株式会社新銀行東京に関する特別委員会速記録第十二号

平成二十三年六月十七日(金曜日)
 第四委員会室
 午後二時三十分開議
 出席委員 十七名
委員長山下 太郎君
副委員長早坂 義弘君
副委員長谷村 孝彦君
副委員長酒井 大史君
理事高倉 良生君
理事吉原  修君
理事小沢 昌也君
鈴木 章浩君
西崎 光子君
神野 吉弘君
服部ゆくお君
佐藤 広典君
山口  拓君
林田  武君
東村 邦浩君
大沢  昇君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

本日の会議に付した事件
 閉会中の継続調査について

○山下委員長 ただいまから株式会社新銀行東京に関する特別委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、本委員会に付託されております調査事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 本委員会に付託されております調査事件の閉会中の継続調査の申し出についてを議題といたします。
 この際、本件に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○佐藤委員 私は、都議会民主党を代表して、閉会中の継続調査について意見を述べさせていただきます。
 当特別委員会の設置の目的の一つは、新銀行が巨額の累積赤字を計上するに至った原因と責任について調査することです。しかし、先日の質疑でも明らかなように、東京都の姿勢は、新銀行東京による旧経営陣に対する裁判を見守るというものでしかありません。しかも、その裁判も、次の口頭弁論の日程さえいつになるのかわからないような先行き不透明な状況にあるのです。新銀行任せにしている取締役の報酬の自主返納についても、一向に進む気配がありません。
 また、新銀行東京は、旧経営陣による損失額を百四十億円として訴えを起こしておりますが、そもそも新銀行東京の累積赤字額は一千十六億円だったのです。この巨額な累積赤字の原因や責任については、いまだ明確に示されているとは到底いえません。
 追加出資の根拠の一つとされていた内部調査報告書の本編についても、東京都は裁判が継続中であることを理由に公開を拒んでおりますが、速やかな公開が求められております。
 さらに、新銀行設立時の経緯に関して質疑のあった昨年三月二十七日の予算特別委員会では、主税局が、東京税務協会と旧経営陣とが交わした顧問契約書が既に破棄され、その内容が確認できないと答弁しておりましたが、事実解明のためには、主税局や旧出納長室などでの関係する書類が確実に保管され、当特別委員会の場において幅広く議論されることが望ましいものと考えます。
 加えて、再建計画の最終年次に突入している現在に至っても、いまだセカンドステージなるものの形が明らかでないことも問題です。セカンドステージは、四百億円の追加出資の際から石原知事が明言していたものなのです。幾ら東京都が、新銀行東京が主体となって計画するべきものといっても、四百億円が毀損してしまうような計画では看過できるはずもないわけで、より主体性を持ってかかわっていかざるを得ないのです。
 私たち都議会民主党は、都民の税金がさらに毀損することのないよう、事業譲渡や株式の売却などを含め、新銀行東京から早期に撤退すべきと考えておりますし、各会派それぞれのご意見もおありだと思います。
 このような中で、私は引き続き参考人の招致を初め、より広い観点から、当特別委員会において原因と責任の明確化など、新銀行問題に関する調査を続けていくことが必要であると申し上げ、私の意見を終わります。

○鈴木委員 東京都議会自由民主党を代表いたしまして、株式会社新銀行東京に関する特別委員会について意見を申し上げます。
 株式会社新銀行東京に関する特別委員会の設置に関する動議が提出された平成二十一年第三回定例会において、我が党は設置に反対する立場から意見を申し上げました。新銀行東京に関しては、それまで本会議や予算特別委員会、決算特別委員会、常任委員会の場において、あらゆる角度から議論に議論を重ね、審議が行われてきておりました。そして当然ながら、経済・港湾委員会では集中的に議論されてきたことはいうまでもありません。そうした状況にありながら、あえて特別委員会を設置することは、常任委員会の存在意義そのものが問われる、まさに議会の根源にかかわる問題であると、当時我々は申し上げました。
 改めて申し上げるまでもありませんが、常任委員会は、その所管する事務について、広く審議することができるものであります。本委員会の設置目的に掲げられたことは、すべて常任委員会で審議することができるものであります。
 議会としては、首都東京を取り巻く多くの課題を迅速かつ効率的に審議しなければならないことはいうまでもありません。にもかかわらず特別委員会を設置したことは、まさしく屋上屋を重ねるものであります。
 都議会民主党が、共産党や生活者ネットなどとともに賛成して設置した本委員会は、設置後二年弱が経過しましたが、この間の活動実績を見ますと、質疑が行われたのはわずか二回にすぎません。
 一方、この間、常任委員会では九回にわたる質疑が行われております。特別委員会の設置を進めた民主党や共産党も、特別委員会を実質放置しながら、経済・港湾委員会で繰り返し質疑を行っております。こうした事実をかんがみると、本委員会の設置は特定の会派の政治的な主張、いわゆるパフォーマンスにすぎないことが今さらながら明白になったと考えます。
 新銀行東京は、平成二十一年度第一・四半期決算以降、黒字基調を続け、直近の平成二十二年度決算においては、課題であった実質業務純益についても、再建計画を一年前倒しで黒字を達成するなど、再建は着実に進んでおります。
 我々議会の使命は、四百億円の追加出資という苦渋の選択を行って再建を目指した新銀行東京の経営状況や中小企業支援の状況などをトータルでとらえ、チェックをし、評価していくことであります。パフォーマンスに基づく本委員会を存続させる必要は全くありません。
 新銀行東京に関する質疑は、経済・港湾委員会を中心に行うべきであり、本委員会での調査は終了すべきであることを申し上げて、我が党の意見といたします。

