改革は都政の仕組み変えること
蒲蒲線は動く歩道等で再検討を

都政改革

質問1
 二〇一六年七月、情報公開から始まった東京大改革から七年半が経過しました。

 私たちは、改革とは、政策ではなく都政の仕組みを変えるものであり、東京大改革とは、隠蔽ファーストではなく情報公開の都政、都民や専門家の声を聞かない排除ファーストではなくオープンに話し合う都政、官僚ファーストではなく都庁と民間の役割を峻別して協力する都政を実現することだと主張してきました。

 しかし、知事の所信表明では、東京大改革とは、高層ビルとにぎわい商業ビルで二十三区を埋め尽くし、自動運転や空飛ぶ車が飛び、走る、鉄腕アトムの未来都市のような都の未来像のように思われます。これは、高度経済成長、人口増加時代の構想です。人口半減、少子高齢化の日本にあっては、部分最適かもしれませんが、全体不適の未来像です。

 初めに、東京大改革の目的、実際に行われたこと、その成果を具体的にお答えください。

答弁1
政策企画局長
 東京大改革の成果についてでございますが、これまで、知事のリーダーシップの下、東京が持続可能な都市へと進化するための様々な取組を進めてまいりました。

 例えば、「未来の東京」戦略に掲げる政策等を推し進め、待機児童対策はもとより、デジタルを活用したDXの推進や、ホームページを通じた情報提供の大幅な拡大などの取組も着実に進んでおります。

 また、ソーシャルファーム条例など、時代の潮流を踏まえた様々な条例制定も実現するなど、実績を重ねてきております。

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神宮外苑再開発

質問1
 神宮外苑再開発について伺います。

 私たちの次の百年の東京の姿は知事とは違います。人口半減、少子高齢化という変化に対応した江戸の庭園文化と歴史、百年の樹木、二百年の樹木を大切にする、文化の薫り高い、落ち着いたたたずまいの庭園文化都市です。

 歴史ある国、都市には、歴史ある場所があります。イコモスのヘリテージアラートは、次の百年に適した東京の庭園文化の価値について、積極的な提言をしています。

 神宮外苑は、明治天皇や昭憲皇太后のご遺徳をしのび造営されたものであり、神宮外苑再開発は日本人の歴史を塗り潰す行為です。

 その焦点が、故池田大作氏も「忘れることのできぬ、輝く歴史の道である」、日本近代造園の師とうたわれる折下吉延氏が指揮した百四十六本の並木と称賛した秩父宮ラグビー場へ続く道のイチョウも含む明治神宮外苑の保存です。

 ところが、秩父宮ラグビー場へのイチョウ並木十八本は移植検討され、保存となっていません。

 小池知事は、神宮外苑の百四十六本のイチョウ並木をどう保存するのか伺います。

答弁1
環境局長
 イチョウ並木の保存についてでございますが、事業者は、四列のイチョウ並木を全て保存すると述べており、イチョウの根の調査を実施するとともに、今後、調査結果や樹木医の意見を踏まえ、新野球場棟のセットバックなど、必要な施設計画の見直しを行うとしてございます。

 また、港区道沿いのイチョウは、今後、詳細な調査により、移植の検討を行うとしてございます。

質問2
 大きく育った樹木は、都の公園行政でも移植して保存することが難しいとされていますが、都が責任を持って、根の保存方法、仮移植する場所の土質など、世界水準の基準を作成すべきですが、都の見解を伺います。

答弁2
政策企画局長
 ツリーバンクについてでございますが、東京グリーンビズの取組の一つでございまして、樹木を守る新たな仕組みとして検討を進めております。

 樹木を移植する際には、必要に応じ、樹木医等の専門家の意見を踏まえるなど、適切に対応してまいります。

質問3
 また、小池知事が、ユネスコの世界遺産の諮問機関であるイコモスのヘリテージアラートを無視し続ける理由を伺います。

答弁3
環境局長
 ヘリテージアラートについてでございますが、都は、環境影響評価や都市計画などの手続につきまして、法令等に基づき適切に行ってございます。

 本事業の環境影響評価手続は、評価書の公示をもって事業段階手続が完了しており、現在は、事後調査手続を進めているところでございます。

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築地地区まちづくり

質問1
 築地市場跡地について伺います。

 情報公開は、小池知事の東京大改革の要でした。しかし、小池都政は隠蔽主義が横行しています。その極みは、神宮外苑再開発と同じく、三井不動産と読売グループが落札するよう他の事業者への圧力、談合がうわさされている築地市場跡地の築地地区まちづくり事業です。

