特別奨学金の所得制限の撤廃を
学校給食費の無償化を実現せよ

知事の基本姿勢

質問1
 去る十月二日、高島なおき議員がご逝去されました。謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。

 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、都政の諸課題について質問いたします。

 初めに、知事の政治姿勢について伺います。

 東京都議会立憲民主党は、東京ビジョン二〇二四を知事宛てに提出をしました。私たちが代表質問などで民主党時代から繰り返し求めてきた最重要事項などについて、予算での対応、早期に条例化を求める事項、現下の懸念事項を厳選してまとめたものです。以下、この中から特に予算措置すべき事柄について伺います。

 小池知事は所信表明で、都として先行して高校授業料の実質無償化や学校給食費の負担軽減に大胆に踏み出すと述べました。

 既に一部報道でも、高校無償化、都、所得制限撤廃へ、公立小中学校の無償化も支援する方針と報じられています。

 都議会立憲東京ビジョンでは、第一番目に、子育て支援に関する所得制限撤廃として、私立学校の特別奨学金などの所得制限の撤廃を求めました。

 また、第二番目に求めた給食無償化、学校教育の無償化については、小池知事が私たちの提案に応じたものと前向きに捉えたいと考えています。

 そこでまず、子育て支援に関する所得制限撤廃についてです。

 さきの予算議会で、私は、特別奨学金は所得制限があるために、〇一八サポートで六万円の給付を受けると、子供二人分で年間九十五万円もの受給を失う逆転現象の可能性などを指摘しました。私立学校の特別奨学金については所得制限を撤廃すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

答弁1
知事
 私立高校の特別奨学金についてのご質問でした。

 教育は、子供の健全な育ちを支える重要な基盤であり、教育費の家計負担の軽減は、本来、国が責任を持って行うべきものでございます。そのため、国に対し要望を行ったところでございます。

 子育て世帯を取り巻く厳しい状況に対しまして、都が独自でなし得る対策といたしまして、国に先行して私立高校の授業料実質無償化に踏み出します。

 今後、来年度予算編成の中で具体化を図りまして、安心して子育てできる社会をつくり上げてまいります。

質問2
 東京ビジョンでは、第一に、私立学校の特別奨学金のほか、乳幼児、子供医療費助成や児童育成手当、受験生チャレンジ支援などの所得制限についても撤廃を求めました。

 一生懸命働いている子育て世帯が罰を受ける状態は是正すべきです。スピード感を持って子育て世帯を全力でサポートしていくためにも、子供、子育て支援に関する所得制限は撤廃すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

答弁2
知事
 子供、子育て支援施策の所得制限についてであります。

 施策における対象範囲の設定に当たりましては、それぞれの施策の目的などを踏まえて適切に判断されるべきものであります。

質問3
 東京ビジョンでは、第二に、給食無償化、学校教育の無償化を掲げました。

 私たちの九月の代表質問に対して、小池知事は、学校給食の無償化は国の責任と負担によるべきものと、極めて冷淡な答弁をしました。

 しかし、独自に学校給食を無償化する自治体も増え続ける中、いつまでも国の責任といっている場合ではありません。都内全ての自治体で学校給食の無償化が実現するよう取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

 また、特別支援学校をはじめとする都立学校についても、学校給食を無償化すべきと考えますが、併せて知事の見解を伺います。

答弁3
知事
 学校給食費ですが、学校給食費につきましては、国の責任と財源におきましてその無償化を実現すべきものであります。この考えから、今般、国に対し働きかけを行ったところでございます。

 同時に、都といたしまして、学校給食費に関し、都立学校の負担軽減とともに、負担軽減に取り組む区市町村に対する支援について実施に踏み出すことといたしました。

 今後、予算編成の中で検討を行ってまいります。

質問4
 都議会立憲東京ビジョンでは、第三に、家賃補助を掲げました。

 私たちは、住宅に困っている全ての都民に公平な政策として、家賃補助を提案し続けてきました。セーフティーネットであるはずの都営住宅は、平均十から五十倍の高倍率であり、必要とする人に対し圧倒的に不足しているからです。

