委員長 | 川島 忠一君 |
副委員長 | 大木田 守君 |
副委員長 | 古賀 俊昭君 |
副委員長 | 和田 宗春君 |
理事 | 富田 俊正君 |
理事 | 吉田 信夫君 |
理事 | 樺山 卓司君 |
理事 | 内田 茂君 |
山下 太郎君 | |
長橋 桂一君 | |
真鍋よしゆき君 | |
松原 忠義君 | |
相川 博君 | |
遠藤 衛君 | |
河西のぶみ君 | |
新藤 義彦君 | |
山崎 孝明君 | |
大河原雅子君 | |
渡辺 康信君 | |
石井 義修君 | |
木村 陽治君 |
欠席委員 二名
出席説明員知事本部 | 企画調整部長 | 渡辺日佐夫君 |
特命担当部長 | 南雲 栄一君 | |
企画調整担当部長 | 荒川 満君 | |
参事 | 熊野 順祥君 | |
自治制度改革担当部長 | 幡本 裕君 | |
総務局 | 局長 | 大関東支夫君 |
総務部長 | 高橋 和志君 | |
行政改革推進室長 | 島田 健一君 | |
IT推進室長 | 木谷 正道君 | |
人事部長 | 山内 隆夫君 | |
行政部長 | 反町 信夫君 | |
勤労部長 | 尾井 幹男君 | |
財務局 | 局長 | 安樂 進君 |
経理部長 | 佐藤 兼信君 | |
主計部長 | 松澤 敏夫君 |
本日の会議に付した事件
行財政改革の基本的事項についての調査・検討
報告事項(説明・質疑)
・広域的地方制度について
○川島委員長 ただいまから行財政改革基本問題特別委員会を開会いたします。
これより、東京の将来像を展望し、社会・経済情勢の変化に柔軟に対応する都政を実現するため、行財政改革の基本的事項について調査・検討を行います。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした知事本部の幹部職員について紹介があります。
○渡辺知事本部企画調整部長 公務の都合により過日の委員会を欠席させていただいておりました説明員についてご紹介申し上げます。
参事で国政広域連携担当の熊野順祥でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、当委員会の説明員のうち、知事本部長の田原和道は病気療養のため、次長の三宅広人は公務出張のため、本日の委員会を欠席とさせていただいております。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○川島委員長 紹介は終わりました。
○川島委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項の聴取を行います。
理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 お手元にご配布させていただきました資料につきましてご説明させていただきます。
表紙と目次を二枚おめくりいただきたいと存じます。一ページの資料、地方制度調査会等のこれまでの答申・提言(広域的地方制度について)をごらんください。
昭和三十二年の第四次地方制度調査会の答申を初めとして、府県合併、広域連合制度、道州制など、いわゆる広域的地方制度に関する答申、提言等を簡単に整理したものでございます。
二ページをごらんください。広域連合の現状に関する資料でございます。
広域連合の設置状況や、特色のある広域連合の例としまして、ここでは、県が参加している広域連合や複数県の町村が参加している広域連合の例などをお示ししてございます。
続きまして、三ページの資料、主な広域協議会の現状をごらんください。
ここでは、自治体や経済団体などが連携した取り組みを行うために組織している広域協議会につきまして、幾つかの例をお示ししてございます。東京都がメンバーになっております七都県市首脳会議を初め、北東北、南東北、関西などの広域協議会の現状につきまして、わかる範囲ではございますが、表に整理してございます。
恐れ入りますが、四ページ及び五ページをごらんください。諸外国の地方自治制度の概要に関する資料でございます。
イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ合衆国といった限られた国々についてではありますが、各国の地方自治制度の概要、議会や首長の制度、事務や権限の配分などにつきまして簡単に整理してございます。
続きまして、六ページから一三ページまで、八ページにわたりまして主な広域的課題をお示ししております。
ここでは、首都圏の主な広域的課題としまして、六ページの道路以下、鉄道、物流、大気、水質、産業廃棄物、水資源、地震といった八分野につきまして、現状と課題をお示ししてございます。
例えば、六ページの道路についてでございますが、現状といたしましては、渋滞が広範囲に発生しており、渋滞による経済的損失ばかりでなく、環境悪化の大きな原因となっていること、また、課題といたしましては、首都圏全体を視野に一体的な道路整備が図れるよう、整備主体間の連携を一層強化することが必要であることなどをお示ししてございます。
以上、甚だ簡単ではございますが、資料のご説明を終わらせていただきます。
○川島委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○樺山委員 この特別委員会がなぜ設置されたか、これはもういわずもがなでございまして、都政百年の計を、都の二十一世紀のグランドデザインを描いていこうということで設置されたものでありますから、きょうは、前回の議論を踏まえて、かつ、議論をさらに進めて、東京という大都市のあり方、東京を中心とする首都圏の広域行政のあり方について、都市づくりの観点を踏まえつつ、論議と検討を深めてまいりたいと思います。
さて、二十一世紀は都市の時代、都市間大競争の時代であるといわれているのはご承知のとおりであります。これからの時代、都市、特に大都市には、世界の経済を牽引し、また地球の繁栄を考えながら、人類の福祉に貢献していくという大きな責務があると考えます。その意味では、世界を代表する大都市の一つでもある東京は、都市の時代のリーダーとして、そのリーダーシップを遺憾なく発揮することを国内外から強く期待されていることは申し上げるまでもありません。新しい世紀に踏み出したまさに今、大都市東京のあり方を検討し、国際競争力を備えた活力ある東京へと導いていかなくてはならないと考えます。
都市には人間の集積があり、企業活動や産業活動、そして、そこに住む人々の生活があります。そのため、都市基盤や生活基盤などの社会資本の整備がますます重要になってきております。私は、都市は機能でつくり上げられていくべきもの、論じられていくべきものであって、これからの自治制度を考えるに当たっては、この都市づくりの観点が非常に重要になっていると考えます。
また、都政改革ビジョンⅢの策定は、今後の都政のみならず、二十一世紀の地方自治のあり方を示す極めて重要な取り組みでありますから、しっかりした時代感覚と歴史観に裏打ちされる必要があります。
そこで、大都市東京のあり方、さらに首都圏の広域行政のあり方の検討を進めるに当たりましては、改めて過去の都市づくりに対する考え方や過去に行われてきた議論を振り返って、そこから今後の進むべき道筋を考えることが不可欠であると思います。
そこで、振り返って、国の全総計画は、我が国の国土の均衡ある発展を図ることを目的として、旧国土庁を中心につくられてきたものでありますが、この全国総合開発計画について、いま一度この場で検証をしていきたいと思います。
第一次全総、これは今から四十年前につくられたものであります。ここでは、拠点開発を打ち出し、新産業都市をつくるといったことを目指したものでございました。しかしながら、私なりに評価をさせていただきますと、この計画では根本的課題の解決には到底至らず、ある意味で完全に失敗に終わった計画であったと考えざるを得ません。
そして、続く第二次全総は、大規模工業基地と交通通信ネットワークの整備を主体としたものでありましたが、幾らそういうネットワークをつくろうとしても、地方での拠点づくりはまたしてもままならない結果に終わったわけでありまして、結局、依然として東京が大きな情報発進の拠点にならざるを得ないという状況になったのでありました。
さらに、第三次全総では定住圏構想を策定し、人口の地方定住を図ろうとしました。しかし、結果として、その目的を達成することはできませんでした。
国も、それぞれの地域の中で、いわゆるハードの面についてはいろいろな形で支援を行ったのでありますが、ソフトの面についてはなかなか支援をし切れなかった。そのため、地方の都市なり拠点なりに、新たなその地域の特性を踏まえた文化や福祉やまちづくり、そういうものが育つことができなかった。本来の意味での地方の魅力はついに育たなかったのであります。それと比べますと、やはり東京に何としても魅力があるということで、ますます人が集中してくるということになってきたわけであります。
こうした三次の全総の結果を受けて、第四次全総計画が策定されるに当たって国土政策懇談会が発足したわけでありますけれども、そこでの議論には極めて注目すべきものがありました。ここでは、東京を国際金融情報都市として位置づけ、これから東京圏に光を当てて、人口が集中する中で東京をどうしていくかを考えることが大都市問題を解決する近道であるという提言、いわゆる中間報告がなされたのでございます。
この報告の中には、東京圏は、我が国の首都としてのみならず、国際金融等の面で世界の中枢都市の一つとして、また、全国の各地域に対し世界的規模での情報を提供するなど高次の機能を有し、我が国及び国際経済社会への発展に寄与するのである。そして、そのために、東京圏については、世界都市としての機能を圏域全体で適切に受けとめるため、業務核都市への諸機能の選択的分散等、地域構造の再編を推進するとともに、東京湾及び東京湾沿岸地域の総合的利用を進めるのが適切であるとの的確な提言が行われておりました。
しかし、地方の知事を初めとして反対の声が強く上がって、国の政策としては成立せず、結局は多極分散型の国土形成となってしまったわけであります。このことについては、私は大変に残念なことであると思っております。
このように、四次までの全総は、結果的に東京そして首都圏全体の魅力を低下させ、さらには我が国の経済力の低迷や国際競争力の大幅な低下といった今日の憂うべき事態を招いてしまったのであります。
そうした中で、平成十年に策定されました第五次全総ともいわれる二十一世紀の国土のグランドデザインにおきましては、多軸型国土構造形成が目標とされました。この中では、大都市においては、豊かな空間の再生や経済活力の維持を図るため、大都市空間を修復更新し、有効に活用する大都市のリノベーションを進めることがうたわれたのでありますが、ここに来て、ようやく国においても都市の重要性が認識されたと申すべきであります。
また、東京におきましては、ついに石原知事の華々しい登場によりまして、首都圏再生の意義が全国に向けて強力に発信されることになりました。都市再生の意義が改めて大きくクローズアップされることとなったのであります。
大都市の再生に向けたこのような新しい動きは、平成十二年の都市再生推進懇談会や、ことし五月の都市再生本部の設置へとつながってまいりました。また、首都圏再生のための課題の解決を目的として、七都県市と国土交通省とで、いわゆる首都圏再生会議も立ち上げられることとなったのであります。
そこで、まずお伺いいたしますが、こうした国による都市再生に向けた動きについて、東京都としては現在の段階でどのようにお考えか、まず、基本認識をお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺知事本部企画調整部長 都市再生の重要性につきまして国においてもようやく認識をしたということは、東京都としても歓迎すべきことであると考えております。都市再生、特に首都圏の再生は日本の再生にもつながるものでございまして、今後も、国を巻き込みながら、東京都といたしましては、首都圏の自治体と連携して、積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
○樺山委員 お答えのとおり、私も、首都圏の再生に向けて、国をも巻き込んで取り組んでいくことは大変に重要なことでありまして、さらには、国の動きに先駆け、都が主体的に取り組んでいくべきであると思っております。
そしてまた、ここでもう一歩踏み込んで東京の都市構造に関する考え方を振り返りますと、かつては国の全総計画の流れを受けて分散政策がとられて、都心への業務機能の過度の集中を抑制するための施策がとられてまいったわけであります。業務機能を副都心やいわゆる多摩の心しんへと分散して、職と住のバランスのとれた都市構造を目指す多心型都市構造が基本とされたのでございます。この多心型都市構造は、副都心や多摩の心しんの育成などに一定の成果を上げてきたわけではありますが、一方、右肩上がりの時代が終えんを迎え、安定し、成熟した都市型社会への移行が進んできますと、単に業務機能の分散に重点を置いた都市構造の考え方では不十分となってきたのであります。
そこで、次にお伺いいたしますが、こうした状況の中で、具体的にどのような都市構造を目指すことが必要となったのか、お聞かせください。
○荒川知事本部企画調整担当部長 現在の東京の、あるいは首都圏の都市構造を見ますと、第一に、経済活動や人々の生活行動が首都圏全体に及んでいるという事実がございます。そういった実態を踏まえまして、首都圏全体を視野に入れた都市構造のあり方を示していく必要があるということが第一点でございます。
第二に、成熟社会を迎えまして、都心への集中圧力が緩和されているという現在、都心から周辺に一方的に機能を分散するという必要性は弱まりまして、都心や周辺の核都市が地域特性を発揮しながら相互に連携していくということが必要であることが第二点でございます。
そして第三番目に、都市としての魅力を発揮するには、都市機能を業務だけでとらえるのではなくて、居住、商業、文化などを含めました多様な機能を集積させていくことが必要である、こういったようなことが指摘できるかと思います。
このような考え方のもとに、従来の多心型都市構造を変えまして、首都圏全体の機能を最大限発揮するよう、環状メガロポリス構造を目指していくことを東京構想二〇〇〇の中で明らかにしております。
○樺山委員 私も、今や、首都圏全体で都市構造をとらえていくことが何よりも不可欠であると考えております。首都圏全体の魅力の向上のために、東京の区域にとらわれない、いわゆる環状メガロポリス構造の実現は大変重要であります。この新たな都市構造の早期の実現に向けて、首都圏の他の自治体とともに、東京都は積極的な取り組みを行っていくべきであると思います。
ところで、この環状メガロポリス構造の実現のためには、社会資本の整備が不可欠であります。首都東京の活性化を図り、経済効率を高めていくためには、依然としておくれている社会資本の整備を推進することが何よりも重要であり、必要であります。国際競争力を向上させ、地域の生活環境の質をも高めるために、積極的にその整備に取り組むべきであります。
そこでお伺いいたしますが、環状メガロポリス構造の実現のため、現在どのように社会資本整備を進めるご予定がおありか、お聞かせください。
○荒川知事本部企画調整担当部長 環状メガロポリス構造を実現するためには、環状方向を重視しました道路や公共交通網の整備、東京湾の一体的整備、それから広域物流システムや広域防災拠点の構築、さらには水と緑のネットワークなど、骨格となる都市基盤や個性を生かした中核的な都市づくり、生活拠点づくりを進めていく必要があるというふうに考えてございます。
