海の森公園のグランドオープン
東京港周辺のごみ問題の解決を

海の森公園

質問1
 東京湾の真ん中に緑の森があります。これが海の森です。行ったことのある方なら分かりますが、空は広く、建物は少ない、東京都内とは思えない海上にできたすばらしい空間です。

 都民が海や自然と触れ合い、様々なレクリエーションを楽しめる海上公園は多数ありますが、その中でも、今年度末にグランドオープンを迎えるこの海の森公園は、ごみと建設発生土により地盤が造成され、平成十九年から樹木が生育できるように土壌を整え、その上に大変多くの人々の手により苗木が植樹されたという特別な過程をたどった公園でございます。地元江東区民は、このごみ問題に悩まされていたという負の歴史も持っています。その歴史を、区民をはじめ、多くの都民、そして都が一体となり、未来につながるすばらしい場所に変えてきました。

 この海の森公園のグランドオープンに当たり、公園整備のコンセプトを来園者のみならず、広く都民、そしてもちろん区民にも伝えていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。

答弁1
知事
 海の森公園のコンセプトを伝える取組についてのお尋ねでございました。

 来年三月にグランドオープンを迎えます海の森公園は、東京港のごみの埋立地を美しい森によみがえらせるプロジェクトとして、資源循環と都民協働をコンセプトに整備を進めてまいりました。

 整備に当たりましては、公園や街路樹から出る枝葉を利用した土づくりを行って、苗木は小学生などがドングリから育て、多くの都民と共に、約二十四万本を植樹いたしております。これらの木々はボランティアなどの手で大切に育てられ、現在では美しい森を形成しております。

 こうしたコンセプトや成り立ちにつきまして、未来を担う子供たちをはじめ、多くの都民に伝えていくため、ビジターセンターでの展示や園内での環境学習、さらには、マスコットキャラクター、SNSの活用など様々な取組を展開してまいります。

質問2
 ごみの島を美しい森へよみがえらせてきたこの海の森公園は、都心近くにありながら、都会の喧騒から離れ、豊かな自然に浸れる貴重な空間であるとともに、広大な広場を有した公園であり、様々な活用ができるすばらしい空間です。

 私は、この公園へより多くの方に訪れてほしいという思いから、キャンプやフェスなど様々な活用について、これまで提案させていただきました。

 グランドオープンを控える海の森公園について、多くの方に魅力を体感してもらい、訪れたいと思っていただける取組を継続的に実施すべきであると考えますが、見解を伺います。

答弁2
港湾局長
 海の森公園の魅力を体感してもらう取組についてでございますが、広大な広場と豊かな自然環境を有する海の森公園は、イベントや健康増進など多様な体験ができる場としてふさわしく、この環境を十分に活用することが重要でございます。

 都はこれまで、公園の整備段階から、広大な空間における大型音楽フェスやキャンプ体験、隣接する水上競技場でのボート、カヌー体験プログラムとの連携など、このエリアの特徴を生かしたプレオープンイベントを開催してまいりました。グランドオープン後は、指定管理者とも連携し、環境学習プログラム、海の森学校など、ここだからこそできる様々な事業を展開し、魅力を広くアピールしてまいります。

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セーフ シティ

質問1
 トー横問題など、歌舞伎町かいわいの問題の解決のため、都がリアルな相談窓口きみまも@歌舞伎町を開設して半年がたち、多くの来所を得ています。私も先日視察させていただきましたが、困難を抱える若い人たちを受け止めるため、様々な工夫をされながら運営されているのが伝わってまいりました。これからの年末は、世間が華やぐ一方、悩みのある若い人たちが、孤立や孤独を深めてしまう危険な時期でもあります。

 そこで、年末に向け、歌舞伎町かいわいに集まる若者たちが犯罪に巻き込まれるのを防ぐため、きみまも@歌舞伎町ではどのように取り組んでいくのか伺います。

答弁1
生活文化スポーツ局生活安全担当局長
 きみまも@歌舞伎町についてでございます。

 年末は多くの若者がトー横に集まると予想されることから、気軽に立ち寄り、安心して相談できる場所となるよう運営を一層工夫する必要がございます。

 このため、季節の風物やゲーム等で楽しみ安らげる環境を整えるとともに、民間支援団体の協力を得て、生きづらさを話せる場も設け、利用者の不安や孤立感等を和らげてまいります。また、切れ目なく支援につながるよう、年末年始にも運営している相談先などをまとめ、きみまも年越し通信として来所者に配布いたします。

