東京都議会予算特別委員会速記録第四号

   午後三時三十五分開議

○石井副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を行います。
 大木田守委員の発言を許します。

○大木田委員 連日、大変にご苦労さまでございます。
 私は、初めに、沖縄サミットに関連して質問したいと思います。
 ちょうど昭和四十六年から四十七年、沖縄が本土に復帰するときに、私は新聞記者として一年間沖縄に滞在をしておりました。沖縄のさまざまな皆さんの声を聞きながら、復帰に揺れる沖縄の思いというのを体験してまいりました。そのとき、に、沖縄の人が本当に沖縄の心は平和を求めているんだなということを感じまして、二十世紀は戦争、破壊の世紀といわれておりますけれども、二十一世紀、平和の世紀を創造するというこのときに、沖縄でサミットが開かれるということは、私は大変意義があるなと思っております。
 サミットについては、七月二十日に東京に集まって宮中晩さん会をして、七月二十一、二十二、二十三と沖縄で行われるわけであります。今日まで警視庁の皆さんの警備、それから消防庁の関係、また稲嶺知事も、石原知事のところへさまざまな応援に対して感謝をしに来ておりますが、首都東京として三回のサミットを経験しておりますので、初めて日本においては沖縄というところで行われるわけであります。都として協力できることがあれば、これからも誠意を持ってしていただきたいと思います。
 石原知事は、二〇〇〇年に行われるこの沖縄のサミットというのを、どんな意義を持って受けとめているか、感想をお聞きしたいと思います。

○石原知事 私も非常に沖縄に愛着がありまして、参議院議員のころ、まだ復帰前でありましたけれども、視察に行ってから、本当にあの土地が好きになりました。以来、例えば慶良間諸島なんかに、私が努力して仲間と一緒に小っちゃな空港もつくったりしまして、とてもえにしのあるところでありますが、今回、政府がサミットの会場をあそこに決めたというのは大変いいことだと思います。
 ついでに、やっぱり各国の首脳があそこに来て、あの嘉手納の膨大な基地も見て、日米関係というものをそれぞれどういうとらえ方するかわかりませんが、アメリカが果たして日本に、金丸がいい出した言葉ですけれども、思いやり予算などと称して、自分の戦略の遂行のために基地を構え、かつその援助の資金を出資させているということが妥当かどうかというのは、第三者から見ればわかることでありますから、いろんな認識を各国の首脳が持って帰る、随行したメディアの方々が持って帰るということは、日本の将来にとって、沖縄の将来にとって、大変結構なことだと思います。
 ただ、三カ所で分散して行う会議というものの治安の対策というのがなかなか大変だなという点で、私もちょっと心配な節もありますけれども、いずれにしろ、新しい形のサミットが、沖縄をベースに成功することをも、同胞の一人として祈念しております。

○大木田委員 私も万感の思いを込めて、このサミットの成功を期していきたいと思っております。
 それから、具体的に、歳入確保について伺いたいと思います。
 まず、今回の予算を見ますと、知事が歳入確保について大変努力をしたことがよくうかがえます。この中で、宝くじについて七百四十六億円が見込まれております。社団法人の宝くじ協会の皆さんの意見を聞きますと、都財政が非常に厳しい、一千億の都財政に貢献できるように努力をしたいというようなことを話をしております。公債課に宝くじ係が三人いるんです。その中で七百四十六億円が今度入るわけですね。非常にこれは都の税収にとっても大きいわけでありまして、全国自治宝くじ事務協議会の会長を知事はしておりますので、この宝くじについてどんな認識か、伺いたいと思います。

○石原知事 私は、大体自分が知事として宝くじ協会の全国の会長をしているなんてこと初めて知りましたし、(笑声)そんな膨大な歳入のてこになっているというのも初めて知りました。買ったこともないし、だから当たったこともありませんが、昔、福田赳夫さんが、事務所で買ったら一億円当たって、随分不公平な話だなという気がしたのを覚えていますが、これはもちろん運でしょうけれども、一つの娯楽としてもすっかり定着したものでありまして、これが東京都のこれからの歳入につながるなら、せいぜい私も会長として宣伝したいと思っております。