 不動産価格の上昇が賃貸住宅の家賃相場を押し上げており、民間の調査では、ファミリー向け家賃が、区部プラス八・四%、多摩プラス七・二%など大きく上昇、契約更新のタイミングでさらに上がると予想されています。住宅セーフティーネットを必要とする都民の生活は苦しくなっています。家賃補助はいよいよ急務ですが、家賃補助の実施について知事の見解を伺います。

答弁4
知事
 家賃補助の実施についてでございます。

 住宅は生活の基盤であり、都民の居住の安定を確保することは重要でございます。

 都営住宅の活用に加えまして、東京ささエール住宅の供給促進などに取り組みまして、引き続き重層的な住宅セーフティーネットの強化を図ってまいります。

 家賃補助制度につきましては、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係等、多くの課題があると認識をいたしております。

質問5
 次に、物価高騰対策について伺います。

 何よりの物価高騰対策は、物価上昇を上回る賃上げですが、知事の所信表明では触れていませんでした。

 G7各国が三十年間で実質賃金を一・三から一・五倍に引き上げる中、日本は一・〇三倍、三十年間停滞し、諸外国から取り残されました。

 大企業では、早くも賃上げを決める動きが相次いでいますが、都内企業の九九%を占める中小零細企業は、コスト増を価格に転嫁できておらず、動きは限られます。取引先との価格協議で労務費を上げる習慣がないなど、長年しみついたデフレマインドが要因とされており、社会全体で打ち破らなければなりません。

 歴史的円安と三十三年ものデフレによってインバウンドが拡大してはいますが、国民の豊かさを犠牲に安い日本、安い東京に甘んじていては、気づかぬうちに貧しい国になってしまいます。

 都議会立憲民主党は、知事に対し、物価上昇を上回る賃上げに積極的に動くよう再三求めてきましたが、知事はこの東京の現状をどう受け止めているのでしょうか。

 賃金を持続的に押し上げ、物価も賃金も安い日本からの脱却を東京から実現していくために、知事として率先して行動すべきと考えますが、見解を伺います。

答弁5
知事
 東京の現状認識と率先行動、物価高騰対策に関してですが、日本経済の復活に向けた正念場を迎えております。東京にはその牽引役を担うことが求められております。

 稼ぐ東京へと進化させ持続的な成長につなげること、また、都民が心豊かに生活できる環境を整えること、これらが重要であり、これらの実現に向けまして戦略的に取り組んでおります。

質問6
 次に、補正予算について伺います。

 都は、物価高騰の影響を受ける都民、事業者への支援として、補正予算案を提案しました。全額国庫を財源とする八百三億円ですが、実質的に都が行う支援は二百二十一億円です。そのうちの百億円を占める暮らし向き向上緊急サポート事業は、還元の上限が三〇〇〇ポイントほどです。もっと都の財源を振り向けるべきではないでしょうか。

 知事は、景気刺激、都民生活を守ると述べていますが、今回の補正予算の考え方について知事に改めて伺います。

答弁6
知事
 補正予算についてであります。

 物価高騰の影響が長期化する中、都はこれまでも、当初予算におきましてセーフティーネットの支援や経済の好循環に向けた賃上げ支援など、重層的な対策を講じてまいりました。

 また、全国的な課題である物価高騰に対しましては、国と地方の役割分担の中で、地方が担うべき取組につきまして国の財源を活用し対応してまいりました。

 今回の補正予算では、国の新たな経済対策を踏まえ、臨時交付金を活用することで、消費喚起に向けた新たな取組やエネルギー価格高騰対策などを盛り込んでおります。

 こうした対策を総合的に展開することで、都民生活や東京の経済をしっかりと守ってまいります。

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ホストの売掛金問題

質問1
 次に、ホストの売掛金問題について伺います。

 悪質ホストの売掛金が大きな社会問題となっています。

 小池知事も、庁内にチームを立ち上げ、対応を進めていくと発言しており、同様の被害が発生している悪意のあるメンズ地下アイドルやメンズコンセプトカフェなども含め、被害者の早期救済、被害の未然防止に向けて素早い対応が求められます。

