放課後等デイサービス利用支援
希望する看取りがかなう環境を

障害児家庭支援

質問1
 都民ファーストの会こまざき美紀です。区民の声、都民の声を形にすべく、全力で取り組んでまいります。

 質問に移ります。

 都は、〇一八サポート、給食費や高校の無償化など、子育て世帯の経済的負担軽減と学びの選択肢を広げる施策を進めています。

 一方、障害児支援サービスの費用負担について、現場からは支援拡充を求める声が上がっています。

 放課後等デイサービスの利用には、収入に応じた負担上限月額があり、非課税世帯で負担ゼロ、世帯収入約九百万円までが四千六百円、それを超えると跳ね上がり、三万七千二百円となります。放課後等デイサービスは、学童クラブと同様に子供の放課後の居場所であり、地元北区の学童クラブは月五千円で利用できます。

 そこで、千代田区、中央区では無償化、荒川区では費用負担軽減策を講じています。

 都も所得によらず障害児の放課後の居場所や発達を支援するため、こうした自治体の取組を後押しする補助制度、あるいは都独自で支援制度を設けるなどの施策が必要です。

 障害の有無にかかわらず放課後を過ごせる環境づくりに着手すべきと考え、都の見解を伺います。

答弁1
福祉局長
 放課後等デイサービスの利用者負担についてでございますが、学齢期にある障害児の生活能力の向上を図るため、障害の状態や発達の状況に応じて自立支援や体験活動などのサービスを適切に提供することは重要でございます。

 放課後等デイサービスを利用した場合、児童福祉法などに基づき、児童の保護者がサービス提供に要した費用の一割を原則として負担することとなっておりまして、国は負担上限月額を保護者の収入に応じて設定しております。

 都は、障害児が地域において必要なサービスを受けられるよう、区市町村における独自の取組、事業所ごとの児童の年齢や障害の程度、利用状況などについて、今月から調査を実施しておりまして、今後、課題の把握を行ってまいります。

質問2
 さらに、放課後等デイサービスの数の不足や福祉サービスの質の担保も重要な課題です。特に、重症心身障害児が通う放課後等デイサービスが不足しており、遠方への送迎や保護者の離職につながるケースもあります。

 これらの課題解決に向け、都では、都型放課後等デイサービス事業により事業所への補助を実施していますが、十月末時点で僅か二十二事業所にとどまっています。

 そこで、より多くの事業所で取り組まれるよう、本事業のさらなる普及啓発の推進が必要と考えますが、都の見解を伺います。

答弁2
福祉局長
 都型放課後等デイサービス事業についてでございますが、都は、放課後等デイサービスの質の向上を図るため、経験豊富なコア職員の配置、十九時までのサービス提供、送迎の実施など、都が定める要件を満たす事業所を独自に支援をしておりまして、今年度から、より柔軟にサービスの充実に取り組めるよう、要件の充足状況に応じて補助金額が算定される仕組みへと改善を行いました。

 また、本事業への参入を促すため、事業所との個別相談を実施するほか、都のホームページでは制度の解説に加え、今月から新たに説明動画を公開しておりまして、今後もより多くの事業所が本事業に取り組めるよう、さらなる普及啓発を推進してまいります。

質問3
 ベビーシッター利用支援事業は、子育て家庭が必要な際にベビーシッターを利用できるよう、子供一人当たり一時間二千五百円、年間百四十四時間までの利用を補助するものです。

 保護者の負担を考慮し、多胎児家庭向けには子供一人当たり二倍の年間二百八十八時間まで利用できます。

 一方で、障害児家庭の場合、健常児のご家庭と同じく、子供一人当たり年間百四十四時間までしか利用できません。障害児家庭の負担は非常に大きく、一般的な母親よりも十倍も重度の抑鬱状態に陥りやすいというデータもあります。

 また、医療的ケア児の場合、夜間のたん吸引などが必要なため、保護者の約七割が慢性的な睡眠不足であることが報告されています。

 そこで、障害児家庭について、多胎児家庭と同様に制度を拡充すべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁3
福祉局長
 ベビーシッター利用支援事業についてでございますが、都は、令和二年度から日常生活上の突発的な事情等により一時的に保育を必要とする保護者に対しまして、ベビーシッターによる保育を提供する区市町村を支援しております。

