シングル女性の暮らしに支援を
プラスチック汚染は重大な脅威

シングル女性への支援

質問1
 シングル女性の支援について伺います。

 数年前、一人で生きる女性に目を向けてほしい、政治が見ているのは子供や家族がいる人だけなんじゃないかといわれて、はっとしました。小池都政は、結婚や少子化ばかり強調しますが、多様な生き方を応援し、都民にもメッセージとして届ける必要があります。

 今日は、当事者の女性たちから聞いてきた声を基に質問します。

 一人で生きるシングル女性は、男性より収入が低く、貧困になりやすい、性暴力やハラスメント被害に遭いやすい、家族のケア負担を担わされやすいといわれます。これは、ジェンダー不平等が根底にあります。

 SNSでは、私が退職した本当の理由というハッシュタグで、女性たちが職場の上司や取引先からセクシュアルハラスメントや性暴力に遭い、被害を会社に相談しても適切に対応されず、心身を病み、退職した経験をつづっています。働く場で、女性たちが性暴力やハラスメント被害に遭っていることを都はどう認識していますか。

答弁1
産業労働局長
 職場でのセクシュアルハラスメントについてでございます。

 働く女性に対するセクハラは、個人の尊厳を不当に傷つけ、就業環境を害する社会的に許されない行為であり、あってはならないものであります。

質問2
 シングル女性は、身近に支える人がいなかったり、生活のために、つらくても仕事を辞められないことも多くあります。ハラスメント被害に遭ったとき、会社のコンプライアンス窓口に相談しても、証拠探し、病院、全て自分が対応した、誰も助けてくれないという実態を、都は把握していますか。

答弁2
産業労働局長
 セクシュアルハラスメントの実態の把握についてでございます。

 都は、職場における男女平等に関する調査の中で民間企業の実態を調べるとともに、労働相談情報センターにおけるセクハラの相談を通じて、様々な状況を把握しております。

質問3
 労働相談情報センターは、ハラスメント解決の力になれる窓口です。相談体制を強化し、周知すべきです。いかがですか。

答弁3
産業労働局長
 セクハラの相談体制と周知についてでございます。

 都は、セクハラなど女性社員等の悩みに対応するために設置した労働相談情報センター青山事務所をはじめ各種の支援窓口において、引き続きリーフレット等により周知してまいります。

質問4
 女性の半分は非正規雇用です。就職氷河期世代の四十代女性は、いろんな仕事をしてきましたが、正社員は二回だけ、少ない給料から低年金の両親に仕送りもしています。将来の見通しは持てず、とにかく今がすごく大変と話します。

 家父長制が根強く残る日本では、男性は正社員で家計を支え、女性は家族のケアを担うので、非正規でも低賃金でもいいとされてきました。さらに、政策的にも非正規雇用を増やしてきました。その構造がシングル女性の困窮を生み出していることについて、知事はどう認識していますか。

答弁4
産業労働局長
 非正規雇用についてでございます。

 働く場における男女の平等参画は十分でなく、男女の賃金格差などにつながっております。都は、女性が活躍できる職場づくりや、非正規雇用の処遇向上を図るための正社員化に取り組む企業を後押ししております。

質問5
 望む人が正社員で働けるよう、非正規から正規雇用に転換する事業を拡充すべきです。知事、いかがですか。

答弁5
知事
 正規雇用への転換の取組についてであります。

 都は、中小企業が非正規雇用の方の正社員化に取り組む場合の支援等を行っておりまして、来年度は賃上げなどを行う企業に手厚い支援を進めてまいります。

質問6
 低賃金は低年金につながります。六十五歳以上の一人暮らし女性の相対的貧困率は、四割を超えます。高齢者の困窮は、現役世代にとって自分の未来そのものです。

 シングル女性の当事者団体アンケートでは、働ける限り死ぬまで働くという人が六五%と深刻です。

 八十歳の女性は、三十五年間厚生年金に加入したのに、年金は、介護保険と後期高齢医療保険料が引かれると、手元には十万円。初任給からの賃金格差のために、年金が少ないといいます。

