学童のお昼ご飯提供へ取組を
隅田川の水辺空間の整備実現を

教育施策

質問1
 私学振興と併せ、公教育の充実を進めていくことは極めて重要です。

 まず、給食について伺います。

 二〇二二年四月に、日本の公立校では初となる小中高一貫校、立川国際附属小が誕生しました。先進的な探求の学びなど、都内小学校のモデルとなる先進的な事例を積み重ね、都内小学校に展開していくべきです。

 特に、私たちは、かねてより、学校給食のオーガニック化を強く求めてきました。日本国内でもオーガニック給食の実施例は増加しており、食育の一環として、人にも環境にも優しいオーガニックを都も強力に推進すべきです。

 立川国際附属小学校において、オーガニック食材に関する食育の取組を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
教育長
 有機農産物を活用した食育の取組についてでございますが、化学肥料や化学合成農薬を使用しないなど、環境への負荷を低減した有機農産物を活用し、その生産過程や環境問題等への理解を深めることは、学校における食育を推進する上で有効な取組でございます。

 このため、今後、都教育委員会は、立川国際中等教育学校附属小学校において、食育の取組を実施する際に、給食に有機農産物を提供するとともに、有機農産物を給食に導入している自治体等の事例を研究するなど、有機農産物に関する食育を実施してまいります。

 また、こうした有機農産物を活用した食育の取組事例について、都内の栄養教諭や学校栄養職員が参加する研修会等の機会を活用し、周知を図ってまいります。

質問2
 また、立川国際附属小において実施されている先進的な取組内容を検証の上、都内区市町村に普及していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

 なお、都内の私立学校に目を向けると、東京東部には私立小学校が存在せず、私立中学校もその多くが西部に集中していることが分かります。私立学校の手薄い東京の東部にも、都立小中高一貫校の開校や、都立中高一貫校の定員増を求める声が届いておりますので、検討を求めておきます。

 また、私立と比べて見劣りするといわれている公立学校のハード面においても強化が必要です。とりわけトイレについては快適さが求められており、私立学校や民間オフィスビルなども一〇〇%洋式化、そして暖房便座化がスタンダードになっています。

 このような公私間格差をなくすよう、公立の教育現場でも一層の取組を強化するよう求めておきます。

答弁2
教育長
 都立小学校の先進的な取組の普及についてでございますが、都立立川国際中等教育学校附属小学校は、小中高の十二年間の一貫した教育を生かした学びや、都における教育課題の先導的、実践的な研究に取り組む学校でございます。

 昨年の四月に開校し、小学校第一学年から、教科としての英語の授業を行うとともに、一人一台端末を活用したデジタル教科書を積極的に活用しています。

 また、思考力、判断力、表現力等を育成する探求的な学びを重視した教育活動に取り組んでいます。

 今後、都教育委員会は、こうした実践事例を蓄積した上で成果を検証し、得られた知見等を広く都内区市町村に還元して、義務教育段階の教育の充実を図ってまいります。

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学童

質問1
 次に、学童について伺います。

 学童に関連して、夏休みなど長期休暇期間中の子供のお弁当の用意について大変多くのご意見をいただきます。先進的な区や施設では、週に数回、実費を徴収した上で、温めたレトルトカレーの提供や弁当のデリバリーを行うなど、親の負担を軽減するための取組も行われており、こうした食事は子供たちにも大いに喜ばれているところです。

 都としても、課題を調査し、夏休み中の学童でのお昼ご飯提供が進むよう取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

 学校の長期休暇に関連して申し上げます。

 今年のゴールデンウイークは、観光需要も復活し、観光地は大変な混雑でした。決められた日に多くの人が一斉に休むという、これまでの日本の休み方を見直していく休み方改革の検討も必要な時期が来ていると考えます。

 そのためには、大人の有給休暇の取得促進に加え、子供の視点での検討も重要です。

 また、レジャーだけでなく、議会を傍聴したいのに学校があるから行くことができないという意見や、生徒にも生理休暇が欲しいなどの声も届いております。

 都において、児童生徒の柔軟な休み方について検討を進めるべきことを強く求めておきます。

答弁1
福祉保健局長
 学童クラブにおける昼食の提供についてでございます。

 夏休みなど学校給食がない時期に、子育て支援策の一環として、学童クラブにおきまして昼食を提供する自治体もあり、都は、こうした取組を包括補助により支援をしております。

