五年間で十兆円という、大まかですけれども、具体的な内容を案として出しましたが、今の内閣はいつまで続くんですかね。その三人の政調会長がどういう役割でいるか知らないけれども、とにかく首がつながっている間にちゃんと本物にしてくれということを再三申しましたが、案としては、一つのファンドをつくって、それを運用するといういい方をいって、その拠出については大蔵筋も了承しているということでありましたが、今の政界はくるくる変わりますから、どれぐらい当てにしていいのかわかりませんけど、いずれにしろ、それだけの膨大なお金を使って--まあ大したことないかもしれませんが、とにかく割と、五カ年という短期間にやるんですから、これはやっぱり議会がいろいろ知恵も出して、具体的な案なり、必要によったら条例のようなものを構えて運用しないと、そう簡単にはいかないと思います。
 これは、都ひとりだけでできるものじゃありませんで、ひとつ何かそういう臨時の合議機関などを都庁と議会の間につくるなりして、皆さんの意見を出し、都民の意見も集約しながら、実現にこぎつけたいと思いますが、大事なことは、実際にその基金をまずつくらせること、つくることでありまして、そのねじ巻きだけは一緒に、執拗にしていきたいと思っております。

○大木田委員 首都機能移転のときに、新しい首都機能を移転する予算があれば、その半分を首都に投入することによって、東京の首都としての充実がさらに図られるということで、これが大変なっておりますので、そういうときに、十四兆の半分、七兆ということも出ておりましたけれども、今、例えば、具体的には、防災のまちづくりで、道路系で二兆円ぐらいという話も私は聞いておりますが、第二湾岸とか、臨海道路の第二工区、あるいは中央環状品川線、それから、晴海線の延伸、あるいは外郭環状等、当然、こういうことも入るんだろうと思うんです。
 土地収用法のことについては、先ほども話がありましたから、よくわかりましたけれども、こういうことも想定はされているんでしょうか。ちょっと念のために……。

○石原知事 おっしゃったように、そういった幹線道路に対する比較的短いタイムスパンでの対応とか、これは、公明党の方から強く要望もあったようですけれども、新しい技術を使ったエコタウンのようなものをある選ばれた土地につくって、そして、東京といわず、首都圏全体の区市町村が有効に使えるような、そういう形の設備投資もしたいと思っております。
 それから、土地収用法、先ほど申しましたが、国の直轄事業に対するその性格というものを考え直して、変えさせるということも、案としては申し入れてあります。

○大木田委員 次に、金融問題に移りたいと思います。
 日本経済の状況は極めて深刻であります。この数日の株価の動向を見てもわかりますけれども、世界同時株安の連鎖が続いているわけでありまして、私は、この経済の問題だけでなく、政治の腐敗、倫理の喪失、教育の崩壊など、あらゆる面で今行き詰まりを来しておりまして、昭和の金融恐慌にだんだん似てきているなと。あのときからプラスすれば、生態系の危機というようなのがそれに重なって、平成の金融恐慌になりつつあるというようなことを感じております。
 そういう中で、金融界においても、大きく四つのグループに再編が進んでいくわけでありますけれども、まず、都の指定金融機関に関して伺いたいと思いますが、公金を、確実に、有利に管理するということでは、指定金融機関は大変重要な役割を果たしております。
 現在の東京都の指定金融機関は富士銀行でありますが、二〇〇二年四月に日本興業銀行、第一勧業銀行と、金融持ち株会社のもとで業務統合が再編となります。したがいまして、この三行の統合再編後の指定金融機関はどうなるのか、伺います。

○佐々木出納長 お話のように、ここ数年、金融業界、再編が大変急速に進んでおります。この四月には大手の都市銀行がおおむね四つのグループに再編されることになっておりますけれども、こうした中で、都の指定金融機関でございます富士銀は、昨年九月に第一勧銀と日本興業銀行と一緒に、みずほホールディングスという持ち株会社を設立しまして、その傘下に入ってございます。平成十四年四月には、これらの銀行は、リテール銀行であるみずほ銀行と、ホールセール銀行でございますみずほコーポレート銀行に再編される予定になっております。
 今回の再編は、改正商法による吸収分割の規定に基づいて新たな形態をとるというふうにいわれておりますが、現段階では、再編後の経営体制がまだ明確になっておりませんので、今後明らかになるであろう内容や業務分野を現在見定めている、こういう状態でございます。
 いずれにいたしましても、指定金融機関は、その業務の影響が膨大な財政規模を持つ都政の広い範囲に及ぶことから、都の行財政運営に最も大きく裨益し、貢献し、信頼関係を維持できる銀行であることが大切である、このように思っております。

○大木田委員 次に、都債についてですけれども、都債を引き受けるシンジケート団がありますが、現在の代表幹事は日本興業銀行でありまして、これも先ほどの二〇〇二年四月には富士銀行、第一勧業銀行と業務統合になるわけであります。この三行統合後の、再編後のシンジケート団の代表幹事はどうなるのか、この点を伺いたいと思います。

○木内財務局長 都債の代表幹事は、お話のとおり、日本興業銀行でございまして、日本興業銀行を含むみずほグループ三行の経営体制等々については、出納長がご答弁申し上げましたとおりでございまして、いずれにいたしましても、都債の引受シンジケート団の代表幹事には、公共債の引き受けについてのノウハウとシンジケート団の取りまとめについての実績とを持った金融機関がふさわしいものというふうに考えております。

○大木田委員 この三行の統合以外にも、先ほど話がありましたように、四月にかけて大手金融機関の合併が続くわけですけれども、この再編で、都債発行がどのような影響を受けるのか、見解を伺っておきます。

○木内財務局長 金融機関の再編によりまして、経営基盤の強化が図られ、都債の引き受けについても一層安定的に行われることを期待しているところでございます。東京都といたしましても、これまでと同様、再編に合わせて適宜適切にシ団の見直しを行うなど、引受体制の整備を進め、都債のさらに円滑な発行に努めてまいりたいというふうに思います。

