消極的なPFAS対策を見直せ
都の非正規公務員問題の改善を

PFAS

質問1
 まず、PFAS問題について伺います。

 PFASの毒性については、厚生省の判断が遅れているため、悲観論あり楽観論あり、人によりばらばらです。

 私の地元である立川市には、横田基地がございますので、PFAS問題を心配されていらっしゃる市民の方が大勢いらっしゃいます。一方、都の担当部門の職員の中には、楽観的な見立てをされていらっしゃる方が多いのかな、そんなふうに感じているところでございます。議員の皆さんはいかがでしょうか。

 先日、大変残念なニュースが入ってきました。十二月一日、WHO傘下の国際がん研究機関により、PFASの代表的な物質であるPFOAの発がん性について、かつては四段階で下から二番目であった「可能性がある」から、四段階中最も高い「発がん性がある」に引き上げたと発表されました。この分類は、アスベストや喫煙と同じです。

 都として、今までの楽観論を見直すべき時期だと思いますが、見解を伺います。

答弁1
保健医療局長
 国際がん研究機関の評価についてでございますが、当該機関による評価は、人に対する発がんの原因となり得るかどうかの根拠の程度を示すものでございまして、物質の発がん性の強さや暴露量に基づくリスクの大きさを示すものではないとされております。

 国は、本年七月に専門家会議で取りまとめました今後の対応の方向性に従い、対策を進めていくとしております。

質問2
 PFAS問題については、私も、本来は国がまず対応に当たるべきと認識していますが、それにしても、都の対応は消極的過ぎると考えています。少なくとも、都内の汚染状況の調査と原因究明までは取り組むべきです。既に多摩地域では、多くの水道の水源が使えなくなっています。多くの民間企業や農家は、井戸水が使えなくなったことで、経済的な被害を受けています。

 先日お話を伺った立川市内の農家の方は、井戸水の調査をしたいといわれて悩んだけど受け入れた、案の定、高いPFAS濃度が出て井戸水は使えなくなって水道水を使うことになった、お金がかかるし残念だが、それが現実だから仕方がない、東京都には早く対策をしてほしい、そんなふうにいわれました。

 東京都には、そんな声はなかなか届かないようです。その象徴が、横田基地に隣接するモニタリング井戸の問題です。これは、過去、横田基地で発生したジェット燃料流出事故に対応し、設置したものです。二〇〇八年から二〇一八年まで、過去四回の水質調査を行っており、PFASについても測定をしています。四回とも暫定目標値を大きく超えるPFASが検出され、直近の二〇一八年では、目標値の約二十七倍の数値が検出されています。横田基地が、PFASの汚染源であることを示唆する重大な調査結果ですが、都はなぜか二〇一八年を最後に調査をやめてしまいました。都が横田基地に忖度して取りやめたのではないか、そんな疑いを感じざるを得ません。横田基地横のモニタリング井戸の調査を再開すべきと考えますが、見解を伺います。

答弁2
保健医療局長
 井戸の調査についてでございますが、都は、飲用として利用している井戸のうち、設置者の協力が得られたものについて、水質等の状況を把握するための検査を実施しております。

 また、横田基地航空燃料漏出事故による影響を調査するために選定した井戸につきましても、引き続き、飲用井戸は本検査の対象となっております。

質問3
 この横田基地のモニタリング井戸に限らず、都は、井戸のモニタリングを強化すべきです。都は来年度、都内全域でモニタリング井戸を増やす計画と聞いていますが、どのように増やすのでしょうか。横田基地周辺で増やすべきと考えますが、見解を伺います。

答弁3
環境局長
 有機フッ素化合物の調査についてでございます。

 都は、都内全域の地下水の調査を実施しており、多摩地域をはじめ比較的高濃度の地域では追加調査を行うこととしてございます。

 今後も、区市町村と連携しながら着実に調査を進め、都民の不安の払拭を図ってまいります。

質問4
 次に、PFASの血液検査について伺います。

 東京都のPFAS汚染を調査する方法が、水質検査に偏っていることに疑問を感じます。PFASが人間に影響を与える経路は、水だけではなく、土壌や農作物、もしくは職場等で直接暴露するなど、様々な可能性が考えられます。だからこそ、PFASの汚染の状況を把握するためには、水質検査だけではなく、最終的には、人間の血液検査が必要なんです。まずは最低限のサンプル数で構わないので、都内全域での血液検査をすべきです。水質調査で明らかになったものとは少し違った汚染の現状が見えてくるはずです。

 加えて、横田基地内の職員等、PFASを直接浴びていた可能性がある基地や工場の職員、その近隣の住民にも、別途血液検査と健康診断を提供すべきです。

 横田基地内では、過去、日常的にPFASを含んだ泡消火剤による大規模な消火訓練が行われてきました。実は、この消火訓練を行っていたのは米兵ではないんです、日本人の消防隊員なのです。彼らは、泡消火剤を全身で直接浴びながら訓練を行っていたそうです。横田基地内の米兵については、米軍は、PFASの血液検査と併せて健康診断まで行っています。しかし、この日本人職員については放置されています。彼らが潜在的に抱える危険性は、飲料水経由で暴露している一般の市民とは桁違いかもしれません。小池知事、都民の命を守るのか、守らないのか、非常に重大な判断です。

