行財政改革基本問題特別委員会速記録第九号

平成十四年四月二十四日(水曜日)
 第四委員会室
 午後一時五分開議
 出席委員 二十一名
副委員長大木田 守君
副委員長古賀 俊昭君
副委員長和田 宗春君
理事富田 俊正君
理事鈴木貫太郎君
理事吉田 信夫君
理事樺山 卓司君
理事内田  茂君
山下 太郎君
長橋 桂一君
松原 忠義君
相川  博君
遠藤  衛君
河西のぶみ君
新藤 義彦君
田島 和明君
山崎 孝明君
大河原雅子君
渡辺 康信君
石井 義修君
木村 陽治君

 欠席委員 二名

 出席説明員
知事本部本部長田原 和道君
次長三宅 広人君
企画調整部長渡辺日佐夫君
特命担当部長高島 茂樹君
企画調整担当部長中田 清己君
国政広域連携担当部長熊野 順祥君
自治制度改革担当部長幡本  裕君
総務局局長大関東支夫君
総務部長高橋 和志君
行政改革推進室長島田 健一君
人事部長山内 隆夫君
行政部長反町 信夫君
勤労部長大塚 孝一君
財務局局長安樂  進君
経理部長佐藤 兼信君
主計部長松澤 敏夫君

本日の会議に付した事件
 行財政改革の基本的事項についての調査・検討
  報告事項(説明)
  ・自治制度改革の論点整理

○古賀副委員長 ただいまから行財政改革基本問題特別委員会を開会いたします。
 委員長は、所用により本日の委員会に出席できないとのことですので、委員会条例第十条に基づき、私が委員長の職務を代行いたします。よろしくご協力のほどお願いいたします。
 初めに、先般の人事異動に伴い、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の小林深雪さんです。議案調査担当の飯田いずみさんです。よろしくお願いいたします。
〔書記あいさつ〕

○古賀副委員長 これより、東京の将来像を展望し、社会・経済情勢の変化に柔軟に対応する都政を実現するため、行財政改革の基本的事項について調査・検討を行います。
 先般の人事異動に伴い、所管局の幹部職員に交代がありましたので、それぞれ局長から紹介していただきます。

○田原知事本部長 四月一日付の人事異動によりまして交代のありました当本部の幹部職員の紹介をさせていただきます。
 特命担当部長の高島茂樹でございます。企画調整担当部長の中田清己でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○大関総務局長 四月一日付の人事異動に伴いまして、当局の幹部職員にも異動がございましたので、紹介させていただきます。
 勤労部長の大塚孝一君でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、当委員会の説明員でございますIT推進室長の木谷正道君は、公務出張のため、本日の委員会を欠席とさせていただいております。ご了承いただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いします。
〔理事者あいさつ〕