 築地地区まちづくり事業の事業者応募について、応募者数、応募者名さえも審査終了後に公表する理由は何か、公表するとどのような支障があるのか、具体的に伺います。

答弁1
都市整備局長
 築地まちづくりについてでございます。

 これまで実施してきた都有地活用事業の公募においては、応募者数や応募者名は、公表することにより応募者間の公正な競争の妨げになるなど、審査への影響が懸念されることから、審査終了まで公表しないこととしております。今回の築地地区まちづくり事業の公募においても、同様の取扱いとしたものでございます。

質問2
 私たちは、築地地区まちづくり事業の審査を行う審査委員会の委員の所属開示請求を行いましたが、不開示、黒塗りでした。委員の所属等は、インターネットで簡単に特定することができるため、秘匿する理由が全く分かりません。

 委員の役職や専門分野の公表は、率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、特定の者に不当に利益を与えもしくは不利益を及ぼすおそれのうち、どのおそれに該当するのか、具体的にお答えください。

答弁2
都市整備局長
 審査委員の役職等を不開示とした理由についてでございます。

 都が公にすることにより、自由かつ率直な意見の交換が妨げられ、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ及び特定の者に不当に利益を与えまたは不利益を及ぼすおそれがあるため、不開示としたものでございます。

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学校給食

質問1
 子育て、教育について伺います。

 知事は、国に先駆けて、ゼロ歳から十八歳までの子供に年六万円を支給する〇一八サポートを始めました。計上された予算額は一千二百四十一億円。今般、高校授業料の実質無償化や学校給食の負担軽減に大胆に踏み出し、物価高対策として補正予算も組まれました。

 しかし、これらの政策を縦横無尽にできるのは、本社が存在する東京都に法人二税の約四割が納められる仕組みとなっているからであり、東京都が日本の経済活動の四割を占めているからではありません。

 コロナ禍を経て、大企業の収益は改善し、二十三区の新規マンション価格は一億円となり、バブルになりつつありますが、都の豊かな財政は、他の地方の経済活動と地方税の仕組みによることであることを忘れてはなりません。

 学校給食の負担軽減は、浜佳葉子教育長が十一月の決算委員会でも小池知事に代わって、国の責任と負担によるべきものと答弁を繰り返してきました。

 なぜ、学校給食の負担軽減に踏み出すこととしたのか、浜佳葉子教育長に伺います。また、僅か二週間でどのような事情変更があったのか、併せて伺います。

答弁1
教育長
 学校給食費についてでございますが、知事から申し上げたとおり、国の責任と財源によるべきものであり、この考えから、今般、国に対し、その無償化を働きかけたところであります。

 同時に、都として国に先行し、都立学校の負担軽減とともに、負担軽減に取り組む区市町村に対する支援を実施することといたしました。

質問2
 学校給食費の補助は、既に無償化を実施している区市町村にとっては負担軽減ですが、未実施の自治体には、新たに自主財源で差額分を負担することとなり、大変です。

 多摩地区は、財源の都合で一食当たり十円から三十円の食材費補助が精いっぱいの自治体が数多くありますが、小池知事はご存じないのでしょうか。

 区市町村の公立小中学校がひとしく給食無償化を享受できるよう、補助率は十分の十にすべきですが、都の見解を伺います。

答弁2
教育長
 学校給食費の負担軽減についてでございますが、今後、予算編成の中で具体的な検討がされていくものと考えております。

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授業料

質問1
 高校の授業料無償化を歓迎する声があることは承知していますが、高校授業料の無償化によるメリットとデメリットをどのように分析しているのか伺います。

答弁1
生活文化スポーツ局長
 私立高校の授業料実質無償化についてでございますが、昨日、知事から申し上げましたとおり、教育費の家計負担の軽減は、本来、国が責任を持って行うべきものでございますが、国に先行して、都として私立高校の授業料実質無償化に取り組むことといたしました。

