欠席委員 なし
委員外の出席者
参考人
弁護士 郷原 信郎君
本日の会議に付した事件
有識者からの意見聴取
参考人招致について
条例案の検討について
○高倉委員長 ただいまから第五回政治倫理条例検討委員会を開会いたします。
初めに、テレビ撮影及び録画についてであります。
皆様のお手元に、報道機関各社及び会派から、本日の検討委員会を撮影したい旨の申出があり、先ほどの打合会において許可することといたしましたので、ご了承願います。
それでは、議題に入りたいと思います。
本日は、本検討委員会での今後の議論に資するため、有識者をお招きし、意見聴取を実施いたします。
本日、ご意見をお伺いするのは、郷原総合コンプライアンス法律事務所の郷原信郎代表弁護士でございます。
それでは、郷原先生、前の発言席の方にお進みいただきまして、ご着席をいただきたいと思います。
私は、東京都議会の政治倫理条例検討委員会の委員長を務めております高倉良生でございます。
郷原先生におかれましては、お忙しい中、本検討委員会にご出席をいただきまして、誠にありがとうございました。
先生の詳しいプロフィールにつきましては、皆様のお手元にございますけれども、先生は検察官のご経験を経て、現在は弁護士として活動され、また、国、地方自治体の各種調査会、民間企業の第三者委員会の委員などを歴任されております。
本日は、政治倫理条例の制定についてというテーマで、コンプライアンスの専門家でございます郷原先生から貴重なご意見を賜りまして、ご質問もさせていただければというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
それでは、最初に、郷原先生から、ご着席のままで結構ですので、三十分ほどお時間を確保しておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○郷原参考人 ご紹介いただきました弁護士の郷原です。よろしくお願いいたします。
私、いわゆる自民党派閥政治資金パーティー、裏金問題といわれる問題につきましては、その表面化当初から、私自身の検察官としての経験等に基づいて、いろんな発信をしてまいりました。そういった私が述べてきた見解や、いいたいことをまとめた本、今月、法が招いた政治不信という本を上梓いたしました。
今日は、まず冒頭で、この本の中に書いたことも含めて、私の方から、いわゆる政治資金パーティーをめぐる裏金問題、国会議員の問題とこの中でも書きましたが、今まさに問題になっております都議会議員の皆さんの問題も含まれます、その点についての私の意見を先に申し述べたいと思います。
まず、裏金というのは一体どういう意味なのかということなんですが、チャットGPTで尋ねてみますと、裏金とは、表に出さず、帳簿などの公式な記録に載せないお金のことを指す、つまり、非公式、非合法な資金のことというふうに書かれております。裏金の極めて正確な定義なんじゃないかと思います。
この裏金というものそのものは、別に法律に違反するものではありません。ただ、この定義のように、正式に記録に載せない、だから裏だという意味です。
この裏金というのが法的に問題になるのはどういう場合かというと、一つは裏金が不浄な金として、いわゆる賄賂として公務員などに渡されると。賄賂としての裏金。
そして、まさに政治資金パーティーをめぐる問題でも指摘されたのが、政治資金規正法上、収支報告書に記載しないといけないとされている政治資金が裏金ということだと。公開されていない、それ自体が政治資金規正法違反になるという違法の問題。
そして、もう一つ大きなことは、裏金というのは、表に出さない非公式、非合法な金ですから、ほぼ間違いなく税金の問題が発生します。納税を免れているというところが一つの大きな問題になるいうことだと思います。
この裏金というのは、じゃあ日本社会でこれまでどのように扱われてきたのか、どのように評価されてきたのかということなんですが、何十年も前に遡ってみると、裏金というのは、かなり日本の社会に一部定着していた面もあったんじゃないか、容認されていた面もあったんじゃないかという感じがいたします。
例えば、儀礼に伴って金銭を渡すときですね。これは表には出さないお金です。裏金です。でも、お祝いとか、せんべつとか、そういったものは割合、日本では裏金として当たり前にやり取りされてきました。
それから、例えば不動産の取引などを行うときに、大きな不動産であれば、例えば開発事業などに伴って、反対する可能性のある一部の人たちに、何とかその反対をしないようにしてもらうために裏金を渡すというようなことは、昔から必要悪的に扱われてきた面もあります。
それから、私自身も、昔、検察で公務員をしておりましたが、官公庁の世界でも昔は裏金というのが問題になりました。私がおりました検察庁も例外ではありません。それは、昔は公務員の待遇があまりよろしくない時代は、ある程度、役所の金で、裏金で恩恵を受けるのは、これも必要悪だというような考え方が一部にはあったんじゃないかと思います。
しかし、そういう裏金に対する考え方が、恐らくここ数年、世の中の見方が急速に厳しくなってきたということが、今回、自民党の派閥政治資金パーティーの裏金問題、そして、この都議会自民党の政治資金パーティーの問題などについて、世の中から厳しい批判が生じていることの背景にあるんじゃないかと思います。
実際に、裏金の存在が刑事事件で明らかになった例というのは、過去にも決して事例として少なくはないんですが、私の経験から申しますと、昔は裏金が明らかになっても、それだけで事件が立件できるなんていう考え方はほとんどありませんでした。その裏金がどこに渡ったのかということが解明できて初めて刑事事件だというような感覚で捜査を行っておりました。
