監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 大塚たかあき(民主党)

 過去1年間に598カ所で監査を実施し、問題点の指摘は151件、指摘で明示された金額は約2億2000万円です。

主な指摘事項

定例監査
物品購入等の契約で事前に行うべき手続きを事後に行っていた事例、情報通信ネットワーク機器で必要以上に性能が高い機器を借り入れていた事例、各区市町村シルバー人材センターへの運転資金貸付事業を実績が全くないまま継続していた事例等が認められました。不適正経理の改善や事業の見直し等を求めました。
行政監査
各局所管の債権を監査した結果、督促状を発布していないものや催告書等による債務者との交渉が行われていない等の不適切な事例が多数認められました。また、債務者の状況に応じた措置が速やかに行われていない事例も認められました。徴収努力を公平かつ効果的に行うとともに債務者の状況に応じた回収可能性を判断し悪質な者に対しては強制執行等法的措置を執るよう求めました。
工事監査
工事費の単純な積算誤りが認められたため、実効性のあるチェック体制の整備強化等、初歩的な間違いの防止を図るよう求めました。また、重点監査事項として施工管理が適切に行われているかを検証した結果、工事監督の経験不足等により安全が十分に確保できていない事例等が認められたため、若手職員等へ更なる支援体制整備を図る等、組織を挙げた対応に取り組むよう求めました。
財政援助団体等監査
過大に交付された補助金の返還や契約事務の改善等を行うよう求めました。
決算審査
平成21年度決算で、財産に関する調書に登載の誤りがあり、現在高の把握を適正に行うよう求めました。
改善状況
過去3年間の指摘について約88%が改善されました。

 総じて言えることは、組織内部のチェック体制が十分機能していないために、誤りが見過ごされていることです。管理者は、様々な課題に即応できる高度な知識や能力を備え、都民サービスを更に向上させる気概にあふれた職員の育成に努めるよう望みます。

 私ども5名の監査委員は、都政が公正かつ効率的に運営されるよう、これからも監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

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