東京都議会予算特別委員会速記録第五号

   午後三時四十四分開議

○三原副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 尾崎正一委員の発言を許します。

○尾崎委員 私は、さきに石原知事が、東京のいわゆる大気汚染はディーゼル車によるものが非常に大きいといわれましたので、初めにディーゼル車の規制について伺います。
 都民の健康被害を防ぐことが最優先の課題として、国ですら手をこまねいてきたさまざまな課題に挑戦しながら、ディーゼル車対策を進めている都の姿勢には敬意を表します。
 ただし、一方、東京の物流は九割以上がディーゼル車に依存しております。都民や事業者の日常生活や事業活動は、ディーゼル車に大きく依存しているといっても過言ではありません。これまでディーゼル車を利用し事業を営んできた都民、事業者にとって、技術面、コスト面で余り無理のない範囲でスムーズに対策が実行されることを切に望むものであります。
 さて、先般、尼崎公害訴訟の判決は、ディーゼル微粒子と幹線道路沿道での健康被害について因果関係を認めた画期的なものであると思います。東京の大気汚染の現況も相当深刻であると思います。
 そこでまず、東京における浮遊粒子状物質、いわゆるSPMなどによる大気汚染状況について、どのように認識しているかお伺いいたします。

○齋藤環境保全局長 平成十年度の都内の浮遊粒子状物質の環境基準の達成状況は、住宅地域における一般環境大気測定局で一五%、道路沿道での自動車排出ガス測定局では全局で達成されておりません。また、二酸化窒素につきましても改善がなかなか進まず、年平均濃度はほぼ横ばいで推移しておりまして、大気汚染は大変厳しい状況にございます。
 このような状況を改善するためには、ディーゼル車対策などを一層強化していく必要があると考えております。

○尾崎委員 知事は先日、ディーゼル粒子除去装置、いわゆるDPFの装着義務づけなどの内容によるディーゼル車規制の検討案を発表されました。私も、規制の実効性を高めるには、対象となる車両に確実にDPFを装着させる必要があると思います。
 先日の本会議で、平成十二年度には、知事部局、警視庁、消防庁が所有する装着可能な全車両にDPFを装着することが明らかにされました。都が、条例に先駆けて率先して庁有車にDPFを装着することは評価いたします。
 問題は、民間の車両に対してどのように進めていくかということです。そこで、DPFの装着義務づけを実効あるものにするためにどのように指導していくのか、お考えを伺います。

○齋藤環境保全局長 ディーゼル車への規制を開始する前に、車の保有者に対しDPFの装着義務などについて周知するとともに、装着の要請を行ってまいりたいと考えております。また、事業者に対しましては個別的な装着指導などを行い、自主的なDPF装着の取り組みの促進を図り、規制の実効性の確保に努めてまいります。

○尾崎委員 次に、都バスのDPF装置について伺います。
 交通局では、これまで、十一両のバスにDPFを装着し、試験運行しているそうですが、これまでの運行結果並びに今後の計画について伺います。

○横溝交通局長 交通局では、DPF装置を平成六年度から順次路線バスに試験的に装着し、現在十一両で運行しております。今年度さらに二両に装着する予定でございます。試験運行の結果、粒子状物質の削減効果が明らかになる一方で、耐久性の一層の向上、価格の低廉化、ノンステップバス等に装着可能な装置の開発等の課題が残されております。
 今後、関係機関等に積極的に働きかけを行い、早期にこれらの課題の解決に努め、ディーゼル車規制の実施に合わせ、計画的にDPF装置を装着してまいります。

○尾崎委員 これからのバス運営には、環境と福祉の二つの課題に対応できるバス車両が求められているといえます。残念ながらDPFは、福祉の課題に対応したノンステップバスには、構造上の問題から現在のところ難しいと聞いています。
 このような状況を考えますと、ノンステップバスに装着できるDPFの開発とあわせ、最近開発されたCNGノンステップバスの導入拡大も積極的に進めていくべきだと思いますので、その見解を求めます。

○横溝交通局長 CNGノンステップバスは、ディーゼル車に比べまして窒素酸化物の排出は六〇から七〇%少なく、黒煙も排出せず、環境面ですぐれているとともに、当然のことながらステップがございませんので、だれもが乗りおりしやすいバスでございます。現在二両で試験運行しておりますけれども、今年度中にさらに九両導入する予定でございます。
 今後、車両価格の低廉化や圧縮天然ガス充てん所の拡充等の課題解決に取り組むとともに、財政状況を踏まえながら、CNGノンステップバスの導入に努めてまいります。