ところが、自民党派閥政治資金パーティーの問題に関しては、当初から、この裏金というのが厳しい世の中の批判を受け、そして、その批判がずっと継続し、まさに政権の在り方にまで影響を与えるという事態になった。
これは一体なぜだろうかと考えてみますと、やはり、まず一つは、世の中全体が会計処理の厳格さということを求められるようになって、その背景には、会計システムがIT化していったということで、もういいかげんな処理は許されなくなったということがあります。ですから、企業も官公庁も厳格に会計処理をしないといけないという方向にどんどん進んできた中で、政治の世界では裏金がまかり通っているのかということに対して、世の中が激しい憤りを爆発させたというのが今回の問題だったんじゃないかと思います。
しかも、そのタイミングが、二三年の十月にインボイス制度が導入され、このインボイスによって、それまでは、まあある程度ですね、会計処理がルーズであっても許されていた中小企業の人たちまで、厳しい会計処理を行わなければいけない。しかも、そのために大変な負担が生じるということになっていったわけです。
ちょうどその直後に表面化したこの政治資金パーティーの裏金問題に対して、世の中の怒りが集中するのは、ある意味では無理もないことだったんじゃないかと思います。
そして、年が明けると、そろそろ確定申告という時期になると。確定申告に世の中の多くの人が、自営業者が、どれだけ大変な手間を取らされ、頭を悩ませるかということを考えると、政治家というのは裏金がばれても、何も、税金も払わなくていいのかというようなことになってしまうと、世の中はやはり許さないというような方向に向かっていくと。そういうことが現実に起きていったんじゃないかと思います。
しかも、それに加えて、私がこの本の中でも一番強調しているところですが、本来、世の中の批判がここまで大きくなったときには、その中で、一定の割合のその行為者の人たちが処罰される。それによって、やっぱり悪いことはできないもんだなということで、世の中が納得するということで、問題は解決していくわけです。
ところが、自民党の派閥政治資金パーティー問題に関しては、ご存じのように、処罰というのは、少なくとも議員に対してはほとんど行われなかった。略式請求で済まされた谷川弥一議員のほかは、起訴された議員が二人いますけれども、この二人の国会議員については、いまだ一年数か月たっても刑事裁判が始まるという話すら全くありません。
それに関して、私はかねてから、政治資金規正法のど真ん中に大穴が開いているということを指摘してきました。
政治家個人が裏金として現金等を受け取った場合、その政治家には多くの場合、財布が複数あります。国会議員の場合であれば、資金管理団体があり、その人が代表を務める政党支部があり、それ以外にも国会議員関係団体が幾つもあるというのが普通です。
そうなると、その入ってきたお金が裏金で、どこの収支報告書にも書かない前提で受け取ったものであれば、ばれたときも、一体どの収支報告書に書けばいいのかということが特定できません。ですから、そのままでは処罰することができない。裏金を政治資金として政治家が受け取るという政治資金規正法の目的に最も反する行為が、処罰すらできないと。これはあまりに世の中に対して申し訳が立たないじゃないかということを私は以前から指摘してきました。
今回の問題がまさにそうでして、政治家の側が、ああ、いいですよ、処罰、甘んじて受けましょうといって、いや、ここに書くはずのお金でした、この支部に、あるいはこの資金管理団体に書くべきお金でしたといって潔くお縄につけば別なんですが、そういうことをしない限り、開き直れば全く処罰できないというのが、実はこの政治家個人にとっての裏金なんですね。ですから、いまだに裏金をもらった国会議員で、まともに処罰されている人はほとんどいないというのは、まさにそういう政治資金規正法の大穴によるものだと私は考えています。
それだけではなく、それなのに検察の捜査が、どこかの政治団体ないし政党支部に帰属するはずのお金だ、どこかに帰属させよう、そうすれば、どっかに帰属したことにすれば、そこの政治団体、あるいは政党支部の政治資金収支報告書の虚偽記入罪で処罰できるという前提で捜査を進めたために、結局この問題では、国会議員はほとんどが政治資金収支報告書の訂正という措置を取って、自分の個人のところに入ってきたお金でも、結局、政党支部とか資金管理団体の収支報告書を訂正して、そういったところに入るべきお金だったということにしてしまいました。そうなると、自分の個人のところにお金が入っていないということになりますから、税金は払わなくていいということになります。
実は、そういう政治資金規正法の大穴を埋めるべく規定された条文があるんですね。三十年ほど前、一九九四年の政治改革四法の政治資金規正法改正に伴って、それまでは政治家個人も、政治家個人の収支を、政治資金収支報告書を作成、提出して報告しないといけないということになっていたんですが、もう政治家個人は政治資金を扱わないようにしようと。政治家個人に関しては、資金管理団体に全て集約することで、政治家個人宛ての政治資金の寄附を受け取ったら、これは違法だ、罰則の対象だということになりました。ですから、それに伴って収支報告書の記載義務というのはなくなったんですね。違法ですから。
ですから、本来は政治家個人が受け取った資金だということで、それがもし政治資金であれば、政治活動に関する寄附であれば、この政治資金規正法違反になります。二十一条の二違反です。石破首相の商品券問題でも問題になったのがこの条文です。
そして、もし政治資金じゃなくて個人的にお小遣いとして、パーティー券、よく売ったね、これ、お小遣いだよ、ご褒美だよといってもらったんだったら、これは個人の所得になります。
