株式会社新銀行東京に関する特別委員会速記録第十号

平成二十三年六月八日(水曜日)
 第四委員会室
 午後一時一分開議
 出席委員 十六名
委員長山下 太郎君
副委員長早坂 義弘君
副委員長谷村 孝彦君
副委員長酒井 大史君
理事高倉 良生君
理事吉原  修君
理事小沢 昌也君
鈴木 章浩君
西崎 光子君
神野 吉弘君
服部ゆくお君
佐藤 広典君
山口  拓君
林田  武君
東村 邦浩君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
産業労働局局長前田 信弘君
次長真田 正義君
産業企画担当部長澤   章君
金融監理部長斎藤 真人君
金融支援担当部長十河 慎一君

本日の会議に付した事件
 株式会社新銀行東京が巨額の累積赤字を計上するに至った原因について調査するとともに、東京都における同行の経営監視状況及び同行に対する東京都の今後の取組について調査・検討する。
報告事項(説明)
・新銀行東京の三月期決算について
・新銀行東京に対する東京都の今後の取組について
・新銀行東京の動向について

○山下委員長 ただいまから株式会社新銀行東京に関する特別委員会を開会いたします。
 初めに、先般の人事異動に伴い、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課担当書記の小笠原勝彦君です。
 議案法制課担当書記の小池綾子さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○山下委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 これより株式会社新銀行東京が巨額の累積赤字を計上するに至った原因について調査するとともに、東京都における同行の経営監視状況及び同行に対する東京都の今後の取り組みについて調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の説明聴取を行いたいと思います。
 なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
 初めに、産業労働局長から先般の人事異動に伴い、交代のあった幹部職員の紹介があります。

○前田産業労働局長 産業労働局長の前田信弘でございます。
 山下委員長さん初め、委員の皆様方におかれましては、日ごろからご指導、ご鞭撻をいただき、ありがとうございます。
 昨年の人事異動によりまして、当局の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介いたします。
 産業企画担当部長の澤章でございます。金融監理部長の斎藤真人でございます。金融支援担当部長の十河慎一でございます。最後に、本委員会との連絡に当たります総務課長の根本浩志でございます。
 なお、総務部長の三枝健二は、公務のため本日の委員会を欠席いたしております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○山下委員長 紹介は終わりました。