○高倉委員 私は、都議会公明党を代表して、ただいま議題となりました継続調査の申し出に反対をする立場から意見を述べます。
 本特別委員会の設置について、都議会公明党は、平成二十一年第三回定例会において反対いたしました。それは、委員会の設置目的である新銀行東京が巨額の累積赤字を計上するに至った原因について調査するとともに、東京都における同行の経営監視状況及び同行に対する東京都の今後の取り組みについて調査検討するということについて、特別委員会を設置しなければ質疑ができないというものではないからであります。事実、本委員会において、特別委員会ならではの活発な審議が行われたとは到底思えません。
 都議会公明党は、これまで新銀行東京について、あらゆる角度から、本会議、予算特別委員会、経済・港湾委員会において審議を重ねてきました。今後も新銀行東京の経営監視や都の取り組みについて強化をしていく考えであります。
 そもそも本日、第二回定例会が開会したばかりであるのに閉会中の継続調査を諮っていること自体、本特別委員会が不必要なことは明らかであります。また、これまでの本特別委員会の実績を見ても、委員会を設置しておく意味はないものと考え、継続調査に反対するものであります。
 再建計画三年目の決算については、新銀行東京の経営努力により、実質業務純益が収支均衡を果たしました。これは再建計画を一年前倒しで達成したことであり、経営陣の努力を評価いたします。
 新銀行東京には、今後とも経営努力を重ねていただき、実質業務純益や当期利益の黒字化を定着させていただきたいと望みます。
 新銀行東京の今後については、都民の負担を最小限に抑えるために、銀行の再建を果たし、企業価値を高めた上で、事業譲渡あるいは業務提携を行い、追加出資の回収もしくは保全を行っていくべきと申し上げ、発言を終わります。

○吉田委員 採決に当たりまして、継続を求める立場から一言申し上げます。
 本委員会は、新銀行東京に対する都民の高い関心を背景に設置されたものです。二年が経過しましたが、結果的には二回の質疑しか行われず、調査、解明すべき課題は残されています。とりわけ原因と責任の明確化という点では、当時の関係者の参考人質疑等が求められていますが、残念ながら実施されていません。
 また、現時点は再建計画の途上であり、さらに責任の所在をめぐって訴訟が争われている段階でもあります。よって、本委員会を継続し、調査と審議を尽くすことこそ、都民に対する責任だと考えます。
 以上です。

○西崎委員 本委員会に付託されている調査事件の閉会中の継続調査について意見を述べます。
 新銀行東京は、平成二十三年三月決算を迎えて、実質業務純益が二億七千五百万円の黒字になりましたが、先日の委員会を通してただしたように、多額の資金を借り入れ、それを有価証券に投資しており、現在は有価証券関係の収益を上げることで、ようやく黒字を確保しているといえます。
 今のところ、有価証券とその他の有価証券全体では含み益になっていますが、相場の変動次第では含み損を抱える可能性もあり、幾らリスク管理を行っていても限界があり、最終的には限りなく不安材料となるおそれがあります。
 新銀行東京は、中小企業に対する融資を行うことで中小企業支援を行うという新銀行本来の目的は十分に果たされている状況ではなく、平成二十年、多くの負債を抱え、都民の税金一千十六億円を毀損し、新たに四百億円の追加出資を行っていることを忘れてはなりません。
 都議会として、その経営状況や都の監視状況について調査する特別委員会の設置は議会の決定であったはずであり、たった二回の開催では、新銀行東京が巨額の累積赤字を計上するに至った原因や、その経営責任、都の責任については何ら明らかになっていません。
 生活者ネットワーク・みらいは、参考人招致を行い、責任の所在を明確にすることこそ、都民への説明責任や議会としての責任を果たすことであると考えます。よって、新銀行東京の特別委員会の継続を求めます。

○山下委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本委員会に付託されております調査事件について、起立により採決いたします。
 本件は、今定例会中に調査を終了することができないため、閉会中の継続調査の申し出をすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○山下委員長 可否同数であります。よって、委員会条例第十五条の規定により、委員長が裁決いたします。
 委員長は、本件について、閉会中の継続調査の申し出をすることに賛成であります。よって、本件は、閉会中の継続調査の申し出をすることに決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後二時四十二分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る