 悩みや困難を抱える若者が安心して新しい年を迎えられるよう、一人一人に寄り添った支援を行ってまいります。

質問2
 こちらの写真をご覧ください。先日、私の知人の息子さんが、自転車通学中に、飛び出してきた車にはねられ、大けがをされました。その際のレントゲン写真がこちらです。見ていただくとお分かりいただけますが、頭蓋骨の上部には損傷がありませんが、下部の顎の付近には大きな損傷を負い、危うく命を落とすところでした。これを見ると、いかにヘルメットが機能し、頭を守っていたかというのがお分かりいただけると思います。そして、もし、彼がヘルメットをかぶっていなければ、想像するだけで背筋が凍ります。

 昨年四月の改正道路交通法施行により、自転車ヘルメットの努力義務化から一年余りが経過していますが、まだ都内ではヘルメットを着用している方は少ないように思います。警察庁の調査によれば、着用率は、トップの愛媛県で六九・三%と七割近くに達しているのに対し、東京都では一五・一%と大きな開きがあります。

 都はこれまで、様々な啓発を行ってきていますが、命を守るヘルメットの重要性について、一層の普及啓発が必要と考えますが、見解を伺います。

答弁2
生活文化スポーツ局生活安全担当局長
 ヘルメット着用に向けた普及啓発についてでございます。

 都は、着用の習慣化を目指し、その必要性を自分事として感じられるよう、学生やファミリー層、企業の従業員などターゲットごとに場面を設定した動画を制作いたしました。

 先月、都立高校で試写会を実施し、生徒からは、ドラマや実験映像で楽しく学ぶことができた、自分たちもかぶりたくなるアイデアを出し合おう、まずはポスターを制作し呼びかけようなど前向きな意見をいただいたところでございます。

 今後は、ファミリー向けや企業向け動画につきましても、区市町村や企業等に対し、コミュニティバスの車内やイベント、研修等での活用を働きかけるなど、ヘルメットの効果を実感し、着用が一層進むよう取り組んでまいります。

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臨海部

質問1
 東京都の臨海部エリアは、マンション整備、開発が急激に進み、まちの様子が大きく変化してきました。また、チームラボプラネッツ豊洲、有明アリーナ、千客万来、そして十月にはアーバンスポーツパークが開業し、多くの人でにぎわっています。

 地元の皆さんとお話しすると、地域ならではの施設があることは好ましいという前向きな意見が聞かれる一方で、イベント開催時には、都心部からインバウンドを含めた多くの観光客が道路やバス停などにあふれているのも現状でございます。来街者の増加により、都心部と臨海部周辺を結ぶ都営バスに利用者が集中し、住民が乗れない状況も発生しております。これまでも、都営バスの増便や民間事業者によるシャトルバスの運行など、要望に応え、様々な対応がなされてきましたが、まだイベント開催時などには、都営バスの乗り残しが多く発生し、バス停の周りには人があふれている状況です。ほかの交通手段として、「ゆりかもめ」もありますが、お台場などを経由することから、不便さは否めません。

 そこで、新豊洲周辺に東京BRTのバス停を設置することで、BRT晴海・豊洲ルートを利用し、所要時間の短縮が図られ、来場客の分散など利便性向上にもつながると考えます。

 都心とのアクセスを向上するため、BRT晴海・豊洲ルート上、新豊洲駅前に停留所を設置する必要があると考えますが、見解を伺います。

答弁1
東京都技監
新豊洲駅前の東京BRT停留所についてでございます。

 新豊洲駅周辺は、集客施設の立地などにより、外国人旅行者を含む多くの来街者が訪れており、今後も、業務商業施設などの立地が見込まれることから、こうした交通需要に適切に対応していくことが重要でございます。

 BRTの新たな停留所の設置には、停留所間隔や速達性の検証を行うとともに、インバウンド需要の増加や商業施設の立地など、将来の土地利用の変化を見据えた検討が必要でございます。