こうした社会資本整備は、単に行政だけが進めるのではなくて、都市は都民共有の財産であるという考え方のもとに、都民、企業、NPOなどの多様な主体が積極的に参加して、相互に連携していくことが必要であるというふうに考えています。そのため、参加と合意形成の新たな仕組みを導入するなどしまして、社会資本整備を効果的に進めていきたいと考えております。
○樺山委員 おっしゃるとおり、我が党も以前から何度も申し上げておりますけれども、社会資本の整備は非常に重要であると考えております。その重要性をしっかりと認識して、環状メガロポリス構造の実現に向け、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい、このように思います。
ところで、社会資本の整備という点では、都市基盤の整備はもとより、生活基盤の整備も重要であります。新世紀の主役は生活者でありまして、魅力ある東京の創造のためには生活基盤の整備も忘れてはならないと、我が党はこれまでも繰り返し繰り返し訴えてまいりました。
そこでお尋ねいたします。都民、そして首都圏に住む人々が生き生きと暮らせるような生活者主体の生活基盤の整備に向けて、どのように具体的に取り組もうとされているのか、お伺いいたします。
○荒川知事本部企画調整担当部長 ただいまお話のございました、人々が生き生きと暮らしていけると、そういったことを実現するためには、まずは快適な居住環境、それから良好な治安の確保、さらには災害に対する十分な備えが必要であるというふうに考えます。また、人々の持てる能力と意欲を最大限発揮できるような機会が開かれていることが大事でございまして、さらには、雇用、福祉などのセーフティーネットが確保されていることが重要であるというふうに考えます。
これらの生活基盤の整備に向けまして、都は、従来からも積極的に進めてきたところでございますけれども、さらに、活力と魅力にあふれた二十一世紀の新しい東京の実現に向けまして、首都圏の自治体と連携をすることによりまして、英知を結集しながら、多様な取り組みを着実に進めていきたいというふうに考えております。
○樺山委員 今いみじくもお答えがありましたとおり、いわゆる生活基盤の整備については、都市基盤の整備とともに、これからも積極的かつ主体的に取り組み、都民、そして首都圏に住む人々が生き生きと暮らせる社会を実現することが大変重要であると考えております。
さて、首都圏における広域行政について考える場合、都政改革ビジョンⅢの方向性として、いわゆる道州制論を視野に入れるということでありますけれども、この道州制は国家の形を大きく変えるものでありまして、これから十分に議論を尽くすべき問題であると考えております。
道州制に関しては、昭和三十二年の第四次地方制度調査会答申を初め、さまざまな議論が行われてまいりました。その内容を振り返りますと、国の統治機構として各省庁の地方出先機関を再編することに主眼を置くものから、地方分権を前提とした都道府県合併、さらには、行政権のみならず、立法権、司法権までも含めて連邦制国家への移行を目指すものまで、多種多様な主張と幅広い論点が含まれております。
最近では、平成九年の地方分権推進委員会の第二次勧告におきまして、中長期的な課題として、現在の都道府県の合併も視野に入れ、地方自治の仕組みについて検討を行うとの意見が出されまして、また、平成十一年の経済審議会答申においては、道州制の意義について幅広い観点から検討を行うとされたのであります。さらに、地方においても、ことし二月には、北海道から道州制の具体的な提案がなされております。
そこで、このように最近道州制論が再び華々しく議論されている背景は何か、お尋ねいたします。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 道州制が再び議論されている背景としましては、まず、環境問題や社会基盤整備など、広域的に対応し、解決を図る必要がある課題がふえてきているということが挙げられます。また、こうした広域的課題にこたえるために、現在分権改革が進められておりますが、そうした分権の受け皿となる広域的自治体が必要となっていることなども挙げられるわけでございます。
○樺山委員 今後の自治制度を具体的に考える場合、いわゆる道州制論について議論を深めていくことは必要なことではありますけれども、同時に、現実的な課題として、首都圏を構成する他の自治体との連携がますます重要になってきていることも、これまた事実であります。道州制を検討する前に、具体的な広域連携の取り組みをどのように進めていくのか、その仕組みづくりが何より重要であると私は考えております。
首都圏の自治体における広域連携の仕組みとしては、昭和五十四年に設置された七都県市首脳会議がございます。七都県市首脳会議は、これまでもさまざまな取り組みを行ってきたわけでありますが、七都県市首脳会議がこれまで果たしてきた意義、役割等について、ご存じの範囲でお聞かせいただきたいと思います。
○熊野知事本部参事 七都県市首脳会議におきましては、各都県市の範囲を超えた広域的な行政課題に関して、共同でさまざまな取り組みを進めてまいりました。特に防災、環境などの分野におきましては、低公害車の普及促進、あるいはディーゼル車対策に共同して取り組むほか、合同防災訓練なども実施してございます。また、先般のサミットでも、首都機能の移転の問題では反対アピールを採択いたしまして、国に強く働きかけているところでございます。さらに、今大きな課題となっております地方分権、あるいは首都圏の再生、そういった課題についても協議を重ねているところでございます。
ただいま申し上げましたように、七都県市首脳会議におきましては、さまざまな課題に協議を進め、合意形成を図ってきた実績がございます。その果たしてきた意義は大きいと考えております。
○樺山委員 確かに、お答えのとおり、その意義はある意味で大きいとは思いますが、今や、首都圏の再生に向けて、これまで以上に七都県市首脳会議の力量がはっきり問われている、このことを認識する必要があるというふうに思います。
先日横浜で開催された七都県市首脳会議においては、七都県市の共同による政治課題への取り組みとして、大気汚染対策や産業廃棄物対策の共同実施と、その財源確保のための法定外目的税の一斉導入について、また、首都圏FEMA構想、いわゆる危機管理庁構想についての提案を我が東京都が行ったわけであります。
首都圏の課題に対するこのような広域政策を東京都が積極的に提案し、みずから調整を行っていくことは大変重要であるというふうに思います。しかし、その取り組みの仕方については、ひとり東京都のみで政策を検討し、提案するのではなくて、七都県市の自治体ともっと密に情報交換をし、連携を深め、共同で検討していくことがまず重要であると考えます。
そこでお伺いいたしますが、七都県市の連携強化について、具体的に現在どのようにお考えか、お聞かせください。
○熊野知事本部参事 先生ご指摘のとおり、首都圏におきます広域的課題の解決のためには、七都県市の連携強化を図ることが非常に重要だと考えております。今後職員の人事交流を行うことも検討しておりまして、まずは相互理解を深め、連携を一層深めるということが大切だと思っております。広域的課題の解決に向けた共同事業の実施などに積極的に取り組んでまいります。
○樺山委員 今のお答えにもありましたとおり、他の自治体との連携を強化し、首都圏全体に係る広域課題に対して積極的かつ効果的に取り組んでいくことは、何よりも不可欠なことであると考えます。
今後、広域的自治体について検討するに当たっては、関係自治体、都議会、区市町村、都民を初めとした各界各層とも十分な話し合いを行って、理解と了解を得ていく必要があると思います。また、共同で行う具体的な取り組みを積み重ねていく中で、七都県市全体の理解を得て、首都圏の将来あるべき姿、新しい広域自治制度について検討を進めていくことも必要でありましょう。さらには、都庁内部においても、知事本部、総務局、財務局だけにとどまらず、ぜひ全庁体制で取り組んでいっていただきたいと強く思うわけでございます。
そこで、最後に、知事本部長として、都政改革ビジョンⅢをどのように策定し、これから具体的に推進をしていこうとされておられるのか、その基本的なお考えを改めてお伺いしたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 田原本部長につきましては、病気療養中のため、本日欠席でございます。かわりにはちょっとならないんですが、ご答弁させていただきます。
都政改革ビジョンⅢの策定に当たりましては、関係自治体との連携の強化が重要であり、首都圏の他の自治体の理解を得られるよう取り組んでまいります。
また、自治制度の見直しの問題は各局にかかわる課題であり、各局との連携が大変重要であると考えております。都議会におかれましても十分にご議論いただき、ご提言をお願いしたいと思います。
○樺山委員 申しわけありませんでした。本部長、病気療養中であることを私も失念しておりまして、急遽代役に立たれて立派なご答弁をいただきまして、ただただ感服いたしております。
どうぞ今後も、我々都議会と執行機関とで実りのある議論を積み重ね、首都圏の未来がここから開ける、この特別委員会の設置によって開けたというような結果を出すために、新たな地方自治のあり方を東京都全体で示していくべきであると強く申し上げまして、私の発言を終わります。
○富田委員 広域行政を実効あらしめるために必要な制度改革について、まずお伺いさせていただきたいと思っております。
水資源の確保や震災対策など、東京都が抱えている深刻な課題は、ひとり東京都のみで解決し得るものではなく、都県を超えた広域的対応が必要であると考えております。去る十一月八日に横浜市で開催されました七都県市首脳会議で石原知事の提案した大気汚染対策や産業廃棄物対策の共同実施も、その一環であると受けとめております。その上で、このような広域行政を実効あらしめるため必要な制度改革について、東京都はどのように考えているのかお伺いしたいと思います。
例えば、現在、事務局も構成団体の持ち回りで、意見交換の場にとどまっている七都県市首脳会議の機能を強化するとか、課題に応じて関係都県市で広域連合を設置するとか、さらに、一九六三年に第一次臨時行政調査会が提起しました首都圏庁のような新たな行政制度を提案、創設するなどといったステップも考えられると思います。どのような道筋を考えているのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 広域的な行政課題を効果的、効率的に解決するため、首都圏の自治体が一致協力して取り組みを進めることが重要です。そのため、七都県市首脳会議の場を通じ、首都圏自治体の共同の取り組みをさらに強化していくことが広域課題の当面の解決に不可欠でございます。また、広域連合の仕組みを活用し、首都圏において総合的かつ計画的に広域行政を推進していくことも検討すべきであると考えます。
しかし、これらの仕組みでは、構成自治体の意見の調整に時間がかかること、課税権がないことなど、さまざまな限界も指摘をされております。より有効な新しい自治体制度の創設も含めて検討することが重要と考えております。
○富田委員 次に、広域行政制度の活用についてお伺いいたします。
広域連合制度は、広域的ニーズに柔軟かつ効率的に対応するとともに、権限移譲の受け皿となることを期待されて実施されましたが、現実には、一部事務組合、複合的一部事務組合の延長線上の事務の共同処理システムにとどまっております。権限移譲についても、長野県や鳥取県の広域連合で、花火大会の許可あるいはLPガス工事の届け出、立入検査といった権限が県から移譲されている程度です。
例えば、東京都市長会のシンクタンクであります財団法人東京市町村自治調査会は、広域行政にかかわる調査研究報告の中で、多摩地域の廃棄物処理にも東京都も構成団体とする広域連合を導入し、都道府県の権限である産業廃棄物の指導権限などの移譲を受けて、不法投棄や事務所指導に敏感に対応することを提言しています。
このように、分権を推進する広域行政制度の活用、とりわけ広域連合の活用について東京都はどのように考えているのか、お伺いいたします。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 広域連合は平成七年度に創設され、構成自治体からの一定の独自性を持つことや、長や議会議員の公選の制度があること、国や都道府県から直接権限の移譲が受けられることなど、広域行政を推進していく上で他の制度にはない特徴を持っております。
都においては現在のところ実績がありませんが、基礎的自治体においても、分権の推進や広域行政ニーズへの対応等の観点から、広域連合制度の活用を視野に入れることも必要と考えます。このような広域行政制度を活用し、その成熟化が進んだ延長上に市町村合併が検討されるということも考えられるわけでございます。
また、広域連合は、広域的自治体と基礎的自治体双方で構成することが可能な制度となっておりまして、課題の内容に応じ、都も含めた広域連合制度の活用も考えられるところでございます。
○富田委員 さて、都政改革ビジョンⅢでは、道州制や都県合併も視野に入れた新たな広域的自治体のあり方や大都市行政のあり方の検討を行おうとしておりますが、その進ちょく状況についてお伺いしたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 首都圏の抱えるさまざまな課題を解決し、自治体がみずからの責任と判断により主体的に地域経営ができるよう、新たな広域的自治体のあり方及び大都市行政のあり方等について検討を行うことが重要でございます。そのため、本委員会を初め都議会におきまして十分にご議論いただくとともに、国の地方制度調査会での検討の状況等も踏まえつつ、都政改革ビジョンⅢの検討を進める必要があると考えております。
なお、広域的自治体のあり方につきましては、都政改革ビジョンⅢの検討に先立ち、現在取りまとめを行っているところでございます。
○富田委員 東京圏における広域行政のあり方を考える際には、あわせて、狭域の自治、市区町村やコミュニティの役割、権限の強化といったことを考えなければなりません。新たな広域的自治体の検討とあわせて、市区町村への大胆な権限の移譲やコミュニティの活性化についてはどのような検討が行われているのか、お伺いいたします。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 現行制度の中での都から区市町村への事務権限の移譲につきましては、昨年八月に策定した第二次東京都地方分権推進計画で体系的かつ具体的に提案をしておりますが、今後は、中長期的視点に立って、事務権限の配分について抜本的に検討をしてまいります。
また、コミュニティの活性化につきましては、狭域行政の充実とあわせて検討をしていく予定でございます。
○富田委員 最後に、今までの質問を踏まえまして、少し踏み込んで質問をしてみたいと思います。
七都県市の連携を積み重ね、広域連合の活用などに踏み込むと、行政区域は、限りなく国の出先機関、例えば関東財務局や関東運輸局などの出先機関と重なっていくことになるのではないかというふうに思います。そのときに、都道府県を廃止してこの国の行政形態を二層制にするのか、それとも、道州制を導入して三層制を維持するのかが問われていると思います。