 今後、夏休み等の学童クラブでの昼食提供につきまして、民間事業者の活用事例など、様々な取組状況を把握し紹介することで、区市町村が学童クラブにおけるサービスの充実を図れるよう支援してまいります。

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公共冷蔵庫

質問1
 次に、フードパントリーについて伺います。

 コロナの影響や物価高の中で、都が食の支援と相談支援を合わせたフードパントリーへの支援を行っていることは重要な取組です。

 しかしながら、フードパントリーを運営している事業者が常に相談員を常駐させるというのも困難なため、開催の時間帯や回数が制約される一方、生活が苦しい方は時間的な余裕がないことも多く、冷蔵庫や電子キーと組み合わせて無人の状態でも食料の受渡しができるようにするなど、運営側と利用したい人の目線に立って取組を改善していくことも重要です。

 例えば、埼玉県草加市では、コミュニティフリッジ、公共冷蔵庫として、地元の商工会議所が中心となり、冷蔵庫と事前登録制の電子キーを活用して、生鮮食料品も対象に、いつでも人目を気にすることなく持ち帰ることができるとのことです。

 都は、支援対象者と対面で会うことが重要として、現在はこのような取組を補助対象としていませんが、取組の強化に向け、このような事例について研究し、選択肢の一つとしていくべきです。

 地域における様々な取組事例の調査研究を進め、現在都が実施しているフードパントリーへの支援事業の強化につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。

答弁1
福祉保健局長
 フードパントリーへの支援についてでございます。

 都はこれまで、区市町村に対して、生活困窮者等に食料を提供いたしまして、適切な支援機関につなぐフードパントリーの立ち上げに要する経費を支援してまいりました。

 また、昨年度からは、民間団体が、物価が高騰する中でも安定的な運営を継続できるよう、食料調達費や光熱水費などを直接支援しております。

 今後、地域における相談支援や食料提供の方法等に関する様々な取組事例を区市町村等に情報提供するなど、多様な支援ニーズに応じたフードパントリーの設置や運営がさらに進むよう取り組んでまいります。

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まちづくり

質問1
 都有地の活用について伺います。

 現在、墨田区内では、墨田五丁目都市整備用地の整備が進んでおり、グラウンドとして使われている都有地が今後使用できなくなることから、地元では代替地を熱望する声が高まっています。

 そこで、代替地として有望なのが旧忍岡高校跡地であります。一ヘクタールに上る広大な都有地であり、二〇〇三年に忍岡高校が建て替えに伴い臨時に移転、二〇〇六年に再度台東区へ忍岡高校は移転し、空き地となっております。二〇一七年には大規模救出救助活動拠点として指定され、有事には周辺の防災団地とも一体的に機能を発揮することが地元からも期待をされております。

 一方で、平常時に活用されていない状況はもったいないとの声もあり、大規模救出救助活動拠点として支障ない範囲での利活用が求められております。

 墨田区と共に、地元への丁寧な説明を行い、早急に利活用を検討すべき時期にあると考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
総務局長
 旧忍岡高校跡地の活用についてでございますが、当該都有地は、大規模災害発生時には、自衛隊、警察、消防等が連携し、救出救助活動を行うための活動拠点として重要な役割を担ってございます。

 当該地の活用につきましては、こうした役割を踏まえるとともに、地元の理解を得る必要があることから、墨田区や関係局などと様々な観点から検討を行ってございます。

 今後、関係部署と連携し、地域住民の声も踏まえながら、具体的に意見交換を行ってまいります。

質問2
 次に、河川について伺います。

 東京都では、隅田川等におけるゆとりと潤いにあふれる水辺空間の整備の実現に向けて、学識経験者等による、未来の東京に向けた水辺整備のあり方検討会を設置し、検討を進めています。水辺活用の取組の一つであるかわてらすには、ミシュラン二つ星のレストランも誕生するなど、東京の顔である隅田川の今後が期待されております。

