監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 石毛しげる(民主党)

 過去1年間に600か所で監査を実施し、問題点の指摘は204件、指摘で明示された金額は約2億7000万円です。

主な指摘事項

定例監査
物品購入などにおける不適正な契約手続き、情報システムの運用支援委託における業務量の過大な算定や不要な機能改善の実施がありました。重点監査項目の1つであるリース契約では、積算根拠が残っておらず契約の妥当性について検証できないものや、短期間しか使用しない機器の全価格を実質的に負担しているものがありました。また、多くのリース契約では期間終了後も再リースが可能なため、検討に備えて契約金額の内訳を把握しておく必要がありますが、その努力が十分に行われていませんでした。
工事監査
工事照明の設備費の積算において撤去のみの単価を用いるべきところに設置と撤去を行う場合の単価を用いていたり、工事請負者への適切な監督が行われていないなど、工事の知識や現場監督経験の不足が原因で、単価設定や数量など基本的事項の間違いや現場の状況を十分把握できていないものが見られました。経験を積んでいない職員による技術業務を改善するため、技術職員の補強や部局を越えた支援体制拡大など、組織的な取組を求めました。
財政援助団体等監査
補助金交付団体などに対し、施設利用者数の算定誤りなどにより過大に交付された補助金の返還などを求めました。また、出資団体に対し、契約事務の改善などを行うよう求めました。
決算審査
平成22年度決算で、財産に関する調書に登載の誤りがあり、現在高の把握を適正に行うよう求めました。
改善状況
過去3年間の指摘について、約88%が改善されました。

 総じて言えることは、コスト意識や問題意識を持って業務を見直していないことや、組織内部のチェック体制などが十分機能していないために誤りなどが見過ごされていることです。管理者は、様々な課題に即応できる高度な知識や能力を備え、都民サービスを更に向上させる気概にあふれた職員の育成に努めるよう望みます。

 私ども5名の監査委員は、都政が公正かつ効率的に運営されるよう、これからも監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

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