○大木田委員 ここで、都債に関連して伺っておきますが、まず、平成十一年度末における一般会計と東京都の全会計の都債の残高は幾らになっていますでしょうか。

○木内財務局長 十一年度末における都債の残高は、一般会計で七兆一千七百十一億円、全会計合計では十三兆六千八十一億円でございます。

○大木田委員 十三兆を超える都債残高があるわけですけれども、借り入れの利率、それからその状況と利子償還の額は、例えば平成十一年度ではどうなっていますでしょうか。

○木内財務局長 十一年度末における都債残高の借入利率はゼロ%台から八%台までございまして、中でも、二%台から四%台が全体の七割を占めているのが現状でございます。また、都債の利子償還額は、十一年度全会計で五千二百十億円でございます。

○大木田委員 今、聞きますと、〇・九から八%と、この十年間で大変大きな変化があるということがわかるわけであります。
 先日、外債二百億をロンドンで契約を結んだようでございますが、そのロンドンの外債に行ったとき、ちょうどそのとき宮澤財務大臣の、日本の財政はやや破綻に近いと、破局に近いと、こういうことが、先ほど知事も話しておりますけど、世界、トップニュースで回って、大変影響が出ていたということでありますけれども、どんな状況でございましたか。

○木内財務局長 新聞報道によりますと、財務大臣、三月八日の発言をきっかけといたしまして、急激に円安が進行し、日本経済への不信感だとか、あるいは日本の財政健全化への不安が一気に顕在化したと伝えられておりました。
 このように、最近、日本の状況について、特に海外の投資家は厳しい見方をするようになっておりまして、円滑な資金調達を図るためにも、国が迅速かつ適切に対応し、市場における日本の信頼を回復してほしいものというふうに思っております。

○大木田委員 私は、昨年の予算委員会で、外債発行について、都の独自の格付をとるべきだということを知事に話しまして、知事も、まだとってなかったのかというような話をしておりました。東京都が独自の格付をとるということは、ムーディーズやスタンダード・アンド・プアーズの格付になってくると思いますけれども、大変内外から注目されると。地方自治体ではもちろん初めてであります。
 現在、政府保証だと二百億ですが、格付をとれば一千億等も出せるわけですけれども、この準備状況はどうなっているか、伺います。

○石原知事 これは大変大切な問題でありまして、でき得れば、東京の方がソフトランディングができるわけですから、国よりも高い格をとろうと思って、今いろいろ努力をしています。トヨタなどは、国家よりも高い格付をとっているわけでして、にわかに東京がというわけにいかないかもしれませんが、その努力を鋭意いろいろ多角的に行っておりますし、これからも行おうと思っております。皆さんもひとつご協力願いたい。

○大木田委員 今、知事の大変積極的な、東京の持つプレゼンスを世界に発信して、東京の高い格付をとると。国よりも、すごい、そういう立場で独自の資金調達の多様なルートをつくるということは、私は大変重要だと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
 次に、続けて伺います。準備状況は飛ばしまして--ペイオフの解禁について、資金管理上、どのような対応--来年四月からペイオフです。これは金融ビッグバンで、これ以上延ばすことは、私はないと思いますので、これは自治体も大変大きな影響を受けるわけですけれども、今、対応はどうなっていますでしょうか。

○佐々木出納長 大木田委員よくご案内のとおり、ペイオフ解禁は、預金者の自己責任を前提としております。東京都におきましても、この自己責任の原則に基づきまして、ペイオフ解禁に備えるために、昨年六月、研究会を立ち上げまして、有志の自治体と共同して対応策を検討しているところでございます。
 主たる検討内容の一つは、自己資本比率など、幾つかの経営指標によって、破綻の可能性が低い健全な金融機関をどう選択するか、その方策でございます。
 いま一つは、万が一金融機関が破綻しても、その影響を受けない、例えば国債であるとか、地方債、政府保証債などの債券による運用を含む金融商品をどう選択するか、そういう方策でございます。
 折しも、国におきましても、金融機関が破綻した場合に備えた自治体側の自衛策などについて検討がされておりますので、それらの案につきましても、都の実情に照らして、総合的な観点から検討を進めているところでございます。

○大木田委員 東京都も、今後の金融再編によって、資金管理や資金調達に支障を及ぼさないようにしなければならないと。各金融機関にこの点を強く今後求めていくべきと思いますが、この見解を伺います。

○佐々木出納長 現在進められております金融再編は、我が国の金融システムの安定化を目指すものでございますけれども、状況は、今なお極めて流動的な状況でございます。しかしながら、この再編の流れであるとか、規制の緩和によりまして、金融環境は今後とも大きく変化していくことが予測されることから、都においても、そうした変化に応じて、資金調達における安定化を図るとともに、資金運用における安全性の向上に努めていく必要がございます。
 したがって、今後、金融再編の動向を見きわめつつも、新たな時代に即した安定的な資金調達、安全で効率的な資金運用が行えるよう、各金融機関に対して、要求すべきは要求し、速やかで適切な対応を求めていく所存でございます。

○大木田委員 次に、金融機関による第三セクターへの出資でありますけれども、一銀行当たり五%という、五%シェアがあります。銀行が統合しますと、これが変わってくるわけでありますけれども、統合された後、五%を超える三セクはあるのかないのか、この点を伺います。

○木内財務局長 金融機関の株式保有につきましては、独占禁止法及び銀行法により、お話のような五%のルールがございます。現在において、東京都の監理団体において、一つの金融機関が五%を超える株式を所有している例はございません。
 また、再編後というお話でございますけれども、再編後につきましては、再編の内容がまだ流動的であり、あるいは再編後の株式保有をどうするかということについても具体的に明らかにされているわけではございませんので、現時点において明確に申し上げることはできにくいかというふうに思います。

○大木田委員 独占禁止法では、金融会社の単体五%ルールがあります。これと関係しますと、銀行法の見直しをしないと、あるいは独禁法の改正もしないと、この再編には間に合わない。再編で法整備がおくれるということになりますけど、この動きは今どうなっていますでしょうか。

○木内財務局長 この点につきましては、国の規制緩和推進三カ年計画というのがつくられておりまして、平成十四年度に見直しを行う方向で検討されることとなっております。現在、公正取引委員会において、規制を緩和する方向で検討が行われているというふうに聞いております。
 あるいは、さらには、公取等において、今申し上げましたような研究会で、さらにそのことの方向が出ますれば、独禁法の改正、あるいは銀行法等の改正が具体的に俎上に乗ってくるのかなと思いますけれども、それらの動向については、今、国において議論が進められているというふうに聞いております。