 また、昨日の我が会派の代表質問でも取り上げましたが、グリーンインフラの考え方によれば、緑化は、見た目に美しいだけでなく、雨の際の洪水対策や、川の水質を改善する役割も果たします。

 そこで、今後、緑化やバリアフリーへの配慮、さらなる民間活力の利用など、隅田川を、誰もが訪れたくなる東京の顔となるような取組を一層強化するべきと考えますが、知事の見解を伺います。

答弁2
知事
 隅田川の水辺空間の整備についてお答えいたします。

 東京は、江戸時代、河川や水路が網目のようにめぐって、人や物を運ぶ船が行き交い、水辺を中心に栄えておりました。

 都は、こうした資源を生かして、下流部を中心に、水辺で飲食ができるかわてらすを誘導するとともに、テラスの連続化などにより回遊性を向上させ、水辺のにぎわいを生み出してまいりました。

 昨年からは、未来に向けた水辺整備の在り方の議論を進めておりまして、上流部も含め、スロープや夜間照明、緑化の充実など、ウオーカブルな水辺空間の創出を目指しております。

 今月中に取りまとめをいたしまして、年度内には具体的な事業計画を策定する予定としており、人々が集い、親しめる、東京ならではの魅力的な水辺空間を創出してまいります。

質問3
 大規模災害時には水上ルートの確保も重要です。隅田川の両国船着場などは、平常時では水上バス乗り場として利用され、有事には災害用としても利用することが想定されています。

 しかし、発災時、いざ防災船着場を利用しようとした際に開錠できないなど、円滑に使用できなかったり、また横十間川には都立墨東病院沿いに防災船着場もありますが、横十間川など内部河川には隅田川との接続部分に水門があり、地震の際には水門が閉じてしまうなど、災害時において河川を活用できるかどうかはその地域によって様々です。

 このような状況も踏まえ、有事の際、防災船着場を円滑かつ迅速に使える仕組みを整えていくことが重要であると考えますが、都の見解を伺います。

答弁3
総務局長
 大規模災害時におけます水上ルートの活用でございますが、発災後の様々な被害に迅速に対応するためには、陸路だけではなく、河川や運河などを水上経路として確保し、緊急輸送ルートの多重化を図ることが重要でございます。

 これまで都は、水上ルートの活用に向け、運航事業者の団体等と船舶による輸送等に関する協定を締結するとともに、発災時の船舶の確保手順に関する運用ルールを事前に定めておくなど、取組を進めてまいりました。

 今後も、個々の防災船着場について、立地状況や管理方法などの基本情報、拠点までのルート等をあらかじめデータ化し、関係局や地元区、警察、消防等で情報共有するなど、応急対策活動の一層の迅速化を図ってまいります。

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ふるさと納税

質問1
 ふるさと納税について伺います。

 ふるさと納税による減収額は増加の一途であり、都と区市町村を合わせた東京都全体の令和四年度の減収額は千四百億円を超えています。

 ふるさと納税は制度の抜本的な見直しが必要と考えますが、国が動かない中で、基礎自治体では、現行制度下の対抗策として、ふるさと納税に力を入れる事例も増えております。

 私の地元墨田区でも、様々な工夫を凝らした地元の品をラインナップし、都内最高額のふるさと納税受入額を記録しています。ふるさと納税が存在する下での税金流出に対する具体の対抗策も検討すべきと考えます。

 また、制度の見直しに向けては、国への働きかけにとどまることなく、ふるさと納税に対する都の認識を、ふるさと納税をしようとする都民に届け、理解を得るための戦略的な広報を展開すべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
主税局長
 ふるさと納税についてでございます。

 ふるさと納税は、行政サービスに要する経費を地域の住民が負担するという地方税の原則をゆがめるものであります。また、返礼品競争が続いているなど、寄附本来の趣旨を促す制度となっていない点も課題です。

 このため、都は国に対して、ふるさと納税の対象となるための申出をせず、制度の見直しを要望してきました。

 さらに、都の見解をホームページに掲載し、都政への影響について分かりやすく発信したことで、報道される機会も増え、課題が広く知られるようになってきたと認識しております。

