監査結果報告(要旨)

東京都監査委員 樺山たかし(自民党)

 過去1年間に実施した監査の結果、問題点の指摘は253件、不経済支出などの合計は約15億円でした。

主な指摘事項

定例監査
都立高校のパソコン教室に設置しているOAフロアーや机は、リース期間が終わった後も、低価格で利用できるにもかかわらず、長年にわたり新品に取り替えていた事例がありました。毎年継続的に行う契約であっても、ムダや誤りがないか、より良い方法がないか、問題意識をもって事務を見直すことが重要です。
工事監査
工事費の積算の誤りが大半を占めました。また積算プログラムのミスによる事例も複数あり、システム上の誤りは影響が大きいため、早急に改善するよう求めました。
行政監査
情報システムについて監査を実施した結果、事前の調査や経費への配慮が不十分な事例がありました。システム構築に当たっては、徹底したニーズ分析、業務分析が重要であり、システム化の対象となる業務改善をまず行うべきこと、個人情報などのセキュリティ対策に細心の注意を払うべきことなどを付言しました。
決算審査
平成16年度決算について計数を確認するとともに、予算執行や資金管理、財産管理の面からも検証しました。特に財産管理については、4月から始まる新公会計制度を円滑に導入し、機能させていく上で重点的に審査した結果、財産の登載の誤りが21件もありましたことから、現在高の把握を適正に行うよう求めました。
住民監査請求
平成17年に住民監査請求がありました14件のうち、請求が法的要件を満たす2件について監査を実施しました。

 総じて言えることは、担当者が現状の問題に一向に気づいていない例、問題を放置し先送りしている例が少なくないことです。今年は複式簿記・発生主義会計が導入されます。職員のコスト意識を高め、行財政改革を更に進める契機とすべきです。新たな公会計制度を監査の立場から有効に活用し、監査の充実を図ります。

 最後に、都政が公正かつ効率的に運営されるよう、監査委員の使命を全力で果たしていく決意です。

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