○大木田委員 恐らく知事がまだ認識不足ではないかなということで、この質問を取り上げたわけであります。
 現在、過去十年間における宝くじの収益の合計金額がどのくらいか、それから、宝くじの、例えば平成十二年度の七百四十六億円というこの数字は、都の税目の中でどのくらいの位置にあるのか、この二点について伺いたいと思います。

○木内財務局長 平成元年度から十年度までの十年間における収益金は、発売益金、時効益金、さらには運用利益金を合わせまして六千三百九十四億円でございます。
 また、十二年度当初予算における宝くじ収入を都税と比較いたしますと、事業所税九百億円に次ぎまして、軽油引取税を上回る位置にございます。

○大木田委員 今のお話しのとおり、大変宝くじの収入というのは大きいわけであります。それを今度七百億から一千億にするというような場合、ネックが三つあるわけです。知事はよくギャンブルとか競輪の話はしますけれども、宝くじは一度もしていないんですね。
 これは、まず第一は、路上売り場の問題があるわけです。今までは四百カ所あったんですけれども、いろいろと縮小されて百四十カ所になった。今残っているところは大変売れるわけですね。ところが、戦後、露店商扱いでーー今でもなっているんですけれども、靴磨きと新聞売りと宝くじとなっておりまして、だんだん集約されていくというようなことがありまして、都財政の面からも、この五年間ぐらいは路上売り場の継承がスムーズにできるように、個人でできなければ、社団法人の協会ができるというような感じで対応したらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

○古川建設局長 路上の宝くじ売り場については、歴史的な経緯を踏まえまして、例外的に道路占用の許可を行ってきたものであり、本来は道路外で売り場を確保すべきものと考えます。
 道路管理者として、公共空間である歩道の安全、快適な通行を確保するため、権利の承継について、今後とも現行の基準により適切に対処してまいります。

○大木田委員 二つ目は、川崎市とか横浜市の場合は、公有地を提供して立派な売り場をつくって、それで歳入の確保を図っているわけです。東京都の場合はそういう努力をしませんで、今までは、公明党が、せめて東京の宝くじを売っているんだから、東京都というシールぐらいつくったらどうかという提案をしまして、それはつくって張ったんです。一勧の総会屋の事件があったときは、それでもけっ飛ばされたり、つばをひっかけられたりしながら、そういう中で皆さん売って頑張ったということがあるわけです。
 過去に、都の都有地の部分で、一坪ぐらいでいいわけですけれども、協会の方からも場所を提供していただきたいということがありまして、その場所を二十カ所ぐらい出していただいたことがあるんです。今後も協会の皆さんがこういうところでやりたいという希望がありますので、そういうものが出てきた場合、前向きに対処していただきたいと思いますが、どうでしょうか。

○木内財務局長 路上におきます宝くじの販売は、受託の金融機関からの再委託という形で行われておりまして、それに対しては相応の手数料が支払われております。したがいまして、路上以外の路外での売り場の確保は、本来、売りさばきの事業者がみずから努力して行うべきものというふうに私どもは考えております。
 都有地の活用につきましては、一般的に、都有地であろうとか、あるいは都の施設を特定の民間団体や個人に利用させるということは、自治法上厳しく制限されておりまして、宝くじ売り場であろうとも、なかなかそれを積極的に行うことは困難だろうというふうに思っております。
 先ほど、先生おっしゃいましたように、かつて平成八年度にそうしたことを関係者の協議の中で行ったわけでございますけれども、それは、一回限りの特別の措置ということで行ったわけでございます。
 なお、一般的な意味での未利用の都有地の公募であるとか入札による処分については、広く情報を提供しておりますので、それらをご利用いただければありがたいというふうに思っております。

○大木田委員 それで、今、ナンバーズとか、ロトとか、ミニロトとか、非常に機械も導入しなけりゃいけないということで、中小零細の売り場の皆さんは、露店から入るということで、大変資金的に苦労しているわけです。ところが、公的な資金が受けられないというこの事態がありまして、これも何とか解決してあげたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○木内財務局長 東京都の中小企業の制度融資を受けるためには、信用保証協会の保証がまず前提として必要でございまして、その保証を受けられる業種については、法の規定に基づいて定められているところでございまして、今、その現在の規定、中小企業信用保険法施行令によりますと、保証の対象外の業種として金融保険業が規定されておりまして、宝くじの売りさばき業は、この中の証券業類似業ということに分類されているため、残念ながら信用保証協会の保証の対象外となっているのが現状でございます。
 この業種の基本的な分類は、総務庁が定めておりますところの日本標準産業分類に準拠しているものでございます。