私たち民主党は、さきの意見開陳で、関東財務局や関東運輸局などの国の出先機関の権限と財源を広域連合あるいは道州に移譲させ、これら出先機関を廃止するということを提案いたしました。東京都はどう考えているのか、現段階の考え方で結構ですので、お伺いし、私の質問を終わらせていただきます。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 首都圏の広域的課題につきましては、国の地方支分部局が事業を行う場合が少なくありません。本年一月の省庁再編後も、依然として縦割り行政の弊害が克服されたとはいいがたいところでございます。また、複数の省庁間にわたる課題の場合に調整に時間がかかること、地域の住民ニーズを的確に反映させる仕組みがないことなど、広域的な行政ニーズに国が対応することにはいろいろな問題があると考えております。そのため、国の機関のあり方を含め、国と地方との役割分担を根本的に見直し、新たな広域的自治体のあり方について検討を深めていくことが必要であると考えております。
○長橋委員 私の方から何点かご質問させていただきます。新人でございまして、簡潔にご質問を用意させていただきましたので、よろしくお願いします。
広域行政の課題について、何点かお伺いします。
まず初めに、本日提出されました資料の中で、主な広域的な課題がありますけれども、八つの課題がありますけれども、それ以外に首都圏の課題はどんなものがあるのか、お示しいただきたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 提出された資料以外に、首都圏における広域的課題といたしましては、ほかにも、空港容量の不足や情報ネットワーク整備のおくれ、緑の減少やヒートアイランド現象の拡大、そして治安の悪化など多岐にわたるとともに、早急な解決が求められている問題が数多くございます。
○長橋委員 今いわれた幾つかの問題でありますけれども、特に広域問題として情報ネットワークの整備、すなわちITでございますけれども、いわゆる都市再生、また経済活性化の重要な課題でありますが、日本は非常におくれているというふうに報道などで聞いております。このおくれたITの整備を、広域課題としてどう取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
○木谷総務局IT推進室長 ITの広域的取り組みとしては、光ファイバーなど情報インフラの整備、市民生活における情報の活用、そして、行政情報ネットワークの構築などがあります。これらの取り組みにおいては、地方自治体がばらばらにやるのではなくて、十分に連携をとり、効率的な整備を進めていくことが必要だと考えています。
こうしたIT基盤の整備や自治体連携のあり方を明らかにするために、現在、学識経験者で構成される電子都市構築に関する懇談会で検討を進めています。
○長橋委員 我が党も電子都庁の実現については大きく主張してきたところでございますし、ぜひ首都圏の三千三百万電子都市の構築を早急にすべきであると思いますので、よろしくお願いします。
さて、首都圏の広域課題について、まず、国との役割分担、また権限移譲が非常に大事でありますけれども、何が問題であるのか、そして、都としてはどう取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 自治体が主体的に施策を展開していくためには、必要な権限や財源を持たなければならないことはいうまでもありません。このため、国との役割分担のあり方の見直し、施策を実施していくのに必要な権限、財源の国からの大幅な移譲が必要でございます。
都政改革ビジョンⅢにおきましては、中長期的視点から、現行制度にとらわれない、首都圏の実情に応じた自治制度の改革について検討してまいります。
○長橋委員 次に、広域行政の都の取り組みについてお伺いいたします。
今までのご質問にも何回か出てまいりましたが、過日、十一月八日、七都県市首脳会議の話し合いが行われましたけれども、まずお伺いしますが、どういうことが決まったんでしょうか、教えてください。
○熊野知事本部参事 去る十一月八日に行われました七都県市のサミットにおきましては、地方税財源の充実確保に関する意見書並びに首都機能移転問題に関する意見書を全員一致で採択いたしまして、国に強く働きかけるという方向性が決定いたしました。
その後、緊急提案という形で、石原知事の方から、大きくは三つ提案がございました。一つは、道路特定財源の配分方法の見直しに関しまして、国に七都県市がまとまって強く制度要望していこうということでございます。それから、大気汚染対策、産業廃棄物対策につきましては、共同実施を行うことによりまして事業効果は上がりますので、そういった共同実施について並びにそれに伴う法定外目的税の一斉導入についてが二点目の提案でございます。それから、三点目は、危機管理体制の充実という観点から、首都圏で七都県市が共同して首都圏FEMAをつくってはどうかという提案、三点がございました。
これらの提案につきましては、サミットにおきましては、今後、事務的に相互で協議する場を設けて検討するということで決定をいたしました。
○長橋委員 七都県市首脳会議、サミットで、知事が法定外目的税のご提案をされたわけでございますけれども、非常にこれは大きな入り口として評価するわけでございますが、その中で、大型ディーゼル車高速道路利用税、それから産廃税を提案して--今お話聞きましたけれども、この実現の見通しについて、まずお伺いいたします。
○熊野知事本部参事 広域的課題について共同で取り組むことがより事業効果を上げていくという方向性については、全体的にご理解をいただいたものと考えております。しかしながら、各県市の事情、立場、考え方、それぞれ違っていることも確かでございまして、今後、協議の場で十分話し合っていきたいと考えております。
○長橋委員 今お答えのありましたとおり、各県温度差があるということであると思います。いわゆる今回の石原知事の提案について、他の自治体がどこまで乗ってくるのかということであると思います。
仄聞するところによりますと、産廃税については、千葉県の堂本知事は、これは税ではなくて、法律の整備、まずは国の法改正が先だというふうに聞いております。広域的な視点から考えて、この堂本知事のご意見についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○熊野知事本部参事 サミットの場におきまして、千葉県知事の方から、千葉県にとっては産業廃棄物の不法投棄が大きな課題となっておりまして、そのために法改正が必要という発言がございました。
ただ、現段階で、その詳細についてまだ承知をしてございません。今後、協議の場で十分な意見交換を行ってまいりたいと思います。
〔委員長退席、古賀副委員長着席〕
○長橋委員 新聞にもそのようなことで出ておりましたけれども、次に高速道路利用税についても、高速道路は首都高速など東京に集中しておるわけで、他県は、特に今いった千葉県なんかは少ないわけで、余り高速道路がない県などは乗り気ではないというふうには聞いております。広域行政の立場で、今後都はどういうふうなリーダーシップをとって進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○熊野知事本部参事 先生のおっしゃるように、高速道路の延長も異なりますし、また料金体系も異なっているのが現実でございます。したがいまして、繰り返しになって大変恐縮でございますが、今後の協議の場でそれぞれの立場を主張し合って、検討を進めてまいりたいと思います。
○長橋委員 今お伺いしますと、実現の見通しになると、非常に大きな乗り越えなければいけない課題があるかと思いますし、ぜひそういったことを乗り越えて、首都圏の与えられた緊急課題、これはもう早急に解決をしていかなければならないわけです。
最後に、広域行政の立場から、今いった七都県市首脳会議の連携強化が大きな柱、重要になってくると思いますけれども、そういうものを通して、今後のさまざまな都市問題の解決に向けていかなければなりません。七都県市首脳会議をより一層充実させていくに当たって、今後の都の取り組みの姿勢について最後にお伺いいたします。
○熊野知事本部参事 広域的な課題を解決していくためには、七都県市が共同してさまざまな取り組みを行うことが非常に効果的であり、かつ重要であると認識しております。そのために、まずは相互理解を深め、一層の連携を深め、共同事業の実施等に積極的に取り組んでまいります。
○長橋委員 最後ですけれども、七都県市首脳会議は年一回であるわけでございまして、事務局も先ほど持ち回りであるということもありますので、ぜひ事務局の常設化をこれを機に進めていただければと思いますが、いかがでございましょうか。
○熊野知事本部参事 確かに、事務局が持ち回りということは、メリットもございますが、デメリットもあり、今後連携を深めていくためには、その常設ということについても検討をしてまいります。
○大河原委員 まず、広域自治体について考えていく場合の根拠から議論をしていきたいというふうに思います。
自治体の広域連合については、いわゆる国家的な要請から来る議論と、自治体発の議論があるというふうに思います。既に先ほども質疑の中にありましたが、国の全総、全国総合開発計画についてはもう要らないと内部から声が出ているということもあると思うんですが、今日の主要な課題というのは、国による画一的な行政を廃して自治を発展させることであるというふうに考えるわけです。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 地方分権の動きからも明らかなように、画一から多様へということが今日の時代の大きな流れでございます。ご指摘のように、中央集権システムのもとでの国による画一的かつ縦割りの行政ではなく、各地域が、それぞれの実情に基づき、個性豊かな地域社会の発展を目指して、ニーズに総合的に対応できる自治制度をつくっていかなくてはならないと考えております。
○大河原委員 そうですね、既に全国画一の行政が、計画が不要になっているという状況が厳としてあるわけです。今日の時代、いわば国家的要請が分権というふうになっていると思います。
しかし、今日の行革議論を見ても、相変わらず開発優先の思考が残っているのではないか。自治体の規模論、こうしたところにもこの考え方が見え隠れしているというふうに感じます。
自治体の広域連携については、スケールメリットなどの、基礎的自治体の規模拡大を一つの目的とする議論になっているのではないか。広域自治体も、その議論の延長上にあるように思えるわけです。広域連携は、あくまでも国からの自立によって、住民と住民がつくる地方政府の自己決定のためにあるべきだというふうに思うんですが、規模拡大先行論とこれは矛盾するのではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 広域連合など広域連携の仕組みは、行政の広域化の要請に対処するため必要とされてきており、行政の効率化や住民への行政サービスの向上を目的とするものであります。市町村合併も、住民の活動範囲が自治体の区域を超えて広がっていることや、自治体の行財政基盤の強化の必要性などを背景としておりまして、自治体の自主性や住民意思を尊重しながら、自治体みずからの主体的な取り組みにより行われるものでございます。
このように、規模の拡大は自治体の行財政基盤を強化し、その能力を拡大するものですので、住民と住民がつくる地方政府の自己決定と必ずしも矛盾するものではなく、その範囲を広げるものであるともいえます。いずれにしても、住民自治拡充は重要な課題でありますので、そのための仕組みづくりも検討する必要があると考えております。
○大河原委員 矛盾しない場合もあると思うんですが、昨今の西東京市にせよ、さいたま市にせよ、苦労話は尽きないわけです。今の答弁のような自治体と住民の自己決定が貫かれるには、しっかりとした仕組みづくりが必要です。
都道府県をめぐる広域行政体については、二層制の自治体の仕組みでは解決できない都市型の問題、また広域課題など、地方分権の課題から要求をされております。八九年の行革審の結論は、この二つの要請のもとで、都道府県は存置、区域も変わらないというものでした。都がこれを超えて構想するスタイル、東京構想など、屋上屋を重ねる、あるいは国の出先機関とするという危惧が寄せられるわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 都道府県を超える広域的行政制度、いわゆる道州制をめぐる議論につきましてはさまざまなものがありますが、都政改革ビジョンⅢにおきましては、あくまでも広域的自治体のあり方として検討しているところでございます。したがいまして、地方主権の理念のもと、みずからの権限と財源で主体的に課題を解決していくことができるような制度とすることが前提となると考えております。ご指摘のような危惧がないよう、制度のあり方を検討してまいります。
○大河原委員 ぜひとも今の答弁の線で貫いていただきたいというふうに思います。
ところで、自治体の規模拡大という視点から、合併というのは一つの解決策だというふうに思いますが、例えば、西東京市と練馬区との合併というのは可能でしょうか。そして、もしできないとすれば、どうしてでしょうか。
○反町総務局行政部長 お尋ねの市と特別区の合併についてでございますけれども、合併により市を廃止して特別区の区域を拡大する場合には、地方自治法第二百八十一条の四の第十項の規定に基づきまして、市町村合併と同様の手続により、可能でございます。一方、合併により特別区を廃止して市の区域を拡大する場合につきましては、地方自治法上規定されていないため、不可能でございます。
○大河原委員 やっぱりおかしな制度だというふうに思いますね。市の方を廃止する場合は可能だけれども、特別区は廃止できないと。都区制度改革というのがまだまだ不十分だったというふうに思わざるを得ません。
また、二十三区の場合、規模論としては、逆もあり得ると思うんですね。つまり、分割ということなんですけれども、この場合、どのような制度的な課題があるのでしょうか。
○反町総務局行政部長 特別区の分割につきましては、地方自治法第二百八十一条の四第一項の規定に基づきまして、市町村と同様の手続により、分割が可能でございます。
○大河原委員 分割は可能であるということですが、それでは、一部事務組合について、これは住民参加が少ないことや迅速な意思決定ができないということで問題があるといわれておりますし、現に、二十三区の一部事務組合、清掃組合の方には大変住民の不満の声が上がっています。広域連合を公選の首長と議会で運営するなど独自性を高めていけば、本体の自治体との意思決定というところで問題が出てくると思います。このことをどのように認識しておられるでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 広域連合で首長や議会の議員を公選とした場合には、広域連合の独自性が高まり、構成自治体との間で意見の相違が生じることは予想されるところです。しかしながら、広域連合と構成自治体の住民が同じであることから、住民の意思を広く的確に反映させ、意見の調整を図る中で、よりよい問題解決がなされるものと考えます。
○大河原委員 ちょっと前後してしまったんですが、その一部事務組合もそうですけれども、広域自治体として、一部事務組合、複合事務組合、そして広域連合があります。東京都としては、それぞれの自治体の相違を踏まえて、これらのメリット、デメリット、こうしたものをどのように総括されているのでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 各事務組合のメリット、デメリットの総括ということで少し答弁が長くなるかと思いますが、一部事務組合は、広域的な行政課題への対応を進めるため、自治体の事務の一部を共同処理する仕組みとして一定の成果を上げてきました。しかし、共同して処理する事務がすべての構成自治体に共通していることが必要であることなど、広域行政を的確に展開する上で限界が指摘されておりました。また、住民参加が不十分であるともいわれてきたところです。
