監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 小沢昌也(民主党)

 過去1年間に596カ所で監査を実施し、問題点の指摘は248件、指摘で明示された金額は約70億円です。

主な指摘事項

定例監査
重点監査事項の一つである業務委託では、病院の収納業務委託で仕様書等と実際の業務手順が異なっていたため、適切な内容とするよう求めました。また、物品購入契約では、契約を分割することにより入札を行わなかった事例があり、適正に行うことを求めました。平成23年度東京都財務諸表については、会計基準に準拠して作成されていることが認められました。
工事監査
工事請負者への指導・監督では、掘削工事の崩落防止に必要な措置が講じられていない施工があり、安全の観点から適切な監督を求めました。また、検査員と工事監督員の兼務が行われており、検査の公正の観点から任命を適正に行うよう求めました。
財政援助団体等監査
補助金交付団体等に対し、施設利用者数の算定誤り等により過大に交付された補助金の返還を求めました。また、出資団体に対し、現金や金券類の適正管理等を求めました。
行政監査
土地及び建物の運用・管理について、事業用代替地として確保し20年以上経過しているものや、未利用のまま処理方針が定められていないもの、売却等に必要な手続きが滞っているもの等、全体で約56億円の土地及び建物の財産について改善を求めました。
決算審査
平成23年度決算では、財産に関する調書に登載漏れ等があり、財産計上額の把握を適正に行うよう求めました。
改善状況
過去3年間の指摘について約78%が改善されました。

 都は、これまで各分野で行財政改革の取組を進めてきましたが、一方で、汚職事件や不適正な事務処理が発生し、都政に対する信頼を損なう等、都民の見る目が一層厳しいものとなっています。こうしたことから、事務・事業の効率化や都民サービス向上に加え、事件・事故の再発抑止の観点からも重点的に検証していくことが、監査の果たす役割として一層重要となっています。

 私ども5名の監査委員は、公正かつ効率的な都政運営が行われるよう、これからも監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

ページ先頭に戻る