 そこで、ホストの売掛金問題についての今後の取組について知事の見解を伺います。

答弁1
知事
 悪質なホストクラブ等に関する注意喚起についてのお尋ねでございます。

 悪質なホストクラブ等の被害に遭う可能性の高い若年女性に対しまして、危険性等を周知することは重要でございます。

 そのため、都では、トラブル事例の紹介や相談窓口を案内するリーフレットを作成しまして、ホームページなどで注意喚起をいたしております。

 今後とも、新宿区など関係機関と連携しながら対策を進めてまいります。

質問2
 ホストの売掛金問題について、警視庁は、ホストクラブに対し、営業に当たっての法令遵守状況を臨店の上で確認し、不適切な状況があれば、指導や取締りを行うべきと考えます。

 また、飲食代金を支払うために売春行為や性風俗店での労働を紹介、あっせんすることについて取締りを強化するなど、対策を徹底すべきと考えますが、警視総監の見解を伺います。

答弁2
警視総監
 ホストクラブの売掛金問題への対策についてでありますが、警視庁では、風営法に基づく、いわゆるホストクラブへの立入りに際し、売掛金回収に関する違法行為防止のための注意喚起を行うとともに、営業に係る法令違反に対しては、迅速な指導や行政処分を行っております。

 また、ホストクラブ従業員による違法な売掛金の取立てに対しては、売春防止法や職業安定法などのあらゆる法令を駆使した取締りを行っております。

 今後も、健全で魅力ある繁華街を実現するため、社会経験や知識の乏しい若者からの搾取という観点も踏まえ、ホストクラブの売掛金回収に伴う違法行為の防止に向けた各種対策を強力に推進してまいります。

質問3
 定例会見で小池知事は、女性相談センターや若ナビα、消費生活総合センターなどの相談窓口を紹介し、一人で悩まないでと述べました。

 しかし、統一教会問題などのように、マインドコントロールされた被害者には、行政の相談窓口は無力で、民間の団体が救出、支援を行っているのが実態です。マインドコントロール対策も含め、親兄弟などからの相談にも対応できる相談支援体制を構築すべきと考えますが、見解を伺います。

答弁3
生活文化スポーツ局生活安全担当局長
 悪質なホストクラブ等に関する相談についてでございますが、被害やトラブルの相談窓口として、都では、女性相談センター、若者総合相談センター、若ナビα、消費生活総合センター等を案内しております。各窓口におきまして、本人のみならず家族等からの相談を受け、その内容を踏まえ適切に対応するとともに、必要に応じて専門機関につないでおります。

 引き続き、ホームページやリーフレット等を通じて相談窓口を周知してまいります。

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児童養護

質問1
 次に、児童養護対策について伺います。

 家や学校での居場所のない青少年が、新宿のいわゆるトー横の一角に集まり、違法薬物を摂取したり、性被害に遭うなどしており、看過できない状況です。

 現在、都としても、今年七月の青少年問題協議会の答申に基づき、犯罪被害等のリスクを抱える青少年対策を検討しているところです。

 私たちは、警察との連携だけでなく、支援の手を差し伸べることが極めて大切だと考えています。親身な相談対応を行うなど、青少年に寄り添った各種対策をしっかりと推進していくべきと考えますが、見解を伺います。

答弁1
生活文化スポーツ局生活安全担当局長
 トー横問題に係る今後の対策についてでございます。

 トー横の青少年の犯罪被害等の防止は喫緊の課題であり、取組を推進すべきと認識しております。

 これまでも、青少年を対象とした啓発イベントを実施したほか、新宿区等の関係機関が参画する連絡会を立ち上げて情報共有等を行うなどしてまいりました。

 現在は、SNS等を活用した青少年の心情に寄り添ったターゲティング広告の発信、臨時の相談窓口設置の準備を進めており、今後とも、関係機関と連携しつつ対策を着実に実施してまいります。

質問2
 薬の過剰摂取、オーバードーズへの対策も急務です。支援団体によれば、薬は万引きや、十八歳未満の都民が眠れないといって睡眠薬の処方を受けることを、幾つもの医療機関で繰り返すなどして入手しているとのことです。

