監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 山加 朱美(自民党)

 過去1年間に657カ所で監査を実施し、問題点の指摘は259件、指摘金額は約5億円です。

主な指摘事項

定例監査
システムを運用開始以来使用していない事例があったため、活用の検討を求めました。また、最低制限価格の情報漏えい事件を踏まえ、「工事契約に係る価格情報管理」を重点監査事項とし、積算情報を記録した電子ファイルにパスワードを設定しないまま共有フォルダに保存していたもの等管理を適切に行うよう求めました。
工事監査
100万円以上の工事を対象に実施した結果、クレーンのつり荷の下に労働者を立ち入らせているなど危険な施工について適切な監督を求めました。また、入札の際に「施工条件」が適切に明示されていないものなど、設計・積算を適正に行うよう求めました。
財政援助団体等監査
補助金交付団体に対し、私立学校の教員数の算定誤りにより過大に交付された補助金の返還を求めました。また、出資団体に対し、都営住宅の不適正使用について継続的な指導を行っていなかったため、指導を適切に行うよう求めました。
行政監査
施設の改変に合わせて速やかに案内板等を更新すべきものなど、更なる利用者サービス向上のために、利用者の視点に立ったサービスの提供や障害者、外国人等への配慮を求めました。
決算審査
平成26年度決算では、財産に関する調書における土地や建物などの登載誤りについて、適正に事務を行うよう求めました。
改善状況
過去3年間の指摘について、約94%が改善されました。

 総じて言えることは、組織内部のチェック機能や異なる部門間の連携が十分に機能していないために、事務処理の誤りや遅れが見過ごされていることです。また、都民目線に立ったサービスの提供に向け改善すべきものも見られました。各局長並びに管理者には、組織の責任者として先頭に立ち、指摘を受けた事項の是正・改善のみならず、誤りの根本原因の解消や仕事の進め方の見直しなど再発防止に取り組み、都民サービスの更なる向上に努めるよう望みます。

 私ども5名の監査委員は、都政が公正かつ効率的に運営されるよう、これからも監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

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