○古賀副委員長 紹介は終わりました。

○古賀副委員長 委員の皆様に申し上げます。
 過日の理事会におきまして、お手元配布の審議事項(案)がまとまりましたので、今後は、おおむねこの項目に沿って運営してまいりますので、ご了承願います。
 したがいまして、本日は、自治制度改革の論点整理について説明を聴取し、資料要求を行うことにとどめ、次回の委員会では、今後の大都市自治体のあり方について質疑を行いたいと思いますので、ご了承願います。
 理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○幡本知事本部自治制度改革担当部長 お手元に配布させていただきました資料につきまして、ご説明をさせていただきます。
 最初に、資料1「自治制度改革の論点整理」という題名の資料からご説明をいたします。
 表紙を一枚おめくりいただきたいと存じます。目次をごらんください。
 本資料は、冒頭の「はじめに」のほか、第1章、自治制度改革が必要な背景から、第7章、税財政制度のあり方まで、七つの章で構成されております。
 それでは、ページを追ってご説明をさせていただきたいと存じます。
 一ページをお開きください。「はじめに」で、本資料の位置づけについて説明しております。
 下の方の丸を付した部分にありますように、本資料は、東京をめぐる自治制度の改革に関して、本委員会等での議論を踏まえ、今後の審議の参考となるよう、論点や課題を整理したものでございまして、この資料で述べられている内容は、都としてのビジョンや考え方を示すものではございません。あくまで、議論の参考となるよう、知事本部として各種の意見を整理したものであることを最初に確認させていただいている次第でございます。
 それでは、三ページをお開きください。ここでは、第1章の自治制度改革が必要な背景に関して、以下の各節の要旨をまとめてございます。
 自治制度改革が必要な背景として、地方分権がいまだ十分に進んでいないことと、社会経済環境の変化により、行政のあり方の見直しが求められていることを指摘しております。
 続いて、四ページをごらんください。各節の冒頭には、四角に囲って要旨を載せております。
 四ページから六ページまでが、第1節、いまだ不十分な分権改革でございまして、中央集権型の行政システムに限界が生じ、一層の地方分権が求められることや、分権改革を進める上での課題として、広域行政や市町村合併、住民自治、役割分担、民間との協働などの検討の必要性について指摘しております。
 七ページから九ページまでは、第2節、行政の新たなあり方でございます。地方自治体がみずからのあり方を根本的に見直すことが必要とされるさまざまな社会経済環境の変化について説明しております。
 具体的な例として、少子高齢社会の到来、IT社会の進行、都市再生の必要性の高まりなどについて述べております。
 続きまして、一〇ページと一一ページをごらんください。ここでは、第2章、行政の役割分担についてのさまざまな論点の要旨を取りまとめてございます。
 一二ページから一三ページまでが、第1節、これまでの経緯、前提でございます。ここでは、制度の説明、概要というふうに、論点とは区別して記載しております。
 続く一三ページの後半からは、第2節、役割分担の基本的視点でございまして、国と地方の役割分担を考える上でのさまざまな論点の整理を行っております。
 特に、一三ページの終わりから一四ページの前半にかけて、役割分担の考え方として重要とされる補完性の原理について紹介しております。補完性の原理とは、役割分担において、基礎的自治体を最優先し、次いで広域的自治体を優先し、国は、広域的自治体でも担うにふさわしくない事務事業のみを担うという考え方でございます。続く一五ページには、国の役割限定の例を示しております。
 一六ページからは、第3節、自治体の自主性の確立について述べております。国と地方とが、制度的には対等、協力の関係となったことを踏まえ、国の地方への関与を最小限とするべきとの意見や、ナショナルミニマムの見直しについての論点を紹介しております。
 一八ページから二〇ページにかけては、第4節、広域的自治体と基礎的自治体との役割分担についてでございます。
 一九ページの中ほどから、広域的自治体が担うべき事務のメルクマールについての考え方を紹介しております。
 二〇ページと二一ページは、第五節、首都圏における役割分担でございまして、一般の視点のほかに、首都圏の再生や大都市行政などの視点を指摘しております。
 続いて二二ページからは、第6節、行政と民間との役割分担についてでございます。
 ここでは、さらに細節に区分しておりまして、二二ページは、Ⅰの民間との役割分担、二三ページから、Ⅲ、市民参加となっております。行政の意思形成過程における住民参加の手法として、PI的手法、BID、PPPなど海外の事例も含めて紹介しております。
 また、二五ページから、Ⅲ、行政の効率化として、行政と民間との協働方式として、PFIや民営方式など新しい手法の導入を検討するべきとの意見、及び二六ページには、民間とのさまざまな協働方式の説明を表にして載せております。
 さらに二六ページでは、Ⅳ、行政の果たすべき役割に関する意見について述べております。