 様々な手段を使って薬物を入手しているトー横キッズは、オーバードーズを繰り返しており、関係機関と連携した対策強化を求めるものですが、見解を伺います。

答弁2
保健医療局長
 オーバードーズ対策に関するご質問にお答えいたします。

 都は、薬物問題を抱える人への支援を薬物乱用対策推進計画の柱の一つに位置づけ、当事者等が状況に応じた支援を受けることができるよう、専門機関の周知や薬物依存症に対する正しい知識の普及啓発を行っております。

 トー横に集まる青少年につきましても、適切な支援につなげることができるよう、引き続き、関係機関が連携して相談支援に着実に取り組んでまいります。

質問3
 児童相談所に関して、会派として、十月三十日に福岡県や福岡市の取組などをヒアリング、視察をしてきました。

 都内では、二〇一六年の法改正以降、区立児童相談所の開設が進んでいますが、ここに来て一部自治体の取組に足踏みが生じているようにも感じます。

 区立児相ができれば、都の負担も軽くなり、区立児相の設置が円滑に進むよう、都の積極的な支援が求められます。区立の児童相談所開設に向けて都の積極的な支援を求めるものですが、見解を伺います。

答弁3
福祉局長
 区立児童相談所への支援についてでございます。

 特別区が児童福祉法等に基づく児童相談所設置市として政令で指定を受けた場合には、設置区は法令に定める児童相談所業務等を実施することとなります。

 都は、児童相談所の設置を予定している区の設置計画を確認するとともに、区の職員を研修派遣として受け入れるなど、人材育成を支援しております。

 また、開設後は、広域的観点から、一時保護所や児童養護施設等の都と区の相互利用を可能にするほか、専門的観点から、区の児童相談所が担当する家庭にも、都の児童相談センターの医師や児童心理司等が支援を行っております。

質問4
 都の報告書によれば、二〇二一年度、いわゆる虐待関連死した子供は十四人です。一人でも多く救うことができなかったのか、少なくとも虐待死ゼロを実現できなかったのか、じくじたる思いです。小池知事も、開所式などセレモニーだけではなく、ぜひ現場を視察していただきたいと思います。

 都の児童相談センターでは、子供家庭支援センターなどの関係機関との連携強化が求められていますが、実態に見合った体制整備がなければ、それもかないません。

 私たちは、九月の代表質問でも、政令で定められた基準に見合う人員を確保するなど、児童相談所の体制を強化すべきだと主張してきましたが、再度強く求め、見解を伺います。

答弁4
福祉局長
 児童相談所の体制強化についてのご質問です。

 都はこれまで、児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉司や児童心理司を増員するほか、困難ケースで職員に助言指導等を行う専門課長を配置するなど、人員体制の強化に取り組んでまいりました。

 また、人材確保のための専任チームを設け、大学や養成機関への訪問を行うほか、人材育成のためのトレーニングセンターを設置し実践的な研修を実施しており、引き続き、児童相談所の体制を強化してまいります。

質問5
 子供の頃に受けた虐待は、大人になってからも影響を大きく残すといわれています。民間団体が行った、十八歳までに社会的養護につながらなかった児童虐待被害者の実態調査によれば、精神科の受診歴ありが八四・三%、自殺未遂率では六一・三%など、深刻な状況がうかがえます。

 そこで、私は、社会的養護につながったかどうかに関係なく、児童虐待の被害に遭った大人の実態調査を実施するとともに、相談窓口の設置など支援体制の構築に向けて取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

答弁5
福祉局長
 児童虐待を受けた方への支援についてでございます。

 都は、子供からの相談に適切に対応するため、全国共通ダイヤル一八九や児童相談センターでの電話相談、LINE相談などを実施しております。

 児童養護施設の退所者などケアリーバーに対しては、支援ニーズを把握するための調査を実施し、施策に反映しております。

 また、様々な悩みや不安を抱えた方への相談支援体制の充実を図るなど、個々の状況に応じた支援を行っております。

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子ども・子育て支援

質問1
 次に、子供、子育て支援について伺います。

 〇一八サポート、いわゆる東京都版子供手当について、私たちは様々な課題を解決し、継続して実施することを求めてきました。

 九月の代表質問に対し小池知事は、国の動向などを見定めながら、予算編成の中でしっかりと検討していくと答弁しました。このしっかりと検討という中に、当然、市区町村との連携などについてもしっかり入っていると考えます。