いずれにしても、個人のところに入ってきたお金であれば所得税が発生します。雑所得になるはずです。ですから、検察の指導に従って政治資金収支報告書を訂正して、政治団体に帰属したということにしなければ、原則個人の雑所得になって、何か例外的に経費が認められるということでない限り、全部税金をきっちり納めてもらうということになったはずなんですね。ところが、残念ながら、そういう方向での処理は行われませんでした。そして、この裏金議員といわれた人たちの中で、税金を払った人はほとんどというか、全く聞いたことがありません。
こういったことが国会議員レベルで起きて、そして世の中が、処罰もされない、税金も払わない、こんなことで許せるかという思いが強烈な批判、不満につながって、昨年の衆議院選では、選挙の結果にも大きな影響を与えることになり、その直後に、その問題が都議会に飛び火したというのが今回の都議会自民党の政治資金パーティーをめぐる、いわゆる裏金問題ということだと思います。
恐らく、その構図というのは、自民党の派閥政治資金パーティーの問題とほぼ同じだろうと思います。一番最初に問題になったのは、二十万円を超える政治資金の売上げ、一人で、あるいは一機関で、二十万円を超えて政治資金パーティー券を買った人については、政治資金収支報告書で公開するというのが規正法上義務づけられているんですが、それが実際には記載されていない例が多数あるというのが、いろいろ政治資金収支報告書を寄せ集めてみたら分かったということから始まっています。
これは恐らく都議会の問題、都議会の政治資金パーティーの問題も同じだろうと思います。そして、その問題から、実は政治資金パーティーのパーティー券をノルマを超えて販売した議員のところには、そのノルマを超えた分がキックバックされるとか、あるいはその分がパーティーの主催者の方に納入されないで議員側にとどまっている、いわゆる中抜きというやつ、そういう形で議員側に帰属していると。この構図も恐らく国会議員の政治資金パーティーとほぼ同じだろうと思います。
ただ、報道によるところと、ちょっと報道では違っているんじゃないかと思えるのが、都議会自民党の政治資金パーティーの場合は、ノルマを超えた売上げの半分を納めればいいということになっていたというふうに伺っています。
結局、この問題について、何を突き詰めていかないといけないかというと、先ほど来、私が申し上げているように、本当はこのお金はどこに入ったのか、どこに帰属すべきお金かということを明らかにすること。何より重要なことは、そこだと思います。
先ほども申しましたように、残念ながら国会議員の派閥政治資金パーティーの問題に関しては、そこが十分に突き詰められることなく、全て政治団体とか政党支部に帰属したもののように扱われました。
ただ、比較して考えてみますと、国会議員の場合というのは、議員会館というのがあって、そこにも事務所があります。公設秘書が政策秘書も含めて三人もいる。それ以外にもいろいろ秘書もいて、それなりの事務所の体制も整っているわけですから、その事務所で政治資金として管理しているというような説明も一応可能だと思います。
全てがそうかどうか分かりませんけれども、個人の方に入ってきている例もあると思いますが、総体的に考えると、その事務所の体制が国会議員ほど、そういう整っていない場合が多い地方議員の場合というのは、個人にそのままノルマを超えたパーティー券の収入が入ってきている、あるいはとどまっているというケースが多いんではないか。
とすると、先ほど来、私が申し上げております、いわゆる裏金というのが個人に帰属しているということの割合は、国会議員の場合よりも、むしろ都議会議員の政治資金パーティー問題の方が一層問題なんではないかと私は思っております。
実際に表面化した際に、私、ヤフー記事でも書きましたが、柴崎さんという都議会議員の方の政治資金の処理がいろいろ問題になりました。このケースなども、ご本人の説明が二転三転した経過などを見ておりますと、これはどう考えても、やはり個人にそのまんま入っていたのを何とかしてそうじゃないように説明をしようとするから、説明が二転三転するということになっているのではないかと思います。
そのように考えますと、まず今回の問題、国会議員の事件で、残念ながらきちんとした解決が図られなかった国民の不満が、非常に大きな形で残ってしまった裏金議員に対する、まあ処罰というよりも、納税の問題だけは、都議会では、しっかり都議会議員の方々は事実関係に基づいて適正な処理を行うということが、まずは重要なんじゃないかという気がいたします。
そのためには、ノルマを超えて販売したパーティー券の売上げが、どのような名義の口座に入金されていたのか、どういう形で保管されていたのか、そしてどのように使われていたのかというようなところを確認していけば、これは個人に帰属していたのかどうかということは、恐らく容易に判断できるのではないかと思います。それは決して困難な話じゃないと思うんですが、残念ながら、いまだにそういう事実確認と、しかるべき税務上の処理が行われたという話は全く聞こえてきません。
これ、私が推測しているところですが、先ほどから申し上げているように、本当に私にとっては非常に残念なことに、この政治資金パーティーの裏金問題全体が、検察の捜査の方向がどっかで誤ってしまったために、あの国会議員の事件の処理が、残念ながら納税という面では全く正しい処理が行われていない。その問題が、この都議会自民党の政治資金パーティーにも影響しているんじゃないかと私は推測をしています。
恐らく金額の規模からすると、一桁違うわけですね、国会議員の裏金の金額と。その程度の金額で、もし、これはやはり税金を払うべきだ、裏金がばれた以上は税金を払うべきだということに仮になれば、何もそんな税金を払わない、自分は払いたくないといわれる方は、そんなにいないんじゃないかと思うんです。これで裏金もすっきり処理できるんだということであれば、進んで納税の義務を果たそうという方も私は結構いらっしゃるんじゃないかと思います。