○大木田委員 次に、マルチペイメントネットワークの状況は今どうなっているか、伺います。

○佐々木出納長 お話のマルチペイメントネットワークというのは、官公庁や民間企業などと金融機関をネットワークで結びまして、いつでも、どこでも税金や使用料などを支払うことが可能となる、そういうシステムでございます。
 具体的には、このシステムによりまして、例えば都民の方々にとっては、金融機関の窓口のみならず、ATMあるいは電話、パソコン等、さまざまな支払い手段を活用いたしまして、時間であるとか場所に制約されない支払いができる。そういう意味で、都民の利便性に益するものでございます。また、東京都にとっても、資金の収納状況の把握が迅速化されまして、事務の効率化、収入率の向上が期待できるというふうに考えております。
 現在、東京都は、国や他の自治体と一緒に参加しております日本マルチペイメントネットワーク推進協議会というのがございますが、このもとで、利用しやすいシステムづくりに積極的に取り組んでいるところでございまして、今後、平成十五年から、財務会計システムを初め、対応が可能となった収納システムについて、都庁の中で順次導入していく予定でございます。

○大木田委員 次に、KSD問題に関連して伺いたいと思いますが、知事は、国会議員を二十五年務められまして、政治不信、社会問題となっておりますこの問題について、どんな感想をお持ちか、伺います。

○石原知事 私は、残念ながら、これは現況の政治の中で優にあり得る事件だと思います。
 第一は、これは一般論でありますけれども、本質論でもありますが、政治というのは、政府は行政権を持っていますし、国会は、与野党、立法権を持っているわけでありますから、それに社会的に正当な目的を達成するために、委託をするということは当然あり得るわけであります。ただ、それに金が伴うということは、もうこれは当事者間の、政治家も含めて、委託する方も、モラルの問題だと思います。
 もう一つは、やはり私が国会におります間に、ほとんど瞬間的に参議院の全国区というものが比例代表に変わりました。これは、なかなか隠された、知る人ぞ知る、特に検察庁はよくわかっているでしょうが、理由がありまして、会期が無理やり延長されて、ある人を守るために、その間、これが議題になって、田中角栄の一喝でこれがまかり通った。非常に悪い制度だと。私、自分自身が全国区で出たものですから、ジェットが飛び、新幹線が走る日本の現況で、かつては、つくったときは、まさに全国の「コク」は残酷の酷だといわれておりましたが、今では十分可能な選挙制度なのに、これを直した。
 つまり、党員を架空でも名前をたくさん集めて、党費を払わせて、お金をたくさん積んだ人が、とにかく順番がよくなるというような--ですから、女性で非常に有能な議員というのは全部消えました。安西さんのように、障害者の子どものためにいろいろ腐心していた政治家や、李香蘭の山口淑子さんもだめになりましたし、扇千景さんも、結局、自民党を追われるような形でやめました。それから、山東昭子さんもそうでありました。有能な、個性のある女性議員というのを結果としてつぶしたという、非常に悪い制度だと私は思います。
 この二つが相乗して、組織を使って、ああいう形の金集めをせざるを得ないような、やっぱり当事者、当人の道徳の自覚の問題だと思いますけれども、非常に残念なことでありますが、しかし、彼らをそういう形で追い込むような制度を国会があえてつくったところに、そもそもの、私は原因があったと思います。

○大木田委員 大分時間がなくなってまいりましたので、私は、このKSDの問題については徹底解明をすべきだということを申し述べて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、福祉改革について伺います。
 先ほどもいろいろと議論がありましたけれども、我が党は、昨年末に、石原知事に対しまして、福祉改革に向けた緊急提言を行いました。都は、この提言を受けとめまして、利用者指向の開かれた福祉の構築を目指す東京都福祉改革プランを策定し、発表し、福祉の改革の理念と展望を都民にわかりやすく示したわけであります。
 改革を実行するための豊富な具体的な取り組みの計画が明らかになりまして、平成十六年度までの五年間で、総額五千二百億円を上回る財源を福祉の分野に集中的に投入すると。昨年度と比較して、累計で一千八百億円の大幅な予算の拡充もあり、知事の福祉改革に向けた決意のほどがうかがわれるわけであります。
 そこで、まず、知事に伺いますけれども、福祉改革の意義、そして一連の施策見直しと福祉改革との関連を、改めて知事に伺います。

○石原知事 先ほど申しましたが、戦後半世紀を経まして、日本の福祉は、体制として一種の制度疲労を起こし、都民の期待に十全にこたえられなくなっていると思います。時を同じくして、国が介護保険制度という新しい方式も設定いたしました。これにもいろいろ問題があるでしょうが、いずれにしろ、こういう現況を踏まえて、都民のニーズに柔軟に、かつ的確に対応できるように福祉の制度を改革し、利用者本位の開かれた福祉を実現するのが福祉改革だと思っております。
 一連の福祉施策の見直しは、この基本的な考え方に立って、負担の公平性などの観点から実施したものでありまして、あくまでも福祉改革の一環をなすものであります。福祉改革推進プランにおいて、五年間で五千二百億円を上回る財源を集中投入しまして、施策充実の展望を示すことができたのも、見直しにより生じた財源を活用したからであると思っております。
 しかし、なお、やはり新しいスキームには、いろいろすき間もあります。それは十分正確に認識をして、そのすき間を埋めていくという手だても、都は都で、プロパーで行っていきたいと思っております。

○大木田委員 我が党は、緊急提言の中で、子ども家庭福祉分野、地域福祉分野、高齢者福祉分野、障害者福祉分野と、それぞれの分野について、緊急性の極めて高い課題を厳選し、都の積極的な取り組みを要望したわけですけれども、こうした我が党の提言を、都のプランや予算においてどのように受けとめてきたのか、具体的に伺います。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 昨年十二月十八日、知事あての緊急提言として、二十一世紀の東京の新しい福祉の実現のためにをいただいたわけであります。緊急提言におきましては、具体的事項として、障害者福祉、子ども家庭福祉、高齢者福祉、地域福祉の四つの分野について、特に緊急に取り組むべき施策、八項目のご要望をいただいております。
 福祉改革推進プラン並びに平成十三年度予算におきましては、このご提言を初め、都議会、区市町村、各団体などのご要望を十分踏まえて策定、編成したものでございます。