 〇一八サポートの継続した実施に向けて、知事の見解を伺います。

答弁1
知事
 〇一八サポートについてであります。

 都は、少子化対策の充実強化に取り組んでおり、〇一八サポートはその一環として実施をいたしております。

 国におきましても少子化対策を進めていますが、都としては、引き続き子供一人一人の成長を支えていくという観点から、国の動向などを見定めながら、予算編成の中でしっかりと検討してまいります。

質問2
 〇一八サポートの申請手続について、小池知事は、私の周りはさくさくできたと述べていましたが、宮坂副知事は、使いづらいなどお叱りの声がすごく多かったと発言しています。

 バージョンツーの申請サイトについての都民アンケートでも、操作方法や入力方法について、分かりやすかった、とても分かりやすかったは二八%、普通が三二%、分かりにくかった、とても分かりにくかったが四〇%です。

 また、申請にかかった時間は、十五分から三十分が三〇%と最も多く、三十分から一時間が二七%、その次が十五分以内の二四%のことで、とてもさくさくとはいえません。

 問題なのは、都合の悪い情報が知事には上がっていないのではないかということです。改めて申請手続について見解を伺います。

答弁2
福祉局長
 〇一八サポートの申請手続についてでございますが、都は、申請いただいた方へのアンケート結果なども踏まえ、申請途中から手続を円滑に再開できるようシステムを改善するとともに、申請手続の一連の流れを紹介する動画を掲載した解説ページを作成するなど、手続がスムーズにできるよう取り組んでおります。

質問3
 〇一八サポートの申請手続の一月一括支給分の申請期限が十二月十五日に迫っていますが、申請率は低いと聞いています。十二月十六日以降も申請を受け付けるとのことですが、知らなくて給付が受けられなかったということはあってはなりません。

 現時点での申請状況と全ての子供たちへの給付に向けた取組について見解を伺います。

答弁3
福祉局長
 〇一八サポートについてでございますが、昨日時点の申請者数は約百五十五万人、申請率は約七八%であります。

 今後、未申請の方には個別に案内をするなど、確実な申請につなげてまいります。

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スピーキングテスト

質問1
 次に、教育について伺います。

 スピーキングテストが十一月二十六日に実施をされました。今年は会場を三十か所増やすとともに、前半受験組の解答が後半組に聞こえないよう、前後半で待機するフロアを分けたり、教室の定員を減らして、隣の席を空けるなどの一定の改善はなされました。

 しかし、都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会が中心となって行ったアンケート調査では、他の生徒の声が聞こえる、前半後半に分けることで長時間拘束や不公平感を生むなど、昨年に続き指摘されている点が多く、根本的な検証、改善が行われているとはいえません。

 テスト理論、心理統計学の専門家が指摘している不受験者の扱いをはじめ、スピーキングテストを入試に使うに当たって発生している多くの問題点を検証し、改善することが、公正、公平であるべき高校入試には不可欠であると考えますが、見解を伺います。

答弁1
教育長
 スピーキングテストの都立高校入試への活用についてでございますが、今年度のテストでは、中学校や区市町村教育委員会からの意見等を踏まえ、教室や机の配置を工夫するなど、生徒がより集中した環境で受験できるよう改善を図りました。

 また、不受験者の措置は、事故や病気などやむを得ない理由によりテストを受験することができなかった生徒に対して、著しく不利にならないよう、テストに相当する点数を算出し付与するものであり、事前に要綱に定め公表した上で実施をしています。

 都立高校入試においては、学習指導要領で求められている英語四技能の習得状況を測る必要があり、引き続き、その結果を都立高校入試に活用してまいります。

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高齢者施策

質問1
 次に、高齢者施策について伺います。

 少子高齢社会の進展、介護人材離れなどで必要な介護を受けられなくなる、いわゆる介護難民の大量発生が懸念されています。

 東京都も、フレイル予防や社会参加の促進など介護需要の抑制に努めるとともに、現場のデジタルトランスフォーメーション、DXや、宿舎借り上げ支援など、介護人材の確保策に取り組んでいますが、訪問介護事業所の倒産が過去最高に達するなど、極めて厳しい状況です。