○尾崎委員 次に、DPF装置そのものについてもお尋ねいたします。
 DPFは現在も開発中であり、かなり高価であると聞いています。今後DPFの装着を円滑に進めていくためには、事業者にとって重い負担とならない程度の低廉で高性能なDPFの開発が急務であります。
 最近、都のディーゼル車規制に対応して、内外のメーカーが、フィルター等の開発、供給に名乗りを上げていると聞いています。多数のメーカーが競争してDPFの生産を行うようになれば、価格が下がるだけでなく、車種や用途に応じた品ぞろえが進むと思います。
 しかし、本当に短期間のうちに商品化され、供給が進むのでしょうか。必ずしも楽観はできないと思いますが、DPF開発の状況について、また見通しについてお伺いいたします。

○齋藤環境保全局長 都がDPFの装着の義務化の方針を打ち出して以来、DPFの開発や生産について国内外のメーカーの動きが高まっております。こうした動きに一層の弾みをつけるために、来年度早期に都のDPFの認定基準を明らかにすることとしております。このようなことを通じまして、多くのメーカーが参加して、低廉で効果的なDPFの開発、供給が進められるように促してまいりたいと思います。

○尾崎委員 先日の本会議あるいは今回の委員会でも、DPFの開発に当たって、国等に軽油の低硫黄化の早期実現を要望する旨の答弁がなされています。
 もし実際に軽油の低硫黄化が実現した場合、どのようなことが可能であるか、お伺いいたします。

○齋藤環境保全局長 DPFには、粒子状物質をフィルターにより捕集し燃焼処理する方式や、触媒を併用し、粒子状物質を連続的に処理できる連続再生式と呼ばれるものも開発されております。連続再生式については、軽油中の硫黄分が高いと、触媒が劣化するなどの問題がございます。軽油の低硫黄化が実現すれば、このような問題が解決されるだけでなく、小型車で十万円台、大型車でも数十万円程度の低廉なDPFの供給が現実に可能となってまいります。

○尾崎委員 東京都の財政は危機的な状況にありますが、苦しいのは都だけではありません。都内の事業者は、景気低迷が続く中、身を切るような努力をしながら営業を続けているのが実態であります。環境悪化を防ぐのは当然でありますが、かといって、このような事業者、特に零細中小企業の事業者に対して、高価な装置の装着や自動車の買いかえを強いるのは非常に厳しいものがあると考えます。
 DPFの装着を進めるためには、価格の低廉化に加えて、都もいろいろな手だてを尽くして中小企業者に対する支援を充実していく必要があると考えますが、見解を求めます。

○齋藤環境保全局長 大気汚染を改善するためには、中小事業者にもDPFの装着を促進していただかなければなりません。このためには、事業者みずからの努力も必要と考えております。
 中小事業者への支援策といたしまして、東京都では、平成十二年度からディーゼル車からガソリン車等への代替を奨励する融資あっせん制度、加えてDPF装着資金融資あっせん制度を導入することとしております。
 ディーゼル車対策は、本来国が大きな責任を果たすべきものと考えております。国に対しましても、中小事業者に対する助成策を含め、DPFの普及促進に必要な措置を要望してまいります。

○尾崎委員 私は、ディーゼル車規制そのものは、都民の健康を守り、社会の仕組みを持続的発展が可能な環境優先型につくりかえていく上で非常に重要であると考えています。しかし、実際に規制を行うとなると、DPFの価格を初めとして多くの課題があることも事実です。都民、事業者の意見を十分に聞いて、これらの課題を着実に解決し、真に実効性のある対策を実施して、東京における大気汚染を改善していただきたいと考えています。
 最後に、知事の所見を伺います。