○大木田委員 各分野に具体的に何点か伺いたいと思いますが、まず、子ども家庭福祉の分野では、駅前保育のことが今回出ております。私は、昨年、働くお母さんを応援しますということで、駅前保育をやっている五人の人に集まっていただきまして、いろいろと意見を聞きました。
 その内容を福祉局にも伝えましたところ、早速、具体的に認証保育制度という形で駅前保育をやるということを取り上げていただきまして、大変感謝をしておりますが、認証保育制度の創設の背景、これは具体的にどう進めていくのか、この点を伺います。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 今お話がありました都独自の認証保育所制度、これは就労形態の多様化であるとか、女性の社会進出等に伴う大都市東京特有の種々の保育ニーズに柔軟かつ的確にこたえる、これを目的としまして、民間企業の参入を促して、利用者本位の質の高い保育サービスを提供しようとするものでございます。
 利用者の要望の強い都市型駅前保育所を初めとして、東京にふさわしい子育て環境の整備を目指し、区市町村と協力しながら、積極的、計画的に取り組んでまいります。

○大木田委員 今のお話のとおりでありますけれども、今後、運用面で、民間企業の参入が大事でありますけれども、この誘導策をどう考えているのか。また、都民にとって本当に安心して子どもさんを預けられる環境づくりを確立しなければならないわけですけれども、この点はいかがでしょうか。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 二点のお尋ねでございますが、まず、民間事業者の参入のための誘導策でございますが、これは、保育料の自由設定であるとか、あるいは利用者と事業者が直接契約する、こういった形で、事業者の創意工夫が生かせるような仕組みとするとともに、保育内容につきましては、一定水準を確保する必要がある。そのために、都と区市町村が適切な補助を行う方針でございます。
 またもう一点、都民が安心して子どもを預けられる環境づくりが必要でございますが、これについては、認可保育所に準じた施設面積や職員配置などを義務づける。また、あわせて、事業者情報の公開を求めていく考えでございます。
 第三者によるサービス評価の制度化も今検討しておりますけれども、これについても認証保育所もその対象とする方針でございます。

○大木田委員 我が党は、国において児童手当の拡充を強く訴えまして、所得制限の緩和を行い、百万人の児童を対象に、これが拡大されたわけであります。私は、今後のいろいろな施策の基本になるのは、人口動態がどうなるかと。この少子化の問題は大変重要でありまして、この少子化対策にどう力を入れるかということは非常に重要であります。一部には、ばらまきというような批判はありますけれども、これは全く的外れでありまして、我が党は、乳幼児医療の就学前ということも強く訴えてきました。今回、これが取り入れられておりまして、これは知事の英断を高く評価しておりますけれども、今回の拡充の意義と、我々が望んでいる所得制限の緩和、この点についてはどうでしょうか。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 乳幼児の医療費助成制度につきましては、少子社会における子育て支援策の一環といたしまして、都議会各会派からのご提案、区市町村の要望等も踏まえて、対象年齢を義務教育就学前まで拡大することとしたものでございます。
 所得制限につきましては、国における児童手当の所得制限に、引き続き準拠したものでございます。

○大木田委員 我が党は、地域福祉分野においても、障害者や高齢者を含むすべての都民が地域の中で生き生きと生活ができ、社会参加ができるような福祉のまちづくりを提案しております。
 そこで、高齢者が身近な地域で安心して暮らせる施策としまして、高齢者緊急ショートステイ、いわゆる介護一一九番についてでありますけれども、都立施設での受け入れ、これはどのように具体的に今後進めていくか伺います。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 今お話しございましたが、高齢者が在宅で安心して暮らしていく、そのためには、介護をする方が急病で入院した場合等に、要介護者を二十四時間いつでも受け入れて介護するシステムが必要でございます。
 ご質問の高齢者緊急ショートステイ事業は、こうした要請にこたえて実施するものでございます。当面、都立のナーシングホーム二カ所でモデル的に実施をして、課題の整理を行った上で、地域への普及について区市町村と協議をしてまいります。

○大木田委員 次に、推進プランで、民間住宅に入居しておりますお年寄りの身元保証人の確保や、所得の少ない高齢者の資産を活用した住まいのあり方等を考える必要があるということを示唆しておりますけれども、現在検討している状況を伺いたいと思います。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 高齢者の方々が身近な地域で安心して住み続けられるようにする、これは高齢者福祉の重要な課題でございます。ただ、ひとり暮らしの高齢者等は、民間賃貸住宅の入居に際しまして身元保証が問題となるわけでございますけれども、都は現在、学識経験者等をメンバーとする検討委員会を設置して、そのあり方について検討を行っております。
 また、所得が少ない高齢者につきましては、資産を活用した住まい方が課題でございます。都といたしましては、今後、リバースモーゲージの手法なども活用いたしまして、資産の活用策を検討してまいります。

○大木田委員 障害者福祉分野では、親亡き後の子の対策が非常に重要だということで、何回も我が党は取り上げてまいりましたけれども、都は、この点もプランの中に入れておりますが、この計画は今どうなっていますでしょうか。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 障害を持つ子どもを抱えた保護者の方々が最も不安に思っていることというのは、将来、子どもが安心して暮らせる居住の場がどのように確保されるかということであろうかと思います。こうした保護者の方々の不安を解消することは、東京都の障害者福祉施策の最重要課題の一つと考えております。
 また、平成十五年度から障害者福祉分野で支援費支給制度が導入されることが予定されておりますが、これに向けて入所施設や通所施設等を重点的に整備することが急務でございます。都としては、こうした観点に立って計画をまとめた次第でございます。