複合的一部事務組合では、こうした点を踏まえ、構成団体の共同処理する事務がすべて同一の種類でなくとも対応できることといたしましたが、都道府県が加わることができないなどの問題がありました。
そして、広域連合では、都道府県や市町村、特別区を構成団体として設立されるものですが、国等から事務権限の移譲を受けることも可能となるなど、多様化した広域行政需要により的確に対応できる仕組みとなっております。しかし、これも、課税権がないことや調整に時間がかかることなど、広域行政を構成自治体から独立して総合的、機動的に展開するためには、依然として課題があると考えております。
○大河原委員 さまざまな形態の広域自治体が考えられるわけですが、共通していえることは、住民の自己決定という点がやはりどうしても抜け落ちていく。住民参加が足りないとか、出てきます。そして、いわゆる現在の議論では、政策の内容についても、もっと多元的な視点が要るんじゃないか、その点ではまだまだ不十分であるというふうに思います。
広い意味で、当面東京都として自治体の広域連携は不可欠であるわけですが、主な広域的課題として、ここのきょう出されている資料にもありますように、道路、鉄道、物流など課題が挙げられています。しかし、これを見ても、視点がやはり極めてメガロポリス構想に偏っているというふうに私には感じられるわけなんです。
もっと広い意味での自治体間連携という視点に立てば、既に東京都なども行っております。例えば、地価が高過ぎる、あるいは適当な環境にない、そうしたことで、例えば公共施設の適地が都内に見つからない場合に、他の自治体、遠隔地にこうした都外施設を設けている。そういう場合、もう既にやっているわけです。いわば、ポイントの、点的な連携というべきものだというふうに思います。ここでは、連携をする相手方の地域とのギブ・アンド・テークの関係をもちろん維持していかなければなりませんし、連携先の自治体、地元との調整ということが大変重要になってくるわけですが、こうした意味では、水や、あるいは一部の産業廃棄物など、こうした問題も大変課題になってくるんじゃないでしょうか。
そしてもう一つ、ちょっとくどくなりますが、東京都は、国に先駆けて有機農産物の認証制度をつくっていましたが、今回これが国の制度に一元化されましたけれども、そこでは、他の地域、他の自治体、他の市町村、そうしたところともう連携ができているわけです。こうした点的な連携についてどのようにお考えでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 東京の、首都圏として一体的に首都機能を担う一都三県の中でも、特に環状メガロポリスにおきましてより多くの広域的課題を共有するものではありますが、ご指摘のように、広域的な連携を要する課題と地域は、この範囲に限られるものではございません。各地域がそれぞれの個性に基づき発展を目指していくため、大都市部と農漁村など異なった自治体同士、地域同士の連携と交流を強化し、お互いに多様性と魅力を高めていくことも重要であると考えます。
○大河原委員 大変いいご答弁をいただいたんですが、これまでの議論というのは、どうしても、こうしたお互いが多様に魅力を高めるという、そういう視点に欠けていると思うんです。ぜひ今の答弁の視点を伸ばして、深めていただきたいというふうに思います。
自治体の将来像を考えるときには、繰り返しになりますけれども、自治体は地方政府であり、そこに住む住民がつくるものです。そして、その自治体にも自治体の責任が生じ、責任を果たしていくということになります。そして、このために自己決定の仕組みをつくるということが基本であると思います。このことについてどのようにお考えか伺いまして、最後の質問にいたします。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 地域の行政を住民意思に基づき地方自治体が自主的、自立的に行うという地方自治の本旨に照らしまして、地方自治体は自己決定、自己責任の原則のもとに運営されるべきであるという考えは、今後の地方分権を進める上での基本的な理念となっております。
この理念のもとに、個人、企業、行政など多様な主体が共同し、住民の選択に基づく質の高いサービスを効率的に提供できる都政を実現するため、新たな地方自治の仕組みを検討することが重要であると考えます。
○和田委員 首都圏メガロポリス構想に関連して、きょうは東京湾について質疑をさせていただきたいと思うんです。
一言に東京湾というと、もう既にその言葉自体が広域行政を意味しています。すなわち、地域的には東京があって、千葉があって、神奈川がある。それが水際として構成するエリアでありますから、東京湾即広域行政の一つのひな形だと思っていいと思うんです。
このメガロポリス構想の中には、一三ページの広域防災連携の推進というのと、一五ページの東京湾の水質改善に向けた一体的な取り組みという二項目が、このメガロポリス構想の中に入る東京湾にかかわることかなというふうに思っているんです。
私たち東京は、かつて大変貴重な経験をしています。それは平成九年の七月二日のことでありますけれども、忘れもしない、パナマ船籍の「ダイヤモンドグレース号」が、二十五万七千トンの原油を積んで東京湾の本牧沖に来た時点六キロのところで、中ノ瀬というところでありますけれども、座礁しまして、右舷タンクが損傷して、積み荷の原油約一千四百キロリットルが流出しました。
私はもう当時都議会議員になっておりまして、このことの質問をいたしたわけでありますが、何と幅が百メートル、長さ一キロにわたった原油の帯が漂流をしました。そのことで各メディアはどんどん騒ぎましたし、当然公平な報道をして、トップ扱い、新聞はトップですし、各局が大変なことになるぞということで特集番組を組むような、そういう事態があったことを想起される方がいると思うんです。平成九年の七月二日です。
それで、私はなぜそんなことを申し上げるかというと、このときの対応策、結論はもう申し上げますけれども、「ダイヤモンドグレース号」の油濁の損害賠償請求にかかわる査定状況というのを持っているんですが、そのときに請求して査定された額というのは、相当減額されているんです。根拠というのは、昼間職員が原油回収に行ったものですから、高松の高裁では、公務員が昼間働くのは当たり前なんだから、その人件分は払いませんよというような形で、相当割り引かれています。例えば、東京都は請求額を九千四百二十六万円余やっているんですが、高裁の査定額は三千百三万余になって、三二%ぐらいの割合しか損害賠償を受けていません。
しかし、この対象となる自治体を見ますと、東京があって、千葉があって、神奈川があって、横浜があって、川崎があって、千葉市があって、特別区の品川区ということで、実に七自治体が「ダイヤモンドグレース号」の被害の請求をしているんです。その結果、三割とか、東京は三二・九%でありますし、千葉県は六九・四%、神奈川は七三・二%、それで品川は一〇〇%もらっていますけれども、請求額、査定額がこのような形で、「ダイヤモンドグレース号」の原油流出によって、東京湾を取り囲む各自治体が、こういう一つの迷惑をこうむったことに対する請求を行っているんです。
このことは、まさに東京湾が広域性を持っているものだということを如実に物語っている数字でありまして、こういうことからすると、東京湾は単にこのメガロポリス構想の中で--さきに申し上げた広域防災連携というのは、おおむね、これを読んでいくと、油のことなんかじゃなくて、震災に対する、地震、災害に対する、二次的な火災などに対する対応策のマップに見えてしようがない。
したがって、「ダイヤモンドグレース号」のように、あのように貴重な経験をした、そういう経験がこの中にはかいま見られないというのは一つ残念だなという所感だけは申し上げておき、なおかつ、東京湾そのものが、冒頭申し上げた広域性を持っているかけがえのない一つのモデルだということの認識も強く理事者の皆さんにお願いしたいということで、この例示を申し上げたところであります。
さて、今回は、東京湾が広域性を持つものだということを前提にして、とりわけ水質に関連してお話をしていきたいと思うんです。それは、申し上げたとおり、水はとどまっていませんから、千葉側である海水は、いつかは品川沖に来たり、あるいは神奈川の方に行くということになるわけでありますから、そういう広域的な課題、水質のほかに、どういう広域性を持った諸問題を東京湾は内包しているというふうに当局はご理解されているんでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 東京湾に関係いたします広域的な課題といたしましては、水質のほかに、干潟や浅場といった残り少ない自然環境の保全や、潤い豊かな水辺環境の創出などがあります。また、東京湾内の各港湾機能の連携と強化及び東京湾沿岸地域の活性化も重要な課題でございます。さらに、広域的な防災拠点の整備、流入河川を含む水害対策などの防災面における課題もございます。
○和田委員 港湾局の方ではありませんから、深くは海のことや、そのことに回答を求めるつもりはありません。今のような一般的なご認識でいいのかなと思うんですが、ただ、より具体的に申し上げれば、例えば、埋め立て、開発の規制をどうするんだというような問題もありますよね。有明の北地区の問題などがまさにそうでした。それから、今おっしゃられた水質汚濁の防止、特に赤潮だとか、いろいろな潮が出てきたりして、東京湾全体が悪臭を放つという時期がかつてありましたけれども、今日でも突発的に起こるような事態があります。水質汚濁の防止の問題があります。さらに、干潟、自然海浜などの自然環境の保全回復に関する問題も、三番目に、今答弁いただきましたけれども、あると思うんです。それから、廃棄物の処理施設の整備及びその処分地の確保も、どうしても東京湾に偏ってくるのかなという問題が四番目にあります。
さらに、東京湾、江戸前といわれているような漁業及び水産資源の確保、保護、こういう問題も考えなければいけません。そして、私がさきに取り上げた船舶交通の安全確保に関する事項も忘れてはなりません。そして、LNGとかLPGも含めた石油コンビナートがあの辺に張りついていますけれども、あれが一朝何かあったときにどうするんだという、災害防止に関する事項も必要だと思うんです。それから、これはよりファミリー的な話になりますが、住民の水に親しむ、親水機会実現のための施策を考える水辺の環境の回復などということを含めて、九つか十の要件が、東京湾のあの豊かに流れる、いろいろな川を受けとめたあの湾の中には存在するというふうに思っています。
したがって、一つ偏って防災だけとか、偏って河川と東京湾との関係、あるいは高潮のときの関係というふうに限らず、複合した形で東京湾が存在していて、それらすべてに行政はもしものときにはどうするんだといういわゆるアクションプランを用意しておかなければならないというふうに私は思っています。
したがって、これからは--これからといって、この質問じゃありませんけれども、今後のこの首都圏メガロポリス構想の中には、そういう具体的なものも将来に向かっては出てくると思いますが、私ども都議会民主党は、そういう具体的な視点で、東京湾の個別具体の問題に迫っていきたいし、またそのことを要求しておきたいということを、今、ここで宣言というか予言をさせていただきたいと思っています。
そこで、今申し上げた東京湾をつくっている一都二県、あるいは市も入れるとありますけれども、そういうところが同じ共通認識で東京湾を守っていく、そういう方向を、ぜひ何らかの、法あるいは条例で求めていく必要があるというふうに私は考えているんです。いわゆる総合的な管理を考えた場合に、当局は、この必要性についてどのようなご意見をお持ちでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 東京湾を取り巻く課題を総合的に解決していくためには、ご指摘のような東京湾の保全に関する条例などを制定することも一つの方法として考えられるところでございます。仮に条例を制定するとした場合、関係自治体が湾岸に多数ございますし、また、法令との関係など、解決すべきさまざまな課題があると思います。
いずれにしましても、東京湾の保全対策につきましては、共通の課題でございますので、七都県市を中心に広域的連携を図り、共同で検討していく必要があると考えます。
○和田委員 模範的な答弁で、甘いとも辛いともいえないようなご答弁でありましたが、より具体的に私はこの際ほかの国の例を申し上げたいと思うんです。
それは、米国のサンフランシスコ湾であります。アメリカは、ご承知のとおり、ゴールドラッシュ以来、自然を侵すことだけを続けてあれだけの発展の基礎をつくってきたことは事実なんです。サンフランシスコ湾も、ご多分に漏れずにどんどん埋め立てられまして、一九六〇年代に入った計画では、そのままほうっておくともう湾がなくなってリバーになっちゃうというくらいに、いわゆるリバーフロントなんていう言葉が、あるいはベイフロントといってもいいんですが、そういう形でどんどん埋め立てられていきました。
それを待てよという形で、市民も国民も立ち上がった形で、一九六五年、カリフォルニアの州法のマクアチア・ペトリス法というのをつくりまして、そしてサンフランシスコ湾を守ろうという法律に基づいた委員会ができたわけです。横文字ですから読みませんが、BCDCという略称で呼ばれて有名なものであります。
これで一九六九年にサンフランシスコ湾計画というものが策定されて、それからはその計画にのっとった開発しかできない、自然環境も確保されているというようなことで、近年私どもがビデオや写真で見るサンフランシスコのあのきれいな形というのは、こういう一応の法律なり、BCDCという委員会がきちっと確保することによって、世界に冠たるサンフランシスコ湾というものが、みんなが守るという風土の中で今日のあの姿をとどめているということなのです。
したがって、東京湾の昔を懐かしむ人は、干潟がなくなって寒々しくなったとか、あるいはしばらく前は江戸前の魚がなくなったとか、嘆き悲しむ方がいらっしゃいますけれども、それを取り戻すことは無理にしても、今の状態を少なくともより以上悪くさせない、今のままを守っていくぐらいの行政のそういう姿勢がしっかりとこの首都圏メガロポリス構想の中に出てこなければいけないのではないか、こういうふうに思っているんです。
特に六五年代のサンフランシスコの例を挙げましたけれども、かつてそういう努力をして、いろんな利害のかかわる人々の納得をいただきながら先進的に湾を保全した、ほぼ規模も東京湾と同じようなのがサンフランシスコ湾でありますから、そういう先例があるということをしっかり認識をいただいて、一般的な考え方ではなくて、個別具体の、さきに申し上げた都民の要求や、我々都議会民主党の要求についてもこたえられるような、そういう精度の高い検討をぜひお願いいたしたいと思うんです。
そこで、条例をもしもつくると仮定した場合、先ほど私が申し上げた、八つぐらいの項目がありましたけれども、そういうことも含めて、最小限度どんな項目が条例の中に挿入されていなければ完全なものといえないというふうにお考えでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 東京湾の保全のための条例を制定するとすれば、東京湾を総合的に管理するために必要な項目としまして、例えば水質の改善、自然環境の保全、防災などの分野が考えられるところでございます。ただし、条例制定につきましては、法令との関係でどのような項目を具体的に盛り込むことができるのか、十分に検討する必要があると考えます。