○石原知事 病気になりましたら、だれでも薬を買って飲んだり医者に行くわけでありまして、金はかかりますが、この問題も、しょせん事業者も含めて自分自身の健康、生命の問題でありますから、どこで出費との兼ね合いをとって納得するかというのは、非常に難しいようで、実は自明のことだと思います。
 いずれにしろ、都がこの問題の口火を切りまして、先般、環境庁の長官が石油連盟と日本自動車工業会に対して技術開発促進等を要請し、政府税制調査会も軽油引取税の引き上げについて考えるという表明をいたしたそうでありますが、きょうの午後二時に、自動車工業会と石油連盟が、今までは平成十九年ごろと寝ぼけたことをいっていたわけですけれども、それじゃとても進まぬということで、早期に要望にこたえて脱硫も進める、また値段の安いDPFを開発するという発表をしたようであります。
 発表するのは簡単なんですけれども、実際やらせるかやらせないかということは、これから私たち都庁とそれから都議会の責任でありまして、ともかく東京がいい出したことでありますから、みんなで力を合わせて、これらの業界を、目的達成のため追い込んでいきたいと思いますし、先般も自民党の幹部の一人に、よくばかの一つ覚えで私があちこちで見せておりますペットボトルのばい煙を見せまして、これを放置することはまさしく殺人だぞと私がいいましたら、彼もよく理解して、それを持ち帰って党の幹部会で披瀝したようであります。
 それがどこまで効果があったかわかりませんけれども、ともかくきょう二つの業界が、できるだけ早い時点で実現の努力をすると声明したことは、まあ一歩前進したと。最後は、馬を川まで引きずっていって水を飲ませなくちゃいけない。馬がやっと一歩動いたというところだと認識しております。

○尾崎委員 きのう知事がこの委員会の中で、いわゆる東ガスの社長が後輩だという話も聞きました。今、交通局からも話がありまして、いわゆるCNGノンステップバス九台入れるということでありますが、どこか集中的に、いわゆるでかい一カ所の車庫に集中的に入れて、社長と友達なんだからガソリンスタンド一つぐらい寄附しろと、そういう形で積極的に入れるような考えもあってもいいんじゃないかなと私は思うんですよ。これは答弁要りませんけどね。やっぱりそういうことがあって、一つの進め方として考えてもらいたい、このように考えます。
 次に移ります。医療についてであります。
 次に、医療改革について伺います。
 石原知事は、都議会民主党の代表質問に対し、東京都の取り組む医療改革について、警察と消防と同様、三百六十五日、二十四時間体制で医療に取り組む意識が必要であることを強調しました。今後、都立病院改革に取り組み、都民が安心して暮らすことができる医療提供体制の確立を目指し、その実現に努めていくと答弁しています。
 そこで伺いますが、現在の都立病院は、三百六十五日、二十四時間体制をとっていないのですか。また、現在の都立病院の休日あるいは夜間診療体制はどうなっているのか、お伺いいたします。

○今村衛生局長 都立の総合病院におきましては、休日、夜間に内科、外科を中心とした当直の医師に加え、看護婦、臨床検査技師、薬剤師、放射線技師等を配置し、入院患者や救急患者の診療に当たっております。
 特に、墨東病院など三病院の救命救急センターでは、命の危機を伴う重篤な患者に対し、常時救命治療を行っております。その他、小児病院等においても、専門医療機関として必要な休日、夜間の診療体制をとっております。

○尾崎委員 それでは改めて、三百六十五日、二十四時間体制を強調するのは、都立病院にどのような体制をつくろうとしているのか、改革の具体的内容を伺いたいと思います。

○今村衛生局長 都立病院は、都の救急医療体制の中で、二次救急や救命救急などに病院それぞれの特性を生かしながら対応しております。
 今後とも、入院患者はもちろんのこと、さまざまな救急患者に対しても、民間医療機関と協力いたしまして、いかなる症状にも応じた適切な医療を直ちに提供できるよう、体制の整備を目指しております。
 そこで、当面平成十二年度におきましては、駒込病院で内科、小児科、外科の休日、全夜間救急に取り組んでいくほか、府中病院及び墨東病院において、土曜日の診療体制を平日と同様とするモデル事業を実施することといたしております。

○尾崎委員 十二年度予算案でも、駒込病院を対象に二次救急医療体制を整備するとともに、府中病院や墨東病院で、土曜日の診療を平日対応とするモデル事業を実施するなど、前向きな取り組みは評価するものです。
 しかし一方で、石原知事は、医師を初めとした医療従事者に対し、ぶったるんでいるというような発言もありました。意識改革の必要を強調していることはわかりますが、都立病院ではどのようにして意識改革を図ろうとしているのか、質問いたします。

