議会運営委員会速記録第三十九号

平成十二年三月三十日(木曜日)
午後一時四十六分開議
 出席委員 二十三名
委員長川島 忠一君
副委員長藤沢 志光君
副委員長木村 陽治君
副委員長中山 秀雄君
理事松本 文明君
理事大西 英男君
理事星野 篤功君
理事渡辺 康信君
理事土持 正豊君
理事河合秀二郎君
山崎  泰君
大西由紀子君
鈴木 一光君
三原 將嗣君
小礒  明君
近藤やよい君
植木こうじ君
村松みえ子君
古館 和憲君
森田 安孝君
木内 良明君
田中  良君
和田 宗春君

 欠席委員 二名

議長渋谷 守生君
副議長五十嵐 正君

本日の会議に付した事件
 決議について
 会議順序について

○川島委員長 ただいまから議会運営委員会を開会いたします。
 新築住宅に係る固定資産税等の減免を行う市町村に対する支援に関する決議案について上程することが決定していましたが、全会派一致でないので、本案の上程についてお諮りいたします。
 本案は、本来は、議運の理事会の申し合わせでは、意見書とか決議に関しては全会一致が原則でございますけれども、特例中の特例ということも過去の経緯の中で何度かございました。それで、今回は意見が分かれましたので、特例ということで本件を起立により採決させていただきます。
 また、議運の理事会において、この種のものはあくまでも全会派一致という原則は、これからもきちっと遵守していきたいということでございます。
 本日の本会議に上程し、議決することに……

○木村委員 ただいまのご提案ですけれども、私ども日本共産党は、この決議案の内容については賛成であります。
 しかし、決議は、常任委員会の論議一致という通常のやり方でなく、特例として議会運営委員会にかけられたというケースがありまして、特例で決議を上げる場合は、あくまで全会派一致という原則がございます。今回、この決議については、交渉会派であります民主党が反対であるという見解が出されました。満場一致が崩れたわけであります。内容には賛成でありますが、決議を上程する方法が大きく変更されるということになりまして、私どもは、できればこれは上程すべきでない、そして、反対する会派も含めて、もっと論議を尽くして次の機会に上程すべきだと、こういうふうに考えます。
 したがいまして、本日の本会議に上程することについては反対でございます。そのことを申し上げさせていただきます。

○河合委員 大変私どもの会派の決定がおくれまして、皆様方にご迷惑をおかけいたしました。まず冒頭おわびを申し上げます。
 さて、私どもが今回の決議案について反対している点につきまして、簡単に申し上げたいと思います。
 一つは、決議案の内容につきまして、何人にも侵されない自主独立の権限であります自治体の課税自主権が少し違った選択、決定に誘導される、そういうおそれがあるんではないかという懸念が一つあるということ。
 もう一つは、常任委員会であります財政委員会でこの点の論議がまだ十分尽くされていない。少し時間をかけて、財政委員会でーー総務委員会ですか、論議をすべきである。こういった点を主張し、今回の上程に反対をしたところでございますので、その辺の趣旨につきましては、十分ご理解をいただきたいと思います。
 以上です。

○田中委員 二点ばかりお尋ねしたいんですが、総務委員会か財政委員会かどちらかで、本来ならば提案をして調整をするということであるべきだったと思いますが、なぜそういう経過をたどらなかったのかについてのご説明を今まで一度も我々伺っておりませんので、その点について提案者の方々にお尋ねしたい。
 それから二つ目は、こういう問題が出てくると必ずいつも出るんですが、特例の基準というものが非常に不明確だということがあると思うんで、何が特例で、こういう形で直接議運、本会議というものにかけられるものなのか、その辺についてきちんと詰めるべきではないかというふうに思うんですが、お考えをお聞かせいただきたいと思うんです。

○松本委員 私たち都議会自由民主党が提案をさせていただきました。私たちは、全会一致の原則というものを軽視するものでは決してありません。私たちの先輩が長年この都政で築いていただいた慣例は、それなりに意味のあることですから、きちっとそれは守らなければならぬと、こういうふうに原則的に考えております。
 お尋ねの今回こうした決議案を皆様方に提示することがおくれた理由でありますけれども、今回の都議会における重要課題が山積しておったということが一つございます。今回提案しておりますのは、多摩地域における課税権を広域行政体である東京都が縛る、こういう趣旨では決してございませんで、課税権者の意思というものをある程度確認するといいましょうか、そちらの方から、ぜひ多摩にもこういう制度を導入したいんだ、導入するについては、大変財政状況が厳しいんだ、東京都として何とか助けてもらえないか、こういうような多くの意見が出てきたそのタイミングが、我が党、我が会派の中でそういう意見を聴取した時期がどうしてもおくれてしまった。
 一つには、知事が、今回の二十三区内における固定資産税の減額措置の条例案の提案が、非常にスピーディーな形といいましょうか、突然に提案された。それに対して二十三区を除く東京都の各自治体、各都民の判断がちょっとおくれたのではないだろうか、こういう事情が重なりまして、おくれたというのが理由でございます。
 それから特例の基準ということでございますけれども、私たちが考えておりますことは、都民に対して東京都議会が、スピーディーに物事を、一つずつきちっと東京都の議会の意思を表明していく、こういうことは大切なことだと、こう思っております。全会一致の原則の中で、各会派、各人がそれぞれにこの意見を述べ合って、そういうことだったら全会派一致まで待ってもいいな、全会派一致の原則に立ち戻ってやろうよ、こういう合意を得ることができる場合もありますけれども、しかし、これは重要問題だから、何としてもこの議会できちっと反対、賛成、議会の意思を表明すべきである、こういう強い意思がある場合には仕方がないんではないだろうか、こういうふうに考えております。