 今後、運行事業者や地元区と連携し、観光需要などにも資する停留所の設置について検討を進めてまいります。

質問2
 また、まちの急激な進化の過程においては、新施設と地元住民とのコミュニケーションが大切です。相互理解を深めておくことが必要で、東京都や地元区がリードし、まちづくりの輪を進めていただけるよう要望しておきます。

 今年、豊洲市場は開場六年目を迎えるとともに、二月には豊洲千客万来が開業し、ますます国内外から多くの観光客が足を運んでいます。

 先月初頭には、築地から豊洲への移転後初めて豊洲市場まつりが開催され、五万人が訪れたとのこと。私も当日会場に足を運ばせていただきましたが、市場で取り扱う食材を使った料理の提供など、市場ならではの活気を生み出していると感じました。

 このように、豊洲市場や豊洲千客万来に、地域住民をはじめとした多くの方々に足を運んでもらい、親しみを持ってもらうことは、にぎわいや活気を生み出し続けていく上で非常に重要です。

 さらに、豊洲千客万来が、将来にわたり地域に愛される施設となるためには、先日、江東区民まつりや地元町会のお祭りに出店したように、地域の一員として、地域の方々と交流しながら、市場ならではのにぎわい創出に取り組んでいくことが大切であると考えています。

 そこで、豊洲地域におけるにぎわい創出や地域への貢献に向けて、運営事業者による地域との交流がさらに進むよう、都としてもサポートしていくべきと考えますが、見解を伺います。

答弁2
中央卸売市場長
 豊洲地域のにぎわいについてでございます。

 豊洲千客万来が、豊洲市場と一体となって市場ならではのにぎわいを創出し、地域の活性化に貢献していくことは重要でございます。

 このため、都は、運営事業者による土曜朝市など、施設内のイベント実施に当たり、市場業者への協力要請や地元自治会への周知などを支援し、市場ならではの活気やにぎわいが生まれるよう取り組んでおります。

 今後は、運営事業者が施設内にとどまらず、地域のイベント等に出店することで、豊洲千客万来が地元からさらに愛される施設となるよう、地元自治会をはじめとした関係者との連携をより一層積極的に後押ししてまいります。

質問3
 東京港は日本一のコンテナ貨物扱量を誇り、国内はもちろん世界でも有数の港です。ここから東京や関東一円に多くの物資が運ばれ、また集荷されて集まってきます。さらに、臨海部には東京の台所ともいえる最大の卸売市場、豊洲市場があり、日本国内から海産物や果物が集まり、都内に運ばれていきます。このように臨海部は東京の流通の要となっており、多くの車両が行き交う場所となっております。近年、東京港のふ頭周辺の道路の路肩や、そして中央分離帯に大量のごみが捨てられ、景観が損なわれるなどの問題が起きています。もちろん捨てる側のマナー啓発も大切で、関係機関から呼びかけをしていただいておりますが、解決には至っておりません。

 東京港を世界に誇れる港にするためには、ふ頭周辺の道路におけるごみ問題の解決が重要ですが、都の見解を伺います。

答弁3
港湾局長
 東京港のふ頭周辺道路のごみ対策についてでございます。

 東京港を安全かつ快適に利用していただくためには、ふ頭周辺の道路におきましても、良好な衛生環境を維持することが重要でございます。

 このため、都は、これまで廃棄されたごみの回収や路面清掃を定期的に実施するとともに、不法投棄禁止を呼びかける看板を設置するなどの対策を講じてまいりましたが、清掃が十分に行き届いていない箇所があることなどから、さらなる取組が必要と認識しております。

 今後は、清掃の頻度を増加させるとともに、特に不法投棄が多い場所におきましては、新たに監視カメラを設置するなど、衛生環境の改善に向け対応を強化してまいります。

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国際スポーツイベントの運営ノウハウの継承

質問1
 私たちは、二〇二五年に開催される世界陸上やデフリンピックなどの国際スポーツ大会を、スポーツ行政を牽引する人材を都として育成できる貴重な機会と捉え、生かしていくべきと、令和五年三月の予算特別委員会では、知事から、デフリンピックでの経験を通じ、都職員の育成を図るとの答弁を得ました。

 デフリンピックは、国内から多くのアスリートが集まり、様々な会場で競技が開催される総合スポーツ大会です。また、共生社会の輪を広げていくためにも、多くの企業などに支援をしていただくことも重要です。