 七十代女性は、物価高でスーパーに行くのが怖い、何を食べたらいいのかといいます。

 都は、男女平等参画推進総合計画で、高齢女性の暮らしの現状について、一八四ページ、第四パラグラフでどう書いていますか。

答弁6
生活文化スポーツ局長
 都の男女平等参画推進総合計画についてでございますが、計画には、相対的貧困率は高齢期に高く、男性より女性の方が高い傾向がある旨、記載しております。

 女性が置かれている状況は様々でございまして、都は、全ての女性が希望に応じた生き方を選択できるよう取り組んでおります。

質問7
 こうした高齢女性の経済的な苦しさをどう認識していますか。高過ぎる介護、後期高齢保険料に支援を求めます。いかがですか。

答弁7
福祉局長
 介護保険料等に関するご質問にお答えいたします。

 介護保険及び後期高齢者医療の各制度は、保険料や公費等によって運営することとされておりまして、都は法令等に基づき、国や区市町村と共に応分の負担をしております。

質問8
 女性の一人暮らしは、安全確保のため、男性ならしなくてもいい対応をしています。一年中カーテンは閉めたままという話も何人も聞きました。

 シングル女性に共通した切実な課題は、安全で質のいい住まいに住めるかどうかです。強盗や強姦が怖い、三階より下には住めない、夜道が暗くない、駅やバス停に近い、壁が薄くない、オートロック。横浜市の単身者調査では、一人暮らしは家賃負担がより重くなる傾向がある上に、シングル女性は、安全のために住宅コストが高くなりやすいことが明らかになっています。都はどう認識していますか。

答弁8
住宅政策本部長
 単身世帯の住まいについてでございます。

 横浜市在住の単身世帯に対する住居費の負担感などについての調査があることは存じております。住まいの状況やニーズは様々であり、都は、都民がニーズに応じた住宅を取得できる環境整備に向け、総合的に取組を推進しております。

質問9
 横浜市の調査では、住まいのサポートで一番に求めることが家賃補助です。家賃が高い東京でこそ、家賃補助が必要ではありませんか。また、都営住宅に現役世代の単身者が入れるようにすべきです。いかがですか。

答弁9
住宅政策本部長
 単身者への家賃補助と都営住宅への入居についてでございます。

 家賃補助制度は、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識しております。

 また、都営住宅は、原則として同居親族のある世帯を入居対象としており、単身者については、特に居住の安定を図る必要のある高齢者世帯等に限り、対象としております。

質問10
 住宅トラブルがあったときに、女性一人と分かると管理会社の態度が明らかに変わり、まともに対応してくれなかったという経験も口々に語られました。

 騒音の苦情をいったら、報復のように男性からドアをどんどんとたたかれ、管理会社も対応してくれず、引っ越した話も聞きました。住まいについて、賃貸ホットラインや消費生活相談窓口には、どういう相談が寄せられていますか。

答弁10
住宅政策本部長
 不動産相談での賃貸借に関する相談についてでございます。

 主なものとして、退去時の原状回復、重要事項説明や契約内容、入居中の設備の修理等に関するものなどがございます。

生活文化スポーツ局長
 消費生活相談での賃貸住宅に関する相談についてでございますが、主なものとして、退去時の原状回復費、設備の不具合、更新料に関するものなどでございます。

質問11
 都の相談窓口は、見つけることが大変な上、電話がなかなかつながりません。住まいの相談窓口の周知を強め、相談時間を延ばし、体制を強化するべきではありませんか。

答弁11
住宅政策本部長
 不動産相談窓口についてでございます。

 都では、賃貸住宅等に関する相談に対応するため、開庁日の午前九時から午後五時三十分まで電話で相談を受け付けるほか、予約制による対面相談を実施しております。チャットボットにより、時間外の問合せにも対応しております。

 今後とも、ホームページやリーフレット等で周知いたします。

生活文化スポーツ局長
 消費生活相談窓口についてでございますが、東京都消費生活総合センターでは、消費者トラブル等に関する様々な相談について、日曜、祝日等を除き午前九時から午後五時まで、電話及び来所で受け付けております。

 ホームページや消費生活情報誌等で、都及び区市等の消費生活相談窓口を広く周知しておりまして、全体で年間約十三万件の相談に対応しております。

質問12
 シングル女性向けのシェアハウスの話をすると、ぜひ入ってみたいという声が次々に寄せられます。人と緩やかにつながり、助け合って暮らしたいと思う方は多いのではないでしょうか。都は、こうした住まいのバリエーションを増やす大切さをどう考えていますか。