 今年度、区市町村や事業者団体に対しヒアリング等を行ったところ、障害児を育てる家庭では、障害児の特性への配慮や他のきょうだい児の育児との両立など、特有の悩みを抱えていることを確認いたしました。

 障害児を育てる保護者の悩みに寄り添い、その負担を軽減できるよう、今後、ベビーシッターのさらなる活用について検討してまいります。

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不登校支援の拡充

質問1
 都内の小中学校の不登校児童生徒数は、十一年連続で増加しており、令和五年度には三万四千百九十九人と過去最多を更新しました。

 こうした中、都は、フリースクールを利用する児童生徒への支援や、チャレンジクラス、チャレンジスクールの新設など、新しい取組を進め、まさに学びの多様化を実践してきており、当事者や団体から高い評価を得ています。

 中でも、我が会派の求めを受け、フリースクールに通うお子さんのご家庭に対する支援が利用料助成として制度化され、事業者への支援も始まった令和六年度は、不登校児童生徒を取り巻く環境が大きく変化した一年となりました。

 私の下には多くの感謝と希望の声が届いており、この流れが全国に波及し、子供たちの育ちの環境が改善していくことを心から願っています。

 都として、今年度の取組を踏まえながら、困難を抱える子供に寄り添った支援のさらなる充実を図っていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

答弁1
知事
 フリースクール等への支援についてのご質問でございます。

 いわゆる不登校が増加の一途をたどる中、学校生活になじめず生きづらさを抱える子供が自分らしく成長できる環境を創出するということは喫緊の課題でございます。

 このため、都は今年度より、フリースクール等への支援制度をスタートいたしました。利用料に対する支援につきましては、現時点で当初の想定を上回る二千件を超える申請をいただくなど、本制度への期待の大きさを実感いたしております。

 この制度を一層充実させていくため、利用者の声やニーズの丁寧な把握、分析を通じまして、より利便性の高い内容に改善を図るなど、ユーザー目線を徹底し、政策に磨きをかけてまいります。

 実効性の高い取組を推進し、子供の成長をきめ細かくサポートしてまいります。

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医療・介護政策

質問1
 都は、令和六年三月、都立病院粒子線治療施設整備計画により、陽子線治療施設を駒込病院に整備することとしました。

 陽子線治療は、副作用の軽減や二次がんリスクの低減が期待され、特に小児がん患者において、健康な組織への影響を抑えられる重要な治療法です。

 現在、都内に陽子線治療施設は一つもなく、治療が必要な小児がん患者やそのご家族は遠方での治療を余儀なくされており、早期の運用開始が待ち望まれています。一方で、陽子線治療が予定されている駒込病院には、現状、小児科があるものの、残念ながら小児がん治療には対応しておりません。

 小児がん治療は、子供たちの命と人生を守る最後のとりでとなっており、陽子線治療を行うに当たっては、成人だけでなく小児がんにも対応すべきです。

 令和十二年度の陽子線治療施設整備を見据え、駒込病院における小児がん患者への陽子線治療の提供について、早急に医療体制整備の検討を進める必要があると考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
保険医療局長
 都立駒込病院における陽子線治療についてでございますが、都道府県がん診療連携拠点病院である駒込病院は、都立病院の中で最も豊富ながん診療の実績と充実した診療体制を有しており、高度で専門的ながん医療を提供しております。

 また、小児がん拠点病院である小児総合医療センターは、各診療科が連携して包括的ながん医療を提供しております。

 こうした都立病院が有する強みを生かしながら、小児から高齢者まで幅広く陽子線治療を提供するため、都立病院機構において、駒込病院と小児総合医療センターの連携による小児がんの診療などについて検討し、準備を進めてまいります。

質問2
 がんは、日本の主要な死因の一つであり、二人に一人が生涯がんに罹患するリスクがあるといわれています。しかし、早期発見と適切な治療により治癒可能な場合も多いため、がん検診の受診率向上は非常に重要です。

 都は、いわゆる五大がんの検診受診率を令和十一年度までに六〇%以上とする目標を掲げていますが、現在の都内の受診率は五〇%前後です。

 また、区市町村が実施する対策型検診の受診率を見ると、六〇%以上の自治体もあれば三〇%未満の自治体もあり、大きなばらつきがあります。

 あわせて、がん検診を適切な治療につなげるため、検診後の精密検査の受診率などについても改善が必要です。

 都として、がん検診や精密検査の受診率向上などに向け、区市町村を積極的に支援すべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁2
保険医療局長
 がん検診への支援についてでございますが、がんを早期発見、早期治療し、死亡率減少につなげるには、がん検診の受診率や精度管理の向上が重要でございます。