○大木田委員 推進プランでは、親亡き後の課題に対応するために、大幅な施設整備の計画をしておりますけれども、その計画の内容と今後の具体的な進め方について伺います。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 福祉改革推進プランの重要な柱であります心身障害者施設緊急整備三カ年計画におきましては、入所施設を初めといたしまして、通所施設、生活寮及び重度身体障害者グループホームなど、二百カ所の整備を進めることといたしております。
 この整備を推進するに当たりましては、建設費の設置者負担の軽減、特別養護老人ホームとの併設をする際の補助基準の引き上げ、用地取得時の貸し付けの充実等、財政支援を強化いたしまして、この計画を実効性のあるものといたしてまいります。

○大木田委員 これまで具体的に指摘してまいりましたけれども、我が党が昨年行った緊急提言の内容が、福祉改革推進プラン、あるいは十三年度の予算の中で確実に盛り込まれております。
 先般、新聞広報で知事の、さあ、新しい福祉だと、大変積極的な見出しで、都民へのメッセージを拝見いたしましたけれども、福祉改革が緒についたばかりでありますけれども、改めて福祉改革の実現に向けた知事の決意を伺います。

○石原知事 少子化とか高齢化という社会の本質的な変化に伴いまして、福祉に関する都民のニーズも非常に多様になってきましたし、非常に高度なものにもなってきたと思います。これに対応するためにも、利用者がそれぞれの生活実態に合わせて、必要なサービスを自分で選択することができるような利用者本位の新しい福祉を構築することが、歴史的にも必要だと思っております。
 ご提言いただいたいろいろな施策も含めまして、福祉改革推進プランに掲げた都独自の戦略的取り組みを確実に実行に移して、案件によっては全国に先駆けて、東京から福祉改革を実現していきたいと思っております。

○大木田委員 ぜひお願いしたいと思っております。
 次に、健康学園について伺います。
 現在、都内の十三区において健康学園が運営されております。健康学園は、いずれも豊かな自然環境に恵まれた千葉や伊豆地方などの土地に設けており、ぜんそく、肥満、アトピーなどによる健康指導が必要な小学生たちが、全寮制による規則正しい生活を行いながら勉強に励むというところであります。
 この健康学園が、昨年度に引き続き、今年度も何区か廃止されると聞いております。保護者の方からは、健康学園をぜひ存続させてほしいと、私どものところにも大変多くの声が寄せられております。相次ぐ健康学園の廃止について、都としてどのように認識しているか、教育長の見解を伺います。

○横山教育長 健康学園につきましては、区立小学校の心身障害学級として設置されているわけですが、病虚弱の児童を対象に、自然環境に恵まれた郊外の施設において、寮生活での生活規制を図りながら学校教育を行っているわけですが、現在十三区で運営しておりまして、このうち平成十二年度末に四区で廃止予定と聞いております。
 廃止の主な理由としましては、医学の進歩等によりまして、従前多かったぜんそくの児童の治療に必ずしも転地療養が必要ではなくなったこと、また、家庭での生活指導が可能な肥満であるとか、あるいは偏食などの割合が大きくなってきたことなどを背景としまして、少子化も相まって児童数が減少していることと聞いております。
 設置者でございます各区が、教育施策上の実効性や、あるいは行政効率の観点から判断したものと考えております。

○大木田委員 病気の治療の状況や少子化の影響などもあるんでしょうけれども、廃止に当たって、各区は、近年の厳しい財政状況を挙げているわけであります。健康学園の廃止を避けるために、都による財政面での支援は考えられないのか、この点を伺います。

○横山教育長 健康学園の管理運営費につきましては、都区財調制度の中で、寄宿舎指導員の人件費、あるいは医師の報酬等も含めまして積算算定をされております。各区が負担すべきものと考えております。
 なお、健康学園も含めまして、区市町村立小中学校の教員の給与費につきましては、都が負担しているところでございます。

○大木田委員 健康学園に在籍する子どもたちは、健康学園が廃止された後は、東京の小学校に戻り、健康面での不安を抱えながら学校生活を送っておりますけれども、各区の健康学園廃止に対して、都としての何らかの救済措置は講じられないか。それができなければ、東京都として広域的な立場で、こうした子どもたちに対する支援を図れないか。この点、教育長、どうでしょうか。

○横山教育長 都としましては、健康学園の存廃については各区の判断を尊重すべきものと考えております。ただ、廃止された健康学園の児童を初め、健康管理や生活面での配慮が必要な児童生徒につきましては、各区市町村が、学校教育のほかに保健施策との連携など、それぞれの施策手法によりまして多面的に取り組んでいるところでございます。
 ただ、都教育委員会としましても、これまでも小中学校教職員に対します病弱児への理解と指導に関する専門研修の実施や、病弱養護学校の専門的機能を生かしました病弱児への指導上の配慮点について情報提供などを行ってきましたが、今後とも、きめ細かな就学相談の上、対象者の病弱養護学校への受け入れを行いますとともに、地域における養護学校の支援機能の拡充に努めてまいります。

○大木田委員 次に、東京都税制調査会の答申の内容について伺います。
 十一月三十日に都税調の答申が出まして、地方の立場から都税調としてまとめたということは、大変画期的な意義があります。その内容も、国から地方への税源移譲を含めて、四つの新しい法定外税制の具体的な答申も盛り込まれておりますけれども、非常に画期的な内容である。先ほど知事も、これを本にしてという話をしておりましたが、まさに私も賛成であります。
 答申しまして、まず、都民の反応、あるいはマスコミ等の反応、反響はどうであったか、これを伺いたいと思います。

○大塚主税局長 答申に対して寄せられた意見は、二月末現在、四百四十三件でございまして、このうち法定外税に関するものが、八割を超える三百七十二件を占めております。また、インターネットを利用した答申内容へのアクセス数は、二万件近くにも上っております。
 一方、マスコミにおきましては、テレビで報道されたほか、都税調答申と題する社説が掲載されるなど、税源移譲等の地方税財政制度のあり方について、いわゆる六大紙すべてで取り上げられております。また、法定外税についても、答申直後から大きく報道されております。
 いずれにしても、答申は、地方の時代にふさわしい税財政制度の方向性を示唆するとともに、大きな一石を投じたものと考えております。

