監査結果報告
東京都監査委員 鈴木 章浩(自民党)
令和5年は569カ所で監査を実施し、266件の指摘及び意見・要望を行い、総指摘金額は約33億円です。
主な指摘事項
- 定例監査
- 事業執行上のリスクや社会経済状況等を総合的に考慮し、局ごとに重点監査事項を設定して検証を行いました。その結果、都立公園等の樹木のナラ枯れ被害について、現状把握や将来予測に基づいた対処内容を定めておらず、効果的・経済的な対策が行われていなかった事例など、118件の指摘及び意見・要望を行いました。
- 工事監査
- 「施工条件」の検証を重点監査事項として設定し、監査を行った結果、地下構造物の解体工事において、土質調査や安全な解体方法の検討などが十分に行われておらず、安全対策を適切に行うよう求めたものなど、27件の指摘及び意見・要望を行いました。
- 財政援助団体等監査
- 保育施設に対する補助金が過大に交付されていた事例など、50件の指摘及び意見・要望を行いました。
また、(公財)東京オリ・パラ競技大会組織委員会に対する監査の報告書では、活動全般を包括的に検証し、評価されるべき点、必ずしも適切とは認められない点の両方を示し、監査で明らかになった事項が、都の事業のみならず将来の国際大会の運営などに生かされ、より良い事業の実施に結びついていくよう、所見を述べました。
- 行政監査
- 老朽化した施設等においてユニバーサルデザインの整備基準を満たしていない状況が一部見られたため、計画的な改善を求めた事例など、36件の指摘及び意見・要望を行いました。
- 決算審査
- 令和4年度の決算では、会計処理及び財産に関する調書の計数の一部誤りなど、35件の指摘を行いました。
- 内部統制評価報告書審査
- 知事による評価が手続きに沿って行われており、評価結果に係る記載は相当であることが確認できました。
- 改善状況
- 過去3年間の指摘などは、91.4%が改善されました。
各種監査の指摘には、類似する事務の誤りが複数の職場で発生していることや、過去から同様の事例が繰り返されている状況が見受けられます。局長及び管理者は、どの部署でも起こり得る共通の課題であると認識し、改めて、内部統制の推進を通じた実効性の高い取組を行い、適正・適切な事務事情の執行に努めることを望みます。
今後とも、都政の公正かつ効率的な運営のため、監査委員の使命を全力で果たし、都民の信頼と期待に応えていく決意です。