痴漢撲滅の強いメッセージを
災害時の看護人材の確保進めよ

女性支援

質問1
 初めに、痴漢対策について伺います。

 先日、都営大江戸線に女性専用車両を来年一月から設けることが公表されました。現在の痴漢被害を軽減する一つの方法として評価をいたします。痴漢の検挙件数は全国の中で東京都が大多数を占め、痴漢の問題はまさに東京都の問題です。

 私自身、区議会議員時代から痴漢の問題に取り組んでまいりましたが、被害者側の苦痛は極めて大きいにもかかわらず、法的には迷惑防止条例違反、性に関わる罪の中でも社会的に軽視されがちであり、加害者の加害意識が希薄であることも指摘をされています。

 こうした状況に対し、東京都は新たな男女平等参画推進計画の下、関係各部署がハード、ソフト面で様々な取組を加速していると受け止めております。

 小池知事はご就任以来、女性活躍を掲げてこられました。しかし、性の安全や尊厳が守られないまま、真の活躍はありません。痴漢被害は、明治時代から存在していたことを当時の新聞が伝えています。この長きにわたるあしき歴史を終わらせ、痴漢電車ゼロを目指していただきたい。東京都の本気度を示すため、女性初の東京都知事である小池知事の強いメッセージを都庁内外に発信していただきたいと考えております。痴漢撲滅に向けた知事の決意をお聞かせください。

答弁1
知事
 痴漢対策についてのお尋ねがございました。

 性犯罪、性暴力は重大な人権侵害です。そして、男女平等参画社会の実現を阻害する要因であります。

 都は、男女平等参画推進総合計画におきまして、痴漢等の対策について、鉄道事業者や警視庁などと連携し、取組を進めております。

 今後とも、東京都、そして私といたしましても、痴漢をはじめとした性犯罪、そして性暴力のない社会の実現に向け、取り組んでまいります。

質問2
 次に、今年四月に成立した、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、いわゆる女性支援新法について伺います。

 全国四十七の婦人保護施設のうち五か所が立地する東京都は、長く婦人保護行政の先頭を走ってきました。その歴史を踏まえ、今後もしっかりと支えていただきたいと思います。

 二〇二四年四月の施行に向けて、来年度は都道府県で女性支援新法の基本計画を策定することとなっています。今後、新たな女性支援法の施行に向けて、都としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

答弁2
福祉保健局長
 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律への対応についてでございますが、令和六年に施行される法律では、国が基本方針を定め、都道府県がその方針に即して基本計画を策定しなければならないと規定されております。

 都は、計画の策定に当たり、区市町村や民間団体、婦人保護施設等から成る会議体で、各団体の特性も生かし、地域の実情に応じた取組を検討することとしてございます。

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NPО法人等の管理

質問1
 次に、NPO法人等の法人管理について伺います。

 東京都には、十月末現在で、全国でも突出して多い九千十七のNPO法人があります。その一つ、都内にあるNPOが途上国での生体腎移植を仲介し、これが臓器売買によるものだった疑いがあることが、今年八月、読売新聞で報道されました。NPOの代表も、報道に対し、生体腎移植の可能性があることは認めています。

 私も、臓器移植を受けるために、同法人を通して海外渡航した方からお話を伺いました。その詳細はここでは申し上げませんが、その内容は極めて悲惨なものでした。

 役所の認証があるNPOとのことで団体を信用したのに、健康もお金も失った、認証という言葉で信用してしまった私がばかだったのでしょうか、もう私や現地で亡くなった方々のような犠牲者は出さないでほしいと、涙ながらにお話をされていて、大変心が痛みました。

 臓器移植については、国内の法整備が進んでいないという根本的な問題があるとはいえ、こうした内容の活動を東京都が認証しているということに違和感を持ちます。

 NPO法第四十一条一項では、所轄庁は、法人が法令等に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときは、その業務もしくは財産の状況に関し報告をさせ、またはその職員に、当該特定非営利活動法人の事務所その他施設に立ち入り、その業務もしくは財産の状況もしくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるとしています。