ところが、そういう話に全くならないのは、やはり国会議員の事件の捜査が、それと違う方向で決着していますから、それと違うような方向での納税をすることは、まずいんではないかというような配慮が働いている可能性が、ひょっとしたらあるかなと。
例えば、検察の意向を受けた、忖度をした弁護士さんの指導とか、あるいは政党の本部の方の考えが、どうもそうじゃないんじゃないかというようなこととか、何かそういうことでもない限り、本当に都議会議員個人として、この問題をどのように決着させていくのかということを考えたときには、今のような形っていうのは、私はあり得ないと考えています。
やはりこういうような問題が生じてしまった背景に、最初に申し上げた裏金という問題、裏金ということに対する、日本の社会のもともと非常に曖昧な認識、そして、その裏金に対する認識が時代とともにどんどん変わってきて、最近、特にその裏金に対する認識が厳しくなっていったということに、残念ながら捜査機関も、当事者の政治家も、ついてこられていなかったんじゃないか。それが国民の意識、認識との間に大きなギャップを生じさせてしまったんじゃないかという気がいたします。
これは、残念ながら、もう国会議員レベルの話は、おおむね決着がついている話で致し方ないとしても、やはり私も東京都民の一人なんですが、東京都民の立場として、やはり東京都の政治は、しっかり信頼される政治を行っていただきたいと思いますし、そのためには、とにかくこの問題で納得がいかないような措置というのは、決してそのままにすべきではない。
そういう方向に持っていくためにも、きちんとこの都議会の場で、それぞれの議員の方々についての政治資金パーティーのノルマ超のお金というのが一体どういうものであったのか、その帰属と、その性格っていうのをしっかり明らかにして、こういったことで二度と政治に対する不信を招かないように、万全の措置を講じていただきたいと考えております。
私からは以上です。
○高倉委員長 大変にありがとうございました。
それでは、この後、各委員の方からご質問させていただきまして、お答えをいただければありがたく存じます。
それでは、会派別に質問をしてまいりたいというふうに思いますが、先生にはそのまま、ご着席のままお答えいただければ結構でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○川松委員 自民党の川松でございます。郷原先生、今日はお忙しい中ありがとうございました。
今、お話のありました都議会自民党に端を発して、今日、このような場面が設けられているわけですけれども、これまでの間、郷原先生が発信されてきたものについては、我々も参考にさせていただいて、内部の様々な調査等々にも活用させていただいたわけですが、今、再三にわたってお話をされていたこの資金の帰属については、当然、個人の帰属ということが特定されるならば、それは所得税法との関わりというのは我々も認識しているところです。
その中で、この場というのは、都議会における政治倫理基準を設けるために、どういうものが必要かという議論をしているわけですけれども、今のお話ですと、政治資金規正法というのがあって、私の考えというのは、政治資金規正法をまずしっかりと守っていく、これを守っていくならば、入りと出のことについても、しっかりと記載をしていけば今回の問題が起きなかったわけですけれども、この都議会の中での政治倫理基準と政治資金規正法の関係を考えたときに、じゃあどのような倫理基準を設けていくべきかという、まずお考えを教えていただきたいと思います。
○郷原参考人 倫理基準で、今、私が申し上げた政治資金規正法の私が大穴といっています帰属がはっきりしないお金をどうやって処罰の対象にするのかというような問題が解決できる問題ではないと思うんですね。
結局、帰属がはっきりしないお金というのは、政治資金規正法の目的に反することはもう間違いないんですが、それが抜け穴になっていて処罰できないという話ですから、それは何らかの形で公開をしてもらうという方向に持っていく政治資金規正法の改正が必要だろうと思います。
ですから、根本的な解決は政治資金規正法の改正しかあり得ないと思いますし、私は、この本の中でも書いていますが、やはり三十年前に保有金制度が廃止されて、政治家個人の収支報告書の記載義務がなくなった、これをやっぱり元に戻すべきじゃないか。どこに帰属するか分からないような、しかし、その政治家個人の政治活動に関連して入ってきたお金は、もう今回の石破首相の商品券問題のような、何か結局違法か違法じゃないかよく分からないような格好になっちゃうわけですから、それよりも、むしろ公開させる。収支報告書で、個人に入ってきたお金に対しても表に出して、それを書かなかったら虚偽記入、不記載ということで処罰するということが必要だろうと思います。
ですから、根本的な解決はそっちの方向なんですが、じゃあ都議会のレベルで何ができるのかというのは、条例で何ができるかというのは、またちょっと別の問題だと思いますし、こういった疑惑を招かないように、どのような説明義務を負わせていったらいいのかというようなことを、そういう方向で考えていく。罰則の問題というのは、これはなかなか、ちょっとこの問題で、条例で考えるのは難しいと思いますから、説明責任をどう活用していくかという問題だと思います。
○川松委員 ありがとうございます。つまり、私、この委員会が立ち上がったときから、本件の問題というのは、それぞれの議員が、まず政治資金規正法をきっちり守ること、これは当たり前のことなんですけれども、ここがあれば、あえてそのことを、法律がある以上、基準を設けるということがどういう意味なのかということはおのずと――まあこの規正法に基づく行動ですから、基準をあえてこういうふうに設けるっていうのは、どうなのかなというのは皆さんにも問いかけていたところです。
