オーガニック給食の促進を
誰一人取り残さない住宅支援を

子ども施策

質問1
 プレーパークの推進について伺います。

 遊びとは、子供が本来持っている自ら育つ力。子供は遊びを通じ、五感全てから多くのことを学ぶのだと、私自身、幼少期は木登りしたり、秘密基地をつくったり、冒険が大好きな子供でした。

 今、都市の中で、子供たちが自由に遊べる空き地や思い切り泥遊びができる場所は限られ、公園のボール遊び禁止、子供たちの声すら迷惑だと、遊び場が制限されているような風潮に、子供たちの日常から奪われてきたプロセス、自己有用感、異年齢交流の大切さ等、子供たちの生きる力を育む遊びの実践の場として、都としてプレーパークの設置推進に取り組むべきと考えます。

 羽根木プレーパークの生みの親、天野秀昭さんより、コロナ禍で、ひきこもりや不登校が増加している中、そういった子供たちがプレーパークでの遊びを通じ回復している事例について伺い、区議時代より設置推進に取り組んでまいりました。

 東京都こども基本条例が制定され、都として、子供の遊ぶ権利、子供の声を聞きながら取組を進めるべきです。プレーパークの設置にはプレーリーダーの役割が重要ですが、都はどのようにプレーリーダーの育成を図っていくのか、自治体におけるプレーパークの設置をどのように支援していくのか伺います。

答弁1
子供政策連携室長
 遊びの推進についてでございますが、子供は遊びを通じて、友達同士で関わり合い、様々な経験をすることで、実社会に必要な力を身につけていきます。

 先月取りまとめたこども未来アクションでは、遊びの環境づくりをリーディングプロジェクトとして位置づけ、ハード、ソフトの両面から多面的に取組を展開してまいります。

 具体的には、子供の遊びや体験の幅を広げる役割を担う、いわゆるプレーリーダーとして必要なスキルを学ぶ研修を実施し、人材育成に取り組むとともに、子供の意見を取り入れながらプレーパークなどの遊び場づくりを推進する区市町村への補助制度を創設いたします。

 これらを通じて、子供の笑顔があふれる遊びの環境づくりを推進してまいります。

質問2
 子供たちの食の安全と健康を守りたい。全国で、オーガニック給食の動きが始まっています。

 昨年十月、全国オーガニック給食フォーラムが開催され、全国の先進自治体の首長、JA、農水省の担当者も出席されました。

 韓国では、既に国策として有機農産物による給食が無償化されており、フランスでは二〇二二年からエガリム法で学校給食を含む公共調達の有機食材の導入率二〇%の目標が定められ、二〇三〇年までに、デンマークで九〇%、スウェーデンで六〇%と、具体的な数字を定め推進しています。

 そこで課題となるのが、有機農産物を給食に安定供給するための有機農業の推進です。

 国は昨年九月、二〇五〇年までに有機農産物二五%を目指す、みどりの食料システム戦略を公表し、二〇三〇年までに化学合成農薬や化学肥料使用量の低減等の目標が掲げられ、環境への意識が高まる中、東京農業においても環境負荷低減への取組を加速すべきと考えます。

 農業者の皆さんに、環境に優しい農産物生産の必要性や具体的な栽培方法など理解を深めていただくとともに、有機野菜を取り扱う販売所をさらに増やし、農業者の収益力の向上につながるよう支援が必要だと考えます。都の見解を伺います。

答弁2
産業労働局長
 環境に配慮した農業の推進についてお答えいたします。

 農薬などの使用を減らす農業の推進は、環境負荷を軽減し、消費者からの信頼を高める重要な取組でございます。

 このため、都は、化学的に合成した農薬や肥料を削減して生産した農作物を東京都エコ農産物として認証し、JAの直売所や様々なイベントで販売してPRにつなげております。

 来年度は、エコ農産物を生産する農業者を増やすため、JAと協力し説明会を開催するほか、農薬を減らす栽培方法に関し、きめ細かい情報提供を行うため、普及指導の充実を図ります。また、スーパー等小売店での販売キャンペーンや、飲食店への食材の提供により、消費者に紹介し、需要の拡大に結びつけてまいります。