○和田委員 先ほどのサンフランシスコの例は、州法という一つの独立した形で、国よりも強い権能を持った形の法律をまずつくって、それから委員会をつくるというオーソドックスな形で行きました。しかし、石原知事のいう、国に先駆けて物事をすべてやろうということになるとするならば、国の、例えば仮に東京湾保全法というようなものの制定をまつまでもなく、一都二県及び関係自治体で共通な文面の条例を、それこそ千葉は千葉、神奈川は神奈川、東京都は東京都で各議会が制定をして、同じ文面である条例を各自治体が分かち合いながら、お互い共通の財産である東京湾を守っていくという手法も私は考えていいのかなというふうに思うんです。
もとより国へ向けての働きかけも大事でありますが、地方自治体、東京湾は北海道の人に余り関心がないし、また九州や熊本の人にも関心がないということは事実でありますから、当然利害にかかわる一都二県なり各市自治体が、積極的にこの問題に共通認識をすり合わす中で立ち上げていったらどうかなというふうに思っているんです。
「ダイヤモンドグレース号」のあの油流出のときに、危機管理のもとでみんなが集まって、それぞれお互い助け合って情報交換したという事例を私は知っていますけれども、ああいう極限の部分でこそ本当のお互いの広域行政のよさというものが確認もできるし、そのことを理由に、将来に向かって、危機管理というよりも、より有効な自治体のあり方として、一つの事例を教訓にしながら積み上げていくことが可能だなというふうに思っているものですから、ここであえてもう一回お尋ねするんですが、東京都は東京都、あるいは神奈川、千葉、それぞれの自治体は異なっても、同一の条例で、同一の政策課題に向かって条例制定の方向といいましょうか、可能性といいましょうか、それを模索することは可能なのでありましょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 条例につきましては、あくまで各自治体ごとに制定をするものでございますが、例えば現在でも、東京湾の水質改善のために、各県が国の総量規制の対象外である窒素、燐につきまして、排出基準に上乗せ基準を設定するような共通の条例を制定して取り組んでいるところでございます。したがいまして、各自治体が共通の条例を制定するということは可能だというふうに考えます。
○和田委員 今みずから幡本さんがおっしゃっていただいたとおり、小さな試みというとあれかもしれないけれども、局所的には走り出している各自治体の連合的な条例制定というのがあるんですね。したがって、東京湾という共通の財産に向かって、それぞれいろいろ思惑があっても、あそこの自然を守るとか、申し上げた原油流出の際にどういうふうにやっていくとか、そういうお互いの情報交換の場というのをぜひつくっていただきたいと思うんです。
私は、東京湾の努力を、この際、この場を使って評価をしたいと思うんですが、私が質問に先立って求めたデータを申し上げるんですが、平成十一年九月二十二日、七月でしたから、二カ月ぐらいたった後の東京都の対応を申し上げますと、オイルフェンス、原油が流れてくるのを抑えるフェンスを、事故当時、建設局は九百六十メートルしかなかったんです。ところが、二カ月後の平成十一年九月には、実に四千二百六十メートルも建設局はオイルフェンスを用意しています。それから、港湾局は、もとより二千四百であったものを、それ以上ふやせませんということで二千四百でありました。東京消防庁は、「ダイヤモンドグレース号」のときには、そんな事故を予定していませんから、四百メートルのオイルフェンスしかなかったんですが、その事故後一千六十メートルというふうに、二カ月の間にそれぞれ何倍増かしてくださっています。事故当時トータルで東京都の保有していたオイルフェンスというのは三・七六キロメートルでした。しかし、事故後は、二カ月たった後には七・七二キロメートルということで、ほぼ倍増に匹敵するだけの危機管理の対応をしてくださっているわけです。
こういうふうに、東京都だけを見てもこういう対応をしているわけでありまして、千葉、神奈川も、データをとっていませんけれども、あのときのことを思い返して、理事者の皆さんは、相当緊張しながらこの東京湾の原油流出という危機的な一つの出来事を教訓にして対応を練っているというふうに私は思っているんです。
でありますから、そういう共通の東京湾というテーマに向かって、共通の危機意識を持って、あるいは自然環境保全という意識を持って、お互いに合意できるところをぜひ詰めていくべきだと思いますし、そのような働きかけをこれからも幡本部長は機会があればおやりになるご意思がおありかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 首都圏の問題、特に今ご指摘のありましたような東京湾につきまして、広域的な連携、共通意識を持って取り組んでいくことが重要だというご指摘でございました。今後、広域連携を進めていくに当たりましては、お互いに情報交換をして共同の検討をしていくことが極めて重要であるというふうにも考えておりまして、東京都といたしましては、都政改革ビジョンⅢを問題提起というふうに位置づけておりまして、それを発信していく中でお互いに情報交換し、交流を深めていければというふうに考えております。
○和田委員 場を変えて、直接この答弁をいただくのにふさわしい方にも同じ質問を私はしようと思いますが、少なくとも行財政改革特別委員会の公の場で今幡本さんが私どもに表明していただいたその心意気をしっかり、また情熱をしっかり受けとめながら、東京湾の問題というものは、単に水質だけではなく、単にまた原油流出だけでもなく、トータルで都民あるいは県民、市民にかかわる共有財産の共有の課題であるということのご認識をぜひいただきたいというふうに思うんです。
我々都議会民主党は、自然の保護はもとよりでありますが、理由のある公共事業をしっかり進めるという立場で、東京湾の問題にこれからもしっかり監視、監督をしてまいりたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○大木田委員 私も具体的に何点か伺いたいと思いますけれども、最近イギリスの雑誌で、世界は変わった、こういう特集がなされております。九・一一の超大型米国同時多発テロ以来、世界は変わったというような状況でありまして、そういうような状況を受けて、さまざまな検討が今されているわけであります。日本政府においても、補正予算を組んで、第二次補正という十五カ月予算に入ろうというような段階に変わってきているわけであります。
その前からもIT不況は大変な広がりがありまして、今、実体経済、我々現場でいろいろと聞いておりますと、非常に深刻な事態に陥っていると、三月決算、乗り越えられないというような声を幾つも聞いておりますし、こういう緊急避難的な状況に今なってきているわけであります。
そういう中で東京都の財政再建プランがあるわけでありますが、七月にも出されておりますけれども、状況は非常に変わっている。やはりあれだけ小泉さんも三十兆枠を主張し、第二次補正は組まないといっていたのを変えて、十五カ月予算に入るという検討を今始めているわけでありますけれども、こういう非常に深刻な状況が今続いているわけであります。したがいまして、平成十四年度の予算で新たなる都の財政再建のプランの見直しを含めた対応をしなければならないんだろうというふうに私は考えておりますけれども、この点についてまず伺っておきたいと思います。
○松澤財務局主計部長 今、先生ご指摘のとおり、七月に「今後の取組の方向」を発表した時点から、かなり景気は急速に悪化しておりますし、いろんな面で環境も変化してきております。そういうことで、来年度の都税収入は、十三年度当初予算に比べまして、三千億から四千億ほど落ちるのではないかということで、試算した財政収支もさらに悪化することが見込まれるわけでございます。さらに、今お話しにありましたように、世界経済の変化や日本経済の動向から見て、十四年度だけでなく、それ以降もかなり景気の低迷というのは続くんじゃないかということで、税収も当分の間は伸びが期待できない、こういう状況ということも我々は十分認識しております。
そういう中で、お話しありましたように、都財政を取り巻く環境は一段と厳しくなっているわけでございますので、今後より一層財政構造改革に取り組まなければ、都財政の破綻は免れ得ない状況になっているということだと思います。
したがいまして、十四年度予算編成においては、まずは現在ある財政再建推進プラン、これは十二年度から十五年度まで四年間でまだ道半ばでございますので、まずこれを基本としながら、歳入歳出の両面にわたって徹底した見直しを継続しまして、かつ財政再建推進プランに掲げる目標をこれまで以上に徹底して達成することが何よりも重要と考えております。
○大木田委員 今の景気の現状をとらえてみますと、構造改革を行って景気回復をするという一つの考え方と、とにかく景気対策をしながら構造改革をするという、どっちもどっちなんですけれども、今この攻防が年末を控えて非常に激しくなってくると思うんです。したがって、このかじ取りをどうするかということは、非常に微妙な段階に入ってきているなということで、それぞれの立場によって意見は変わってくるんですけれども、不良債権の処理を含めて、さまざまな金融監督庁の動き等の対応も含めて、またペイオフを含めて、この経済問題が深刻化して、それにテロの問題がどう影を落としてくるのか、これは先行きが読めない分があるだけに、ぜひこの点も目配りをして平成十四年度予算の対応をしていただきたいと思っております。
次は、きょうは大きな広域問題でありますので、幾つかの点を問題整理しながら話をしたいと思うんですけれども、例えば今いろんな空洞化現象が起きておりますが、三つの空洞化というのが進んでいるわけであります。一つは産業の空洞化、これは大田区を見ても、墨田区を見ても、あるいは私の北区を見ても、非常に悲惨な事態であります。この産業の空洞化の進みぐあいがあるわけですね。
そのほか、都市再生が今いわれていますけれども、二つ目の空洞化は都市の空洞化というような形で、これも都市の商店を含めて非常にインナーシティー現象の広がりが、一部東京には回復の兆しのあるところもありますけれども、逆に周辺が東京のマンションに吸い込まれて、東京周辺が、今、マンションがあいたら埋まらないという状況も起きております。
三つ目の空洞化は人間の心の空洞化ということで、これは私は教育の再生にかけているわけでありますけれども、こういう三つの空洞化。
それから、いろんな今日までの予想できない現象、誤算というんでしょうか、それは、昭和三十九年にオリンピックを控えて高速道路をつくりました。そのときに、今日これだけ車社会になるということは想定できなかったものですから、今は渋滞に次ぐ渋滞で、王子線をつくって都心に行く車をあれしようというのが平成十四年度完成するということを聞いておりますけれども、こういうような車社会の進展が想定できなかった。
二つ目は、要するに高齢化がここまで進むということは想定できなかったものですから、年金の問題等六十歳から支給を開始して、これをどんどん延ばしていくというような形で対応しなければならない。この高齢化、世界一長寿国はすばらしいんですけれども、こういう長期のスパンでの、これが予想できなかった。
三番目の誤算は少子化、これほど子どもさんが生まれてこないという時代に入ってしまって、要するにその対応がやっとここ数年でいろんなことが叫ばれてきて、こういう現象がずっと前から静かにデータを分析していけば相当わかっているわけですけれども、それがなかなか想定できなくて、そしてどんどん右肩上がりでふえるような体制のもとにおいて、どんどんそれをつくったりなんかしたりするものですから、実際にできたときには使う人がいなくなるというような事態も今後起きてくるというようなことであります。
また、多くの不安がありますけれども、まとめて三つずつ整理しておりますので、三つの不安といえば、今、株安の不安でありますけれども、これは不況ですよ。経済の不況ということが象徴的に株の方へあらわれているわけですけれども、そういう問題。二つ目は失業の問題、今五・三ですけれども、十一月、十二月はさらに深刻になって六%、七%に入ってくると思うんですね。三つ目の不安はテロの不安ですね。これがどうなるかというようなことについて、今後さらにこういう問題がどう起きてくるかというようなこともあるわけであります。
こういう中で、私は、中央集権体制が安心だという神話が今崩壊をして、そういう中で地方分権の一括法案等が通ってきてこういう状況があるわけですけれども、これからの時代というのは、そういうようなことを意識しながらいろんなものを整理して対応していかないと、思わぬ誤算が出てくるというふうに思うんですね。
そこで、本題の方にちょっと入りますけれども、本日は資料を提出していただいておりますが、その中で地方制度調査会等のこれまでの答申、提言というのが出ております。確認のために、広域的な地方制度に対する答申の内容をまず伺っておきたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 地方制度調査会等の答申ということでございますが、主なものといたしましては、古くは昭和三十二年の第四次地方制度調査会におきまして、広域行政事務の能率的処理等を目的に、現行の府県を廃止し、全国を七から九のブロックに分け、国の機関として地方を置くという地方制の提案がありました。その後、昭和四十年の第十次地方制度調査会では、府県合併についての答申が出されました。
この答申は、現行法では府県合併は法律で定めるというふうにされておりますが、その特例としまして、関係府県議会の議決による申請に基づき内閣総理大臣が国会の議決を経て処分する道を開くことを考慮すべきであるとしております。しかしながら、これらの答申は実現をしませんで、その後しばらく道州制にかかわるような議論は行われなかったわけでございます。
一方、平成元年の臨時行政改革推進審議会の答申に始まり、第三次行革審等の議論を経まして、平成五年の第二十三次地方制度調査会で広域連合制度が答申されました。これは、広域にわたり処理すべき事務について総合的な計画を作成し、広域行政を推進する制度であり、平成六年の地方自治法改正により制度化されたところでございます。
最近では、地方分権推進の動きの中、改めて都道府県の区域を超えた広域行政の必要性が唱えられており、新たな広域的自治体のあり方として道州制の議論が再び起こりつつあります。
○大木田委員 私も、この道州制の問題についてはずっと検討してまいりました。昭和二十二年、戦後ですね、今のような都道府県体制、五十年たって、あらゆる意味において制度疲労がずっといわれておりますけれども、進んできているわけですね。したがって、二十世紀から二十一世紀へ越えるときに、この問題については、五十年もたったものは一回抜本的な見直しをする。見直しをした上で残すものは残すし、変えるものは変える。今、あらゆる制度、あらゆる機関、あらゆるところがそういう状況に入っていると思うんですね。そういう意味からいえば、今の四十七都道府県の体制というような形、その後に三千三百の区市町村があるというような形のものをいつまでもいつまでも継続するというよりも、こういう国と地方も含めてですけれども、今後どういうあり方がいいのか。