答弁12
住宅政策本部長
 都民の住まいのバリエーションについてでございます。

 少子高齢化や単身世帯の増加、ライフスタイルの多様化など、都民の住生活を取り巻く社会情勢は変化を続けており、こうした変化を的確に捉え、住宅施策を総合的かつ計画的に展開していくことが重要と認識しております。

質問13
 住宅供給公社と連携し、進めることを提案します。いかがですか。

答弁13
住宅政策本部長
 東京都住宅供給公社における支援についてでございます。

 公社では、親族以外の成人二名で一つの部屋に入居できるルームシェア制度を導入するなど、多様なニーズに応える住まいを提供しております。

質問14
 東京は、単身世帯が半数で、全国で最も多く、都政が取り組むべき課題です。

 特別区長会はミドル期シングルについて研究し、まず、政策対象として認識し、日常生活のニーズの把握が求められると報告しています。都も政策対象とし、実態調査も求めます。知事、いかがですか。

答弁14
生活文化スポーツ局長
 単身女性に関する施策についてでございますが、都は、単身や家族と同居など様々な状況にある女性について、各種調査等により把握しまして、全ての女性が自らの希望に応じた生き方を選択できるよう、施策に取り組んでおります。

質問15
 困り事は、自己責任の問題でなく、相談していいと気づける場があることが大切です。都として、シングル女性の居場所、相談支援を始めるべきではありませんか。

答弁15
生活文化スポーツ局長
 単身女性の居場所や相談支援についてでございますが、都は、東京ウィメンズプラザにおきまして、職場の人間関係や親子の問題など女性からの相談に応じるほか、同じ悩みを抱える方が交流できる場を提供しております。

 また、同様の活動を行う民間団体等へも施設を貸し出しております。

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樹木の価値

質問1
 次に、気候危機対策として大切な樹木を増やすことです。

 気温上昇が進む中、欧米もアジアも、都市の樹木を増やすことを進めています。ところが、東京には目標も計画もありません。

 私の地元豊島区は、公園の一人当たりの面積が二十三区でワースト一。樹木の枝葉で覆われる地面の面積の割合、樹冠被覆率も低く、樹木が身近な存在とはいえません。

 韓国ソウル市は、四十万株の木を植え、中心部に緑の回廊をつくることを目指しています。

 樹木は暑さを緩和し、CO2や大気汚染物質を吸収し、降雨を受け止めます。生き物の生息空間も確保します。知事は、こうした都市における樹木の役割や環境への影響をどう認識していますか。

答弁1
環境局長
 樹木の機能についてでございますが、緑には、人々の安らぎや潤い、防災、都市の風格、都市環境の改善に加え、鳥や虫といった生物の生存基盤など、多面的な機能がございます。

質問2
 アメリカでは、ニューヨーク市が樹冠被覆率を三〇%に上げるために樹木を増やすなど、六十三都市で目標があります。

 私は、アメリカ政府の方から直接伺いました。お話から学んだのは、樹木の価値を可視化することで、政府の予算を確保し、市民の理解も広げているということです。

 各自治体は、政府が開発したプログラム、i-Treeを用いて、一本一本の樹木が環境にもたらす効果やその金銭価値、街路樹があることでどれだけ地域の価値が上がるかも市民に知らせます。そうした中で、市民も参加し、樹木を増やし、育て、落ち葉の掃除も行うようになっています。

 樹木が持つ環境への影響力とその価値を都民に見えるようにし、分かりやすく共有することが大切ではありませんか。

答弁2
政策企画局長
 樹木の機能の見える化についてのご質問にお答えします。

 東京グリーンビズマップにおいて、樹木への興味、関心を高めるために、代表的な樹種について、炭素吸収量や雨水遮断の量などの参考値を掲載しております。

質問3
 都は、世界の努力に逆行し、樹木を大量伐採しますが、必要なのは、安易な伐採を規制し、樹木を増やし、生かすことです。

 フランスのリヨンは、街路樹が約九〇%伐採されたことで市民の運動が起こり、樹木憲章が制定されました。官民学、全ての関係者に、都市樹木の価値や保全の具体的なアクションを示し、街路樹の哲学書として活用されています。今では、樹木政策の先進都市になっています。都として、樹木保全条例を制定することを提案します。知事、いかがですか。