 これらによりまして、環境に配慮した農業を後押しいたします。

質問3
 みどりの食料システムでは、有機農業の生産、消費、加工、流通までを一体的に支援する取組であり、学校給食での利用も挙げられています。

 韓国では、有機農産物の出荷の四割が給食向けとのことで、学校給食が有機農産物を支え、付加価値の高い野菜の生産は農家の所得向上につながり、一石五鳥くらいの効果があるとの試算があり、公共調達で安定的に購入することは、慣行農業の有機への転換を後押しする取組であると考えます。今年度、国で三十億円の予算がついており、ぜひ東京野菜の付加価値を高めていただきたいと考えます。

 学校給食サイドはユーザーであり、食材の価格高騰に導入が難しいとの声が聞かれており、だからこそ、学校での利用を後押しする取組が求められており、一昨年、私も一般質問で取り上げました。

 そこで、学校給食での利用促進に向けて、都知事の見解をお伺いいたします。

 食の安全は、命に直結するとても重要な課題です。ところが、近年、国の残留農薬の基準値が大きく緩和されており、世界の流れと大きく逆行していることを危惧しております。

 輸入小麦のほとんどにEUで使用が禁止されているグリホサート系農薬の残留が見られ、学校給食における国産小麦の使用と米粉パンの活用も併せ、ぜひ、小池都知事の強いリーダーシップで、子供たちの食の安全と健康を守る給食大改革を進めていただきたいと要望いたします。

答弁3
知事
 学校給食における有機農産物の利用についてお尋ねがございました。

 学校給食に有機農産物を取り入れることは、子供たちがその生産過程を学び、環境問題への理解を深める、そのことができるため、食育を進める上で有効でございます。

 都内公立小中学校におけます有機農産物の給食への導入は、各学校の判断となっておりますが、安定的な供給体制や価格等に課題がある、このように聞いております。

 今後は、都教育委員会とも連携いたしまして、既に学校教育で有機農産物を導入している自治体等の事例を研究し、その結果について周知等を行い、積極的に有機農産物の活用を働きかけてまいります。

ページの先頭へ


発達障害のある都立高校生の就労支援

質問1
 私たちの会派では、インクルーシブな教育を推進しています。都教委では、発達障害のある都立高校生に、民間の専門性を生かした通級による指導を実施するなど、共に学びながらも特別な支援を得られる先進的な取組を進めています。

 次に課題となるのが社会へのブリッジです。障害児の親から聞くのは、卒業するといきなり社会に放り出されて支援がなくなることの大変さです。就職後には様々な困難に直面することも多いと聞きます。

 そこで、企業の理解を得ながら連携を図り、就職後に必要となるコミュニケーション方法やルールやマナーを在学中から身につけ、就労できるようにする支援が求められます。都教委の見解を伺います。

答弁1
教育長
 発達障害のある都立高校生の就労支援についてでございますが、生徒が卒業後に自立した社会人として活躍できるよう、就労先などと連携したインターンシップにより適性を見定め、本人の希望や障害特性に応じた就労につなげていくことが必要でございます。

 そのため、都教育委員会は、令和五年度から、企業やNPO等を活用し、ビジネスマナーや企業での対人スキルなどを身につけさせるとともに、模擬的な就労体験後に企業とマッチングを図る就労支援事業を新たに開始いたします。

 さらに、都が進めるソーシャルファーム事業とも連携を図りながら、こうした取組を推進し、障害のある生徒の進路実現を図ってまいります。

ページの先頭へ


東京ささエール住宅の専用住宅

質問1
 誰一人取り残さない住宅支援について、私の地元大田区では、居住支援協議会を設置し、高齢者など要配慮者へきめ細やかな支援を行っています。

 入居を拒まない東京ささエール住宅の制度を高く評価していますが、住宅マスタープランにおいて、二〇三〇年度までに専用住宅を三千五百戸供給目標にいまだ約六百戸の現状があり、住宅政策審議会でも、登録促進に向け、区市町村との連携と、必要とする方に登録された専用住宅を適切に届けていくマッチングの強化が重要であると申し上げました。

 都は、来年度予算において、貸主や居住支援法人に対する支援を強化し、専用住宅を増やすとしていますが、こうした専用住宅が住宅確保要配慮者にしっかりと活用されていくようにする必要があると考えます。都の見解を伺います。

