監査結果報告

東京都監査委員 古賀俊昭(自民党)

 過去1年間に実施した監査の結果、問題点の指摘は220件、不経済支出などの合計は約3億円でした。

主な指摘事項

定例監査
収入未済金について、一部の局において、督促を適切に行っていないなど、債権管理が適切に行われていない事例が見受けられました。多額の収入未済金の発生は、負担の公平を欠き、都政への信頼を損なうことになります。各局には債権管理を徹底し、収入未済金の縮減に一層努力するよう求めました。
行政監査
病院の収入管理について、システムの運用管理も含めて監査を実施しました。この結果、システムが必要な機能を備えていないために、診療報酬に係る未収金の情報が常時把握出来ていない事例などが見られました。システムを活用した収入管理など、事務執行のあり方について見直しを求めました。
工事監査
工事費の積算の誤りが指摘内容の大半を占め、不注意などによるものが少なくありませんでした。チェック体制を強化するとともに、再発防止の徹底を求めました。
決算審査
平成17年度決算について、計数を確認するとともに、予算執行や資金管理、財産管理の面からも検証しました。新公会計制度を円滑に機能させていく上で、財産管理は特に重要であることから、重点的に審査を行いました。その結果、登載の誤りがあり、現在高の把握を適正に行うよう求めました。
住民監査請求
平成18年に住民監査請求があった16件のうち、請求が法的要件を満たす6件について監査を実施しました。

 総じて言えることは、第一に、日常の事務処理が担当者のみで進められ、事務処理の誤りが発生しても見過ごされている事例が少なからず見受けられたこと。第二に、懸案となっている課題について、組織を挙げて取り組む体制が不十分なことです。管理者は課題に取り組む体制づくりに努めるよう望みます。

 最後に、都政が公正かつ効率的に運営されるよう、監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

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