○大木田委員 知事、三つのネックで今こういう答弁があったんですね。私は、知事の英断を持ってすれば、この歳入確保、ふやすわけですから、したがって、これについては知事といたしまして積極的に歳入確保を含めて取り組んでいただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。

○石原知事 何だかみんな気取った返事していましたけれども、(笑声)そんな悠長なことをいってられない経済財政状況でございますからね。東京都がパチンコ屋をじかに経営するわけじゃございませんし、これは横浜なんかはどういう形で、何というのかな、規格の店舗みたいなのをつくってやっているのか、一回見てきます。
 それで、それはやっぱり歳入にかかわることだったら、どんどん大売り出ししたらいいと思うんで、土地に問題があるわけじゃございませんが、ちょっといろいろ考えます。それで、本当に売れるでしょうな。
   〔大木田委員「売れます」と呼ぶ、笑声〕

○大木田委員 知事の大変力強い言葉でありますので、ぜひ一千億円になるように、関係者にもお話をしておきたいと思います。
 次に、都債について伺いたいと思います。
 私は、昨年の予特で、五年債を発行したらどうか、こういう提案をいたしました。現在具体的な検討をしていると思いますが、その検討状況とメリット、デメリットはどうか、伺います。

○木内財務局長 五年債を発行することについては、時宜を得たことというふうに考えておりまして、現在、五年の国債であるとか、五年の銀行債などの発行状況についてさまざまに検討を行っております。
 メリットといたしましては、投資家層の拡大が期待できること、さらには、十年債に比べて当面の金利を低下させることができることーー今、金利の低下局面でございますので、挙げられます。例として、金利の具体的なメリットを申し上げれば、五年債の発行金利は、現在の水準では一・二%程度というふうに思われますけれども、直近の十年債、先ほど申したように一・九%でございますので、この差、仮に一千億を出した場合には、五年間で金利のメリットは三十五億円に上るかというふうに思います。
 しかしながら、一方では、デメリットといたしまして、五年後に借りかえる際の金利の上昇のリスクを伴うということも一点としてございます。

○大木田委員 今の答弁でも、五年債を出すことによって、一千億に対して五年間で三十五億円。都は約一兆近い都債を発行しているわけです、公営企業債を入れますと。そうすると、三百五十億プラスになるわけであります。ぜひ私は五年債発行に踏み切るべきだと思いますが、財務局長はいかがですか。

○木内財務局長 五年債については積極的に取り組むべきものと考えておりまして、来年度から発行を計画いたしております。

○大木田委員 次に、外債に関連して、東京の格付について伺いたいと思います。
 知事は、外形標準課税の提案により、自治体が現行制度のまま眠っている、私は睡眠条例といいますけれども、これを覚せいさせたということは大きな意義があったなと思います。東京都の格付もこれはできるわけでありますので、格付を取って、次の段階は、第二弾は外債を発行するというふうに取り組んではいかがかと思います。
 特に、平成十二年度の外債発行予定は二百億円と聞いておりますけれども、これは、全会計の、先ほど一兆円近い都債を発行しておりますので、二百億円というのは大変少ない、有利な条件があればもっと発行すべきだと思いますが、なぜ二百億円なのか伺います。

○木内財務局長 外債の保証枠については、国の保証、政府の保証が今は通例となっております。政府の保証を得るに当たっては、起債額あるいは対象事業等が限定されておりまして、その結果、十二年度においては、地下鉄事業を対象として二百億円の政府保証枠となっているのが現状でございます。

○大木田委員 要するに、政府保証の二百億円という保証は一体何なのかということなんですね。政府保証は外債発行の前提条件なのかどうか。例えば、民間の企業は政府保証がなくても、ムーディーズの格付で決まっておりますから、資金調達は全世界的にしているわけです。
 そういうことを考えても、東京都としても、このことは前提条件なのかどうかということを、まず伺っておきたいと思います。