 このため、都は、一次検診や精密検査の対象者に対し、個別の受診勧奨などを行う区市町村を支援しております。また、受診率向上などに関する先駆的な取組例を共有するほか、区市町村別に受診率等を評価し、都の支援策の活用など、改善に向けた助言を行っております。

 今後、全ての区市町村が精密検査の受診勧奨をより効果的、効率的に行える仕組みを検討するなど、地域の実情も踏まえながら、区市町村のがん検診の取組をさらに後押ししてまいります。

質問3
 厚労省の調査では、六三・五%の国民が自宅で最期を迎えたいと希望していますが、二〇二〇年の在宅死は僅か一五・七%にとどまっています。共働きや核家族化が進む中、家族が介護を担えず、病院で最期を迎える方が多くいらっしゃるのが現状です。

 在宅医療が普及しない要因として、現場からは、医療、介護の連携不足、ICTスキルのばらつき等が挙げられています。

 東京都のアドバンス・ケア・プランニングの取組はもとより、在宅医療の拡充に向け、多職種連携の体制の強化やICT化の支援促進により、希望するみとりがかなう環境を整えるべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁3
保険医療局長
 みとり環境の整備についてでございますが、都は、人生の最期を望みどおり迎えられるよう、患者自らが望む医療やケアを家族や医療、介護関係者などとあらかじめ話し合い、共有する取組を推進しております。

 また、医療、介護関係者の連携を強化するため、在宅療養に関わる多職種の人材育成や、関係者間の情報共有を促進する多職種連携ポータルサイトの運用に取り組みますとともに、デジタル技術を活用した連携づくりを進める区市町村を支援しております。

 今後、こうした取組を一層推進し、みとり期の在宅療養患者を支える環境を整備してまいります。

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教員の働き方改革

質問1
 中学校の部活動が地域団体や民間事業者等による地域クラブ活動に移行することは、教員の働き方改革に寄与するだけでなく、指導の専門性が高まり、子供たちの技能向上にもつながると期待されています。

 一方で、地域移行の実現には、人材の安定的な確保と質の向上が課題であり、都教委の取組を伺います。

答弁1
教育長
 部活動の地域移行に係る人材の確保についてでございますが、区市町村が中学校の部活動の地域移行を希望する場合、スポーツや文化芸術の分野で高い専門性や指導の力を持つ人材の確保を後押しすることは重要でございます。

 都教育委員会は、昨年度から、体育大学や音楽大学等と協定を締結し、部活動の地域移行を進める中学校へ学生が出向き指導する仕組みを導入しております。スポーツ、文化芸術団体に対しまして、TEPROの人材バンクへの登録を働きかけてもおります。さらに、そうした団体に対し、指導等を適切に行うことに役立つ研修動画の活用を促しているところでございます。

 今後、大学等の連携の拡充や研修動画の内容の充実に力を入れてまいります。

質問2
 また、地域移行により、保護者からは経済的負担が増すのではないかとの不安の声も寄せられています。費用面に限らず、様々な思いや願いを生徒、そして保護者が持っているはずです。そのため、生徒や保護者の意見を踏まえて、部活動の地域移行を推進すべきと考えますが、都教委の見解を伺います。

 現在、国において、困窮家庭への費用負担支援等についての協議が進められています。都としても、全ての生徒が希望する地域クラブ活動に参加できるよう、参加費用負担への支援の検討を要望します。

答弁2
教育長
 部活動の地域移行に関する意見についてでございますが、部活動の地域移行について、参加をする生徒やその保護者の意見を丁寧に聞き、取組の内容へ着実に反映することが重要でございます。

 これまで都教育委員会は、学校と地域の協力により生徒がスポーツや文化芸術に親しむ機会を確保できるよう、保護者等の意見を聞く検討委員会を開催しております。また、昨年度は、生徒や保護者の意向を調査し、部活動が有意義である等の結果が出ております。さらには、今年度は、地域移行についても意向を調査し、現在取りまとめを進めているところでございます。