その上で、さらに一部の皆さん方からは、献金の在り方という話も、これに派生して出てきました。このことについても、当然、地方都市の自民党の県連の事案によって、特定寄附の禁止というのも法律で既に定められていますから、特定寄附の禁止をあえて乗り越えてやるような地方議員が私はいないと思うわけです。
これについても、特定寄附をどうきっちり守っていくかっていうのは、郷原先生のお考えがあれば教えていただきたいと思います。
○郷原参考人 特定寄附、公選法百九十九条違反の問題というのは、私、二十年前に長崎地検次席検事時代に、当時の自民党長崎県連の政治資金規正法と公選法違反事件を立件した際、多分本法で初めて特定寄附の事件を立件したケースだったと思います。
たまたまそのケースというのは証拠がそろっていたということで立件できたんですが、その後もよく選挙に近い時期に、国や自治体の工事を受注した業者から政治献金が入っているといってマスコミで取り上げられたりして騒ぎになるんですが、刑事事件になったことってほとんどないんですよね。ですから、あれは、要は選挙に関しという要件がハードルになって、なかなかそこを選挙に関する寄附だということは立件できないんで、実際に刑事処罰されるケースは極めて少ないと考えられます。
ですから、特定寄附の禁止があるから、地方自治体の発注に関して利益を受ける企業からの献金が抑止されているというふうには、私は必ずしもいえないと思います。
川松委員がおっしゃるように、いろいろ地方でも、地方議員のレベルでも、政治倫理という面でしっかりチェックしないといけない、監視しないといけないということは、たくさんあると私は思っています。
実際、私もいろんな自治体の政治資金収支報告書を、ちょっと金額の多い収支報告書などを検討したりするんですが、ちょっと信じられないような金額の企業献金を受け取っておられる地方議員、自治体の議員というのも中には見られます。そういうときに必ず使われているのが、資金管理団体に資金を移すんではなくて、その他団体に資金を移して、それはもう支出が物すごくチェックが緩いですね、領収証の添付すら要らないというような形で、多額のお金が自由に使えるような形になっているというのが、実際に今もいろんなところで見受けられるところです。
そういう意味では、私は地方議会での政治倫理の確立のために、まだまだいろんなルールを、政治資金規正法や公選法のルールだけじゃなくて、その地域、その議会、その議員の方々の実情に即した形でルールをつくっていく必要性は非常に大きいんじゃないかと考えています。
○川松委員 特定寄附だけという範囲ではないのは当然でして、ただ、議員をやっている以上、いわゆる贈収賄の構成要件に該当するような資金の在り方というのを当たり前のように受けている者がいるならば、それは厳しく非難されるべきですし、やらなきゃいけないと。
いわゆるその辺りの献金の在り方なんかも含めて、我々の行動規範として考えていくんだったら、やはり一体、その企業がどういう属性にあるのかということをしっかりと、もし仮に郷原先生のような方が質問状を出してきたときに、それぞれの議員が答えられるような仕組みになっていれば、私はいいんじゃないかなと思います。
当然、今この委員会でも、いわゆる疑惑、様々な疑惑の段階の方、あるいは我々都議会自民党でも既に捜査が終わり、こういう人たちが不記載だったという発表をしているわけですけれども、そうじゃないんだと、それ以外の捜査が終わった案件についても、この人たちが疑惑があるんだということについて、疑惑を受けた側が立証責任があるというよりも、それは疑惑を投げかけた側が私は立証責任があると思いますけれども、この辺りは郷原先生のお考えはいかがでしょう。
○郷原参考人 一般的には、疑惑を指摘するのであれば、それがどういう法律に反するのかとか、何を根拠に法違反だというのかというようなことは具体的に示さなければいけない。一般的にはそうだと思います。
しかし、今問題になっています政治資金パーティーをめぐる、いわゆる裏金の問題というのは、もう既にその裏金というものの存在は明らかになっているわけですね。じゃあそれがどういうところに帰属する、どういうようなものなのかということがはっきりしないから、それについてどういう措置が取られるべきなのかも判断できないということですから、これはやはりご本人がしっかり説明されるということがないと、それ以上には指摘しようがないですよね。この裏金どうなのかと、それ以上には。そこはやはりご本人の説明の在り方の問題じゃないかと思います。
○遠藤委員 都民ファーストの会、遠藤と申します。このたびは、お忙しい中ありがとうございました。
郷原先生のご説明、また、お話の中で、今回の事件の背景、また、国の方もそうでしたけれども、特にインボイス制度の導入の中で、中小企業の事業者たちが非常に、これまで中小企業法の中で比較的緩かったといっていいと思うんですが、そういった部分についても厳しくチェックがされる、そういう世の中の実情の中で、その一方で、議員、政治家だけが様々な法律、抜け穴があったと。また、明らかになったとしても、実際に処罰されない。このルサンチマンといいますか、処罰への感情が衆議院選挙で少数与党、こういったものをつくり出したんではないかと、こういうふうなお話がございました。大変におっしゃるとおりだなというふうに感じております。