○大木田委員 私は、次に、提案された四つの法定外税について伺いたいと思いますが、法定外税があそこで四つ掲げられているということで、問題提起をしたことに、まず大きな意義があると思います。その導入についてですけれども、いろいろと状況を聞いておりますと、慎重な配慮が必要かなという感じを持っております。
 そこで、お尋ねしますけれども、知事は本会議で、既に幾つかについては実施を前提にして準備を進めているということですけれども、それは今どういう状況なのか、伺いたいと思います。

○石原知事 詳しくは主税局長の方から状況報告いたすと思いますが、いずれにしろ、法定外税、既存のものでございませんで、実施するにしても、慎重にということは--何といっても、これは大衆課税というような印象を持たない、また、実質的にそういう形にならない方策を講じなくちゃいけないと思っております。そういう技術的な問題についての検討を行っております。
 今後、都の政策課題とのかかわりの中で、優先度を判断しまして、できれば十三年度中に条例の提案をして、都議会の十分なご審議をいただきたいと思っております。

○大木田委員 昨日の新聞報道に、国の地方分権推進委員会が、七月の任期切れまでに、地方税財源の充実確保についての提言をまとめるという記事が出ておりました。国税の一部を地方税に移す、そして、その移譲額と同等の額の地方交付税と補助金を減らす、こういう内容で、これは、都税調の答申内容とほぼ一致したものであります。
 私は、かねてより、この税源移譲が実現されない限り、地方分権は実現したとはいいがたいということで、第二次地方分権の改革ともいうべき、新しい地方分権の税源を中心にした委員会をスタートすべきだと、こう思っております。
 そこで伺いますが、都税調の答申においては、税源移譲の具体的案としまして、国庫支出金と地方交付税を抜本的に見直し、その縮減額七兆二千億円を、地方税である個人住民税、地方消費税より措置すべきであるとしておりますけれども、その基本的な考え方、あわせて、これが地方分権を推進する意味でどのような効果をもたらすのか、都税調の答申も踏まえて伺いたいと思います。

○大塚主税局長 ご案内のとおり、先生ご指摘のとおり、租税総額に占める国税と地方税の割合、おおむね六対四でございます。歳出段階ではこれが逆転しているわけでございまして、この地方歳入不足分は、国庫支出金あるいは地方交付税により穴埋めをしているというのが実態であります。
 都税調答申によりますと、こうした国からの移転財源に依存している現行の地方税財政制度は是正されるべきである、移転財源相当額を、住民から直接納税される地方税に振りかえることが望ましいというふうにされております。
 また、これによりまして、地方分権の推進の観点からは、住民に受益と負担の関係が明確になる一方、自治体みずからの手で確保した財源により、自主・自立的な行財政運営を行うことができるとされております。

○大木田委員 今お話がありましたように、国の分権推進委員会の税源移譲に関する検討は、都税調の答申内容が下敷きになっているというように思いますので、今後、国の動向については十分注目していきたいと。
 次に、銀行業に対する外形標準課税に関する訴訟について伺います。
 一昨日、第二回の口頭弁論が開かれたと聞いております。しかし、銀行外形については、都民の代表である都議会がほぼ全員一致で条例を可決し、成立したものであります。銀行は、株主代表訴訟を提起されることを恐れて提訴したということでありますけれども、私個人としては、銀行が訴訟に及んだことは理解しがたい。
 そこで伺いますが、銀行外形により入るべき税収は一千四百億円になると見込まれておりますけれども、これはいつごろ入るのか。提訴によって銀行業等への課税の影響は、あるとは思いませんけれども、課税の準備状況を含めて、この点を伺います。

○大塚主税局長 銀行業に対する外形標準課税による平成十三年度の法人事業税の税収見込みは、ご指摘のように約一千四百億円でございます。このうち九百億円程度が、五月末または六月末の申告時期に、残りの五百億円程度は十一月末の中間申告時期に、それぞれ納付されるものと見込んでおります。
 また、これらの課税事務につきましては、対象法人に対する説明会も実施済みでありまして、既に準備を終えております。
 なお、訴えの提起は、現行制度上、対象法人に対する課税の効力あるいは徴収に全く影響がありません。

○大木田委員 次に、負の遺産ということを通知しておりますけど、時間の関係でこれを飛ばします。
 アニメ産業の振興について伺います。
 平成十三年度の予算で、新世紀東京国際アニメフェア21を開催し、アニメ産業を振興するということで一億五千万の予算が計上されておりますけれども、私は、これは大変すばらしいことであると。世界的にもアニメは注目されておりますし、今まで日本がアニメの中心で、中国、韓国はその下請的なことをやっていたんですけど、今、国策としてこれに取り組んでおります。そうしますと、日本がここで力を入れていきませんと、その分野がどんどんとられてしまうというようなこともありまして、東京の地場産業でありますアニメについては、ぜひこれを機会に力を入れていただきたい。
 ちょうどアメリカのハリウッドが映画で代表されるように、完全に世界がハリウッドで制覇されているわけです。したがいまして、ユニオン等がありますから、映画ではアメリカが世界戦略でやっておりますけれども、アニメは東京を中心にした立場で、テレビという分野で、ユニオンのこのことを考えれば、日本がこれから世界制覇できる産業だと、私は考えております。これは戦略的な取り組みが、したがいまして大変重要でありまして、一回だけやって、線香花火のように終わらせてしまってはならない、こう思っておりまして、この具体的な取り組み、展開について、まず伺います。知事、いかがでしょうか。

○石原知事 日本のアニメは、世界から非常に高い評価を受けておりまして、大体世界の市場の六〇%を占めているようでありますが、外国人、特に、西欧の人間にいわせましても、ディズニーのアニメというのは、何か、よく見ると、ミッキーマウスも不気味だというんですね。それに比べて日本のアニメというのは、非常にヒューマン、人間的で、溶け込みやすくて、よく見ても不気味な感じもしないということでありまして、これはアジアというものの持っている一つ文化の特質だと思いますが……。
 そういう日本製のアニメの下請をしている韓国なり、中国なり、あるいはほかの発展途上国、フィリピンもそうでありますけれども、ノウハウは簡単でありますから、あの国にとって、それぞれみんな発想を持っている若い、みずみずしい感覚の若者がいるわけで、そういう人たちが日本から得たノウハウをもとにして、日本にとっても非常に強力な競争相手になってくる可能性も優にございます。
 でありますから、それを押さえつけるということじゃなしに、東京ブランドという形で、成果というものを定着させて、アジアのアニメの製品も何らかの形で日本の手をくぐっていくというような、そういう施策を講じればなという気がしまして、それのとっかかりとして、新世紀東京国際アニメフェア21を初めて行いますが、おっしゃるとおり、これは線香花火じゃなしに、恒久的な、どこどこである映画祭以上に充実した、そこでビジネスも取引も行われる、そういう一つの市場として育てていきたいと思っております。