 具体的には、今後の予算編成の中で検討されていくものと考えております。

質問2
 また、高校授業料の無償化に伴い、多くの公費を投入していることから、決算の公表等の情報公開を求めるべきですが、都の見解を伺います。

答弁2
生活文化スポーツ局長
 私立学校における情報公開についてでございますが、都道府県所轄の学校法人におきましては、財産目録等を各学校に備え置き、利害関係人から請求があった場合には閲覧に供するなど、私立学校法の規定による対応を行うほか、各学校法人がそれぞれの考え方に基づき、適切に対応しているところでございます。

質問3
 知事の東京の教育に対するビジョンがあれば、それをお示しください。

答弁3
教育長
 教育に対するビジョンについてでございますが、東京都こども基本条例や東京都教育施策大綱の趣旨を踏まえ、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育の実現を目指し、取り組んでおります。

質問4
 都立大学の授業料を免除する新たな制度も来年度から開始するとおっしゃっていますが、なぜ、都立看護専門学校の授業料は免除でないのかお伺いします。

答弁4
保健医療局長
 都立看護専門学校の授業料に関するご質問にお答えいたします。

 都立看護専門学校は、看護師の養成と都内における看護師の充足を目的として設置しております。

 都は現在、受益者負担の適正化の観点から、都立看護専門学校の授業料等を徴収しており、経済的な困窮等の理由がある学生に対しましては、減免等を行うことで修学機会を適切に確保しております。

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持続可能な行政運営

質問1
 多摩地域について伺います。

 私たちは、人口半減、少子高齢化時代において、豊かな都財政を、二十三区への人口集中を是正し、多摩格差の本格的是正に使うべきと考えます。

 市町村総合交付金を抜本的に増額し、かつ、ひもつき補助金の色彩が強い現在の政策連携枠を廃止して、全てを市町村が自由に使えるようにすべきですが、都の見解を伺います。

答弁1
総務局長
 市町村総合交付金についてでございますが、市町村総合交付金は、政策連携枠も含め、市町村が行う各種施策に要する一般財源の不足を補完するものであり、制度創設以降、その充実に努めてございます。

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蒲蒲線

質問1
 蒲蒲線について伺います。

 新空港線、蒲蒲線は、JR蒲田駅から京急蒲田駅までの距離は約七百五十メートルを鉄道でつなぐ計画ですが、地下化による蒲田駅乗換え問題、多摩川線素通りで利便性に疑問があり、私自身、羽田空港への広域ネットワークの拡充として、以前、都に推進を求めた経緯もありましたが、既にJR東日本では、東京駅から羽田空港まで十八分で結ぶ二〇三一年度開業予定の羽田空港アクセス線が進められ、必要性、採算性、経済性の再検討が求められます。都区の負担割合三対七と、大田区の過度な負担に多くの区民が見直しを求めています。

 また、全体工事費が不明のまま、東急多摩川線の矢口渡駅から京急蒲田までの地下駅建設の一・七キロメートルだけで総工費一千三百六十億円、十メーター当たり八億円もかかりますが、必要な区間に新宿駅と都庁間のような動く歩道などをつくれば、十メーター二千万円程度で整備でき、アクセスは格段によくなります。