 続きまして、二八ページをごらんください。第3章の住民自治の活性化に係る論点の要旨を取りまとめてございます。
 二九ページからの第1節、住民自治の充実の中では、住民自治と団体自治の二つの要素が兼ね備わったとき、地方自治の本旨が実現されるとの考え方や、三〇ページでは、直接民主制と間接民主制の関係などについて説明しております。
 続いて三一ページからは、第2節、現行制度等の課題でございまして、三三ページでは、現在の直接請求制度が十分に機能していないとの意見を紹介しております。三四ページから三六ページにかけては、住民投票のあり方をめぐるさまざまな論点を整理しております。
 三六ページからは、第3節、住民による行政の監視と参加の促進についてでございます。
三八ページにかけ、海外の制度なども参考にしながら、自治基本条例やコミュニティの設置など、新しい仕組みを検討することが重要との意見を紹介しております。
 三九ページと四〇ページは、第4節、区域の拡大と住民自治の工夫でございまして、行政区域が拡大すると住民自治が空洞化する懸念があるとの意見を踏まえ、新しい住民自治の仕組みを検討するべきとの考え方を紹介しております。
 続いて四一ページと四二ページは、第4章の首都圏における広域的自治体のあり方に関するさまざまな論点の要旨を取りまとめてございます。
 四三ページからは、第1節の制度変更等が行われていない都道府県について説明しております。
 都道府県については、この五十年以上にわたり、区域や制度面での変更がほとんど行われていないこと、また四四ページでは、その一方で、広域的自治体のあり方をめぐってさまざまな議論の変遷があったことについて概観しております。
 四七ページからは、第2節、広域的自治体の必要性でございます。
 一層制か二層制かなどといった広域的自治体の必要性についてのさまざまな議論、さらには四九ページ、五〇ページで、広域的自治体の担うべき機能について、総合型か特定課題型か、大都市行政への対応、基礎的自治体への支援などの論点を整理しております。
 五一ページからが、第3節、現行の広域連携の仕組みの限界についてでございます。現行の都県や広域連携の仕組みでは、広域的な行政需要に効果的な対応ができない等の状況をお示ししております。
 五二ページと五三ページでは、分権改革による都県機能の空洞化や、都県の運営のあり方に住民が関心を持つことができないといった点について指摘しております。五四ページと五五ページでは、現在の七都県市首脳会議や広域連合に関する課題について整理しております。また、五五ページの下からは、首都圏において新たな広域的自治体を創設する場合に留意すべきさまざまな論点として、五六ページでは外局組織の活用について、五七ページでは一国多制度について、海外の制度をも参考にした考えを紹介しております。
 五八ページからは、第4節、新たな制度の模索、道州制論でございます。
 五九ページから六〇ページにかけては、仮に道州制を導入した場合の首長の公選、議会のあり方、総合計画の策定など、さまざまな論点を検討することが必要となることをお示ししております。また、六一ページでは、道州制を実現するに当たって、段階的に取り組むべきとの意見や、EUをイメージした連携組織に関する考え方などを紹介しております。
 続いて六二ページをごらんください。ここでは、第5章の基礎的自治体のあり方について、論点の要旨をまとめてございます。
 六三ページからは、第1節、基礎的自治体の課題でございます。基礎的自治体の課題に関して、行財政基盤の弱さ、不十分な権限移譲、事務の画一性などが指摘されていることをお示ししております。
 六四ページの下から、第2節、首都圏における基礎的自治体の特徴でございます。
 六五ページの中ほどの表からも明らかなように、首都圏における市の特徴として、区域が狭いこと、人口が多いことなどが指摘できると考えております。
 六六ページからは、第3節、市町村合併でございます。
 六七ページから六九ページにかけて、合併の必要性やメリットとデメリット等について、さまざまな論点を整理しております。また、六九ページから七〇ページにかけては、基礎的自治体の適正規模に関する意見などを整理しております。
 七〇ページから、第4節、基礎的自治体の重要性でございます。
 基礎的自治体の多様なあり方を検討する必要があるとの意見とともに、七一ページでは、受益と負担の明確化や住民の意思の反映について、また、イギリスのパリッシュという自治単位について、七二ページでは、アメリカのシティー・マネジャーという仕組みを紹介しております。
 続きまして、七四ページと七五ページには、第6章の大都市行政に係る論点の要旨を取りまとめております。
 七六ページは、第1節、大都市行政の意義でございます。
 七七ページからは、第2節、中長期的視点からの大都市制度見直しの必要性についてでございまして、ここでは、大都市地域を現在の特別区の存する区域に、周辺市の一部も含めた地域と想定しております。
 この節では、さらに細節に区分しておりまして、七七ページからは、Ⅰとして、第2節と同様の題名で論点の整理を行っております。七八ページの下から八一ページにかけて、社会状況の変化に対応した大都市行政の構築の必要性や首都行政の位置づけなどについて、論点をまとめてございます。