○山下委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○斎藤金融監理部長 お手元の資料、株式会社新銀行東京についてをご説明申し上げます。
 1の新銀行東京の動向についての(1)、決算の状況についてでございますが、別紙資料によりまして、前回、本委員会でご審議をいただきました平成二十二年二月十六日以降の主な動向をご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、一枚おめくりいただきまして資料1をごらんください。株式会社新銀行東京の決算の推移をお示ししてございます。
 棒グラフの薄い方は、当期純損益を示しておりますが、二十一年度から黒字に転じ、二十二年度も二年連続で黒字となっております。
 濃い棒グラフは、累積損失を示しております。当期純損益の黒字化を受け、二十一年度以降着実に減少し、二十二年度には七十九億円となっております。
 続きまして、資料2をお開きください。株式会社新銀行東京の貸出・保証及び預金の推移を示してございます。
 貸出金・保証残高は、棒グラフの濃い方でございますが、二十二年三月期は一千三百四十六億円でございましたが、二十三年三月期には一千四百四十億円と、九十四億円の増となっております。
 一方、薄い棒グラフは預金でございます。残高は旧経営陣時代のキャンペーン定期が順次満期を迎えたことにより漸減をしておりまして、二十三年三月期には一千八百二十五億円となっております。
 続きまして、資料3をごらんください。株式会社新銀行東京の不良債権の推移をお示ししてございます。
 不良債権は、再建計画実施以降の融資案件では大幅に抑制をされております。残高は二十年九月期をピークに減少を続け、二十三年三月期では二百二億円となってございます。
 不良債権比率でございますが、二十一年九月期をピークに大幅に低下をし、二十三年三月期で一四・〇二%、このようになってございます。
 いまだ高水準であり、課題の一つと認識をしておりますけれども、現時点で保全率は記載のとおり八三・二%となっておりまして、将来の損失に対する備えとして適正な水準を維持しております。
 恐れ入りますが、一枚目にお戻りいただきまして、(2)、その他についてでございます。旧経営陣に対する損害賠償請求訴訟につきましては、新銀行東京は、平成二十二年一月二十九日に本訴訟を提起しており、現在、東京地方裁判所におきまして口頭弁論が進行中でございます。
 続きまして、2の新銀行東京の平成二十三年三月期決算についてでございます。たびたび恐れ入りますが、資料4をごらんいただきたいと存じます。資料4に平成二十三年三月期決算の概要をお示ししてございます。
 初めに、資料の上段右側の資産等の状況をごらんください。表の右側が平成二十三年三月末の実績となっております。
 政府向け貸出金を除いた貸出金、保証、公共工事代金債権信託を合計した与信残高は一千百五十二億円であり、そのうち中小企業向けは約五千七百件、七百七十八億円となっております。
 中小企業向けの与信残高は、平成二十三年三月期第一・四半期を境に増加に転じております。
 次に、資料の下段、損益状況をごらんください。表の右から二番目が平成二十一年度の実績、右端が平成二十二年度の実績となっております。
 一段目の業務粗利益の決算額は四十・五億円と、前年同期と比較し、十一・八億円増加しております。その下の営業経費は四十・五億円と、前年同期と比べ、八・五億円減少しております。この両者を合算した実態ベースの実質業務純益は、前年同期のマイナス二十億円から大幅に改善し、収支が均衡いたしました。
 なお、その下の参考欄にありますとおり、国債の売却益等を算入した一般的な銀行公表ベースでは二・七億円の黒字となっております。
 貸倒引当金などの信用コストにつきましては、プラスの十二・六億円となってございます。
 これらの結果、当期利益につきましては十・八億円と、昨年に引き続き二年連続で黒字を計上したところでございます。
 また、最下段、純資産でございますが、四百九十七億円と、前年同期から七億円増加をしております。
 新銀行東京は、新規顧客の開拓を地道に行うなど、中小企業支援の強化と収益力の向上に努めてまいりました。また、リレーションシップの強化により、顧客の実態把握を推進し、個別の与信判断におけるリスク管理はもとより、デフォルトの状況などについて詳細なモニタリングを実施するなど、信用コストの管理を徹底してまいりました。さらに、営業経費の一層の削減に努め、低コスト構造への転換を図っております。
 こうした努力の結果、課題であった実質業務純益も、開業以来初めて収支が均衡したところでございます。
 最後に、恐れ入りますが、再度一枚目にお戻りいただきたいと存じます。3の新銀行東京に対する東京都の今後の取り組みについてでございます。
 今年度は再建計画の最終年度でございまして、現在、新銀行東京の経営陣は、再建の達成に向け、引き続き当期利益及び実質業務純益の黒字の確保に全力で取り組んでいるところでございます。
 都といたしましても、引き続き適切な監視と支援に全力を挙げてまいります。
 以上で株式会社新銀行東京に関する報告事項の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○山下委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○小沢委員 六点ほどお願いいたします。
 まず、開業以降の融資、保証実績で、月別、メニュー別の件数及び金額。
 同じく事業規模別の件数及び金額を実行ベースでお願いいたします。
 三つ目、先ほど報告がありましたけれども、旧経営陣に対する裁判の進捗状況の詳細を、経過を含めてお願いいたします。
 次に、株主連絡会の開催状況についてお願いいたします。
 五つ目、新銀行東京の株主総会における東京都の発言内容及び取締役会への申し入れについて。
 最後に、ファンド運営会社並びにベンチャーファンドへの出資の概要及び実績についてお願いいたします。
 以上です。

○吉田委員 五点お願いいたします。
 年度別の融資、保証実績について、事業規模別の件数と金額をお願いします。
 次に、年度末決算時点での融資、保証残高の事業規模別の件数と金額をお願いします。
 三つ目に、年度別の融資件数、残高、返済額、不良債権額をお願いいたします。
 四つ目に、年度別の債務超過企業、赤字企業への融資、保証実績についてお願いいたします。
 最後に、無担保・無保証融資の実績の推移についてお願いいたします。
 以上です。

○山下委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。--ただいま小沢理事、吉田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山下委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後一時十二分散会

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