 今後は、これらの意見を部活動の地域移行を希望する区市町村と共有を進めてまいります。

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ネット上での誹謗中傷対策

質問1
 昨今問題となっているのが、誹謗中傷ビジネスです。誹謗中傷ビジネスとは、SNS等で他者の中傷等を捏造、発信し、それを収益化するものです。

 加害者が収益を上げる一方で、被害者は精神的な苦痛だけでなく、投稿の削除や訴訟の提起など、時間的、経済的負担を強いられています。このように、SNSなどでの誹謗中傷等の被害は深刻です。

 例えば、大阪府や群馬県などでは、こうした被害の対策について条例を制定していることから、都においても条例化などが必要と考えており、検討していくことを今後の要望としておきます。

 インターネット上の誹謗中傷等の対策について、都では昨年度からLINE相談窓口を設置しています。今後は、この相談窓口に一人でも多くの被害者がたどり着けるよう周知強化が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
総務局長
 インターネット上の誹謗中傷対策についてのご質問にお答えをいたします。

 SNSは、匿名性や拡散性が高く、被害者から早期に相談いただき、対応に結びつけることが重要でございます。

 そのため、都では、東京都人権プラザでの法律相談に加え、若年層がより利用しやすいよう、昨年度、LINEを活用した専用窓口を開設いたしました。この窓口では、被害直後の悩みなど様々な相談を受け、法律相談につなげるなど、今後の対応について助言を実施しております。

 今年度から、多くの方にこの専用窓口を知ってもらい、早期の相談につなげられるよう、SNS広告の拡充やLINE相談の友達登録者にプッシュ通知などを行っております。

 今後とも、情報発信の取組を一層推進してまいります。

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ギャンブル等依存症対策

質問1
 ギャンブル等依存症対策について伺います。

 我が会派では、第三回定例会における菅原議員の一般質問において、ギャンブル等依存症対策推進計画を実効性のある計画にするための取組を求めました。

 都は、次期の計画策定のため二回の委員会を開催しており、その中で議論が行われています。

 特に、精神保健福祉センターでの相談事例や国の実態調査の分析を踏まえ、関係者との十分な意見交換を行った上で計画改定を進めています。

 計画策定に当たり、実効性のあるものとするため、民間支援団体との連携をさらに進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
福祉局長
 ギャンブル等依存症対策についてでございますが、都は現在、支援団体や医療関係者などで構成する推進委員会において、関係局と共に、相談支援体制の充実や行政と支援団体との連携推進に向けて議論しております。

 国の実態調査や都の精神保健福祉センターでの相談事例からは、インターネットを利用したギャンブルの増加や若年層への広がりなどが見られまして、委員会では、支援団体との連携等の対応が有効との意見が出されております。

 今後、計画改定に向けまして、支援団体のノウハウやネットワークを活用した効果的な普及啓発や、医療機関受診後の支援団体と連携した継続的な支援などについて、委員会での議論も踏まえながら検討してまいります。

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北区内の浸水対策工事の取組状況

質問1
 昨今の気候変動の影響を受け、今夏、ゲリラ豪雨の被害が各所で見られました。私の地元北区の赤羽駅西口付近や十条仲原一丁目において、膝下したまでつかるほどの浸水被害がありました。

 このようなゲリラ豪雨は、台風の激甚化も重なり、今後頻繁に起こることが想定され、対策の強化が喫緊の課題です。

 浸水解消のためには、調整池を含めた河川整備、幹線や貯留施設などの下水道整備、そして、グリーンインフラを活用したまちづくり対策などを関係者が一体となって推進しなければなりません。

 内水氾濫による浸水被害を未然に防ぐため、現在施工中の下水道の整備等の一日も早い完成を求めるとともに、北区内における下水道局の浸水対策工事の取組状況について伺います。

答弁1
下水道局長
 北区における浸水対策工事の取組状況についてでございますが、下水道局では、四地区を浸水対策の重点地区に位置づけ、雨水排除能力を増強する施設の整備を推進しております。

 現在、赤羽西、赤羽北地区や十条台地区など三地区では、雨水を取り込むための取水管の整備を進めており、堀船、東十条地区では、王子第二ポンプ所の令和七年度末稼働に向け、建築工事やポンプ設備工事などを進めております。これまで四地区全てにおいて新たに築造した下水道管への取水を一部開始し、浸水被害の軽減に効果を発揮しております。

 今後とも、事業の一日も早い完了に向け、施設整備を着実に推進し、安全・安心の確保に取り組んでまいります。

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