今、テロの問題が起きて、新しい戦争が起きて、国連という問題、世界連邦という、世界も今、大きく見直さなければならない段階に来ていると思いますけれども、ここは世界の話をする場じゃありませんので、国内の問題でありますけれども、この道州制、今いろいろと検討がまたされているようですけれども、現在検討されている道州制の内容、あるいはこれはどういうようなことが今されているのか、この点を伺っておきたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 道州制につきましては、その性格や区域、組織、具体的な事務権限など時代や提案者によりさまざまな案が示されております。都政改革ビジョンⅢにおきましては、自治体である都の提案として、道州制についても、国の機関ではなく、自治体の一つの形態として考えていくことが前提になります。
具体的内容につきましては、今後、国や区市町村との役割分担のあり方など自治制度全般の見直しの中で検討していくことになりますが、少なくとも大都市圏の課題を解決するため、自治体がみずからの責任と判断により主体的に地域経営ができるよう、必要な権限と財源を備え、地方主権の理念を実現できる形態を念頭に考えていく必要があるというふうに考えております。
○大木田委員 今回提出された広域行政の広域的な課題ということで、八項目指摘されております。例えば、道路、鉄道、物流、大気、水質、産業廃棄物、水資源、それから地震、防災というようなことになっておりますけれども、これだけ五十年でいろんなものが進歩し、変化し、状況が変わってきているわけですね。したがって、そういう中で七都県市の問題も非常に重要でありますけれども、今までの形にとらわれない立場でこういう問題にどう取り組んでいくかということを詰めていく中で、また新しい展開といいますか、発想も出てくるんだろうと思うんですね。
したがって、今後の広域的自治体のあり方を検討する場合、より機能的な自治体をつくるために、どこまで行政が担っていくべきかという議論が不可欠であるわけですけれども、今、八項目、この資料でも提出されておりますけれども、まだこれ以外でも、先ほど出たITの問題とか、いろんな連携のことが広がって、細かいことをいえば限りがないと思いますけれども、この点はどういうふうになっていますでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 広域的自治体のあり方を検討するに当たりましては、国や区市町村との役割分担の見直しはもとより、民間との役割分担も考えていく必要がございます。近年、PFIや民営化方式など新しい事業の方式の導入が進められておりまして、これらの取り組みにつきましては、都庁改革アクションプランにおいて具体的に提起をしたところでございます。このような状況も踏まえ、民間NPOとの協働等により公共の機能をどのように支えていくべきかも含めまして、検討してまいります。
○大木田委員 東京は、青ヶ島の二百人の村から、東京都庁の、東京全体の、地方自治体でいえば最大の、一千二百万までいきませんけれども、一千二百万弱の人口を擁する。だから、東京は、地方自治体の一番大きいところから一番小さいところを持っているんですね。東京は、二百から一千二百万という幅の中にあと全部入るわけですけれども、これが地方自治の中で一括的に含まれて今いろいろと議論をされているわけであります。
私も、かつて新聞記者時代、青ヶ島に行って帰れなくなって、一週間、島に泊まっていたことがありましたけれども、二百の青ヶ島の村をいつまでも村でやっておくことがいいのかどうか、青ヶ島の村の人に対しても意見を聞いてみないとわかりませんけれども、いろんなところで区市町村、区はこれからにしても、市町村の合併も、ここ数年で二カ所合併がありましたけれども、私は、三千三百を、当面千ぐらいの自治体に集約すべきである。そうしないと、国の方も財源の移譲がなかなか、財源を受けられる体制ができているか、人材がいるかというような形で、国の方もそういうことを大義名分にしてなかなか放しませんから、自治体の方もそういう努力はしなければいけないというふうに思っているわけであります。
都内の市町村における合併の状況、これからどういう動きがあるのか、この辺を伺っておきたいと思います。
○反町総務局行政部長 近年の都内における市町村合併の実績でございますが、平成七年九月に秋川市と五日市町の合併によるあきる野市の誕生と、本年一月に田無市と保谷市の合併による西東京市の誕生の二例でございます。
一方、現在、合併のステップとなる法定協議会や任意協議会は設置されておりません。多くの市町村では、合併については今後の検討課題としているのが現状でございます。
○大木田委員 都として、今後、市町村の合併に関して、政策誘導的にどのような考え方でこれに取り組んでいくのか、この点を確認しておきたいと思います。
○反町総務局行政部長 市町村合併につきましては、住民意思を尊重しながら、市町村が自主的、主体的に考え、取り組んでいくことが必要でございます。そのため、市町村において自発的な動きがない現状におきましては、合併について議論をして、市町村の自主的検討を促すのが都の現在の役割であると考えております。
都におきましては、都内市町村において合併の検討素材の一つとなるよう、本年一月に市町村合併に関する検討指針を発表したところでございます。
今後、都民や市町村の間に合併機運を醸成していくために、この検討指針も活用しながら、さまざまな普及啓発活動や市町村への支援活動に取り組んでまいります。
○大木田委員 都道府県があって、政令指定都市があって、中核市があるという状況の中でありますけれども、今お話がありました市町村における合併検討指針を一月に出しているわけでありますので、私は、東京の市町村の合併についても、都として支援をし、取り組んでいくべきであるというふうに思います。
一方、特別区ですけれども、都区制度改革が実現をして、都区制度改革が最優先で来たものですから、市町村における合併検討指針のようなものはまだ出されておりませんけれども、今後この特別区がどうなるかということも一つの大きな課題になってくると思います。
そこで、私は、まず特別区が今二十三区で定着しておりますけれども、ここに来るまで、特別区がどういう区の変遷を通って今日までなったのか、このことを伺っておきたいと思います。
○反町総務局行政部長 特別区は、明治十一年、郡区町村編制法によりまして、東京府内に麹町区など十五区が設置されたことを起源としております。その後、明治二十二年、市制町村制により、その十五区の地域を中心とする東京市が置かれました。また、昭和七年には隣接する町村が編入され、三十五区となりました。戦時下の昭和十八年に東京都制がしかれましたが、引き続き三十五区体制とされておりました。そして、戦後、昭和二十二年三月、三十五区から二十二区に再編されまして、同年の八月に板橋区から練馬区が分かれまして、現在の二十三区体制となったものでございます。
その後、昭和三十九年、四十九年と二度の大きな地方自治法の改正を経まして、昨年の四月の都区制度改革によりまして、特別区は基礎的地方公共団体に位置づけられたものでございます。
○大木田委員 今の説明を聞きますと、明治十一年ですか、十五区がずっと続いておりまして、昭和七年に三十五区、十八年の四月一日が東京都制の施行ですけれども、三十五区、昭和二十二年になって二十九区、二十二年八月一日に板橋から練馬が独立をして二十三区になったわけですね。独立した練馬の人口は、今、練馬区の人がいればわかりますけれども、板橋よりふえちゃったんですね、状況としては。したがって、東京二十三区も、千代田区が今、私は三万九千ぐらいだという認識ですが、世田谷が八十万、人口的だけで物は見られませんけれども、この五十数年の間に二十三区のいろんな対応のところもかなり変わってきているわけですね。
そういう中で、ことし三月の予算委員会で、石原知事が、特別区の問題についても、東京都として議論を起こす意味において、例えば都が一つの案を、区だと、自分たちの区の問題ですからなかなかできませんから、東京都としてこういうような形にやったらどうかというような案をぜひ提示したいということを発言をしているわけでありますけれども、これについて今検討状況はどの程度進んでいるのか、伺っておきたいと思います。
○反町総務局行政部長 今後、特別区が、行財政運営の効率化を図り、広域的な行政需要に対応していく上で、合併は重要な選択肢の一つであると考えております。特別区の合併に当たりましては、今後それぞれの特別区がどのような規模や権限などを有したらよいかを考慮するとともに、大都市行政の一体性、統一性の確保などにも留意する必要がございます。特別区の合併については、こうした点を踏まえながら、基本的には住民の意思を尊重しつつ、特別区みずからが自主的、主体的に考え、取り組むべき課題であると考えております。
都といたしましても、広域的団体として特別区が自主的に検討を進めていく際の情報を提供するため、現在、特別区の合併のあり方などを検討するために必要な調査を行っているところでございます。
○大木田委員 必要な調査は結構だと思うんですけれども、知事が一つの案を示したいと、こういっておりますけれども、これは具体的に幾つかの、ちょっとマスコミで見たんですけれども、そういうようなことが検討されて、近々出すんじゃないかというような話もちょっと読んだような記憶もあるんですけれども、その段階ぐらいまで至っているんでしょうか、今はまだ調査段階なんでしょうか。
○反町総務局行政部長 ただいま申し上げましたとおり、現在、合併を検討する際に必要になる情報につきまして、どういうものが必要になるのか、その辺の実態的なものに関する調査をしているところでございまして、マスコミの報道は私承知しておりませんけれども、まだ調査の段階であるということでございます。
○大木田委員 それと関連して、前に私、問題提起をここでしたときに、意見開陳をしたときに、これからは知恵と感性の時代だ、情報化の時代だ、成熟社会の時代あるいは対話の時代、おもしろい、楽しい、うれしいの時代だという話をしましたけれども、個性と創造性と多様な時代が今次代に向かっているわけでありますけれども、そういうような多様性を重視しながら、地方制度の改革は非常に重要だと思っております。
その意味を含めて、今の状況変化、二十世紀の負の遺産を早く償却して、二十一世紀の創造的展開を図るということを知事も何回か本会議でも話をされておりますけれども、国の外務省の問題なんかも今負の遺産が噴出をしているわけでありますが、それは別にしましても、こういう創造的な展開をどういう形で二十一世紀は図っていくかということは、私は非常に重要だ思っているんです。したがって、この多様性を重視した創造的な自治制度改革を行うということでは、どういうことで今後取り組んでいくか、伺っておきたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 画一から多様へということが時代の流れでございまして、個性豊かな地域社会の実現を目指し、地域の自己決定の機運が高まっております。これからは、中央政府の決定に横並びに従うのではなく、自治体が主体的にそれぞれの歴史や実情を踏まえた行政を展開しなければなりません。そのためにも、都として、中長期的な視点から、自主性と多様性に基づき、地方主権を実現するための自治制度改革について検討してまいります。
○大木田委員 今、何点かいろいろと伺ってまいりましたけれども、ビジョンⅢにおいては、今、本当にあらゆるものが制度疲労を起こしている中にあって、新しい一つの視点から検討を加えて、それを蘇生させていくということが大事なんですね。先ほども話しましたけれども、とにかくあらゆる分野を一回抜本的に検討して、残すものはきちっと残す、変えるところは変える、これをごちゃまぜにしないで、そういうところにきちっとメスを入れて、診断をした上で、どういう処方せんを描くかという対応をきちっとした上で、二十一世紀型の地方自治のあり方というようなことを地方自治の立場からもとらえて、国に対しても要求をしていく。
その意味においては、つい先日、十九日でしたか、第一回全国都道府県の交流大会がありまして、私も出て、三重県の北川知事も基調講演などをしておりまして、その後いろいろとパネルディスカッションもありましたけれども、そういうことも非常に重要だと思います。
とにかく、地方自治体の中から、地方自治としてどういうふうな形がいいのか、国から来るのを待つという今までの行き方ではなくして、その先頭に立って東京都がいろいろと改革の中身を検討しながらリーダーシップを発揮していくべきである。これは意見を申し上げて、終わりにします。
○古賀副委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時九分休憩
午後三時二十二分開議
○古賀副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○木村委員 それでは、都政改革ビジョンⅢについてお伺いいたしますが、先日の委員会で資料としていただいた中に、ほかの計画等との関係という説明がございまして、東京構想二〇〇〇、都政改革ビジョンⅠと首都圏メガロポリス構想などがつくられた後、首都圏における新たな広域的自治体のあり方について、広域自治体の創設を提言するという予定になっておりますが、ここにいう広域的自治制度のあり方、今策定中というふうに聞いておりますけれども、具体的にはどういう内容でしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 交通や環境、防災など首都圏を取り巻くさまざまな広域的課題がありまして、我が国の牽引役としての首都圏の魅力を低下させ、国際競争力を弱めているとともに、住民の暮らしにくさをもたらしております。このような観点から、これらの課題を解決するための都県を超えた連携のあり方、広域的自治制度のあり方につきまして調査検討を進めているものでございます。
○木村委員 それはわかりますけれども、そういうことが、過日、第三定例会の知事所信表明でもいろいろ述べられていましたね。それで、知事の発言として、近く首都圏の新しい広域的自治体のあり方について共同で取り組むべき事業を盛り込んだ提案を行いたいと思っておりますなどというふうに明言されているんですね。
先日の七都県市の首脳会議で発表する予定であるということも聞いておったんですけれども、まだ広域的自治体のあり方についての提言ということまでは至っていない。なぜおくれているんでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 首都圏における広域的自治体のあり方ということで検討しているわけでございますが、知事発言にもございましたように、首都圏のいろいろな広域的な課題に対しまして、七都県市で共同の取り組みも盛り込んで発表するというふうな発言、所信の表明もございましたが、そういうことを受けまして、私どもの方で現在検討しているわけでございます。できるだけ早い時期にお示しできるように、現在取りまとめを行っているところでございます。
○木村委員 ということは、おくれているということですね、知事が発言したところから見ると。そういう認識でいいですか。つまりこの間、七都県市でそれなりの課題については--二つの税について提起がありましたけれども、それも各都市からの慎重ないろいろな意見があり、なおかつ新聞報道では、事前に相談もなくいきなり出されたというようなことで他県から意見が出たという報道もされておりますけれども、そういう意味で、本来は、例えばきょうのこの委員会に具体的に報告をするというぐらいの予定で三定の発言はあったんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 私どもの作業といたしましては、前回の資料でもお示しいたしましたように、都政改革ビジョンⅢに先立ちまして、首都圏における広域的自治体のあり方について先にお示しするという考えでございました。現在取りまとめを行っているということで、できるだけ早い時期にお示しできるように努力をしたいというふうに思います。