○木内財務局長 外債発行の場合は、ご指摘のとおり、民間であろうと、あるいは海外の諸都市なんかについても、一般的には格付機関からの格付を取得して発行しているのが現状でございます。
 しかし、現在では、政府の保証を付することによって、日本国債と同様な格付といいますか、位置づけがなされますので、発行条件としては有利になっているのが状況でございます。
 しかしながら、政府保証がなければ外債の発行ができないわけではございませんで、東京都みずから格付を取得すれば、発行は可能でございます。

○大木田委員 私は、外債は古くから行われておりますけれども、もう国のお墨つきを得て外債を発行するという時代ではない。かつて、ある新聞に、首都議員の力という連載がありました。東京の都議会議員が予算を割ると八百億、国会議員が国の予算を割ると七百億と、都議会議員の方が百億多いんです。それで、東京都の全予算は、その時点で世界の国連加盟国で八位なんです。東京都の人口でも世界の五十一位なんです。
 したがって、もう東京都単独の格付をムーディーズに依頼して取ったらどうかということですけれども、これを得るためにどういう努力が必要なのかということともに、例えば既に都市で取っているところを申し上げますと、オーストリアのウィーン、フランスのパリ、イタリアのナポリ、スペインのバルセロナ等取っているわけですね。AaaからAa1になって、今度まだ格下げというような日本の状況の中にあって、東京都は取っていくべきだと、こう思いますが、知事はどうでしょうか。

○石原知事 私、不明にして、この質問をお受けするまでは、とっくに東京は格付を取っていると思っていたんですけれども、確かに外国には、政府の保証を受けずに独自の格付を取っている都市はたくさんございます。こういう時代ですし、どういう会社に依頼するか、日本にも格付会社はございますけれども、しょせんムーディーズもスタンダードプアーズも、これは民間の会社でありまして、向こうの政府の意向で動いている節もありまして、そういう点では日本は金融の問題で引きずり回されておりますけれども、いずれにしろ、国際的に通用する信頼性のある格付会社に東京の格付をさせるということ、でき得れば日本の政府よりも上の格に東京を登録させることは大変好ましいと思います。その努力を、ちょっと研究して、ほかのブレーンもありますから、まずリサーチした上で、ちょっと戦略を考えてみます。

○大木田委員 ぜひお願いしたいと思っております。
 次に、銀行業に関する外形標準課税について伺います。
 十三日に銀行協会会長の杉田さんがここへ来まして話をしておりました。杉田さんは第一勧銀の頭取でありますけれども、宝くじの受注だけで一勧は年間八千億、都の手数料だけでも百九億を超えているわけであります。それから、上下水道の指定金融機関になっているわけです。これで大体一千三百億から一千五百億、そのほかもろもろあるわけですけれども、そうやって都と深いつながりがありながら、二月七日に知事が発表したときに、すぐ大蔵金融監督庁に行くんじゃなくて、まず都財政も厳しいと思うけれども、真意はどこにあるんですかと、銀行協会の会長は、来て、そういうことを聞いて、知事と話をすべきであると。ところが、いまだに知事と協会の会長が、この前、おしりを向けて、こうやった対話があったようですけれども、これがないということ。
 それから、毎週日曜日になりますと、ここのところ銀行協会から速達が届きます。一番最初に届いた速達は、大変内容も、要するに、これが目に入らぬかというような感じの、銀行のそういう姿勢がありありと見えた文章でありまして、私は、もっと丁寧な内容の文章でやるべきではないかと。
 昨日、協会の関係者が私のところに来ました。「サンデープロジェクト」で、ミスター円の榊原さんが、訴訟を起こせば勝つといっているから、訴訟も検討していますようなことをいって、何ともいえないそういう思いを、話をしておりました。
 私は、いろいろとありますけれども、この議会が終わりましたら、どういう形にしろ、協会の会長と、説明が不十分だといっておりますので、大きな立場で一度知事は会ったらどうでしょうか。

