補正予算
質問1
初めに、今回、医療機関支援のための予算が組まれている点に関連して、医療機関への向き合い方について質問します。
東京は、今月に入り、重症病床使用率を突然大幅に修正しました。最も重要な指標である医療データに大幅な変更が加わり、その検証も行われないまま、緊急事態宣言の延長要請を行ったことは、残念な判断だという意見が寄せられています。
加えて、病床確保数を千床と不自然に切りがよくしている点についても検証が必要です。大阪府では、多くの民間病院に一床単位で要請している一方で、民間医療機関に要請をした形跡がありません。今回の予算に、医療機関へ融資を実施する金融機関に対する利子補給が含まれていますが、飲食業界に限らず、多くの業者が資金繰りに困る中、医療機関への融資が優遇される手当てを行うには、丁寧な説明と根拠が必要と考えます。
そこで、特措法に基づく民間病院に病床確保の要請を行ったか伺います。
答弁1
福祉保健局健康危機管理担当局長
民間病院への病床確保の要請についてでございますが、都は、新型コロナ患者を受け入れられるよう、民間病院を含め、病床の確保について協力を依頼し、受け入れに応じた医療機関に対しましては、入院重点医療機関の指定や病床確保料等の補助を行い、現在、五千四十八床を確保してございます。
質問2
次に、今回補正予算に係る協力金について伺います。
今回の協力金の日額は四万円ということです。一時間営業時間が増えただけで二万円減額されたということについて不満の声も上がっています。どういった根拠があって四万円としたのか、経理的な根拠は存在するのか、見解を伺います。
答弁2
産業労働局長
協力金の額の根拠についてですが、協力金の支給金額については、営業時間の短縮要請の内容や国の臨時交付金の活用など、さまざまな要素を勘案して設定しているところでございます。
質問3
協力金の支払いが遅れ、経営が立ち行かなくなっている飲食店が続出しています。実際、私のもとにも、協力金をできるだけ早く支給してほしいといった声が数多く届いています。
そこで、協力金の現在の支給状況と取り組み内容について、都の見解を伺います。
答弁3
産業労働局長
協力金の支給についてですが、先月二十六日まで受け付けていた協力金については、申請件数の八割を超える約四万九千事業者に、また、それに引き続く協力金につきましては、約三万店舗に支給予定であるなど、年度末まで可能な限り支給事務を進めてまいります。
また、申請に当たり、特に間違えやすい事例に関して、あらかじめ幅広く情報提供を行うなど、丁寧な周知に取り組み、迅速な支給につなげているところでございます。
質問4
協力金に関連して、特定の事業者に命令を出したことで、さらなる混乱を招いており、不満も高まっています。リバウンド防止期間といいながら、緊急事態宣言下と異なり、今回の期間については協力しないとする飲食店も増えてきている、すなわち、今回の協力金制度について、実効性が失われる可能性が高くなってきています。
公権力の行使には、公平性と透明性が求められているところ、反対の声明を出していた特定の事業者のみを不利に扱うことという、公平性が失われた都の執行体制、知事の責任は重いと考えますが、見解を伺います。
答弁4
総務局長
命令を出したことに関する見解についてでございますが、都は、時短要請の協力状況の調査について、都職員が行うことに加えまして、民間委託も活用し、より多くの店舗を確認してございます。また、区市町村から広範囲に情報提供を受けるなど、公平性を確保してございます。
その上で、都からのたび重なる時短要請に応じない店舗に対して、特措法第四十五条第三項に基づく命令を行ったものでございます。
質問5
特定の事業者が協力金制度に従わなかった原因を突き詰めないと、今回の協力金制度も実効性のあるものになりません。協力金の支払いの遅れを放置し、事業規模に応じた協力金制度にしなかったことこそが、特定の事業者に命令を出すまでの事態になった一因と考えますが、知事の見解を伺い、私からの質問とさせていただきます。
答弁5
産業労働局長
協力金の支給や仕組みについてですが、協力金の早期支給のため、必要書類の簡素化など申請者の負担軽減を図るとともに、専用のポータルサイトをつくるなど利便性の向上に努めてまいりました。
また、仮に事業規模に応じて協力金の支給額に差を設ける場合、その規模をあらわす指標が自治体ごとに異なりますと、新たな不公平感を生むおそれがございます。このため、事業規模に応じた協力金の仕組みは国がつくるべきものと考えております。
なお、飲食の事業者への命令の発出は、特措法等にのっとった手続により適切に行われたものと理解しております。