後段で先生おっしゃっていましたのが、今後の政治資金規正法、この改正において、お金の見える化を図っていくべきだと、このようにおっしゃっておられました。大変にこれも納得できる指摘だと思うんですが、同時に、我々過去の公選法や資金規正法の改正等々の中で見えてきたことが――例えばお金にまつわる選挙違反、これが連座制という導入によって、大きくこの我々議員側は減ったというか、ここまで踏み込むと、これは連座で、自分のせいじゃないといっても軒並み引っ張られる。辞職もそうですし、立場を失った上に公民権停止になると。厳罰化、この流れが大きな効果をもたらしたんではないかと。選挙違反の減少において。
この観点から、都民ファーストの会は、これは法改正が必要な話になってまいりますけれども、公選法、また、政治資金規正法の改正を決議、また、国に対して訴えていくことで、議員にまで責任が及ぶ仕組みを、このお金の問題、裏金の問題においてもつくらないと、ただ条例改正だけではなかなか厳しいのではないかということを考えて主張してまいりました。
本件、その連座制の強化等々について、先生のお考えを聞かせていただけますでしょうか。
○郷原参考人 連座制を導入すべしという話は、たしか昨年の二月、三月、この裏金問題で野党の追及が非常に激しくなっている状況で相当議論されたと思います、連座制。その議論の中で、最終的に自民党は確認書提出というふうなやり方で当面の政治資金規正法の改正は終わってしまったと。
それが、それじゃ不十分だというふうな議論になっていると思うんですが、その連座制に関しては、私、ヤフー記事で書いたんですが、連座制を導入するのも、もちろん重要なことだと思いますが、その前提として、しっかりまず裏金に対する処罰ができると。その構成要件をまずしっかり整えないことには、今のような、先ほど来、私が申しております政治資金規正法に大穴が開いている状態のままでは、これは連座制を導入すると、これ、むしろ大変なことになってしまうんじゃないかということを私は懸念しております。
というのが、今のような大穴の開いた政治資金規正法だと、例えば谷川弥一議員がそうであったように、本人が認めれば処罰されます。でも、恐らく大野議員、池田議員は全面的に争っているんだと思うんですね。争って、しかも帰属がはっきりしなければ、これはなかなか処罰できないということになってしまいます。
この状態のままで仮に虚偽記入罪に連座制を導入して、例えば秘書が処罰されたら、国会議員本人も公民権停止になるという制度を導入したら、一体どういうことになるかと。これは秘書の判断一つで国会議員の、まあこれは国会議員に限らず、都議会議員の場合でもそうかもしれません、秘書の判断一つで政治生命が奪われるということにもなりかねないわけですね。
要するに、原則としてはなかなか処罰が難しい。帰属がはっきりしないので。そこに秘書が認めてしまえば処罰可能になりますから、自爆をしてしまえば議員本人まで巻き込むことができるということになってしまいますので、やはりまず、この大穴を埋める政治資金規正法の改正をやった上で、それで必要な連座制というのを考えていくということが必要なんじゃないかと思います。
先ほどもちょっと申し上げました二十一条の二、個人宛ての政治資金の寄附の禁止の規定ですね。これを全く検察は適用しようとしなかった、全く使おうとしなかったことが私は問題だと思っていますが、実はこれ、使おうと思えば結構使えるんですね。よくいわれるように、政治資金収支報告書の不記載とか虚偽記入というのは、基本的に会計責任者の問題です。
ですから、議員本人に直接処罰を向かわせることがなかなかできないんですが、この政治資金規正法二十一条の二というのは、何人も政治家個人、公職の候補者個人の政治活動に関して寄附を受けてはならないし、寄附をしてはならないという規定ですから、その政治家個人も罰則の対象に直接なります。それから、秘書でもなります。
しかも、有罪判決を受けると全額没収です、その寄附は。だから、そういう意味では、禁錮一年以下罰金と罰則は低いんですけれども、実はもう規定としては相当重いものではあるんですね。
ですから、そういうことも含めて、今ある政治資金規正法のルールをどう使っていったらいいのか、そして私が大穴といっています政治資金規正法の不備をどう埋めていったらいいのかということをまず考えるのが先決であって、連座制というのは、私はその次に考えるべきことなんじゃないかと思っております。
○遠藤委員 ありがとうございます。
もう一問だけ、先ほど川松委員の質問の中でも、じゃあ私どもがつくろうとしている政治倫理条例で何ができるのか、一定の限界があるんじゃないかというお話でしたけれども、今、草案の中で、七条の中には、例えば出席委員の三分の二の多数による賛成がある場合は、参加の自粛の勧告、役員辞職の勧告または議員辞職の勧告を求める等々の規定を、これ、仮にですけれども置いている。私どもがこれからつくっていく条例で、どういったことができるのか、観点で、もう一度お話を伺えますでしょうか。
○郷原参考人 今お伺いしたのは、ペナルティーを科すということですね。委員会の多数決でペナルティーを。それは実際、倫理上問題のある行為を行った、ルール違反を行った議員に対するペナルティー、これは重要なことだろうと思いますが、問題は、何をもって、どういう行為に対してペナルティーを科すかということで、今のままで果たして、ペナルティーだけ委員会の議決で科せるようにしても、本当に実効性があるのかという気がしますので、そこはやっぱり実態的な規定、何が問題なのか、何がルール違反なのかということの規定と併せて、ペナルティーの在り方を議論すべきじゃないかと思います。
○中山委員 公明党の中山信行でございます。郷原先生、お時間、お忙しいところ本当にお越しいただいて、ご説明ありがとうございました。
今、お伺いさせていただきまして、まずは国の法の、先生がおっしゃった大穴ですね、それを改正を急ぐ必要があるということが大前提の上で、都議会としてもできることはあるんじゃないかというお話でございました。