○木村委員 なかなかおくれているかどうかとかいうことについては出ないようですね。
ビジョンⅢの発表に先立ってということがいわれましたけれども、なぜ都政改革ビジョンの前に首都圏における新たな広域的自治体の創設を提言するということが必要なのか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 都政改革ビジョンⅢにおきましては、首都圏における課題、あるいは東京の課題、広くとらえまして、広域的な自治体あるいは基礎的自治体、大都市制度、税財政制度というふうな広範な課題を対象に考えております。この検討事項につきましては、都議会、本委員会の議論も踏まえまして、さらに検討しなくてはいけないというふうに思っておりますが、その入り口といいますか、先決の、先に今検討すべき課題といたしまして、広域的自治体について提起をした方がよかろうということで、先に作業を進めているということでございます。
○木村委員 そうですか。じゃ、ビジョンⅢの入り口に入る前に、入り口的に提起をしたいということでまとめているということになりますと、都政改革ビジョンⅢもその後ということになりますから、かなりこれもおくれるというふうに判断せざるを得ないと思うんです。
それではビジョンⅢについて聞きたいと思うんですが、都政改革ビジョンⅠの第三部に、その方向性というのが文章化されておりますね。それでは、これを手がかりに聞く以外に道はなさそうです。
それで、この第三部の中に、道州制を視野に入れることは、行政区域のあり方を検討する上で大いに意義があるという一文があります。これはどういうことでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 行政区域のあり方についてでございますが、自治体が責任を持って機能的に地域を経営する新たな行政システムを構築するためには、自治体の担うべき役割の見直しとあわせまして、行政区域のあり方についても検討することが必要と考えております。特に人々の生活が広域化して、都市問題が首都圏域全体に広がっていることや、都道府県の区域につきましては明治以降ほとんど改編されていないというようなことなどから、行政区域について見直しを進めることは重要であるというふうに考えております。
○木村委員 答えているような答えていないようなお話なんですけれども、道州制を視野に入れるということが、行政区域のあり方を検討する上で意義があるという点について、どういうふうにとらえているのかということを聞いたんですよ。こういう課題もある、こういう課題もある、明治以来変わっていないというのでは、どうもごくごく一般的な話で、お答えにはなっていないなと思うんです。
それでは、わかりやすくもう一歩踏み込みたいと思うんですが、道州制という場合、例えば北海道だったら、面積の上ではもう道州なわけですよね。北海道の場合は支庁制度があるわけですね。北海道にとっては、そういう意味での道州にふさわしい面積だということが非常に悩ましい話で、支庁をどうするかということで、北海道庁の支庁改革に関する試案というのがありまして、これを読みますと、「道州制の問題」というところがあって、「現在の都道府県制のままでも地方分権を進めていけば、権限の面においても北海道だけは道州制が成立する。このように北海道に道州制が実現する可能性は、府県合併を必要とする本州よりも高いと思われる。しかし、公共事業をはじめ、林野、運輸など国の権限の多くが北海道へ移譲された場合、広大な北海道では本庁一カ所で、これらの業務を担当するのは困難であり、地域の行政単位として再編強化された支庁の存在が重要となる。つまり、支庁の再編強化は、今後の地方分権あるいは道州制の展望においても必須の条件となる。」というふうになっているんですよ。
つまり、地方分権が進んでいき、なおかつ道州制が導入されれば、今でも十勝とか空知支庁とかとありますけれども、それが行政単位として再編強化しなければやっていけないだろうと。つまり三層制ですよね。この三層制が不可避だという結論に至っているわけなんですね。
これを、先ほど既に答弁がありましたが、首都圏域全体に人々の活動、生活が広がっているから広域的自治体が必要である、その場合、道州制を視野に入れる必要があるということになりますと、首都圏メガロポリス広域自治体なるものが仮にできたとして、どうするのか。その下に東京支庁、千葉支庁、神奈川支庁というのがさらに必要になってくる。つまり三層制に行かざるを得ないし、二層制のままでやるのだとしたら、まさに住民から、広域自治体との距離というのが非常に乖離があって、住民自治は空洞化するという問題が当起こってくるというふうに思うんですね。こういう点についてどうなのかということを、先ほどの質問で聞いたんです。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 首都圏の広域的な行政需要に的確に対応を進めるため、現在よりも広い行政区域に新たな広域的自治体を設けることが必要だということで検討を進める一方、現在の市町村という基礎的自治体につきましては、ご指摘のありましたような分権が今後一層進むということになりますと、それに見合う行財政基盤を強化するということが必要になります。
この広域的な自治体の検討と基礎的自治体の行財政基盤の強化、これは市町村合併も含めてということになりますが、この両面での検討推進というようなことから、ご指摘のあったような問題というのは対応ができるのではないかというふうに考えられます。
○木村委員 最初からそういう答弁をすれば、もっと時間が節約できたんですよ。つまり、道州制というのは、基礎的自治体の広域化というものを必然的に目指さざるを得なくなるということなんですよね。首都圏レベルの広域自治体というものを創設するということになれば、市町村合併あるいは既にビジョンⅢの方向にも出されていますが、特別区の再編などというものも視野に入れなければならない。道州制による広域化と同時に、基礎的な自治体の広域化というのも不可分のものとして進めざるを得ないという側面があるんじゃないか。
しかし、首都圏レベルの広域自治体といいますけれども、ここは人口三千万以上でしょう。もう巨大な自治体ですよ。面積も本当に、北海道ほどじゃないかもしれないけれども、巨大なものになりますね。基礎的な自治体を、それにふさわしい行財政強化で、要するに広くしなければならないという意味合いでしょうけれども、そういうスケールメリットを追求すると同時に、そういう大きな自治体をつくることによるスケールデメリットというものも、あわせて深い検証が必要なんじゃないかというふうに思うんですね。
このビジョンⅢの方向によれば、そういうスケールデメリットについてはどうなのかということの深めた検証を行うという文脈が非常に欠けているというふうに私は思いますけれども、そういう点はどのように検討されていますか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 道州制論を視野に入れて検討するということでございますけれども、基本は、首都圏における広域的課題に対応して、広域連携を含む新たな広域的な自治体の仕組みが必要であるというふうに考えておるわけでございます。一般的にいいますと、自治体の行政が広域化すれば住民との距離が遠くなるというふうにいわれておりますけれども、現在の交通や情報の発展というようなことから生活が広域化しているわけでございまして、その辺の住民自治の仕組みというものは、広域化の中で十分に検討する必要があるというふうに考えております。
また、先生からご指摘のありましたビジョンⅠの中のところでも、広域行政の充実とあわせて狭域行政の充実を図っていかなくてはならないというふうにしているところでございまして、私どももその辺には十分留意をして検討していきたいというふうに考えております。
○木村委員 自治体の規模や行政の質というのは、交通や情報の発達とか、そういうことでは必ずしも一律に解決できるものでもないし、狭域行政の充実ということになれば、じゃ、二層制じゃなくて三層制にするのかとかいうことがありますし、さまざまな問題が出てくると思うんです。
ただ、私、いいたいのは、ビジョンⅢは、自治制度全般の改革、基礎的自治体のあり方というふうに、制度そのもの、広域的な課題を解決するために連携を強めていくとかいうのじゃなくて、広域的自治体の創設が引き続き今度は自治制度全般の改革というふうに進むと矢印で書いてあるから、どこまで現在検討しているのかということを聞かざるを得ないんですよね。その中で特別区の再編というのも視野に入れるというふうに書いてありますね。しかし、特別区というのはようやく基礎的自治体として位置づけられたばかり、走り出したばかりですよね。清掃事業の移管もやっと軌道に乗るかという時期に、まだ多摩の市町村から見れば半人前じゃないかというふうな声がときどき聞こえてくるぐらいの事態です。
そういうときに、この流れで今の都政が広域的自治体の創設、次に基礎的自治体のあり方について改革の提言をし、特別区などのあり方についても視野に入れて提言するということになると、やっと緒についた特別区の動きを、上から再編論議をおっかぶせるという形にならざるを得ない。果たしてそういうことが適切なのかどうか。東京でいえば、二十三区が基礎的な自治体としてようやく出発していく、自立していこうというときに、むしろこれを上から妨害するといいますか、そういう形になるんではないか、今の流れは。その点はいかがでしょうか。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 道州制と特別区の再編も含めて自治制度全般の検討ということは、確かに都政改革ビジョンⅢの検討範囲には入っております。それをこの時期にということではございますが、周囲の状況、国の動向等も見ますと、この間、第一次分権改革ということで本年七月まで地方分権推進委員会が設置されてきておりまして、その最終報告の中でも、今までの分権は、既存の枠組みの中での国の主に関与の見直しということを中心に行ってきたわけでございますが、今後は地方自治の仕組み、枠組みのところを検討しなくてはいけないということで、道州制も視野に入れてというような最終報告がございました。
今、地方分権改革推進会議と地方制度調査会が発足いたしましたが、その中では、既存の都道府県市町村制度の枠組みと道州制論も含めながら検討するというふうにもなっておるわけでございます。こうした動き、あるいは全国的にもいろいろな検討、議論がなされてきておるわけでございます。そういうことから、やはり首都圏あるいは東京都におきまして、首都圏の実情に応じた広域的な課題の解決なり問題解決を図る上で、ある意味でリーダーシップをとる形で東京都が先進的に検討し、それを全国にも発信していくということは、必要な取り組みではないかというふうに考えているところでございます。
○木村委員 東京都がリーダーシップをとる場合もあり得ると思うんですけれども、それは時と場合、タイミングというのが非常に大事だと思うんですよ。そもそも基礎的自治体のあり方というのを、都がリーダーシップをとって考えて、上から示すというのが今の時期適当なのか。制度は国が所管していますし、地方自治の観点からいっても、まず基礎的自治体がみずから考えるべきことであるというふうに思うんですが、二十三区からはそういう再編という声が出ているのかといえば、全く出ていないという状況でしょう。さっき聞きましたように、基礎的自治体に位置づけられたばかりということで、果たして都が基礎的自治体のあり方そのものを考えて物をいうということが適切だとお考えかどうか、聞きたいと思います。
○幡本知事本部自治制度改革担当部長 先ほど申し上げましたように、都政改革ビジョンⅢでは、広域的自治体のあり方、それから国や区市町村との役割分担のあり方、基礎的自治体のあり方、広く自治制度全般について検討するというふうに考えておるわけでございます。
先生がおっしゃられた基礎的自治体のあり方は、まず基礎的自治体がみずから考えることではないかということでございますが、相互の関係、役割分担等もありますので、都は区市町村を包括する広域の地方自治体として、関係者の意見も聞きながら、特別区や市町村のあり方について検討し提案していくことは、都としての重要な取り組みであるというふうに考えております。
○木村委員 私は、特別区からの立場からいえば、首都圏メガロポリス構想を進めていく、広域的自治体のために道州制も視野に入れてつくりたい、そのために二十三区はこうあるべきというようなことを提起するというのは、東京都のある意味では非常に思い上がった態度じゃないかというふうに思います。
いずれにせよ、道州制を軸に新たな自治制度を構築していくということになりますと、先ほど来いいましたように、三層制にするか、基礎的自治体を大規模にするかのどちらかの道に進まざるを得ないことは明らかだと思います。
特別区の再編についていえば、そういう動きを受けてかどうか、既に森記念財団が平成十一年六月に東京・「六特別市+自主区」まちづくり会議構想というのを発表しましたね。再編論議に既に加わっています。まあ、森ビルだから、話は生々しいんですけどね。例えば六つの再編というのはこうですよ。千代田市、城東市、城南市、渋谷市、新宿市、池袋市となっていまして、千代田市というのは、千代田区、文京区、台東区、荒川区、北区、足立区が範囲なんですよ。城東市というのは、中央区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、それに臨海副都心なんです。後はいろいろありますけれども、五十万とか六十万とか八十万とかいう区が三つ四つ集まるという非常に巨大な、とても地方自治、住民自治という点からいえばとらえどころのないようなマンモスな自治体ができ上がっていくというイメージが、既に森記念財団から出されています。
こういう議論を、果たして、じゃ、東京都が加わってやるのかいという感じは、それが本当に適切なのかどうかというのはありますね。そうはいっても、いろいろ言葉では抽象的にいわれますけれども。
じゃ、そういうことは一体何のためにやるのかということですが、これはもうはっきりしていると思うんですね。それは東京構想二〇〇〇、それから首都圏メガロポリス構想に展開されてきた石原都政の基本路線そのものから出てきているわけで、首都圏メガロポリス構想、都市計画局がつくりましたけれども、この中には、そういう首都圏メガロポリス構想をつくっていく基本的な連携戦略として、新たな広域的自治体のあり方を検討するということが位置づけられております。これは文言の上でも明確に、開発構想のさまざまな諸課題の最後の部分で、そのためにはという連携戦略として位置づけられている。ここに、何のために--基礎的な自治体になったばかりの特別区まで再編を視野に入れてものをいって広域的自治体をつくっていくのかということのねらいは、非常に明らかにされているというふうに思います。
問題は、そういう流れが都民生活にどのような影響を与えていくんだろうかということだと思うんです。そんなのはできっこないよ、将来の話だよというんじゃなくて、やはりここ二年半の石原都政がしいてきたそういう総路線が、結局、自治制度そのものの再編成にまで至っていくということの影響というのは、現に都民生活にあらわれている、現に都政のありようとしてあらわれているということが、私がいいたいことなんです。
そこで伺いたいと思いますが、ことしの予算編成に当たって、重要施策の選定ということが行われておりますけれども、この重要施策の選定というのは、東京構想二〇〇〇を初めとする、私が今いいました石原都政のそういう基本的な戦略、基本的な方針の一環として当然位置づけられて行われていると思いますけれども、いかがでしょうか。
