東京都出納長櫻井巖君に対する問責決議

 都議会は、地方自治法第100条の権限を付与した「社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会(以下「同委員会」という。)」を設置し、関係者に膨大な記録を請求するとともに、櫻井出納長を始め多くの証人を喚問するなど、これまで精力的な調査を実施してきたところである。
 しかるに、この間の、同委員会を巡る櫻井出納長の言動は、議会を著しく軽視し、同委員会の真摯な調査を妨げる不誠実な対応であった。
 まず、平成17年2月25日の知事記者会見の前日に行った当問題に関する知事への報告では、けが人が出るとの誤った情報を知事に与え、事態を混乱に導いた。また、同委員会が100条権限に基づき再三再四にわたり求めた記録についても、公用車に同乗した者の職氏名等を「記憶にない」などとして提出を頑なに拒み審議を妨害した。さらに、同委員会の設置を受けて執行機関側が設置した東京都社会福祉総合学院に関する調査改善委員会においても、同委員会対策として、証言の事前調整を行うべく画策したことが明らかになった。
 加えて、社会福祉事業団に対する建設費補助の福祉保健局からの支出請求に対し突然執行停止を行ったことである。これは、本人の弁明にかかわらず出納長の職務権限を逸脱したものと言わざるを得ない。
 このような櫻井出納長の言動は、疑惑解明に奔走する同委員会の活動を阻害するばかりか、都議会の権威を失墜させるとともに、都政を著しく混乱させる行為であり、断じて許し難い。
 よって、東京都議会は、東京都出納長櫻井巖君に対し、自らの言動への責任を厳しく問うとともに自覚を促し、猛省を求め問責するものである。
 以上、決議する。
 平成17年6月2日
東京都議会
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