監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 高橋かずみ

 過去1年間に594カ所で監査を実施し、問題点の指摘は211件、指摘で明示された金額は約4億円です。

主な指摘事項

定例監査
医薬品の共同購入契約で、納品書の日付など多数の誤りが認められたことから、検収などの履行確認を適正に行うよう求めました。また、発注工事に係る汚職事件などを踏まえ、「工事」を重点監査事項に設定した結果、施工後に事後処理で契約しているものなどについて、事件・事故の再発抑止の観点からも改善を求めました。
工事監査
100万円以上の工事を対象に実施した結果、高所作業時の転落防止や掘削面の崩落防止など安全対策が講じられていないものについて、適切な監督を行うよう求めました。また、単価設定などの積算誤りも認められたことから、適正に行うよう求めました。
財政援助団体等監査
補助金交付団体に対し、施設利用者数の算定誤りなどにより過大に交付された補助金の返還を求めました。また、出資団体に対し、公園の遊具に異常が判明したにもかかわらず修繕などが行われていないものについて、安全確保を求めました。
行政監査
応急対策業務に必要な発災直後における組織体制の機能維持について、職員の参集訓練を平成21年以降実施していないものや非常用発電機燃料の必要量確保などについて改善を求めました。
決算審査
平成24年度決算では、財産に関する調書における、建物の過大登載などについて、適正に事務を行うよう求めました。
改善状況
過去3年間の指摘について約86%が改善されました。

 我が国の経済は、2020年オリンピック・パラリンピック開催を契機に停滞から成長への転換の機運が高まっています。一方、都財政は、都税収入は増収に転じたものの、その先行きは楽観視できません。このような状況下で、施策を確実・継続的に実施するためにも、都政改革をたゆみなく進める必要があります。こうしたことから、事務事業の効率性やサービス向上の観点に加え、都民の安全・安心の観点からも重点的に監査をしていく必要があると認識しています。

 私ども5名の監査委員は、都政が公正かつ効率的に運営されるよう、これからも監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。