監査結果報告(要旨)
東京都監査委員 山田忠昭(自民党)
過去1年間に580カ所で監査を実施し、問題点の指摘は203件、指摘金額は約6億円です。
主な指摘事項
- 定例監査
- 病院が借り入れた医療機器について、契約に基づく保守点検が行われたか確認していなかったため、安全管理を適切に行うよう求めました。また、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故等を踏まえ、「土木構造物の維持管理」を重点監査事項の一つとし、定期点検で早急な対応が必要とされたものの2年以上にわたり補修を行っていなかったもの等について、改善を求めました。
- 工事監査
- 100万円以上の工事を対象に実施し、鉄筋を正しい方向に取り付けていないものなど不適切な施工について、「品質管理」の観点から適切な監督を行うよう求めました。また、単価設定等の積算誤りも認められたことから、積算を適正に行うよう求めました。
- 財政援助団体等監査
- 補助金交付団体に対し、対象児童数の算定誤り等により過大に交付された補助金の返還を求めました。また、出資団体に対し、団体の規程に反して文書決定を経ないまま金融商品を売買していたものについて、適正な手続きを求めました。
- 財政援助団体等監査
- 補助金交付団体に対し、対象児童数の算定誤り等により過大に交付された補助金の返還を求めました。また、出資団体に対し、団体の規程に反して文書決定を経ないまま金融商品を売買していたものについて、適正な手続きを求めました。
- 行政監査
- 債権管理について、事務手順に定められた督促等を行っていないもの、部署間の引き継ぎが十分でなく債権回収に向けた交渉が滞っていたものなどについて、改善を求めました。
- 決算審査
- 平成25年度決算では、財産に関する調書における出資による権利の登載誤り等があり、適正に事務を行うよう求めました。
- 改善状況
- 過去3年間の指摘について、約92%が改善されました。
監査の結果、総じて言えることは、組織内部のチェック機能や、異なる部門間での連携が十分に機能していないために、事務処理の誤りや遅れが見過ごされていることです。各局長並びに管理者には、組織の責任者として先頭に立ち、指摘を受けた事項の是正・改善のみならず、誤りの根本原因の解消や仕事の進め方の見直しなど内部統制を構築し、再発防止の徹底に努めるよう望みます。
私ども5名の監査委員は、都政が公正かつ効率的に運営されるよう、これからも監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。