それは、一つは、やはり納税という有権者の意識の変化に対する、敏感に反応して、それに対して帰属ですね、個人のお金なのかどうかということについてということを調べていく必要があると。そうした条例にしていくことを期待されてのご発言だというふうに思っております。
その上で、先生からも、どう説明責任を負わせるかということについて、ここはポイントですよっていうお話を頂戴しまして、先生も既にできる限りのお話を尽くされているんだと思うんですけれども、できれば、先生がおっしゃっていただいた構成要件ですね、こういったポイント、視点での資料の提出なり、疑いをかけられている人に対して求めるべきこととか、あるいは疑いをかけられる、かけられない以前に、議員としてどういう公開の在り方とか、そういうことも含めて、先生が説明責任をどう負わせるかということで表現していただいたところで、さらにそういうサジェスチョンがもしございましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
○郷原参考人 先ほどは納税の観点を中心に申し上げましたが、もちろん、その大前提として、そもそも政治資金なのかどうかっていう問題が先にあると思うんですね。政治資金パーティーの収入というのは、政治資金なのか、事業収入なのかって、ちょっとそこも若干議論のあるところなんですが、少なくともそれが基本的に政治資金だというふうに考えると、その売上げの一部が議員個人に入っているということであれば、それは政治資金である可能性もある。
しかし、必ずしも政治資金とは限らないわけですね。販売の手数料、報酬みたいなもので個人に帰属するお金である可能性もあるんで、まずは、そういうパーティー券の販売、売上げの一部が自分のところに入ってきていることについて、それは政治資金という認識であったのかどうかということを、何らかの形で客観的な根拠を持って説明してもらう。その説明ができる場合に初めて政治資金として扱うべきだということになるんだろうと思うんですね。
そして、そこで帰属の問題があって、それじゃあ、その政治家個人に入っている政治資金なのか、それとも事務所の政党支部とか資金管理団体、そこに帰属すべきお金なのか、それについてどういう認識だったのかということの説明をしてもらう。
最終的に個人に帰属しているということではないのかと。それはもうお金が個人の口座に入っているのか、個人的な用途に使われているのかというところで判断できるわけですから、大まかにいえば、そういう政治資金かどうかということ、どこに帰属するのかということ、そして個人に入ったものかどうかということを客観的な根拠を持って説明していただく。それによって、いわゆる裏金問題についての説明責任を尽くすということになるんじゃないかと思います。
○中山委員 今、ご回答を頂戴してありがとうございました。いわゆる認識ということは非常に大事ですよと。ただ、認識が、何をもって認識しているのかということで、どう判断していくかということで、先生からお話しいただいたのは、一つは使い道だというようなことがあって、それによって自分のものなのか、あるいはどこの団体の所属のものなのか、その認識の仕方が正しいのかどうかということを客観的に判断していく、それが求められているんですよという話だったと思います。
そういう面でも、いろいろな手続法みたいな、そういう何を基準にして判断していくのかというものを、やはり本当は私どもからすると、国の改正がきちっとあって、事例に基づいて積み重ねがあって、東京都としても考えていくということが一番適切といいますか、ある面では簡単な方法なんですけれども、先頭を切ってやるというのは、なかなか大変な話になってくるんだろうというふうには思っている次第でございます。
その上で、もう一つは、どんなにルールを厳格化しても、さらにそれを破っていくといいますか、裏を通るといいますか、その法の抜け道を探るということも、これは人間の知恵の使い道として間違った使い道だと思いますけれども、あるというのが実例だと思います。
それで今回、もし東京都で定めれば全国で十番目の都道府県としての政治倫理審査会条例になるわけですけれども、先生が期待される、いわゆる法の規制とかルールとか、そういうものの抜け道を探るようなそういう行為に対して、それをコンプライアンスという面からいくと、コンプライアンスさせるための制度の在り方、そういうものについて、先生は都議会のこれからの条例に対して、どういうことを期待されているのかということを、大変分かりにくい表現かもしれませんけれども、お答えいただければ大変ありがたいところでございます。
○郷原参考人 抜け穴を探るというのが、本当に開いてしまっている穴を突かれてしまうと、これはちょっとなかなかどうにもならないわけですね。まさに今回がそうであるように、政治資金規正法の大穴が開いちゃっているわけですから、個人で寄附をもらって、どうせ何もいわなきゃ処罰されるわけないというふうにたかをくくられちゃうと、これ、もうどうにもなりません。
しかも、それは法律でどうしようもないわけですから、じゃあこれ、社会的に見て許せるのか。せめて税金ぐらい払えよということだけしかいいようがありません。
ただ、この問題はそうなんですけれども、先ほど川松委員がおっしゃっていたような、やはりいろいろお金の流れの中で、法律上は一応問題はないけど、これはやっぱり何か怪しいんじゃないかと。こんな大きなお金がこんな業者から入っている、これ何なんだと。これが、あっせん利得処罰法に違反するかどうかっていったら、これはなかなか刑事罰の対象にはならない。贈収賄にもならない。でも、こんなところから巨額の金をもらって、しかも不透明な形で処理していると。これ、いいのかというようなところをもっとただしていく必要があると思うんです。