 本件は、イスタンブール宣言にも反し、今後、国際問題に発展する可能性もあります。

 小池知事は八月の記者会見で、この事案について記者の質問に対し、情報収集を行うと答えられましたが、その後、都はどのような情報を収集してきたのでしょうか。

答弁1
生活文化スポーツ局長
 お話のNPO法人についてでございますが、臓器移植法につきましては、所管する厚生労働省または警察が対応することとなります。

 都は、法人の所管として、特定非営利活動促進法違反などについて、法人に対し事実関係の照会を行うなど、必要な情報収集を行っております。

質問2
 東京都がこれまでに、NPO法人に対し、同法第四十一条に基づく立入検査を行った件数とその概要を伺います。あわせて、その後の改善命令や認証の取消しの扱いについて伺います。

答弁2
生活文化スポーツ局長
 NPO法に基づき都が行ったこれまでの立入検査等についてでございますが、平成十年の法施行以降、実施した立入検査は、平成十三年に定款違反等により行った一件でございまして、この団体に対しては改善命令を発出しております。その後、改善されたために、認証の取消しには至っておりません。

質問3
 私の下には、他のNPO法人に関しても、法人の経理の不正が疑われるとして、所轄官庁である東京都に訴えたものの、対応してもらえなかったとのお声も届いており、全体として指導監督の実効性に疑問も感じます。

 所轄庁による検査制度のフローを見ると、定款違反や法令違反などの前の段階として、違反する疑いがあると認められる相当な理由がある場合に立入検査ができるとしています。相当な理由とは、どのような理由と定義しているのか、伺います。あわせて、立入検査の際には、どのような検査が権限上可能なのかも伺います。

 ところで、東京都では、宗教法人もNPO法人も、同じ部署で所管をしています。国は先月、旧統一教会の問題に関連して、初の質問権を厳戒体制の下で行使しました。文化庁は、旧統一教会への対応のため、体制を強化しています。

 現在、宗教法人やNPO法人の改革に対する都民、国民の関心は極めて高く、その世論は、今や国をも動かしています。東京都としても迅速に体制強化を図るべきと強く要望をいたします。

答弁3
生活文化スポーツ局長
 NPO法人に対する指導監督についてでございますが、立入検査を行う要件である相当な理由とは、書面や資料等に基づき、法人が法令等に違反すると疑うに足りる客観的、合理的な理由と解されております。

 また、所轄庁による立入検査については、NPO法に基づく当該業務、財産の状況、帳簿、書類、その他の物件についての検査とされております。

 都は、NPO法人の所轄庁として、毎年法人から事業報告を提出させ、適切に指導監督を行っております。

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災害対策

質問1
 次に、災害対策について伺います。

 今年九月、東京都と品川区の合同防災訓練が四十五年ぶりに実施をされました。約六十機関が連携して、品川区の立地を勘案した運河や河川を使っての物資輸送、医療救護、ドローンを利用しての救出救助など、多岐にわたる訓練が二日間にわたって行われ、私自身、非常に勉強になりました。

 今後、見学者もシェイクアウトに参加してもらうなど、より都民参加型の訓練にしたり、各種展示やデモンストレーションの内容は映像等に記録し、参加できなかった区民も共有できるような工夫があればと思います。また、警視庁等と連携した検視、検案、身元確認は、区にとっても訓練の機会が少なく、課題を整理する必要性も感じました。

 さて、数多くの機関が実際の発災時に連携する際、衛星通信も活用されますが、場所によってはつながりにくいとも聞いております。災害時においても、行政や防災関係機関との間の通信を確実に確保する通信網の整備が必要です。

 また、万が一に備えたバックアップとしての衛星通信の活用も必要であると考えますが、都の取組を伺います。

答弁1
総務局長
 災害時における通信の確保についてでございますが、大規模災害発生時に的確な避難誘導等を行うためには、区市町村や防災機関との情報の共有が必要でございます。

 このため、都は、防災行政無線網の設備の耐震化やネットワークの多重化、電源の無停電化などを行い、高い信頼性を確保してございます。

 また、万が一に備え、都庁、立川地域防災センター、檜原村及び島しょ町村に設置している衛星通信設備の高速化、大容量化を既に進めてございます。

質問2
 東京都看護協会では、大規模災害時に備えて災害支援ナースの研修を行い、既に千八百人以上の方が受講されています。二〇〇九年の中越地震以来、他県の被災地に派遣され、避難所などで活躍をされてきました。また、東京都が被災したときの支援の受入れなどについても研修が行われています。

