監査結果報告

 定例会初日の2月20日に東京都監査委員から、過去一年間の監査結果に対する報告がありました。

監査委員 山本賢太郎(自民党)

監査結果概要

 依然厳しい財政状況の中、都は財政再建推進プランに基づき、内部努力や施策の見直しなどに取り組むとともに、行財政改革を着実に推進してきた。その結果、予算及び各種事務事業は、全体としては適正に執行されているものの、一部に是正・改善すべき事項が見受けられたので、指摘をするとともに、改善・要望などの意見を表明した。

主な指摘事項

定例監査
 重点監査事項として「廃棄物の処理」を取り上げ、循環型社会の実現に向けて、廃棄物発生の抑制、リサイクルの促進など、都が排出事業者としての責任を果たしているか検証した。その結果、産業廃棄物の収集・運搬について規定に反した契約が行われているものなど不適切な事例が見受けられ、環境行政を積極的に推進する都の立場を十分認識し、適切な対応を行うよう求めた。
事業評価手法による行政監査
 この監査は、平成13年度にはじめて取り組んだもので、従来の監査と異なり、都の主要事業について事業評価法を取り入れ、個別に事業を評価することを試みたものである。実施に当たっては、事業が初期の目的を達成しているか、事業の見直しが適切に行われているかなどを主眼とし、十の事業を選定し、個々の対象事業それぞれに着眼点を定め検証したものである。
 一例として、「青海コンテナふ頭整備事業」において、青海コンテナふ頭の新たなバースなどの整備に伴い、コンテナ貨物の増加が見込まれるが、コンテナヤードの拡張が限界に達していることについて、ターミナルゲートの二四時間三六五日フルオープン化を行い、荷役作業時間の拡大など、港湾設備の効率的な運営を行うことがあるとした。
決算審査
 出納長所属各会計について、13局32件の誤りが認められ是正を求めた。また、総括的な意見として「財源不足を解消し、強固で弾力的な財政体質の確立が急務であり、内部努力徹底など財政構造改革を不断に推進し、自主的な財政再建を成し遂げるよう今後とも一層の努力が望まれる」と付すとともに各局事業に意見を付した。
財政援助団体など監査
 写真美術館において、インターネットを活用した情報収集手段を検討し、経費節減を求めたなど、七三件の指摘をするとともに、新都市建設公社の経営の観点から、今後の用地取得のあり方について見直しを検討すべきであるとしたものなど十一件の意見を付した。
工事監査
 中央防波堤内側の既設構造物撤去工事において、土留工事が必要であるにもかかわらず、土留工事を施すことなく掘削しており、安全管理に適切を欠いているものや、電気設備工事に関し、誤って積算が過大となっているものなど、十一件の指摘をした。
住民監査請求
 一年間に公金支出に関するもの一六件、そのほかに関するもの九件の請求があった。
 その結果、却下したもの十二件、勧告したもの三件、棄却したもの十件であった。

 以上、監査結果について述べてきましたが、私達監査委員は、監査の専門性の更なる向上に努め、都における行財政運営の適正性を確保しうるという監査委員監査の基本的な使命を改めて認識し、都民の信頼に応えていきたいと考えております。

 今後とも、都民の期待に応えるべく監査業務の遂行に万全を期してまいります。

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