監査結果報告
東京都監査委員 龍円 あいり(都ファースト)
令和6年は614カ所で監査を実施し、161件の指摘及び意見・要望を行い、総指摘金額は約227億円です。
主な指摘事項
- 定例監査
- 変化する社会経済状況を背景として、複雑化する都民ニーズに応じて各局等が行う事業の中から、局ごとに重点監査事項を選定しました。指摘事項等としては、医療人材確保のための、修学資金制度について、債権管理に一部適正でない事務処理があるとともに、滞納金回収の取組強化を求めた事例など、63件の指摘及び意見・要望を行いました。
- 工事監査
- 「品質管理」の検証を重点監査事項として設定し、監査を行った結果、鉄筋工事で品質確認試験が適切に実施されていなかった事例など22件の指摘を行いました。
- 財政援助団体等監査
- 保育施設に対する補助金が、転記ミスや補助要件の誤認識などによる実績報告書の誤りから、過大に交付されていた事例など42件の指摘及び意見・要望を行いました。
- 行政監査
- 都立一時滞在施設の開設や運営に関する訓練が適切に実施されていなかった事例など、8件の指摘及び意見・要望を行いました。
- 決算審査
- 令和5年度の決算では、調定額の多額の過大計上や財産に関する調書の数値の一部誤りなど、26件の指摘を行いました。
- 内部統制評価報告書審査
- 知事が定めた手続きに沿って評価が行われており、報告書の記載は相当であることが確認できました。
- 改善状況
- 過去3年間の指摘事項などは、92.4%が改善されました。
過去から類似の指摘事項が繰り返されている状況が見受けられます。指摘を受けた部署以外においても、同様の誤りを犯すことのないよう努める必要があります。各局等の長においては、各事務事業が担う社会的責任や執行上のリスクについて、組織的に再確認するとともに、自律的なチェックを日常的に行うなど、事務事業の改善に向け、より一層の実効性ある取組を行うことを望みます。
今後とも、都政の公正かつ効率的な運営のため、監査委員の使命を全力で果たし、都民の信頼と期待に応えていきます。