○今村衛生局長 医療の提供に当たりましては、高水準で良質な医療とともに、患者の視点に立ったきめ細やかなサービスを提供することが重要だと考えております。
 このため、知事が常日ごろいわれておりますように、医療従事者の一人一人が、警察や消防の職員と同様に、三百六十五日、二十四時間の医療サービスを提供するという意識を持ちまして、患者中心の医療を実現できるよう、あらゆる方法で意識改革を進めてまいる所存でございます。

○尾崎委員 医療従事者の意識改革はもちろんですが、体制の問題もあるのではないでしょうか。医師の勤務体制は、日中に通常の診療を行い、夜間は当直で救急対応、その翌日はまた外来診療に従事するといった勤務があると聞いています。
 三十二時間不眠不休の医療行為を行うようなことが常態化されれば、それが医療事故にもつながるのではないかというおそれがあります。都立病院において、外来、当直、外来で三十二時間にも及ぶ長時間勤務があると聞いていますが、東京都はこのような実態を承知しているのか、お伺いいたします。

○今村衛生局長 一般的な当直医師の勤務体制は、日中に通常の診療を行いまして、引き続き夜間当直となり、その翌日も勤務となります。
 夜間当直では、入院患者とともに救急患者にも対応することとなっており、夜間の救急患者が多い場合などは、患者対応が長時間に及んで、非常に勤務体制が逼迫するというようなことは承知しております。

○尾崎委員 石原知事は、三月十一日付の朝日新聞のインタビューで、東京都の職員は三分の一でいい、警察、消防、看護婦は別ですよ、こういう話をしております。
 私は自治労の出身でありますから、これはちょっとおかしいのじゃないかなというような気がいたします。少なくとも、病院で働く医師も、患者のためには三十二時間、不眠不休で頑張っているのが事実であります。
 私は、医療改革を推進することには大賛成でありますが、三百六十五日、二十四時間にわたり本当に患者サービスを提供するには、医師等の意識改革はもとより、医師を初めとする医療従事者の職場環境を改善するなど、病院全体としてのシステムづくりが重要であると考えますが、見解を求めます。

○石原知事 あの発言の中で、お医者さんに言及するのを忘れました。ですから、私は、例外として消防、警察、看護婦、お医者さんは別でありますが、ほかの事務担当の職員は、三分の一で十分賄えると思います。

○今村衛生局長 今後、都立病院の改革を全体として進めていく中で、救急医療体制の充実等を図ることとあわせまして、先生ご指摘の点も含めて、職場環境の改善などについても十分検討を行ってまいります。

○尾崎委員 土曜日をいわゆる平日並みにやってもらう、正直いって非常にいいことだと思うのです。しかし、今、学校もこれから土日休むので、週休制に全体が移行しているのですよ。そういう点では、いかがなものかなと思うのです。
 労働省の考え方と全然違うじゃないの。だって、ここにも労経局があるでしょう。労経局は、いろいろなところへ行って指導しているわけだ。時間がこれでなきゃいけませんよ、これ以上やっちゃいけませんよと指導するところがあって、こちらで一方は、そういう時間を無視してやらせるということは、余りよくないなという感じがするのです。答弁、要りませんよ。
 やはりそういうことはきちっとしてもらった方がいいのじゃないか。それだったら人数をふやすとか、そういうことが必要じゃないかな、こういうふうに思います。
 続いて、利用者保護の立場でちょっと発言をさせてもらいます。
 医療改革に関連して、今回の都立広尾病院の医療事故を教訓に、今後の防止策についても緊急に取り組んでいく必要があります。東京都は既に医療事故予防対策推進委員会を設置し、昨年の八月に提言をまとめており、その提言の中には、リスクマネジメントの実現に向けた提言がなされています。
 リスクマネジメントとは、医療事故防止のために、医療事故及び医療事故に至らなかったニアミス等、事故に結びつきそうになった出来事全般の情報を報告させ、収集、分析し、その対策を講じることなどとなっています。
 私は、都立病院において、リスクマネジメントの実現に向けた取り組みを積極的に進めるべきだと考えていますが、その見解を伺います。