 必要な介護が受けられなければ、QOL、生活の質はさらに下がり、より多くのサービスが必要になるという悪循環に陥ります。介護難民ゼロに向けて、総合的、重点的な取組が求められますが、知事の見解を伺います。

答弁1
知事
 高齢者の施策についてであります。

 多くの高齢者は、介護が必要になりましても、住み慣れた地域で暮らしたいと望んでおりまして、適切な住まいや医療、介護などを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が必要でございます。

 都はこれまでも、介護サービス基盤の整備、認知症施策や介護人材対策など、様々な高齢者施策を展開いたしております。現在策定を進めている次期高齢者保健福祉計画の議論の中でも、こうした施策につきまして引き続き検討してまいります。

質問2
 介護人材の確保に向けて、処遇改善など根本的な対策が必要不可欠ですが、次世代介護機器の積極的な導入、介護のDXにより、介護者の負担軽減や生産性の向上に取り組むことも不可欠です。

 しかし、経営者層の意識やDX人材の不足などもあり、現場での取組は遅々として進んでおらず、東京都がおせっかいなくらい積極的に介入することが必要ではないでしょうか。介護現場のDXに向けて見解を伺います。

答弁2
福祉局長
 介護現場のDXの取組についてでございます。

 都は、介護事業者に対し、業務を効率化し、サービスの質を高めることを目的に、デジタル機器や次世代介護機器の導入経費を補助しております。

 また、経営者層を対象に生産性向上セミナーを開催するほか、今年度からは、デジタル機器の選定方法等について専門家の意見を活用できるよう、コンサルティング経費を補助対象に追加し、支援の充実を図っております。

 引き続き、介護現場でのデジタル技術の活用を進めてまいります。

質問3
 私は、昨年の予算特別委員会と今年の都市整備委員会で、高齢者の居場所づくりとして、都営住宅での東京みんなでサロンについて質問しました。

 今年度予算では、TOKYO長寿ふれあい食堂が予算化され、高齢者が食事を通じて交流する居場所づくりが進むことが期待されます。食事は日々の暮らしに満足感を与え、不足しがちな栄養の摂取が期待されるなど、高齢者の生きがいや健康維持に大いに資するものと考えます。

 私は、高齢者への食事の提供と居場所づくりを積極的に進めるべきと考えますが、見解を伺います。

答弁3
福祉局長
 高齢者の居場所づくりについてでございます。

 都は、高齢者の交流機会の増加、心身の健康増進、多世代交流の促進を目的として、地域で高齢者が気軽に立ち寄り、会食できる居場所づくりに取り組む区市町村を支援しております。

 今後、高齢者人口の増加に伴い、一人暮らしや高齢者のみの世帯も増加すると予測されており、こうした高齢者の居場所づくりが進むよう、引き続き取り組んでまいります。

質問4
 認知症施策について伺います。

 私たちは今年六月の代表質問で、認知症基本法の制定を見据え、認知症当事者が尊厳を保ち、希望を持って暮らせるよう、症状の理解や地域での受入れを促進、さらには、当事者や家族が孤立しない積極的な支援など、認知症施策の一層の推進を求めてきました。

 全ての人に居場所と出番のある共生社会の実現へ、私は、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし、社会の一員としての役割が持てるよう、認知症施策を大幅に拡充すべきと考えますが、見解を伺います。

答弁4
福祉局長
 認知症施策についてでございます。

 都は、地域で認知症の方への声かけや見守りなどを行う認知症サポーターの養成や活動を促進しているほか、東京都認知症施策推進会議の場で認知症の方に自らの体験などをお話しいただくなど、認知症になっても地域で安心して暮らすことができるよう、様々な取組を進めております。

 今後とも、共生社会の実現に向け、認知症施策に取り組んでまいります。

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雇用・就業対策

質問1
 次に、雇用、就業対策について伺います。

 賃上げについては冒頭述べましたが、男女の賃金格差についての研究が今年のノーベル経済学賞を受賞し、ジェンダー格差が注目されました。

 国は、昨年、男女間の賃金格差是正策の一つとして公表を義務化しました。フリマアプリ大手の企業は、分析の結果、同じグレードで同じ業務をしている男性と女性で約七%の説明できない格差があったとして、男女差分を縮小する賃上げを行いました。