○田中委員 政策論争をこの場で長々とやる気はありませんけれども、東京都が各市町村に減税を要望して、その配慮として行われるというものでは、今回はないわけですよね。(「ありません」と呼ぶ者あり)だから、僕は、そこがおかしい問題点だと思っております。
 それならば、先生のおっしゃる論理に立てば、東京都が減税した分、国に何らかの配慮を求めるという筋がなきゃおかしいんじゃないですか。(「これは地方税ですよ」と呼ぶ者あり)知っていますよ。課税自主権の中で、東京都が独自の判断として減税をやるということになったんですから。でも、東京都は、自分の責任でそれをやりましょうといっているんですよ。市町村も、対等の関係ならば、自分の責任でそれはなされるべきことで、そういうことでしょう。
 それから、強い意思が議会にあるとおっしゃるけれども、少なくても上程するということについて、強い意思はないじゃないですか。採決をしなきゃならないところまで、上程するかしないかといって、複数会派で意見が割れてて、強い意見じゃないじゃないですか。
 強い意見というのを、強い意思というのをーー松本理事、強い意思というのは、何をもって強い意思とおっしゃるのか。

○松本委員 強い意思についてご説明いたします。
 きのうから議会運営委員会の理事会がございまして、そこで提案をさせていただいて、民主党を除く各会派について、すべての会派が共同提案者になってもいいですよと、こういう意思表示がございました。そして民主党さんも、これから総会を開く、役員会を開く、それまで時間をかしてほしい、こういうお話がございました。昨日の議運の理事会の空気の中では、民主党を除くすべての会派が、この内容について賛成という意思表示がございました。
 そして、きょうの理事会に至りまして、共産党さんは、出されたら、その内容には賛成します、全会一致の原則を崩して上程をすることには反対ですと、こういうお話でございます。ネットさんも、たしかきのうときょう、ちょっと対応が違いまして、ネットさんの方の意思表示も、ちょっと違う形でございました。
 きのうの状況では、民主党を除いて全部OK、こういうような空気でございました。きょうに至ってもなお、仄聞をするところといいましょうか、予定を伺いましたところ、反対をされる会派は、民主党さんとネットさんと社会民主党さん、こういうことでございます。そうしますと、百二十四議席のうち、反対の意思表示というのはそういう形でございますから、全体として、都議会の意思というのは賛成だという強い意思がある、こういうふうに私は思ったわけでございます。

○田中委員 松本先生が思われるのはご自由でありますけれども、客観的な事実として、本会議に上程をするということについて、複数の会派が、少なくてもオブザーバーも含めて反対をしているというふうに今お聞きしているわけなので、それをもって強い意思が議会にあるというような判断にされるというのは、やはりちょっと無理があるんじゃないでしょうか。

○松本委員 だから、きょうの平場で、各会派の意見をきちっとこの場で確認していただこう、こういうことでございます。

○田中委員 それで一方では、満場一致ということを今後やっていくとおっしゃっているわけでしょう。

○松本委員 原則です。原則満場一致。

○田中委員 それは、だって、だれが聞いたって、これは二枚舌じゃないですか。自分たちの都合のいいときには、これは採決をする、そうじゃないときは満場一致だということじゃ、これは一体、何を基準にして判断したらいいかという話になると思うんですよ。
 こういうやり方は、ちょっと強引だと思いますけれども。

○松本委員 議運で時間かけたじゃない、たっぷり。

○川島委員長 本来なら、議会制民主主義というのは多数決でございますね。数の論理ですべてが決まる。民主主義というのは、物を決めないのが民主主義じゃなくて、物を決めるのが民主主義だと。議会は、やはりあくまでも多数決。ここですべて決められる仕組みになっていると思うんです。
 ただ、そういう今までの都議会の歴史の中で、今回のような状況もあるわけですね。ですから、少数意見も大切にしていかなきゃならぬということで、できる限り全会一致の原則ということに重きを置いて議会運営委員会というのは行っていこうというのが、過去の先輩たちがつくった一つのレールになっているわけですね。
 しかし、事案によっては、過去も、一つのレールから脱線したといいますか、レールからはみ出した経緯も何度もあるわけです。それは、原則論に返れば、多数決が本当の原則なんです。だから、その辺はご理解をいただきたいと思います。

○大西(由)委員 昨日、賛成はいたしましたけれども、共同提案者になるという発言はしておりません。
 私どもも、やはり賛成の前には満場一致ということが、どうしてもそこに欠かせないという気持ちがありますので、上程に対しても反対するということです。

○川島委員長 昨日は、上程は賛成だということなわけですね。

○大西(由)委員 その方向で賛成とはいいましたけれども、共同提案者になるとはいっておりません。

○川島委員長 本案を本日の本会議に上程し、議決することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○川島委員長 起立多数と認めます。よって、本案は、本日の本会議に上程し、議決することに決定いたしました。
 また、本案については、本会議で民主党及び自民党から討論がございます。ご了承願います。

○川島委員長 次に、昨日協議いただいた会議順序ですが、変更になりますので、議事部長から説明いたさせます。

○會田議事部長 ただいまお配りしておりますので、しばらくお待ちください。
 それでは、昨日と変わったところだけ、ご説明申し上げます。
 昨日は、15の追加日程第十から、ここが十八までになっておりまして、簡易採決となっておりました。
 ただいまのご協議によりまして、15は追加日程第十から第十七までとなりまして、16に追加日程第十八を上程いたしまして、討論を行いまして議決、起立採決を行う。こういうふうに変わりましたので、よろしくお願い申し上げます。

○川島委員長 説明は終わりました。
 ただいまの説明のとおり進めてまいりますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○川島委員長 それでは、そのようにいたします。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
  午後二時五分散会

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