 東京都として、災害時や防災訓練等の場で、災害支援ナースの位置づけと活用を積極的に図っていくべきではないでしょうか。また、そのためには、災害支援ナースの養成や活用、災害時の在り方などについて、都看護協会と議論をするなど、災害時の看護人材の確保を進めてはいかがでしょうか、見解を伺います。

答弁2
福祉保健局長
 災害時の看護人材の確保についてでございますが、都は、医療救護所等で応急救護を行う看護師の確保等について、東京都看護協会と協定を締結するほか、総合防災訓練で、看護師が多職種と連携した実践的な医療救護活動の訓練を実施し、対応力の向上を図っております。

 今後も、東京都看護協会をはじめ、関係団体と連携し、災害時の看護人材の確保に努めてまいります。

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スピーキングテストの出題内容

質問1
 学校教育について伺います。

 先日実施された英語スピーキングテストは、都教委監修の下、実施され、その結果は都立高校入試に使われることになっています。文教委員会では繰り返し、都立高校の入試におきましては、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められている力が身についているかを測る必要がございますとご答弁があったように、授業中の発展的学習ならともかく、都立高校入試の内容は学習指導要領の枠内に収めるのが前提です。その前提が崩れれば、都立高校入試の範囲が拡大し、中学の英語教育を混乱させかねません。

 しかし、今回のテストでは、助動詞と完了形による過去に関する推測表現という、高校段階での文法事項を含む文が出題されました。たとえそれぞれの単語は既出であっても、意味を考えずに読む方が有利になるようでは、スピーキングの力を測るものとはいえません。

 都教委は、事前にテストの内容が学習指導要領の範囲内であることを確認したのでしょうか。逸脱していることを認識した上でテストを実施したのでしょうか。

 この部分の点数も入試結果に反映させることは、都立高校入試として不適切であると考えますが、都教委の見解を伺います。

答弁1
教育長
 スピーキングテストの出題内容についてでございますが、都教育委員会は、問題等検討委員会において、学習指導要領に基づきスピーキングテストの試験問題を検討し、作成しています。

 中学校外国語の学習指導要領では、生徒が英語を使って何ができるようになるかという観点が重視されており、目的、場面、状況に応じて多様な表現を扱うことが求められています。その際、どのような文法事項を扱うか、また、小中高等学校のどの段階で扱うかについては、制限する趣旨とはなっていません。

 今回のスピーキングテストの音読の問題は、中学校で学ぶ単語を用い、場面に応じて英語として自然となるよう文を作成し、出題したものでありまして、学習指導要領を逸脱しているとの指摘は当たりません。

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環境

質問1
 最後に、環境問題について伺います。

 サプライチェーン全体で脱炭素を目指す企業の動きが国内外で拡大しています。さらに、ウクライナ侵攻による燃料価格の高騰などを受け、地経学的視点からエネルギーの国内調達に対する関心が高まっています。

 しかし、日本国内では脱炭素の発電所が不足しており、再生エネルギーの争奪戦が起こっています。東京都でも、都有施設や都内新築施設への太陽光パネル設置拡大などを推進していますが、都民の負担が大きく、設置コストや発電量の見込み、環境的、経済的効果も課題があります。検証可能な太陽光発電の運開も進める必要があると考えます。

 東京都は、既にフィジカルPPAを展開されておりますが、電力契約と切り離して環境価値を取引するバーチャルPPAでは、電力切替えが伴わないために、電力の需要家や既存電力会社にとって導入が下がります。

 例えば、東京都に納税する企業や個人が、日本国内で新規に太陽光発電を運開し、東京都内の需要家とバーチャルPPA契約を締結する場合に、発電者に補助金を出すなどの誘導策を検討してはいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。

 以上で私の一般質問を終わります。

答弁1
産業労働局長
 都外で再エネをつくる取組への支援についてでございますが、東京で必要な電力を確保し、円滑に送電できる状態を維持するため、東京電力管内の各県エリアに地産地消型の再エネ発電設備を増やすことは重要でございます。

 都では、そうした設備に関し、東京に本社や事業所のある企業が設置を行う経費への支援を行っております。また、これにより生み出される環境価値は、都内の本社等で活用できる仕組みとしております。

 こうした取組によりまして、再エネの利用拡大を進めてまいります。

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