 出産、育児に伴う離職や短時間労働への対策を進め、格差是正で賃上げに取り組む企業を支援するなど、男女間賃金格差の縮小に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

答弁1
産業労働局長
 働く女性の処遇改善に向けた取組についてでございますが、働く女性の活躍を推進する上で、職場環境の整備を進めることは必要でございます。

 これまで都は、女性が出産や育児のため休業や休暇を取得できる制度の充実等に取り組む中小企業に支援を行っております。

 また、女性が子供の小学校入学後も利用できる短時間勤務制度を設ける企業の取組を後押ししているところでございます。

質問2
 都議会立憲東京ビジョンでは、カスタマーハラスメント、カスハラ対策条例の早期制定を求めています。

 九月の代表質問で、私たちは、会派独自にカスハラ条例案を検討していることを述べるとともに、都に対しても条例の早期制定を求めました。

 これに対し知事は、公労使会議で官民一体の意見交換を行うと答え、十月二十日には公労使会議が開催されています。

 会議の出席者からは、カスハラは深刻な問題、条例などによる防止が必要との発言があり、検討部会でも、事業者団体から、効果的な取組と条例の検討が進むといいと対策条例の必要性を求める声が上がりました。

 都として早期にカスハラ条例の制定に向けて結論を出すべきと考えますが、見解を伺います。

答弁2
産業労働局長
 カスタマーハラスメントへの対応についてでございますが、顧客等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が精神的なダメージを受ける状況を防ぐことは重要でございます。

 都では、こうしたハラスメントをテーマに公労使会議を開くとともに、現在、専門家等による検討の場を設け、具体的な対応の方法について議論を進めているところでございます。

質問3
 弱い立場にあるフリーランスへのカスタマーハラスメントはより深刻です。フリーランスの方は、取引先からの無理難題に全て自分で対応しなければならず、負担やダメージも相当大きくなると推察されます。

 また、フリーランスについては、期限内に決められた報酬を払う、労働条件の交渉を行うなど、ある意味、当然ともいえる取引の適正化を求めていくことが必要です。

 来年秋頃には、フリーランスの取引に関する新法が施行される予定であり、私は、都としても、フリーランスに関する諸課題に取り組むために、あらゆるハラスメントの防止など、就業環境の改善や取引の適正化を支援すべきと考えますが、見解を伺います。

答弁3
産業労働局長
 フリーランスの方への対応についてでございますが、フリーランスの方が顧客などから過大な要求や不当なクレームを受け、精神的なダメージを受ける状況を防ぐことは重要でございます。

 このため、都は、専門家などによる検討の場を設け、具体的な対応の方法について議論を進めております。

 また、フリーランスの方が安心して業務を担うためのサポートは必要でございます。

 このため、発注者との契約上のトラブルなどで支援が必要な場合、専門の相談員が解決に向けた支援を行っているところでございます。

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ライドシェア

質問1
 次に、交通政策について伺います。

 国においてライドシェアの導入に関する議論が進んでいますが、ライドシェアには大きな問題があります。

 都内のタクシー不足は、コロナ禍の影響により、一万人もの乗務員、いわゆる運転手が退出をし、タクシーの稼働台数が八二・七%にまで減少したことに加え、インバウンドなど需要の急拡大が原因となっています。

 現在、都市部でのタクシー乗務員の確保に向け、二種免許試験などの規制緩和の議論が始まっていますが、駅前タクシー乗り場での行列など、運用変更で改善できるものについては速やかな対応が必要です。

 もとよりエッセンシャルワーカーは、コロナ禍においても、社会生活に必要なサービス提供を継続するため、懸命に努力されてきましたが、タクシー乗務員を含め、いまだに職責に応じた処遇の改善が十分なされているとはいえません。

 二〇一八年十月、都議会では、白タク行為に該当するライドシェアは、利用者の安全に極めて大きな懸念があり、十分慎重に対応することとした意見書を可決しています。

 そこで、ライドシェアに対する知事の見解について伺います。

答弁1
知事
 ライドシェアに関してであります。

 自家用車を活用するライドシェアの導入によりまして、観光地のタクシー不足解消などを期待する声がある一方で、ドライバーのみが責任を負う形態につきましては、安全の確保や利用者の保護等の観点から問題があるとの指摘がなされているものと承知をいたしております。