 血液調査の実施可能性について、知事の答弁を求めます。

答弁4
保健医療局長
 血液検査についてでございますが、国の専門家会議は、現時点での知見ではどの程度の血中濃度でどのような健康影響が生じるかは明らかではなく、血中濃度に関する基準の設定や血液検査の結果のみによる健康影響の把握は困難としております。

質問5
 PFASの問題の最後に、都が管理している泡消火剤について伺います。

 都は、都内全域に多くの公共施設を持ち、多くの泡消火剤が配置されていると推測します。これらの泡消火剤を今後どのように管理していくつもりなのか見解を伺います。

答弁5
環境局長
 都有施設のPFOS含有泡消火薬剤についてでございます。

 都では、都有施設におけるPFOS含有泡消火薬剤の有無や管理状況等について調査しており、いずれの施設でも適正管理されていることを確認いたしました。

 今後、早期の交換を検討してまいります。

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東京都の会計年度任用職員

質問1
 次に、東京都の非正規公務員である会計年度任用職員について伺います。

 私は、二〇〇六年から二〇一八年までの十三年間、台湾と中国で、最終的には、従業員千六百人を擁するレストラン企業の経営者をしてきました。台湾に行って驚いたのは、非正規雇用がほとんど存在しないこと。非正規雇用は法律で厳しく禁止をされています。これは、台湾が特殊なだけでなく、多くの欧州諸国も同様です。

 一方、日本に帰ってきて驚いたのは、非正規雇用が異常に増えていること。総務省の調査によると、全雇用者のうち、今や約四割が非正規雇用、地方公務員の約三割も非正規雇用です。非正規雇用の多くは女性で、女性の過半数が非正規雇用。東京都庁を見ても、知事部局の職員の三一%が非正規雇用です。

 私が考える非正規雇用の最大の問題は、給与待遇の低さや雇用の不安定ではありません。昇給昇格とリンクした定期的な人事評価を受けられないために成長する機会を奪われていること、ここが致命的です。

 これは私の経営者としての持論ですが、従業員を成長させるために最も重要なことは、研修制度を提供することではないです。昇給昇格と直接リンクされた、公平で納得感のある評価制度を整備すること、これに尽きます。しかし、非正規雇用の従業員にはこれがありません。

 企業にとっては、人材の使い捨ては非常に合理的、しかし、社会全体で見れば、多くの人々から成長の機会を奪い、将来のワーキングプアを生み出す非常に不合理な制度です。

 本来であれば、ここで東京都が会計年度任用職員を全員正規化すべきと提案したい。しかし、会計年度任用職員の方々も、既に非正規の働き方に合わせた生活スタイルに長年適応されているわけで、急に正規職員になれないというのも当たり前かもしれません。

 そこで、まずは会計年度任用職員の処遇改善を求めます。

 国の総務省が二〇一七年に定めた会計年度任用職員制度のマニュアルによれば、地方公務員についても民間企業同様、同一組織内での同一労働同一賃金の原則が求められています。しかし、都の会計年度任用職員には、初任給を決める際に職歴や経験が考慮されず、昇給制度もありません。休暇制度も違います。都の総務局の見解としては、会計年度任用職員の仕事は専門性が高く、かつ補助的な仕事に限定しており、正規職員とは同一労働ではないとしています。しかし、これはおかしい。

 今回、児童相談所などの福祉施設や学校現場で働く教員や相談員等の会計年度任用職員の方々にお話を伺ってきました。多くの現場では人手が慢性的に不足しており、正規職員の経験も不足していて、経験のある会計年度職員が何でもやって現場を回している。それにもかかわらず、会計年度任用職員と正規職員の間には大きな待遇の差があり、やりがい搾取だと思う、そんな話を伺いました。

 これらの現実を踏まえ、同一労働同一賃金の原則に基づき、正規職員と会計年度任用職員の待遇の格差を解消すべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
総務局長
 会計年度任用職員の処遇についてでございますが、非常勤職員の報酬の額は、法律等に基づき、職員の職務の複雑性、困難性等に応じ、常勤職員の給与との均衡を考慮し、職ごとに適切に定めてございます。

 令和二年度から会計年度任用職員には、在職期間等に応じ、常勤職員と同じ月数分の期末手当を支給してございます。

 さらに、法改正等を踏まえ、来年度から新たに勤勉手当を支給するため、本定例会に関係条例の改正案を提出しているところでございます。

質問2
 最後に、都の長期的な人員計画について伺います。

 相談員や心理士、指導員、教員といった直接住民サービスを担う仕事の多くを会計年度任用職員に依存し、現業職の仕事は外部委託を進めるという現在のやり方は、働き手が余っている時代には一定の合理性があったと思います。しかし今後、少子高齢化が進み、働き手不足の時代に突入してきたときには、人員を確保できず、住民サービスを提供できないという事態になりかねません。

 これらの住民サービスは人間が担わざるを得ず、DXもホワイトカラーの仕事ほどには手助けにならないと思います。現状をしっかりと把握した上で、正規雇用中心のサステーナブルな人員計画に改めるべきと考えますが、都の見解を伺います。

 ありがとうございました。

答弁2
総務局長
 人員計画についてでございますが、生産年齢人口の減少など社会情勢が変化する中、これまで会計年度任用職員や外部委託等を活用してきた業務を含め仕事の仕方を抜本的に見直すため、業務の可視化、分析、DXの推進などの調査検討に着手しており、簡素で効率的な執行体制の構築に取り組んでおります。

 引き続き、こうした取組を進め、適切な組織、定数の管理を行ってまいります。

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