 八一ページから八四ページにかけては、Ⅲ、大都市地域における広域的自治体と基礎的自治体の役割分担のあり方についてでございます。八一ページでは現行の役割分担について述べ、八三ページには、今後中長期的に広域的自治体が担うべき役割についての意見を紹介しております。
 八四ページからは、Ⅲ、大都市地域における基礎的自治体の統合、再編についてでございます。統合、再編の必要性についての考え方を述べ、八六ページでは、再編に慎重な意見とともに、統合や再編を考える視点についての意見を紹介しております。また、八七ページから八八ページにかけて、これまでの民間団体等による統合や再編の提案を、基本類型という形で三つに整理しております。〔1〕、都心部や中心部を統合する考え方、〔2〕、中心部と周辺部とを統合する考え方、さらには、〔3〕、全区域を統合する考え方、それぞれの特徴や問題点についての論点を整理しております。また、八九ページの上では、臨海区域の再編についての意見を紹介しております。
 八九ページから九〇ページにかけては、Ⅳ、大都市地域における新たな財政調整制度でございます。新たな財政調整制度を検討する上での課題などを整理しております。
 九一ページから、第3節、政令指定都市制度でございます。大都市制度としての政令指定都市の仕組みについて、さまざまな問題点などを整理しております。
 九三ページの中ほどでは、現在の都区制度と政令指定都市制度とを、中長期的に整合、収れんさせる場合の考え方について紹介しております。また、九三ページの下から九五ページにかけ、参考として、中核市や特例市のメリットや問題点を整理しております。
 続きまして、九六ページと九七ページでは、第7章、税財政制度のあり方に関して、論点の要旨を取りまとめてございます。
 九八ページからは、第1節、税源移譲と課税自主権の拡充でございます。
 九八ページの図では、国と地方の歳出規模の比率は二対三であるにもかかわらず、国税と地方税との比率が三対二である状況等を示しております。こうした状況を踏まえ、一〇一ページからは、国から地方への税源移譲の必要性について、一〇三ページには、大都市部における税源のあり方について考え方を整理しております。一〇四ページと一〇五ページでは、課税自主権の拡充の必要性とその活用例について整理しております。一〇六ページと一〇七ページでは、その他として、徴税のあり方や共同税などについて述べております。
 また一〇七ページの下からは、第2節、地方交付税制度の改革についてでございます。四角に囲った要旨にありますように、現行の地方交付税制度は、財政調整機能や財源保障機能の域を超えて、政策誘導等の性格を強めて、地方自治体の自主的、自立的な財政運営を結果として妨げている面がございます。
 こうしたことを踏まえ、一〇九ページから一一四ページにかけて、中長期的な視点に立った財政調整のあり方についてのさまざまな論点を整理しております。
 急いで申しわけございませんが、一一五ページからは、第3節、国庫支出金の見直しについてでございます。要旨にありますように、国庫支出金は、自治体に対する国からの移転財源で、使途が特定されたものでございます。
 こうした点を踏まえ、一一六ページから一一九ページにかけて、国庫支出金が地方の自主的、自立的な財政運営を妨げる原因となっていることなど、さまざまな論点を整理しております。
 一二〇ページからは、第4節、地方債制度の改革でございます。要旨にありますように、今後は、国による関与を縮小し、金融市場に任せる部分をふやすとともに、地方の自主性や自立性が確保される仕組みとしていくことが必要でございます。
 こうした点を踏まえ、一二四ページにかけて、地方債制度の改革に関する議論を整理しております。
 以上、大変長くなりましたが、資料1にかかわる概要についてご説明を終わらせていただきます。
 なお、資料1のほかに、資料2を提出させていただいておりますので、ごらんいただきたいと存じます。
 資料2、委員会審議事項と「自治制度改革の論点整理」の対照表は、四月八日の本委員会の理事会で了解された審議事項と、資料1の論点整理の該当箇所とを対照できるよう作成したものでございます。
 審議項目、今後の大都市自治体のあり方についてですが、これに関しましては、資料1の第2章から第5章までが、順序は違いますが、該当する形となっております。
 その下の審議項目、今後の首都圏における広域自治体制度と基礎的自治体制度のあり方についての部分に関しましては、資料1の第6章が該当する形となっております。
 さらに、その下の審議項目、新しい時代にふさわしい税財源のあり方についての部分に関しましては、資料1の第7章が該当する形となります。
 今後の審議に当たりまして、ご参考にしていただければと考えます。
 以上で報告事項の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○古賀副委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○古賀副委員長 それでは、資料要求はなしといたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後一時二十八分散会