○今村衛生局長 医療事故の予防対策として、リスクマネジメントの実現は極めて重要であると考えております。
 このため、医療事故予防対策推進委員会に新たにリスクマネジメントの専門家を加えた予防対策部会を設置いたしまして、体系的な医療事故防止対策の検討を進めておるところでございます。
 現在、全都立病院で情報の共有化を図るため、事故等につながるおそれがある事例などを収集、分析し、相互に活用できる様式の統一化等に取り組んでおります。
 今後とも、リスクマネジャーの養成等、医療事故予防対策に積極的に取り組んでまいります。

○尾崎委員 医療事故を予防することは当然でありますが、今回の広尾病院の不祥事は、医療事故だけにとどまらず、病院の体質に問題があると思います。仮に体の傷が治せても、事実を隠したり、あるいは十分な説明を行わないという病院側の対応は、患者の心を傷つけることになり、本当の医療とはいえません。
 医療行為に対する不安や疑問を感ずる患者や家族に対して、現在の衛生局はどのような対応をしているのか、お伺いいたします。

○今村衛生局長 現在、都立病院では、医師の治療方法等に不安や疑問を申し出た患者や家族に対しましては、改めて十分な説明の機会を設けるなどの対応を行っております。
 また、医療ソーシャルワーカーや看護婦等が個別の医療相談に応じるとともに、診療情報の開示等、インフォームド・コンセントの実現に向けた取り組みを積極的に行っております。
 さらに、各病院に投書箱を設置して、寄せられた苦情や要望には直ちに対応をしております。

○尾崎委員 今の答弁では、ちょっと不十分だなというような感じがいたします。
 現在、社会福祉基礎構造改革により、利用者保護制度の創設が進んでいますが、例えば介護保険の実施に向けて、特別養護老人ホームや老人福祉施設では、サービス評価や利用者保護制度にどのように取り組んでいますか、また、障害者の施設ではどのように対応しているのか、お聞きします。

○神藤高齢者施策推進室長福祉局長兼務 福祉サービスに関します利用者保護でございますが、高齢者関係では、平成七年度から、自己評価を通じてサービスの向上に取り組む特別養護老人ホームや老人保健施設を支援するサービス評価事業を実施し、その結果を公表しているところでございます。
 また、介護保険制度の実施に向けまして、都独自のモデル契約書の作成や、第三者によるサービス評価制度の検討などに取り組んでおります。
 また、お尋ねの身心障害者児の入所施設につきましては、平成十年度から自己評価を行うとともに、外部の第三者で構成する委員会、いわゆる施設オンブズマンでございますが、これにより苦情相談やサービス評価を行い、その評価結果を公表しております。

○尾崎委員 介護保険制度でも、社会福祉法人でも取り組んでいる利用者保護は、当然、医療保険下にある医療法人で取り組まれてしかるべきです。
 特に、障害者施設などは、福島県の白河育成園の事件を契機に、利用者保護制度を導入したわけです。医療サービスにおける利用者保護についての行政の取り組みがおくれているため、現在、医療事故にかかわる訴訟支援などを行っている市民団体なども、多くの医療関係の市民団体が活動しています。
 衛生局は、こうした市民団体の活動をどのように認識しているのか、伺います。

○今村衛生局長 医療オンブズマンなどを初めといたしまして、ご指摘のような市民団体の活動は、診療情報の積極的な開示など、患者中心の医療の実現を求める患者意識の変化などを反映したものと認識しており、今後ともますます活発化していくものと考えております。

○尾崎委員 明らかに医療ミスだとは立証できない事例は別として、患者やその遺族が医師の行う医療行為に疑問を感じたり、あるいは被害に遭って救済や説明を求めても、医師や病院は責任を回避し、真実を明らかにしないことも多いといわれています。
 私は、改めて、医療サービスの利用者の権利擁護制度や苦情処理の仕組みといった利用者保護制度を創設すべきだと考えています。見解を伺います。

○今村衛生局長 医療サービスの提供に当たっては、インフォームド・コンセントに基づく医療はもちろん、積極的な情報提供など、医療従事者と患者の信頼関係の構築や十分なコミュニケーションが基本となると考えております。
 今後、ご指摘の点も含めまして、真の患者中心の医療を実現する仕組みを目指しまして、各種団体や関係機関と議論を深めてまいりたいと考えております。

○尾崎委員 以上で終わります。皆さんご苦労さんでした。(拍手)

○三原副委員長 尾崎正一委員の発言は終わりました。

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