 二期工事の試算も説明もなく着工することは無責任だと考えます。

 蒲蒲線について、東急多摩川線の矢口渡駅から大鳥居駅までの全体工事費は幾らで、そのうち都の負担分、大田区の負担は幾らになると想定しているのか伺います。

答弁1
都市整備局長
 新空港線についてでございます。

 矢口渡から京急蒲田までの先行整備区間については、都と大田区との協議の場で検討した結果、事業費は約一千三百六十億円と公表いたしました。

 また、当該事業費の地方負担分のうち、三割を都が、七割を区が負担することとしております。

 京急蒲田から大鳥居までの区間については未定でございます。

質問2
 既に、JR東日本の羽田空港アクセス線が進められ、蒲蒲線はその必要性、採算性も失われており、見直すべきですが、都の見解を伺います。

答弁2
都市整備局長
 新空港線の先行整備についてでございます。

 国の答申において、矢口渡から京急蒲田までの先行整備により、蒲田駅と京急蒲田駅間のミッシングリンクを解消し、早期の事業効果の発現が可能とされております。

 また、相互直通運転を通じ、新宿等と羽田空港とのアクセス利便性が向上すると示されており、都としても同様の認識でございます。

 現在、整備主体となる第三セクターにより、採算性の精査等が行われており、都としては、引き続き事業化に向けた関係者による協議、調整を支援してまいります。

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スピーキングテストの適切な実施に向けた取組

質問1
 私たちは、ESAT-Jを受けていない私立中学校の生徒との不公平性などの問題点を指摘し、ESAT-Jの都立高校の入試活用を反対してきました。

 都教育委員会は、ESAT-Jについて子供たちの声を聞くとしていますが、十一月二十六日にテストが実施されてから約半月となりますが、何件の声が寄せられているのか伺います。

答弁1
教育長
 スピーキングテストの適切な実施に向けた取組についてでございますが、テストの会場で困ったことなどがあり、会場で申し出ることができなかった場合は、都教育委員会に連絡するよう生徒全員に伝えており、生徒の申出を直接聞く体制を整えました。

 加えて、事業者や都職員、区市町村教育委員会や中学校などを通じて生徒の申出などを把握し、個別に対応しており、件数の集計はしておりません。

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都政運営

質問1
 中村副知事の経歴について伺います。

 令和五年都議会第一回定例会の副知事の同意人事案件では、中村倫治氏の経歴は名古屋大学法学部研究生修了とされています。しかし、研究生は、文科省によれば非正規学生であり、かつ、名古屋大学法学部に、研究生にカリキュラムを修めたという意味の修了という概念はありません。

 小池知事は、令和五年都議会第一回定例会に提出した中村倫治氏の経歴で、なぜ正規学生の法学部生に優先して、非正規学生である名古屋大学法学部研究生を記載したのか、また、修了とされた理由についても伺います。

答弁1
総務局長
 略歴の記載についてでございますが、都の人事記録から転載しており、修了の表記は、人事記録のシステム移行時、入力項目が設定された結果生じたものでございます。

質問2
 最後に、中村副知事の上司である小池知事に質問いたします。

 二〇二〇年六月のエジプト大使館のフェイスブックに掲載されたカイロ大学声明では、小池知事は、一九七六年十月にカイロ大学文学部社会学科を卒業したとされています。

 知事の著書「振り袖、ピラミッドを登る」によれば、一年目は落第、その後の四回の試験には合格したと、進級試験を五回受けていますが、それで一九七二年の九月入学、一九七六年十月卒業と、四年でなぜ卒業できたのか伺います。

 また、首席で卒業された知事の卒業が、新学期が既に始まっている十月であった理由も伺います。

 以上で、再質問を留保し、質問を終わります。

答弁2
政策企画局長
 卒業についての二問の質問にまとめてお答えいたします。

 当時のことについては、知事がこれまで議会など様々な場面でお伝えしてきたとおりでございます。

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再質問

質問1
 神宮外苑の百四十六本のイチョウ並木について、全てを保存するとの明確な答弁はありませんでした。つまり、十八本のイチョウは保存しないということになりますが、それでいいですか。伺います。

答弁1
環境局長
 先ほどご答弁申し上げましたとおりでございますが、イチョウ並木の保存につきましては、事業者は、四列のイチョウ並木を全て保存すると述べており、イチョウの根の調査を実施するとともに、今後、調査結果や樹木医の意見を踏まえ、新野球場棟のセットバックなど、必要な施設計画の見直しを行うとしてございます。

 また、港区道沿いのイチョウは、今後、詳細な調査により、移植の検討を行うとしてございます。

質問2
 中村倫治氏の経歴ですが、本人が定例会に政策企画局長として出席もしていました。中村副知事本人が間違いを指摘、訂正しなかった理由を伺います。

答弁2
総務局長
 略歴の記載についてでございますが、その議案につきましては、人事記録から転載したものでございます。

質問3
 知事の経歴質問に、知事自ら答弁されませんでした。ここは都議会です。議会で議員が質問しているのです。知事は、いつの議会で、どう答えているのか、お答えください。

答弁3
政策企画局長
 卒業については、知事がこれまで議会などでお伝えしてきたとおりでございます。

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