答弁1
住宅政策本部長
 東京ささエール住宅の専用住宅についてでございますが、登録を促進し、住宅確保要配慮者へ効果的に提供するには、行政や不動産関係団体、居住支援法人等で構成される区市町村居住支援協議会の役割が重要でございまして、都は、その活動を後押ししてまいりました。

 来年度、都は、協議会の活動を都内全域に拡大していくため、設立の進んでいない地域における新たな協議会の設立に向けた区市町村等の取組への補助を開始いたします。

 また、区市町村参加の下、要配慮者の居住の安定に取り組む関係者間の意見交換の場を設けることによりまして、区市町村協議会の機能の強化を図り、要配慮者が専用住宅に円滑に入居できる環境の整備につなげてまいります。

ページの先頭へ


舟運の活性化と羽田・臨海部の活性化

質問1
 海に面した大田区選出として、臨海部と舟運の活性化に取り組んできました。臨海部の景観とともに、災害の備えとしても支援物資の輸送など、舟運を活性化させることは有効です。

 都は、水上バス等定期航路のみならず、屋形船等不定期航路にも開放を進め、多くの小型船が公共船着場を利用していますが、予約は前日までとなっており、水上タクシーの利用など当日利用のしやすいものにはなっていません。

 舟運事業者が利用者のニーズに対応できるよう、都はDXを活用しながら、臨海部における公共船着場の利便性向上を図っていくべきと考えます。都の見解を伺います。

答弁1
港湾局長
 臨海部の公共船着場の利便性向上についてでございますが、都はこれまで、ウェブ予約の導入など様々な取組を進めてまいりましたが、現場対応の人員を手配する必要から、予約申込みの締切りを利用日の前日としていることが課題となっておりました。

 このため、船着場の利用直前まで予約が可能となるよう、事業者自らが船着場の解施錠を行うことができるスマートロック等を備えた無人管理システムを、昨年七月から日の出の船着場へ先行的に導入しております。

 今後、年度内に利用ニーズの高いお台場の船着場へ導入し、来年度、他の船着場へも展開することで利便性向上を図り、水辺のにぎわい創出を推進してまいります。

ページの先頭へ


神宮外苑地区再開発事業

質問1
 都市の緑を守る環境まちづくりについて、神宮外苑地区再開発事業について伺います。

 都市整備局は、公園まちづくり制度について、センター・コア・エリアにおいて、未利用地を対象に民間の力を活用し、公園、緑地の整備を促進するための制度だと説明していますが、都心の土地の経済的利用価値は高く、だからこそ、都市の緑を守る必要があると考えます。公園まちづくり制度が、本来、公共の財産である都市公園の自然を破壊し、過剰開発を助長するものになっているとしたら、制度を見直す必要があると考えます。

 公園まちづくり制度を活用し、これまで広く一般に公開されていた地区を再開発事業として活用する場合、関係自治体の住民に広く周知した説明会を開催し、情報公開、透明性の確保に努めることが必要ですが、十五万人の署名が示すように、住民、都民への情報公開と周知の徹底をより丁寧に進めるべきだったと考えます。

 住民、都民の共有財産である貴重な公園、神宮外苑の大規模伐採は、SDGsや環境問題から考え、重要な事項であり、一層の情報公開と透明性の確保が求められます。都の見解を伺います。

答弁1
都市整備局長
 情報公開の確保についてでございますが、神宮外苑の再開発については、これまでも、都の公園まちづくり制度実施要綱や環境影響評価条例、都市計画法等に基づき必要な説明を行ってきております。

 樹木の保存、伐採等についても、事業者が環境影響評価書案の説明会において説明するとともに、都は、評価書案の公示、縦覧、意見書の受け付け、都民の意見を聴く会の開催などを既に行っております。

 今後とも、都として、ホームページ等を通じて分かりやすい情報提供に努めていくとともに、事業者に対して積極的な情報公開を求めてまいります。

質問2
 審議会では、評価書の公示により、神宮球場の建て替えにより、スタンド面の高さで都営住宅の騒音は、環境基準の五十五デシベルを超える五十八デシベルであることが指摘をされ、都営住宅との距離が半減することから、騒音レベルは六十二デシベルと、環境基準が大幅に悪化されることが指摘をされていますが、都の見解を伺います。

答弁2
環境局長
 野球場棟からの騒音についてでございますが、事業者は、施設利用者に対して、夜間の一定時間の音を抑える対策等を周知するとともに、ハード的な対策を検討し、設計段階で予測して審議会に報告するとしてございます。

