国会・政府への主な意見書


私立学校の自主性の確保に関する意見書
 現在、中央教育審議会において教育委員会の見直しが検討されている。その中で、教育委員会が私立学校に対し、指導・助言・援助を行うことが可能となるような「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正について議論がなされている。これは、私立学校の未履修問題に端を発しているものだが、教育問題は、未履修のような部分的な問題だけで論ずるべきものではない。
 そもそも、これまでの教育委員会の見直しの議論は、公立学校の教育改革を目的とするものであり、私立学校を指導する権限の付与を目的とするものではなかった。
 私立学校は、その建学の精神に基づき、他からの関与を受けず自主的に運営されてきたことから、幼稚園から大学に至る一貫教育や男女別教育など、個性的で特色ある教育を実践することができ、今日、高い評価を得ている。これは、近年の公立学校の教育改革に、一貫教育や習熟度別授業など、私立学校の教育成果が広く取り入れられていることからも明らかである。
 公教育は公立学校と私立学校が対などな立場で競い合い、互いに切磋琢磨してこそ発展するものである。公立学校の設置者である教育委員会の指導の下に私立学校を置くことは、私立学校の自主性・自律性を損なうおそれがあり、教育に対する多様なニーズに対応することを困難にするものである。
よって、東京都議会は、現在、国で検討している「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」について、私立学校の教育内容に対する教育委員会による専門的な指導を可能とする改正を行わないよう強く要請する。
正規雇用の推進に関する意見書
 非正規雇用の労働者は、全国で1600万人を超え、役員を除く雇用労働者の3人に1人となっている。これらの労働者は、正社員と比較すると雇用形態の違いばかりでなく、賃金、社会保障、福利厚生などの面で格差が生じている。
 正社員と同じ仕事をしながら、低い賃金に抑えられている例や、いわゆる偽装請負で、生産ラインで同じ仕事をしていながら、不利な労働条件で働いている例も取りざたされている。
 労働者が、個々の事情によって非正規雇用を選択する場合もあるが、正社員を希望しても、それがかなわない状況が続くことは、雇用不安を生み、社会全体の活力を失うことにもなる。
 このため、パートやアルバイトなどの非正規労働者については、その能力や成果を正当に評価するとともに、正社員との均衡処遇を進め、正社員への道を拡大していくことが必要である。
 よって、東京都議会は、正規雇用を推進するよう強く要請する。
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