○荒川知事本部企画調整担当部長 東京都を含めまして首都圏あるいはその東京都の現状を見ますと、我が国が抱えておりますさまざまな問題が出ておりまして、特に都市としての魅力が低下したり、あるいは国際競争力が低下するということが出ているわけでございます。そうした都政を取り巻く環境が一段と厳しさを増しているわけでございますけれども、東京の直面する危機を打開しまして首都圏の再生と都民生活の不安を解消する、こういったことを実現することは、都政の喫緊の課題でございます。
こうした都政の直面する課題を解決していくために実施すべき優先度の高い施策を予算査定に先立って検討しまして、それを重要施策として選定し、限りある予算、人員を措置する仕組みを今回新たに導入したところでございます。
○木村委員 せっかく答えてもらって悪いけど、だから、今いったようなことは、石原都政の基本方針の一環なんでしょうと。来年の予算編成というごく限られた中での話じゃなくて、東京構想二〇〇〇から出発した石原都政総体の基本的な方針の一環として行われているんでしょうと聞いたんですけれども、もう一回答えてください。
○荒川知事本部企画調整担当部長 ただいまご答弁申し上げましたように、一環というふうにとらえますよりも、現在の東京の現状、あるいは都政が抱えている問題点を見きわめまして、それをまず解決していくためにどうあるべきか、そのための施策の一つとして重要施策という仕組みを導入したということを述べたものでございます。
○木村委員 なかなか正直じゃないという感じがしますが、私は、あえて申しますが、重要施策、これはまだ各局からそれぞれ出されたものが示されただけで、これを最終的にどうまとめられるかというのは、これから、知事本部が今進めていることだと伺っていますので、最終的にどうなるかわかりませんが、現段階で各局から出された重要な施策ということで集められたものだけ見ても、問題は明らかだというふうに思うんですね。
それは、第一には、五千四百億からの重要施策の所要財源に示される中で、建設局、都市計画局、港湾局、いわば極端なハード偏重ですが、この三局だけで所要財源の六五%、七割近くというのが示されていますし、その主なものは、三環状、骨格幹線道路の整備その他、いわゆるメガロポリス構想の中核をなす巨大な公共事業が座っているということは明らかです。
そして、一方で、例えば事業数だけは百八十八、各局から上がっていますが、財源で見れば、福祉局は三百三十三億で六%である。衛生局は百五十三億で二・八%、教育庁は百十二億で二%ということで、重要施策として各局からそれぞれ上がってきたものだけ見ても、この東京構想二〇〇〇に示された、首都圏メガロポリス構想に沿って全体として動きつつあるものを如実に反映しているというふうに思うわけです。
ところで、その予算編成にかかわる直接の方針としては、副知事依命通達とか、あるいは財務局の財政再建推進プラン取組の方向などが文書で出されております。取組の方向の中に、例えば経常経費の見直しということについては、その見直しの取り組みの方向には、施策の見直し、再構築を徹底して行い、重要施策実施のための財源を捻出するというふうに書かれております。これはまことにあからさまに書いたものだなと思いますが、これはどういうことでございましょうか。
○松澤財務局主計部長 ただいまお話がありましたように、十四年度予算編成に先立ちまして、新しい取り組みとして、今回、重要施策の選定が導入されたところでございます。都財政は極めて厳しい状況にありますが、首都圏の再生や都民生活の不安の解消などの観点から、真に必要なものとして厳選された重要施策については積極的に財源を重点的に配分しまして対応していく必要がある、このように考えているところでございます。
そういう中で、十四年度は大幅な都税の落ち込みが見込まれておりまして、こうした中、重要施策を実施していくためには、やはり原則としてスクラップ・アンド・ビルドによりその財源を賄っていくことが不可欠でございます。
今後の予算編成の過程におきまして、まず内部努力の徹底を図るとともに、経常経費、投資的経費を問わず、既存の施策につきまして引き続き聖域なき見直しを行うということで、こういう表現になっているということでございます。
○木村委員 その取り組みの方向で、経常的経費の方についていえば、今いったように、施策の見直し、再構築を徹底して行い、つまりスクラップ・アンド・ビルドですよね、徹底して行って、重要施策の実施のための財源をそこから捻出するというふうに書いている。ところが、投資的経費の見直しの方は、国の公共投資の対GDP比の中間的な引き下げを留意しつつ、東京再生に向けた社会資本の整備について事業の重点化と財源の確保を図る、こう書いてあるんです。この表現の違いね、同じことを書いているのだといいたいかもしれないけれども、片方は財源を捻出する、片方は財源を確保する。やっぱり経常的経費を見直して、つくり出した財源を首都圏メガロポリス構想につぎ込みますよというのでは、ここに書いてあるように、幾ら何とかに留意しつつなんて書いても、投資的経費をふやして、さらなる財政上の困難をつくり出すということになるのじゃないですか。
○松澤財務局主計部長 投資的経費についてのお話でございますが、投資的経費につきましては、これまで、六十年代以降、税収のいいときには、積極的に大幅に立ちおくれていた都市基盤の整備などを伸ばしてきましたし、また、バブル経済が崩壊して以降、都税収入が大きく落ち込んだときには、それに連動して、必要なものにはつけつつ、投資的経費を抑制してきたというようなことでございます。したがいまして、平成四年に二兆近くあった投資的経費、一般会計の二七・六%あったわけですが、十三年度予算では七千百四十七億円ということで、一一・五%まで落ちてきているわけでございます。
そういう中で、公共事業については、生活福祉関連事業などを含め、事業の緊急性や必要性に応じてさまざまな都市基盤整備を行ってきたということでございますし、また、東京の活力のために必要なインフラ整備も行ってきたということでございますので、そういうことを踏まえながら十四年度予算編成についても取り組んでいく、こういうことでございます。
○木村委員 じゃ、具体例を挙げてちょっと聞かせてください。
来年度予算について私どもも各局から見積もりの概要の説明を受けたところなんですけれども、我々がというか、私もことしの予算議会で石原知事とやり合った覚えがありますが、かねてから支出の根拠そのものに筋が通らないということで追及してきた、例えば首都高速道路公団に対する無利子貸付、あるいは出資金というようなものについては、局から説明を受けた限りでは大幅にふえるというんですよ。首都高速道路公団だけじゃないんですけれども、地下鉄や臨海高速鉄道なんかもありますが、前年比三三%増ですよね、こういう経費が。小泉内閣だって、今、道路公団には税金を入れないなんていって自民党の中でもめている時代に、何でこういうことになるのか。
さっき答弁されましたけれども、こういうものこそ削減するということで初めて投資的経費も減らしています、聖域なきにやっていますというふうにいえるんじゃないですか、どうでしょう。
○松澤財務局主計部長 地方公共団体が行う投資的経費、公共投資のとらえ方の問題でございますが、公共事業については、基本的には地方団体が行う公共事業は、都民の生活のために密着したものも含め、基盤整備を行うものも含め、そういう形でやっているわけでございまして、この首都高の公団の貸し付けについても、交通渋滞を解消するなど東京における社会資本の整備を進める上で必要だということで、これまでルールに従って国と折半で負担しているというようなこともございますし、そこら辺はとらえ方の問題でございますし、また、来年度予算は大幅に増額が出てきているというお話もございましたが、これから予算編成の中で、重要施策との関連もございますが、そういうことを踏まえまして適切に対応していくべきものと考えております。
○木村委員 とらえ方だといいますけれども、そんなことをいうと、ことしの予算議会での議論をもう一回蒸し返さなければならないと思いますけれども、その時間がないからやめますよ。ただ、その査定の最後の結論はよく注意して見守りたいというふうに思います。
ところで、重要施策百八十八事業、各局から出ましたけれども、その中に衛生局から上がっている新たなウイルス肝炎総合対策というのがありますね。これはどういうものか、説明してください。
○荒川知事本部企画調整担当部長 衛生局から重要施策としてウイルス肝炎対策の立案が提出されてございますけれども、その中身は、一つは、肝炎ウイルスに感染している可能性の高い四十歳から七十歳を対象に、五年間で集中的に肝炎ウイルス検査を基本健康診査において実施するとともに、さらに必要がある場合は、医療機関において精密検査を実施すること。二点目が、医療費助成の関係ですが、ウイルス肝炎は、現在、稀少性がある病気とはいえず、一定の治療法が確立していることから、既存の難病医療費助成--現在難病医療費助成の対象になっておりますけれども、それを見直しまして、早期発見から早期治療を目指した新たな入院費助成制度を導入するなど、総合的な肝炎対策を講じていくことを立案しております。
○木村委員 総合的に肝炎対策を進めるということについては、当然のことなんですね。これは、中身を見ますと、国がそういう新たな事業に踏み出したということを受けて、東京都としてもそれに対応するという形で重要施策に上がっている。
ところが、今話されましたように、一方で既存の医療費助成については見直すと。早期発見早期治療というのは非常に大事だと僕は思いますけれども、難病患者に対する医療費助成の見直しということで、慢性肝炎、肝硬変、ヘパトーム--肝細胞がんを助成の対象から外すということが既に報道もされておりますし、非常に問題になっているわけですね。この対象から外される慢性肝炎、肝硬変、ヘパトームの人たちというのは、東京都の単独の難病医療助成を受けている四万八千人のうちの三万一千人を占める。全体の六五%、これが見直しと称して対象から外されるんですよ。
医療専門家の指摘なども最近は非常にあるんですけれども、この慢性肝炎や肝硬変、ヘパトーム患者というのは、圧倒的にはC型肝炎の感染に起因するものが多い。C型肝炎というのは、その多くが輸血や予防注射、あるいは注射器の使い回しとかいう不潔な医療行為によって引き起こされたもので、今はだんだん数は減っていますけれども、原因性疾患というんですか、要するにそういう社会的な原因で起こされている。つまり、血友病患者に対するHIV感染、あるいは乾燥の硬膜使用というんですか、ヤコブ病などと同様に、感染防止に対して十分な対策をとっていなかったことが原因で引き起こされた難病、つまり、それは何かというと、公的な責任が厳しく問われる分野なんですね。
だから、国が何がしかの新たな、そういう意味でこの問題は大事だということで始めたから、それにいろいろ総合的とか早期治療とかということで重要施策で上げるということで、重要施策に上がっている同じ重要施策の分野の中で、公的責任が厳しく問われなければならない、しかも、都単独事業の医療費助成の六割以上を占めるものが打ち切られるという矛盾ですね。これは、私は重要施策の中に入っているだけに、都政としては非常に厳しい矛盾だというふうに思うんですね。
そういうものが重要施策の中に上がっていることについては、何らかの見解をお持ちでしょうか。
〔「どこか常任でやれよ。各論に入っちゃうと、何だかわけがわからない」と呼ぶ者あり〕
○荒川知事本部企画調整担当部長 肝炎ウイルスについて、現在、検診につきましては、お話がありましたように、国の予算要求、来年度予算要求の中で、来年度も国がウイルス肝炎に関する検診制度を創設する動きがあるということでございまして、創設された場合には、国庫だの導入を図って東京都は推進していく立案内容になっております。
それから、今お話しのありました医療費助成でございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、ウイルス肝炎の病気そのものが稀少性がなくなり、一定の治療方法が確立されているなどの理由で、専門家の報告としまして出ましたのが、既存の難病医療費助成を見直しまして、むしろ早期発見早期治療を目指した新たな医療費助成制度を導入することが望ましいということでございます。それを受けた立案になっております。
このように、肝炎が発病してから治療を行うよりも、早期の検診を行うことで、ウイルス肝炎の早期発見早期治療が可能となり、一貫した肝炎対策を推し進めるというこの立案の内容は理解できるところでございます。
○木村委員 各論で何か文句が出たけれども、私は一つずつだけ挙げたんです。
つまり、一方では引き続き大盤振る舞いが行われている。それは、先ほどいったように、首都高速道路公団などへの無利子貸付など、首都圏メガロポリス構想の骨格をなす大型公共事業に対しては、これだけの厳しい財政事情の中で前年比大幅増というのが行われている一方、このC型肝炎三万一千人、難病の医療費助成を受けている者が切られる。これは、見直しといいますけれども、命にかかわる話です。これについては、国がようやくこの分野で制度を始めようというときに、一方では、それを重要施策として認知しながら、その中でさらにそれをはるかに上回る財源をそれこそ捻出する、スクラップ・アンド・ビルドを展開するというやり方が問われている。
だから、首都圏メガロポリス構想を前提にして重要施策をつくり、その重要施策の財源を経常経費を徹底的に見直すことによってつくり出すんだということの矛盾というのは、都民に対してどんな甚大な影響を、深刻な影響を与えるかということなんです。(「常任でやりなよ、常任委員会で」と呼ぶ者あり)何いっているんだよ。よく聞けよ。
確かに広域的行政の課題というのは、先ほどいわれましたような説明で、そういうものが存在するということは私も認めます。しかし、そういう課題については、例えば現状では、私は中身については反対だけれども、首都圏整備計画などがつくられていって、それを推進するという方向で国土政策が形成されている。政府と自治体がそのために協力し合うというやり方で進んでいるわけです。広域的な行政課題があるから全部放置されているということじゃなくて、今そういう形で取り組んでいる。そのために自治体も挙げて協力をする、その協力の方法についてどうするかということは、絶えず探求しなければいけない。
しかし、だからといって、今、道州制をどうする、特別区再編をどうする、地方自治制度そのものをどうするということに血道を上げるということで解決するのか、そうではない、そんな単純な話ではないじゃないかというのが私のいいたいことなんです。
そして、今やるべきは、いいましたように、まさに住民の命と暮らしを守る、自治体が本来求められているそういう立場でどれだけ力を発揮するかということが今求められているんです。予算編成についてもそうです。だから、我が党は、先日、予算編成については、都民の暮らし、福祉優先の予算編成をということで申し入れをしたところなんです。
そういう意味で、我々は、広域的な行政課題についてほうっておけばいいという立場では決してないけれども、今、挙げて自治体再編、広域自治体、行け行けどんどんという方向は、結局間違っているだけじゃなくて、都民の暮らしに対して甚大な深刻な影響を与えるものだということを申し上げて、私の質問は終わります。
以上です。
○古賀副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古賀副委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時二十分散会
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