質問3
 百年、適切な改修により保全されてきた神宮球場は、近代建築として保全されるべきと考えますが、新球場はイチョウ並木と隣接し、雨水、地下水の供給が遮断されるため、イチョウ並木は存亡の危機に瀕していると専門家から警鐘が鳴らされ、環境アセス審議会でも、この計画のままではイチョウ並木が枯死する可能性が高いと指摘があり、これは神宮外苑のイチョウ並木の確実な保全を求める陳情を全会派一致で趣旨採択した都議会の意思に反するものではないかと懸念します。

 一月の環境アセス審議会では、柳会長からも、現段階で虚偽という指摘があり、審議会としてゴーサインを出すことは難しいとの指摘がありながら、調査と着工届を切り離して着工届が出されました。

 千九百四本の既存樹木のうち、七百四十三本が伐採され、移植を含め千十八本が元の生息場所を奪われる計画であり、緑の生態系とネットワークを保全したまちづくりとすべきです。

 環境影響評価条例では、知事は審議会の意見を聴くと位置づけられていることからも、本審議会を重く受け止めるべきと考えます。環境アセスメントの位置づけについて見解を伺います。

 小池都知事が事業者に要請した要請文の中にも、歴史や地域特性を生かした景観形成、既存樹木については、複数の樹木医に意見を聞きながら、樹木の状態などを詳細に調査、公表し、設計の工夫などにより極力保存または移植するなど、一本一本を大切に扱い、神宮外苑の豊かな自然環境の質の保全に努めること、神宮外苑の象徴である四列のイチョウ並木の万全な保全と、都知事の要請文の内容に沿った事業であることを求めます。

答弁3
環境局長
 審議会の助言についてでございますが、環境アセスメントは、条例等に基づき事業が環境に与える影響を事業者自らが調査、予測、評価し、専門家が審議会でその内容を審議するものでございます。

 今回事業者が作成した環境影響評価書は、審議会において専門的立場から十分議論、検討の上出された答申及び評価書素案に対する審議会の助言を踏まえまして、事業者が作成、提出されたものでございまして、審議会においてもその旨確認されたものでございます。

質問4
 都は、今回の計画により、緑の割合は二五%から三三%へ樹木数と緑被率が増加すると説明していますが、オフィスビルのデッキや屋上緑化を含めたもので、専門家からは、緑の質、量ともに低下するとの指摘があります。樹齢百年の大木を伐採し、新たに植える若木では、CO2の吸収量は大きく異なると考えます。

 ゼロエミッション東京の実現を掲げる東京都として、樹木の減少の影響等、神宮外苑開発における温暖化効果ガスの排出をどのように試算しているのか伺います。

 地球温暖化、気候危機が叫ばれ、ヒートアイランド対策として、一九八〇年代に都市から失われた緑を都市に取り戻していく、大規模な緑化計画が世界の開発トレンドになっています。

 五輪開催を目指し、パリは大規模な緑化計画OnEが進められ、約、東京ドーム十一個分を超える五十四ヘクタールものパリ最大の公園が新設されようとしています。百三十年を経たエッフェル塔を中心に、歴史的価値の尊重、生物多様性と環境配慮、人々の快適性を柱に、緑化空間を創造するために交通量の多いロータリーを緑の公園にし、緑豊かな都市の模範を目指し、都市計画が行われています。

 ゼロエミッション東京を掲げる小池知事だからこそ、開発のパラダイムシフトが求められます。緑の総量を増やし、環境と調和したまちづくりをこれまで以上に進めていくべきと考えます。

 東京の中で、都市の貴重な神宮外苑の緑と空を守ることにより、未来を担う子供たちに、先人から託された都市の緑を、樹木を残してほしいという切なる願いを込め、全質問を終わります。

 ありがとうございました。

答弁4
環境局長
 温室効果ガスの排出についてでございますが、事業者が作成した環境影響評価書では、熱源の集中化など高効率なエネルギーシステムの構築等により、基準建築物と比較して、年間約一万二千トンのCO2削減効果があるとしてございます。

 また、既存樹木や新規に創出した緑地を適切に管理育成することで、緑の量を増加させるとしてございます。

ページの先頭へ


ページ先頭に戻る