個人住宅の耐震化支援に関する決議

 新潟県中越地震、福岡県西方沖地震など近年地震が頻発している。中央防災会議は、平成16年12月に、都心部直下型地震など相対的に切迫性が高い地震による被害想定を公表しているが、それによれば、都内において最大で阪神・淡路大震災の約2倍の1万1000人の死者が予測されている。
 都内には昭和56年以前の基準により建築された木造住宅が70万棟以上存在する。阪神・淡路大震災では、犠牲者の約8割以上が建物等の倒壊による圧死であったことを踏まえれば、これらの木造住宅の耐震化は喫緊の課題である。
 こうした状況の中、国においては、今年度、既存の4つの補助制度を「住宅・建築物耐震改修等事業」として一元化することや「地域住宅交付金」を創設することなど、耐震診断や耐震改修に関する助成制度の充実を図っている。また、世田谷区など都内の区市においても同様の動きが広がりつつあり、東京都の積極的な取組が強く望まれるところである。
 都は、防災都市づくりの観点から、これまで避難道路や避難場所周辺での建替・不燃化に対して助成を行い、成果を挙げてきた。住宅の倒壊防止もまた、地震から居住者の生命を守るだけでなく、道路の閉塞を防ぎ避難の安全を確保するとともに、震災後の復旧費用を低減させるなど、公益の観点から必要な施策である。
 よって、東京都議会は、「防災は防犯と並び都市の生命線である」との認識に基づき都民を災害から守るとともに、首都東京の防災性を高めるため、避難の安全を確保するなど公共性の高い区域については、東京都が住宅の耐震診断及び耐震改修に対し、税制、財政両面からの支援を行うことを強く求めるものである。
 以上、決議する。
 平成17年6月7日
東京都議会
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