 その準備の過程において得た経験、知見は、他のスポーツ大会にも応用が利くものでもあるので、その貴重なノウハウが、職員の人事異動などで散逸することのないように取り組んでいくべきと考えております。

 そこで、二〇二五年のデフリンピックの開催を通じて得られたノウハウの継承について、どのように取り組むのか伺います。

答弁1
生活文化スポーツ局長
 デフリンピックにおける運営ノウハウの継承についてお答えいたします。

 昨年設立されたデフリンピック準備運営本部では、職員が競技や輸送などの調整のほか、寄附、協賛への協力を呼びかけるなど、様々な経験を積みながら各事業の準備を進めているところでございます。

 大会の準備や運営の際に作成した資料や記録については、今後のスポーツ大会やイベントなどの開催において有益な資産となることから、大会後も適切に管理していく必要がございます。

 都は、今後の活用を見据え、デフリンピック開催の知見やノウハウを組織的に継承できるよう、関係機関とも連携し検討してまいります。

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スマート シティ

質問1
 近年、夏が暑すぎて野外活動ができないという状況になっています。都内の気温はこの百年で二・五度上がっており、気候変動を感じない日はありません。私たちが個人でできる対策を進めることはいうまでもありませんが、近年、企業の取引関係においても、脱炭素化の取組が重視されています。

 企業の国際的な情報開示基準では、取引先、いわゆるスコープ3におけるCO2排出量の開示が求められており、国内の上場企業にも、二〇二六年度以降の適用について議論されていると聞いております。このため、大企業のサプライチェーンに加わる中小企業にとっても、脱炭素化への取組は不可欠です。さらに、企業が脱炭素化の取組を進める中で、従来品より環境に配慮したグリーン製品を取引関係にある複数の企業が連携して生産することが重要ですが、そうした製品は割高になることが多く、消費者や企業から購入、調達につながりにくいという課題もあります。

 こうした中、企業がサプライチェーンでの脱炭素化の取組を進めるとともに、グリーン製品の普及が進むよう、どのように取り組むのか、都の見解を伺います。

答弁1
産業労働局長
 企業の脱炭素化の取組についてのご質問にお答えいたします。

 企業がサプライチェーン全体でCO2の排出削減を進め、低炭素なグリーン製品を生産し、社会でその活用が進むよう後押しすることは重要でございます。

 都は今年度から、取引関係にある企業間で一体的にCO2削減に取り組む中小企業に対して、削減計画の策定や人材育成、省エネ設備の導入等への支援を開始しております。

 今後は、サプライチェーン上の複数の企業が、従来品よりも製造過程等でのCO2排出量が少ないグリーン製品を開発し、その価値を消費者などに伝える取組への支援も検討いたします。

 これらによりまして、都内企業の脱炭素化を後押ししてまいります。

質問2
 我が会派は、令和六年度の予算重点要望において、東京都のデジタル施策として、地域のDXと地域活性化を支援する基盤の整備が必要であると知事に要望しました。この間、地域活性化や消費喚起など様々な目的に活用できるようにするとともに、区市町村施策とともに効果的に連携していくことも求めてきたところです。

 今年度、都施策にポイントを付与する取組からスタートするとのことですが、今後、機能充実を図りながら、都民生活をもっと便利に、行政をもっと身近に感じられるような活用を進めるべきと考えますが、都の見解を伺い、質問を終わります。

答弁2
デジタルサービス局長
 都が現在構築しておりますデジタル共通基盤に関するご質問にお答えいたします。

 社会的意義がある活動への都民参加の促進や地域振興に活用するとともに、さらなる機能充実を図り、都民の利便性向上に活用していくことが重要であります。

 まず、来年二月をめどに、健康づくりなどの活動に参加した都民の方々にスマホアプリを通じてポイントを付与し、民間QRコード決済により、店舗等で利用できるサービスを開始いたします。

 今後、活用の幅を広げるための機能の実装も検討し、地域活性化などへの活用を見据えてまいります。

 GovTech東京の技術力を生かし、段階的に開発を進め、多くの都民の皆様にこのアプリを通じて利便性を実感してもらえるよう取り組んでまいります。

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