監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 こいそ 明(自民党)

 過去1年間に707カ所で監査を実施し、問題点の指摘は276件、指摘等の合計金額は約6億2500万円でした。

主な指摘事項

定例監査
特命随意契約を重点的に監査した結果、不適切な事例が37件ありました。各局に、制度の趣旨を踏まえて適切に運営されているか絶えず検証し、契約の公正性・経済性の確保に努めるよう求めました。今回初めて「トップインタビュー」を行い、各局幹部職員に事業環境や運営方針等を確認しました。総じて各局長は的確に把握し、使命感を持ち業務遂行に当たっていることを改めて認識でき、有意義でした。
行政監査
庁舎管理について、災害発生時の、什器(じゅうき)・備品類の転倒・落下防止の措置が不十分である、避難通路の確保がなされてない、PCB廃棄物や薬品類の保管状況が不適切であるなどの事例が、多くの事業所で見受けられました。各局に、庁舎の安全対策に万全を期すとともに、環境対策に率先して取り組んでいくよう求めました。
工事監査
指摘の多くは工事費の積算の誤りです。また、公園の道路舗装において環境負荷の少ない再生材の利用の検討を求めました。更に、「設計変更」を重点監査事項として検証した結果、施工内容を変更する際、契約変更手続を適切に行っていない事例等が認められたため、チェック体制の充実、組織的な支援体制の整備・強化等を求めました。
財政援助団体等監査
過大に交付された補助金の返還を求めました。
決算審査
平成19年度決算を検証した結果、財産に関する調書に過大登載等の誤りがあり、現在高の把握を適正に行うよう求めました。
住民監査請求
平成20年は23件あり、そのうち請求が法的要件を満たしている5件について、監査を実施しました。

 総じて言えるのは、事業の実施に当たり、コスト削減に向けての努力が足りず、不必要な経費を支出していることです。また、事業環境の変化に十分対応していない事例も見受けられました。管理者は、様々な課題に即応できる高度な知識や能力を備え、都民サービスを更に向上させる気概にあふれた職員の育成に努めるよう望みます。

 都政が公正かつ効率的に運営されるよう、これからも、監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

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