○石原知事 会うことは全くやぶさかではございません。こちらから出向いてお願いする話でもございませんし、発表の後、局長が面会を求めたら、銀行側の代表が、要するに謝絶というんでしょうか、聞く耳持たぬという形で、あとはまあ手分けして、もっと下部の方々にこちらの情報を伝えましたけれども、船は出ましたからね、ここで頭取さんと会ってどうなるものでもなし、私たちは粛々と事を行いたいと思っております。榊原君が何をいったか知りませんがーーまあ、いや、それ以上のことはいうまい。僕はどうも気に食わないんだ、あいつは。どこの国の役人かわからなかったから。(笑声)

○大木田委員 そもそもこれが起こった遠因の一つに、日銀の四百七十億の予定納税があって、それで七・三%で十七億以上の還付があったということが大きな問題になったわけですけれども、今回、三十行のうち何行に還付があったのか、また、還付金と還付加算金はどうなっているか、これを伺いたいと思います。

○大塚主税局長 平成十一年度に還付金の生じた銀行は、今お話しの日銀を含めまして、これが大宗を占めるわけでございますけれども、三十行中十五行でございます。還付金総額は五百九十五億円、還付加算金総額は二十二億円、合計六百十七億円であります。

○大木田委員 大変あるわけでありますけれども、具体的な条例の内容に入りたいと思います。
 この新しい税制を導入する場合は、激変緩和のために経過措置というのが普通考えられますけれども、今回、銀行業に対する外形標準課税を導入するに当たって、経過措置として、所得課税の併用は検討しなかったのか。銀行は、所得課税のために相当積んだものがあるということもありますけれども、どうでしょうか。

○大塚主税局長 まず、そもそも五年間の時限措置ということでご提案申し上げております。それから、課税標準は業務粗利益でございますけれども、担税力をある程度反映した指標であると。所得課税ではありませんが、担税力をある程度反映した指標であるということで、経過措置は設けておりません。

○大木田委員 次に、課税標準として選定した業務粗利益は果たして安定的なのか。大きく変動する気もするわけですけれども、もっと安定的な課税標準を検討しなかったのかということで、この点はいかがでしょうか。

○大塚主税局長 課税標準といたしましては、客観性が高く安定性のあるものが望ましく、例えば資本金あるいは資金量等も検討いたしました。しかしながら、資本金につきましては、各行ごとに見ると大きな差異があります。それから、資金量につきましては、現実の銀行の活動量を十分に反映するものとはいいがたい実態があります。こうしたことから、金銭を商品として取り扱う銀行業の活動量をはかるには、資金利益を中心とした指標が適当であり、資金利益に役務取引等利益、その他業務利益を加えた、ご提案申し上げている業務粗利益が、安定的で最も適していると判断をいたしました。

○大木田委員 今の中の資金利益、それから役務取引等利益、その他業務利益ですね、これは銀行の財テクの利益ですけれども、この割合はどうなっていますでしょうか。

○大塚主税局長 資金利益が八割弱、役務取引等利益が一割弱、その他業務利益が一割強であります。

○大木田委員 そうすると、資金利益で八百八十億、役務取引等利益で百十億、その他業務利益で百十億でありますけれども、仄聞するところによりますと、都がこれを三十日に可決した後に、この都の条例では、今回の条例では、業務粗利益を、銀行法施行規則などの省令に掲げる業務粗利益ということを定義しているわけです。そうすると、大蔵省は、このその他業務利益については、これから外そうというーーこれは省令改正だけで済むんです。そうなった場合、東京都はどういう対応をするか。宮澤大蔵大臣がそこに踏み切るかどうかというのはわかりませんけれども、そういう動きが今あるということで私もつかんでおりますが、いかがでしょうか。

○大塚主税局長 そうしたことを大蔵省が検討しているという事実は確認はできておりません。そうしたことをするとは思えませんけれども、仮に、その他業務利益を業務粗利益から除くような省令改正が行われた場合には、その他業務利益と業務粗利益の合計額を課税標準とする条例改正案を直ちに都議会に提案をいたします。

