監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 清水 やすこ(都ファースト)

 過去1年間に都庁や事業所の640カ所で監査を実施し、270件の指摘及び意見・要望を行いました。

主な指摘事項

定例監査
全庁重点監査事項として、都の施設の管理・運営において都民や利用者のニーズに応えるものとなっているか、各局を横断的に検証した結果、各施設の消防用設備について、点検で度々不備が明らかになっているにもかかわらず、対応を行っていなかったものなど、115件の指摘及び意見・要望を行いました。
工事監査
「施設工事等の安全管理」を重点監査事項に設定し、監査を行った結果、擁壁の安定計算において、擁壁が転倒するおそれのある設計となっていたものや、ブロック塀の施工において、倒壊のおそれがあったものなど、29件の指摘を行いました。
財政援助団体等監査
都の監理団体において、搬送業務委託など複数の契約で入札参加者の辞退・失格が多く、実際には限られた事業者間での受注となっており、実質的に競争性が確保されていなかったものなど、70件の指摘及び意見・要望を行いました。
行政監査
指定管理者が選定時に企画提案したサービスが実施されていなかったため、その着実な実施を求めたものなど、29件の意見・要望を行いました。また、各局における情報システムの運用段階における検証を実施し、11件の指摘を行いました。
決算審査
平成29年度の決算では、会計処理及び財産に関する調書の計数の一部誤りについて、16件の指摘を行いました。
改善状況
過去3年間の指摘などは、90%以上が改善されました。

 監査の結果、契約の競争性が担保されていないものや、契約履行の確認不足、積算や補助金の算定誤りなど、複数の局で繰り返し発生している事例が多く見受けられました。各局長及び管理者には、組織の責任者として先頭に立ち、指摘事項の是正・改善のみならず、誤りの根本原因の解消や仕事の進め方の見直しなど再発防止に取り組み、都民サービスの更なる向上に努められるよう望みます。

 私ども5名の監査委員は、今後とも都政の公正かつ効率的な運営のため、監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

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