○大木田委員 ぜひお願いしたいと思います。
 そこで、このアニメフェアは、アメリカでは一月にNIPがありますし、四月と十月にカンヌでMIPがありますけれども、これはアニメ商談を行う世界の見本市でありますけれども、東京アニメフェアに向けまして、こうした海外のテレビ番組の見本市に職員を派遣して、その実態を十分把握する必要があると思いますが、所見を伺います。

○浪越労働経済局長 新世紀東京国際アニメフェア21の開催に当たっては、できるだけ速やかにアニメ産業関係者等から成る実行委員会を設置し、事業運営を行っていく予定でございます。アニメフェア開催の準備に当たっては、お話の海外のテレビ番組見本市の状況などを把握することは必要なことと認識しており、実行委員会において、その点も含めて検討してまいります。

○大木田委員 ちょっと中を抜きますけれども、日本のアニメーションは大変すばらしい作品が多いわけですけど、中にはそうでないものもあるわけでありまして、子どもたちの情操教育のためには、アニメーション文化というのは大変重要であり、私たちもその思い出があるわけであります。
 それで、新東京国際アニメフェア、いわゆるアニメ博におきまして、すぐれた作品の支援をしたらどうかというように私は思っておりまして、例えば、アメリカ、ヨーロッパを対象にしたことで、「エミールと探偵達」、「風とともに去りぬ」、「ツバメ号とアマゾン号」、あるいは「ハリスおばさんシリーズ」、「赤い子馬」等、いろいろとずっとありますけれども、こうしたものも相当の支援というようなことで取り組んではどうか、こう思いますけれども、いかがでしょうか。

○浪越労働経済局長 新世紀東京国際アニメフェア21は、実行委員会方式で、ただいま申しましたように、事業運営を行っていく予定でございます。事業内容につきましては実行委員会の中で検討していくこととなりますが、世界の若手アニメーターも含めた幅広いコンペティションの開催を予定しており、この中で、すぐれたアニメ作品を選定していきたいと考えております。

○大木田委員 次に、エネルギー政策に移りたいと思います。
 世界都市と呼ばれるニューヨークやワシントンは、いずれも電力の自給率が二〇%を超えております。これに対して東京都では、品川の電力発電所が稼働しても一〇%程度ということでありまして、可能な限り、都市の多様なエネルギーということが今注目をされておりまして、私は、特に風力発電に大変注目しております。この風力発電を東京の湾岸で行った場合、どうなるか、まず、この認識について伺います。

○中野環境局長 電力の大消費地であります東京では、身近な新エネルギーとして風力発電の開発を行う意義は大きいと考えられます。風力発電の立地には、年平均でおおむね五メートル以上の風速が必要であることから、都内では、東京臨海地域や島しょ地域が有力な場所と考えられます。

○大木田委員 これは、昨年末に策定されました東京構想二〇〇〇、あるいは東京ベイエリア21でも総合的なエネルギー政策ということで出ておりますが、こうした構想の中で、現時点で風力発電を行う場合、どのような課題があるのか、伺います。

○中野環境局長 風力発電の実現に関する課題といたしましては、風速や風向などの風況条件、羽田空港周辺の高度制限、また、事業主体や採算性の問題などが挙げられます。

○大木田委員 私は、臨海地域における風力発電の導入を、東京の大規模な自然エネルギーの一つの起爆剤と位置づけて、ぜひこれには積極的に取り組んで、全庁的にこれに取り組んでほしい、こう思いますが、いかがでしょうか。

○中野環境局長 新エネルギーの導入は、東京構想二〇〇〇に位置づけられましたように、環境負荷低減に向けた重要な課題であります。
 今後、風力発電などの実現に向けまして、関係局と連絡会議を設置し、検討を進めてまいります。

○大木田委員 次に、北区における関連事業を何点か伺いたいと思いますが、JRの埼京線の十条駅の立体化は、北区にとって最重要課題となっております。今までこの問題は、赤羽の立体化が終わったら、十条駅の立体化に取り組みますと、何度も本会議で答弁をいただいておりますが、現在の状況と今後の取り組みについて伺います。

○古川建設局長 十条駅付近の立体交差化については、これまで、地元区やJR東日本と意見交換を行っております。
 今後とも、周辺のまちづくりの進ちょくや都財政の状況など種々の課題を踏まえながら、立体交差化について総合的に検討してまいります。

○大木田委員 ぜひ積極的にお願いをしたいと思います。
 この十条駅の立体化と十条周辺のまちづくり、特に木造密集地域がありまして、火災等があったり、災害があったときに消防車も入れないと、こういう状況で、木造密集地域のための法整備もできているわけでございます。この防災まちづくりの現状と今後の取り組みについて伺います。

○山下都市計画局長 十条駅周辺の地区におきましては、防災再開発促進地区の指定を行いまして、木造建築物の不燃化への建てかえ補助などが可能となったところでございます。
 また、延焼遮断帯を形成する環状七号線沿道などの不燃化促進事業や、防災生活圏促進事業に基づく地元住民の防災まちづくり活動への支援を実施しております。
 今後とも、地元区と連携し、十条地区における防災都市づくりを着実に進めてまいります。

○大木田委員 北区西ケ原にあります東京外国語大学が、平成十五年までに移転が完了します。その後、跡地利用ということでありますが、私は、かつてここに、外国語大学の性格上、国際交流センターを都としてつくってはどうかということで提案、俎上にものっておりましたけれども、十四事業の凍結、見直しということで、今これは宙に浮いております。
 それも含めて、地元北区ではアンケート調査をいたしました。地元北区の要望を受けて、この跡地利用を進めていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○山下都市計画局長 東京外国語大学跡地につきましては、昨年度、北区が、東京外国語大学跡地利用転換調査を行っております。この調査結果を踏まえまして、現在、区で跡地の利用方針を取りまとめているところでございます。来年度には、この方針に基づき、具体的な利用計画案を策定する予定であると聞いてございます。
 都は、区の利用計画案を尊重し、区と協議、調整の上、財務省に対して、処分方針への反映を要望してまいります。