 制度見直しの機運醸成に向け、今後は、SNSやデジタルサイネージなど、直接都民に働きかける媒体も活用し、効果を検証しつつ、戦略的に広報を展開してまいります。

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デジタルサービスの展開

質問1
 デジタルサービスについて伺います。

 現在、東京都が関連するアプリが多数存在する状況となっており、今後も増えていくと見込まれます。

 都は、先般ツイッターアカウントを整理したところですが、似たようなサービスやアプリを各局が立ち上げるのではなく、類似のアプリを共通化するなど、都民の立場で分かりやすく利用しやすいサービスをつくっていくことが必要です。行政アプリやウェブサービスは、都民と東京都をつなぐ有用な手段であり、都民が簡単、便利に、質の高いサービスを受けられるようにすることが重要であると考えます。

 今後、デジタルサービス局が各局に横串を刺し、都民の利便性を重視したデジタルサービスを展開していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
デジタルサービス局長
 質の高いデジタルサービスの展開に関するご質問にお答えいたします。

 都民が利便性を実感できるサービスの実現のためには、利用者の目線に立った取組の徹底が重要であります。

 そのため、今年度、各局DXの推進役としてCIO補佐官を設置し、全庁のデジタルサービスの品質確保、向上に向けた取組を開始いたしました。

 デジタルサービス局がサービス開発を一元的に把握し、企画段階から各局との協働を進めることで、都民との接点となるアプリやウェブサイト等、サービス提供ツールの最適化を図るなどの取組を進めてまいります。

 さらに、ユーザーテストの徹底や各局の好事例を基にしたノウハウの横展開を図り、デジタルサービスの一層の質の向上につなげてまいります。

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附属機関等の情報公開

質問1
 東京都には三百個を超える有識者会議や審議会などの附属機関等が存在し、東京都の抱える諸課題について、専門家の皆様により貴重な議論がなされています。

 総務局人事部において、東京都の附属機関等の一覧が作成されておりますが、有識者会議と検索しても一覧のホームページにすぐにたどり着かないこと、議事録がなかなか上がらないことなどの課題があります。

 都の有識者会議など附属機関等について、漏れなく、分かりやすく、迅速に情報公開が行われるよう改善していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

答弁1
総務局長
 附属機関等の情報公開についてでございますが、都はこれまで、附属機関等設置運営要綱及び取扱い通知において、会議開催日程等の事前周知や、議事録の速やかな公開等について定め、情報公開を推進してまいりました。

 また、各機関の基本情報、議事録等を含む詳細情報のリンク先の一覧や開催日程を集約して総務局ホームページに掲載するなど、情報へのアクセスが容易となるよう取り組んでおります。

 今後も、附属機関等一覧の検索性を高める等によりアクセス向上を図るとともに、各局とも連携しながら、都民に対する迅速かつ適切な情報公開を推進してまいります。

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産業振興

質問1
 最後に、アニメ、クリエーター支援について伺います。

 東京には、漫画やアニメ、ゲームなど、国際競争力を有する知的財産が集積しています。

 一方、近年、中国や韓国が市場を席巻しつつあり、都としても、世界に後れを取ることなく、日本のキラーコンテンツの一つである漫画やアニメなどのコンテンツ産業について、デジタル空間での流通の拡大などのトレンドを踏まえながら着実に育てていかなければなりません。

 東京の競争力をさらに高めていくために、魅力的なコンテンツをつくり出す源泉であり、将来の担い手となる若手クリエーターの事業活動をしっかりとサポートしていくことが重要と考えますが、見解を伺い、質問を終了します。

答弁1
産業労働局長
 若手のクリエーターに対する支援についてのご質問にお答えいたします。

 デジタル化の進む中、将来の大きな発展が見込まれるコンテンツ分野で、若手のクリエーターが確実に力を伸ばすための後押しは重要でございます。

 都では、創業を支援する拠点におきまして、若手のクリエーターに対し、受注を増やすためのノウハウなどを提供するほか、業務運営に係る様々な相談に対応をしております。

 今年度は、若手のクリエーターを対象として、収益の確保につながる事業展開を図るためのセミナーを開催いたします。

 また、コンテンツを制作する事業者がメタバース等の仮想空間でサービスを提供する会社などと商談を行う展示会について、若手のクリエーターの参加費用を抑えるほか、ピッチイベントへの出場の機会を提供する工夫も行います。

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