○大木田委員 これは、四月にそれが具体的に行われた場合は、六月の議会に出すと、そういうことですね。

○大塚主税局長 そのとおりであります。

○大木田委員 先ほど知事は、都の税調をつくりたいと、こういっておりました。これからの税制のキーワードは、私は環境だと思っているんですよね。国においても環境税が今、検討されております。環境税は将来の重要な財源であり、その創設に当たっては、既存の燃料に対する税の統廃合が伴ってくるわけでありますし、国と地方の税配分にも大きくかかわる問題であります。今から戦略的な検討をしておく必要があるんじゃないか。特に軽油引取税については、脱税や粗悪油の問題等がありまして、それをどのように解決するかという視点もありますし、先ほどの都の新しい税調で、この環境税の問題を早速検討したらどうかと思いますが、知事はいかがでしょうか。

○石原知事 大変結構な提言だと思います。その前に税調をぜひつくっていただきたいと思いますが……。
 軽油の問題に関しては、ディーゼルのばい煙にかかわることでありますから、幾つかの要望の中で、個人的に小渕総理にも伝えたんですけれども、その他いろいろありましたもので、忘れちゃっていると思うんですね。もう一回事改めて、国民の健康にじかにかかわる問題ですから、この問題をプロパーに、要するに庫出税に変えるとか、その他この他のことを要望しようと思っておりますけれども、本来、やっぱり環境というものにかかわる物品に関して、一種のデポジットという形で、つまり缶を捨てないように、捨てても、処理するのに金がかかりますから、その価格に組み込むというのをデポジットというみたいでありますけれども、そういう意味で私は、環境税というのが設けられて、その中に軽油が組み込まれるというのが一番望ましいと思います。

○大木田委員 次に、大江戸線について関連して何点か伺いたいと思っております。
 大江戸線が、平成十二年十二月、本年十二月に開業するということでありますので、私は、平成十二年十二月十二日の十二時十二分に開業させたらどうかと。それで、いろいろと今、安全の問題がいわれておりますので、イチニ、イチニと安全を確認しながらスタートすると、こういうことを提案したいと思いますが、どうでしょうか。

○石原知事 いや、なかなかおもしろいご提案で、ただ、そのために開通がおくれたりするのも困りますので、二、三日のタイムアローアンスなら、それは非常におもしろい案で、考えてみたいと思います。
 ついでに申しますと、大江戸線というのは、私が別に固執してつけた名前じゃないんで、ただ、環状線でないものを環状線という名前をつけちゃったので、怒りまして、それはユーザーに対して非常に不親切だということだったんですが、何か審議会でその次に人気があったのが大江戸線だったそうでありまして、私はむしろ、下の方にあったんですけれども、メトロリンクとか、そういう方のがハイカラでいいんじゃないかっていったんですけれども、いつの間にか、私が一方的に大江戸線に決めたような巷間うわさがありまして、何と時代錯誤という人もいるようですけど、ここの場をかりてちょっといいわけさせていただきますが、いずれにしろ大事な地下鉄が開通するわけでありますから、そういうタイミングで開通式を行ったら、新しいニックネームがつけられるかもしれません。

○大木田委員 大江戸線は、江戸八百八町がありまして、昔の大江戸をちょうど切り抜いたように走っているということが背景にあるわけですね。(笑声)
 それで、今までの放射部が、こうなっておりますけれども、今度は環状部ができるわけです。それで、東京には都営と営団の地下鉄があるわけでございますけれども、私は、この大江戸線を機に、環状部ができたわけですから、二十八の駅、都営とは二十一駅で交差し、営団とは十駅で交差するわけでありますし、もう都営と営団の一体化、一元化、これは、運輸大臣も経験していますので、進めたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。

○石原知事 原則的には、私は大変結構だと思います。私も賛成でございますが、ちょっと、お互いの収支が違い過ぎまして、そういう問題で、まだまだ合併のためにはバリアがあると思いますし、その前提として、やっぱりサービスを均等化する、その他いろいろ配慮をしまして、行く末は、地下鉄だけじゃなしに、東京都がかかわるすべての交通機関を一つの会社が管轄して運営するということが望ましいと私は思います。