○大木田委員 北区では、昨年八月、私も参加しまして、公明党といたしまして、まち全体のバリアフリーの状況を、車いすに乗りながら、ずっとまちを調べてみました。そうしましたところ、百二十カ所に上る改善要望事項が出ましたので、北本区長のところに提出したわけでありますけれども、まち全体のバリアフリー化に取り組むということで、ぜひ都としても支援をしていただきたい。
 また、北区内におけるJR東日本の駅舎については、エレベーター、エスカレーターの設置状況を見ると、赤羽駅は立体交差事業が終わりましたので大きく改善されましたけれども、全体的にはもう一歩ということでありまして、特に上中里駅につきましては、エレベーター、民間の人も協力をしていただいて、これが具体的に進みつつあります。ぜひこれについても都の協力をお願いをしたい。
 それから、東十条駅につきましては、エレベーター、エスカレーターの設置が決まりまして、これは地元としては大変喜んでおるわけであります。
 こうした地域のバリアフリー化に対して、駅舎も含めて、区市町村の取り組みについて都として支援をしていただきたい、こう思っておりますが、これについて所見を伺います。

○前川福祉局長高齢者施策推進室長兼務 だれもが身近な地域の中で自由に移動ができ、社会参加をできるようにする、そのためには、地域におけるバリアフリー化が重要であると考えております。
 そのため、都では従来から、区市町村が住民、事業者と協働して進める福祉のまちづくり事業や、鉄道駅エレベーター等整備事業を支援してまいりました。
 福祉改革推進プランにおきましては、新たに五カ年にわたる緊急整備事業を計画化し、地域におけるバリアフリー化を重点的、集中的に推進することとした次第でございます。
 平成十三年度予算案におきましても、所要の経費を確保しており、今後とも、区市町村が地域の実情に応じて行う福祉のまちづくりを積極的に支援してまいります。
 お尋ねの北区につきましても、具体的な要望に応じて適切に連携を図ってまいります。

○大木田委員 次に、イタリア二〇〇一年について伺います。
 日本におけるイタリア二〇〇一年が間もなく、三月から開幕されるわけでありますけれども、イタリアの芸術、文化、技術、具体的には絵画、彫刻、音楽、デザイン、ファッションはもちろんのこと、食品、観光、スポーツなど、過去から現在までの連続するイタリアの創造性が、古代からルネサンスを経て二十世紀までのイタリアのすべてを、東京を中心にして紹介をされる。千客万来の世界都市東京を目指す立場から、これについては積極的に支援をしていただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。

○高橋生活文化局長 日本におけるイタリア二〇〇一年は、イタリア政府が中心となりまして、イタリアの豊かな文化を幅広く日本に紹介する大型の文化事業であります。都内でも数多くの事業が予定され、多くの人々を東京に引きつける契機になるとともに、都民の国際的な関心を高める上でもよい機会であると考えております。
 そのため、東京都といたしましては、オープニング前夜祭を後援するとともに、江戸東京博物館など都関係の施設を数多く利用に供する予定であります。
 今後とも、東京のにぎわいを創出し、魅力を高める観点から、イタリア二〇〇一年が成功するよう可能な支援をしてまいります。

○大木田委員 最後に、東京都の地下鉄経営について伺いまして、質問を終わりたいと思いますが、東京都の地下鉄経営については、私は、昨年の予算委員会でも、東京都の交通ネットワークをより一層円滑なものにすべきである、交通機関の一体化の運営が望ましいということを述べてまいりました。
 東京都の地下鉄は、都営地下鉄と営団があるわけでありますけれども、まず、営団の経営について、国は民営化を決めておりますけれども、この民営化の状況がどういう状況になっているかということを都市計画局長に伺いまして、そしてまた、都営地下鉄と営団地下鉄の一元化について、先日、二月ですか、東京都の外部監査からの監査報告も提出されておりまして、その中で、営団と都営の経営統合について具体的に検討着手すべきであると、こうされております。
 したがいまして、経営統合について課題は多いと思いますけれども、私は、具体的に都と国が検討に入るべきだと思いますけれども、知事の見解も伺います。よろしくお願いします。

○山下都市計画局長 国ではこの一月、内閣に行政改革推進事務局が発足し、特殊法人等の改革に向けて、営団の民営化も含め、各省、各法人からヒアリングが行われていると聞いております。
 こうした動きの一環だと思いますが、国土交通省からは、過日、都に対しまして、営団の民営化に関する平成七年の閣議決定の内容などにつきまして、改めて事務的な説明があったところでございます。

○石原知事 前にもどなたかの質問にも答えましたが、今おっしゃったように、外部監査は、都営の地下鉄は世間でいわれているほど貧乏人じゃない、そんなに膨大な赤字を抱えているわけではないと。これは会計監査の一つの解釈論というんでしょうか、私は余りそっちの専門家じゃございませんけれども、その報告を聞いて意を強くしたんですけど、つまり、営団が嫌っているほど貧乏な結婚相手じゃないと思いますので、しかし、民営化というような既定の路線もございますから、営団が民営化した後、こちらも財政的に健全化して合体するのか、いずれにしろ私は、東京の地下鉄事業というものは本来一体化されるべきだと思いますし、その方がずっといいサービスもできると思います。
 現に、ロゴマークであるとか、その他それは統一して運用しておりますけれども、当事者がどういうふうにそれを受けとめるかわかりませんが、いずれにしろ、都営がそれほど膨大な赤字を抱えているわけではないという、償却の問題その他専門的な忠告をいただきましたので、それを踏まえて、これから先のことを積極的に一体化に向けて考えていきたいと思っております。

○大木田委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

○前島副委員長 以上で大木田守委員の発言は終わりました。
 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩をいたします。
   午後六時三十八分休憩

ページ先頭に戻る