 現在、国が様々な観点から検討をしており、都といたしましては、こうした国の動向を注視してまいります。

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神宮外苑再開発

質問1
 次に、神宮外苑再開発について伺います。

 九月、ユネスコの世界遺産に関する諮問機関であるイコモスら三者が、神宮外苑の文化遺産が危機に陥っているとしたヘリテージアラートを発出し、都市計画決定の見直しや環境アセスメントの再審を求めました。

 都と事業者は、十月十五日までに回答せず、十一月、日本イコモスは抗議の会見を行っています。

 都の回答を都民も求めており、再度回答の要請もされかねません。

 神宮外苑再開発に関して、イコモスなどの要請に真摯に向き合うべきと考えますが、見解を伺います。

答弁1
都市整備局長
 神宮外苑の再開発についてでございます。

 日本イコモスからはこれまで、文部科学省、環境省、国土交通省、港区、新宿区、事業者及び東京都などに神宮外苑の保全等に関する提言や要請等が出されております。

 都は、都市計画や再開発事業の認可などについて、法令等に従って適切に対応するとともに、事業者に対して、既存樹木の保全などに取り組むよう要請してきているところでございます。

質問2
 私たちは、神宮外苑再開発計画の見直しが必要であると考えています。

 事業者は、神宮外苑内のイチョウ並木がある土地の指定容積率の移転を利用するなどして、計画を変更しながらも、結果として、イチョウ並木自体の育成環境を悪化させかねない計画になっているといわれています。

 都は、事業者にイチョウ並木の育成環境を悪化させかねない神宮外苑再開発計画を見直させるべきと考えますが、見解を伺います。

答弁2
都市整備局長
 神宮外苑の事業者の計画見直しについてでございます。

 都は、都市計画や再開発事業の認可などについて、法令等に基づき適切に対応しております。

 また、これまでも事業者に対して、既存樹木の保全などに取り組むよう要請しております。

 これを受け事業者は、四列のイチョウ並木を全て保存すると述べており、そのため、イチョウの根の調査を実施するとともに、今後、調査結果や樹木医の意見を踏まえ、新野球場棟のセットバックなど必要な施設計画の見直しを行うこととしております。

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政治とカネの問題

質問1
 最後に、知事の基本姿勢に関して、政治と金の問題について伺います。

 自民党の派閥のパーティーで収入が裏金とされたり、キックバックを受け取った議員の政治資金収支報告書に記載していなかったことが報じられ、政権を揺るがしています。

 法律上、過去五年までしか捜査はされませんが、過去に遡って実態を解明し、透明化を図る必要があります。

 小池知事は、会見での記者からの質問に、覚えていない、ないと思うという曖昧な答えをされました。

 そこで、小池知事に伺います。所属していた自民党派閥の清和政策研究会からのキックバックを含め、政治資金収支報告書に記載すべきお金を受け取って、記載しなかった事実は一切ないのか、あるかないかではっきりとお答えください。

 また、いわゆるキックバックとは別の形で、本来、政治資金収支報告書に記載すべき収入を記載しなかった事実は一切ないのか、知事に伺います。

 政治資金パーティーについては、いわゆる大臣規範を閣議決定し、国務大臣等は清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保する観点等から、大規模な政治資金パーティーを自粛することとしています。

 小池知事は、パーティーを開催し、昨年、約三千九百万円の政治資金を集めていますが、大臣並みかそれ以上の予算編成権や執行権を持ち、公共事業の発注者である東京都知事は、大臣規範に準じ、そもそも政治資金パーティーを行うべきではありません。自粛すべきだと思いますが、知事の見解を伺います。

 以上、東京都議会立憲民主党を代表しての質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。

答弁1
知事
 基本姿勢についてお尋ねが三問ございました。まとめてお答えをいたします。

 ご指摘をなさっているような記載しなかった覚えというのはございません。

 なお、会合につきましては、法に基づき適切に対応しているところでございます。

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