○大木田委員 今も出ましたけれども、とにかく都営地下鉄があり交通局があるわけですが、「ゆりかもめ」という会社があります。これは港湾が所管しております。多摩モノレールというのは都市計画が所管している。それから、臨海高速鉄道も都市計画の関係。それから日暮里・舎人新線も出てくるわけでありまして、都の鉄道を交通本部のようなところで一体化してやっていくと。で、今、交通局の職員があちこち派遣されて行っているわけですよ。ところが、縦割りのためにそれが進んでいない。これも、知事の英断で、今お話がありましたけれども、再度取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○石原知事 将来はまさにそうあるべきだと思います。
 今、十五年後に実現し、五十年後にも通用する、一つの東京都のあるべきビジョンというものを策定しておりますけれども、そういうもののかかわりの中でも、私は、都の交通機関を円滑に、かつ、いいサービスで運営するためにも、やがてはそれは一つに統合されるべきものだと思っております。

○大木田委員 ぜひその検討を進めていただきましてーー海外の人が日本に来た場合、移動するときに、東京の交通が非常にわかりにくいと。国際化を目指しておりますし、そういう意味では、検討委員会のようなものをつくって、ぜひ検討していただきたいと思います。
 また、そこに行くまでにはいろいろと時間がかかると思います。その前に、都が関与する鉄道の一元化に向けて、まずソフト面、サービス面で、この一体化を図るということを進めていったらどうか。この点についてはいかがでしょうか。

○成戸東京都技監 都営と営団の間では、現在、ご案内のように、共通カード化でありますとか、乗り継ぎ割引などのサービスを実施しております。また、このたび、東京都の交通局を初め、多摩都市モノレールでありますとか東京臨海高速鉄道あるいは「ゆりかもめ」、こういったものも参加して、関東地区の二十の鉄道事業者間を一枚のカードで乗りおりできる共通カードを、ことしの十月より導入することとしております。
 さらに、ことしの九月には都営三田線と東急目蒲線が、また平成十四年十二月には東京臨海高速鉄道とJR埼京線が相互直通運転をいたしまして、こういった一元化の土壌ができるわけであります。
 今後とも、都の関与する鉄道内だけでなく、広く民間鉄道事業者とも協力し合いまして、利用者サービスの一層の向上に努めてまいります。

○大木田委員 次に、二十三区の水道の検針の統合について伺いたいと思います。
 水道局は、新しい経営計画として、水道事業経営プラン二〇〇〇をつくって意欲的に取り組んでいることはよくわかります。現在、五百五十万世帯の水道メーターの検針を行っているわけでございます。これに三十七億八千万の費用がかかっておりますけれども、これは、東京電力と東京ガスで共同自動検針を進めれば、非常に経営の効率化にもなりますし、都民サービスの面においても一石二鳥ではないかと。
 この共同自動検針について具体的に伺いたいと思いますが、こうした場合、どのような効果があるのか、サービスと効率の両面の効果を具体的に伺いたいと思います。

○赤川水道局長 共同自動検針により期待できる効果でございますが、第一に、サービスの向上面としては、水使用情報の都民への迅速な提供が可能となることに加え、宅地内への立ち入りが不要になることから、プライバシー保護などの効果があります。第二に、効率化の観点として、共同化による設備投資や運用面におけるコストの削減とともに、検針が困難な現場の解消や検針業務の迅速化などが挙げられます。

○大木田委員 これをやれば、二〇%の経営効率が図れるということでありますので、私は、水道局と東電、東ガスで早く検討を進めていただいて、早期に実現化を図っていただきたい。
 今後どのように進めていくか、それから、今、検討状況はどうなっているか、あわせて伺いたいと思います。

○赤川水道局長 まず初めに検討状況でございますが、水道局と東京電力及び東京ガスの三者共同による自動検針の実施の検討に当たっては、まず、その裏づけとなる技術面からの検証が必要でございます。そこで、この三者による共同の実証実験を行うこととし、平成十一年十月以降、機器の開発、実験の規模や期間、地域等、主に技術的側面からその内容について協議しております。
 次に、現在進めている技術的な検証にかかわる協議を促進し、協議が調い次第、三者間の協定を、十二年度上半期のできるだけ早い時期に締結するとともに、機器の設置など必要な準備を行い、下半期までには実証実験に入りたいと考えております。
 この実証実験の結果を踏まえ、費用対効果、業務運営方法等、幅広く実用化の可能性を積極的に検討してまいります。

○大木田委員 以上で終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

○石井副委員長 大木田守委員の発言は終わりました。

ページ先頭に戻る