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国会・政府への意見書
- 株式会社コムスンの不正行為問題対策に関する意見書(要旨)
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株式会社コムスン(以下、コムスンという。)が不正の手段により事業所指定の申請をしたことを受け、国が6月6日に事業者としての新規の指定・更新をしないよう都道府県などに通知して以来、コムスンの介護サービス利用者やその家族を始め、多くの都民に不安が広がっている。
今回の事件で特に見逃せないのは、都の指導検査において明らかとなった介護報酬の不正請求などに関し、その処分を受ける直前に廃止届を提出するという「処分逃れ」を行ったことである。
さらに、コムスンは、国が通知した日と同じ日に、法の網をかいくぐるになどしい同一グループ内の別会社への事業譲渡を一方的に発表するなど、事業者としての真摯な態度が見られず、国民の相互扶助によって成り立っている介護保険制度の信頼を大きく損ねている。
今後、都民が安心して介護サービスを利用するためには、こうした事態が再発しないよう、利用者の立場に立った具体的な対策の充実が不可欠である。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、次の事項を実現するよう強く要請する。
- コムスンに対し、更新時期までの間は、引き続き利用者の求めに応じた介護サービスを提供させるとともに、新たな事業者への円滑な移行が行われるよう引き続き指導すること。
- コムスンが速やかに適切な移譲先を決定できるよう、国の責任において指導すること。
- 今回の事件で行われた指定取消処分前の廃止届の提出や同一グループ内への事業譲渡は、現行の介護保険法が想定していないものであることから、今後こうした事態を生じさせないため、不適正な事業者の徹底排除に向けた法整備を早急に行うこと。
- 国・地方を通じた税財政制度の見直しに関する意見書(要旨)
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現在、経済財政諮問会議を始め、政府においては、地域間の税源の偏在を殊更に強調し、その是正を図ることが議論されており、近く策定される「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2007」に盛り込まれようとしている。
こうした議論は、地方分権改革のための国、地方を通じた税財政制度の見直しを後回しにし、「都市対地方」の税源の奪い合いに論点をすり替えるものである。
なかでも、法人二税の税収の人口による配分などの見直し論や「ふるさと納税」などは、地方税の応益原則を無視したものであり、地方分権改革の流れに逆行するものである。
このような見直しが実施されれば、東京を始めとする大都市の財源が不当に奪われることとなり、大都市特有の財政需要などにこたえられなくなるばかりか、我が国全体の活力にも悪影響が及ぶことが懸念され、国、地方全体にとって利益にならない。
今一度、地方分権改革の原点に立ち返り、まずは国と地方との役割分担を明確化した上で、それに見合った税財源を確保するための根本的な議論を行うべきである。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、地方税財源の偏在是正の名の下に、東京の税財源を不合理に奪うような見直しを行わないよう強く要請する。
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