答弁3
環境局長
 都市部の緑を保全する取組についてでございますが、都はこれまでも、街路樹の適切な維持管理や屋敷林などの保全、生態系に配慮した企業緑地の拡大など、緑を守り育てる多面的な取組を実践しております。

質問4
 樹木を増やす計画をつくり、樹冠被覆率の目標を持って取り組むことが必要ではありませんか。

答弁4
環境局長
 東京の緑についてでございますが、都はこれまでも、街路樹の計画的な剪定などを通じた樹冠拡大による緑陰確保に取り組んでおります。

 なお、都は、緑の多様な機能に着目したみどり率を用いて、緑地などの現状や推移を把握しております。

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プラスチック汚染

質問1
 最後に、プラスチック汚染についてです。

 プラスチックは、海だけでなく、大気や土壌を汚染し、人の健康への重大な脅威となっています。また、原料はほとんどが石油で、気候危機の原因にもなっています。

 プラスチックはつくった直後から劣化が始まり、ペットボトル一本には十二万個のナノプラスチックが含まれていたとの調査もあります。こうした小さなプラスチック粒子は、人の血液や臓器に入り込み、心筋梗塞や脳卒中などになったり、亡くなったりするリスクが高くなることが疫学調査で明らかになっています。

 また、プラスチック製品には、劣化を抑えるために化学物質、添加剤が加えられていますが、男性の精子の数の減少、女性の子宮内膜症、乳がんの増加、流産に関連している疑いが持たれています。

 国際プラスチック条約を制定するための政府間交渉が重ねられています。各国の意見が反映された最終的な条約の素案には、条約の目的は、人の健康と環境をプラスチック汚染から守るためだと述べています。都も、この到達点に立ち、健康と環境の観点で取り組むことが必要ですが、知事はどう認識していますか。

答弁1
環境局長
 プラスチック対策についてでございますが、プラスチックのリデュース、リユースを徹底した上で、水平リサイクルを進めることに加え、プラスチックによる海洋汚染防止に向け、プラスチックごみの流出を抑制する必要がございます。

質問2
 私たちはプラスチック製品を避けて暮らすことはできません。健康影響、環境汚染、気候危機を考えれば、プラスチック製品の総量を減らすことが必要です。プラスチック製品の総量を減らす必要があることをどう認識していますか。

答弁2
環境局長
 プラスチック製品の削減についてでございますが、プラスチックの使い捨ての見直しやリユースを徹底した上で、水平リサイクルを進めることが必要であり、都は、都民への情報発信や、事業者、区市町村への取組支援を行っております。

質問3
 プラスチックごみを減らすために、都からメーカーに対し、プラスチック製品の製造を廃止、見直しを働きかけることを提案します。いかがですか。

答弁3
環境局長
 プラスチックごみの削減についてでございますが、都は、プラスチックの持続可能な利用に向けて、リデュース、リユースを徹底した上で、水平リサイクルの取組を進めております。

 加えて、使い捨てプラスチックの削減やリユース容器への切替えなどを促す制度の構築を国に要望しております。

質問4
 ペットボトルはワンウエープラスチック、使い捨てプラスチックの代表です。ペットボトルからマイボトルへ、東京からマイボトルの推進を提案します。いかがですか。

答弁4
環境局長
 マイボトルの推進についてでございますが、都は、リユースを基調とした社会の実現に向け、企業、大学、メディアなど、様々な主体と連携した普及啓発を実施しており、マイボトルの利用を継続的に推進しております。

 加えて、地域の実情に応じて、区市町村が行うマイボトル推進などの施策への支援を行っております。

質問5
 人工芝は、摩耗することが前提のプラスチック製品です。国内の川や海で見つかるマイクロプラスチックで多いのが人工芝です。都内で人工芝を使うことを規制すべきです。いかがですか。

 答弁を求め、質問を終わります。

答弁5
環境局長
 マイクロプラスチック対策についてでございますが、都は、プラスチックによる海洋汚染を防ぐため、3Rの推進のほか、動画による流出抑制の必要性の啓発や清掃活動への参加などを促す取組を推進しております。

 加えて、人工芝からの流出防止については、施設管理者や利用者向けのガイドラインなどで対策を周知しております。

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