これはまさに、法律にはぎりぎり違反しないけれども、説明責任が生じる。政治家としての説明責任が生じる問題だと思うんですね。私は、政治倫理条例が最も効果的に機能するのは、そういったところなんじゃないかと。そのままの事実を都民に示すと、これ何だというようなことが仮にあったとすると、それについてしっかり説明を求めるための政治倫理を審査するという手続を設けるということは、自治体レベルで行われてもいいんじゃないかと思います。
全体的に世の中の見方がすごく厳しくなっている。会計処理に対しても厳しくなっているし、やはり議員としての何か口利きみたいなものの利得を得ているんじゃないかとかいうようなことに対しても、世の中、非常に厳しくなっています。
そういったことで疑惑を招かないように、法律にストレートに罰則に触れるような形で違反していないけれども、疑惑を招くような事例に対しての調査をしっかり行えるような政治倫理審査というようなことを考えるべきじゃないかなと思っております。
○白石委員 日本共産党の白石たみおです。今日は、お忙しい中、来ていただきましてありがとうございます。
時間ないので、早速、私からもお聞きしていきたいというふうに思いますが、この間、ちょっと話されていることだと思いますけれども、やっぱりこの都議会自民党のパー券をめぐる問題、本当に深刻な問題であると私たちは思っていますし、全容解明抜きには解決なしと思っております。
やっぱりこれ、政治をゆがめる大問題であるというふうに思っておりますし、まず、この都議会自民党のパー券をめぐる問題、郷原先生としては、どういう問題意識をお持ちかということで、基本的なところをまずお伺いしたいなというふうに思います。
○郷原参考人 先ほども申しましたように、私は、最大の問題は納税に対する国民、そして都民の不満を生じさせていること、そこをしっかり解消していくことが、今回の問題への措置として極めて重要だと思います。
恐らくそういったところは、いろんな場面で、処罰もされなかったということだけど、裏金って結局どうなったのという問いを受けることになると思うんですね。それに対して、しっかり説明ができることが重要だと思いますし、ある意味では、現状からすると、私はそれに尽きるんじゃないか。恐らく金額の規模からして、政治資金規正法違反の処罰の対象になる事例はほとんどないんじゃないかと。ですから、やはり納税の問題、課税の問題が一番重要なんじゃないかと考えています。
○白石委員 ありがとうございます。やはりこれ、裏金ですから、全容解明というか、本当に説明責任が果たされなければ、要するに解決には至らないですし、今の納税の問題もそうですけれども、やっぱり幾らもらったのか、そしてどういうところに保管されていたのかなどなど、事実解明しなければ、その先の規制であったりとか、これからやらないようにしようという再発防止、できないというふうに思うんですね。
先ほど自民党さんのをちょっと聞いていますと、要するに今現状でいくと事務職員が略式起訴をされていると。そして、収支報告書修正、これでほぼ終わりだろうというような認識なんじゃないかというふうに思うぐらい、私、そういうふうにもちょっと思ってしまうぐらいの質問だったんですけれども、私、済まされるものじゃないというふうに思っているんですね。このままでは。
やっぱりそういうふうなところで略式起訴、それから収支報告書を修正したらこれで終わりというふうに済まされる問題ではないと思うんですけれども、郷原先生の見解、そこら辺でも伺いたいなというふうに思います。
○郷原参考人 本来、政党支部の収支報告書を訂正して、そこに帰属していたという処理をすべき問題ではないんじゃないかと思います。多くが政党支部に帰属するものではない、議員個人の政治活動に関する寄附か、あるいはストレートに個人に帰属する所得か、そのどちらかである可能性が、全体の流れの問題のうち相当部分あるのではないかと。そこを解明するというのが最も重要なことではないかと思っております。
○白石委員 今回の都議会自民党の政治資金パーティー、これ、中抜きなんですね。国会でいけば、一回派閥に入れて、そこからキックバック方式が主だったと思いますけれども、都議会自民党の場合って中抜きなので、都議会議員自身が説明をしない限り、全く闇の中だというふうにも思っております。
先ほど来からお話しされているように、やっぱり議員本人しか、これ説明できないというふうに思うんですね。同時に、じゃあそのお金は一体、銀行に入れていたのか、それともたんすとかどっかに、引き出しに入れていたのか、もしくは、じゃあ何に使ったのかも含めてやっぱり明らかにしなければならないですし、現状を、私たち公開質問状を都議会自民党にもやりましたけれども、一切、具体的な返答もないというふうなところが今の現状なんですね。
郷原先生にお聞きしたいのは、やっぱり都議会議員当事者、そして関係者を含めて、本人が来て説明をするということは、極めてこれはまず第一歩として重要だと考えますけれども、郷原先生のご見解を伺いたいと思います。
○郷原参考人 私が書いた本の中でも触れているんですが、実は、いわゆる裏金議員といわれるノルマを超えたお金をキックバックないし中抜きである程度の金額を受け取っていた議員や、その秘書の方々から、私、ヒアリングをすることができて、匿名を条件にですね、相当程度分かりました。少なくともその方にとっての裏金っていうのはどういうものであったのかと非常に明快に説明をしていただいて、それはこの本の中でも書いています。
そうやって当事者の話を聞いてみると、この裏金っていうものに対して、周りが思っているのと違う認識が生じる場合もあるんですね。例えば、自民党の去年の四月に出された党紀委員会の処分の中で、処分の重さを評価する要素として、秘書に任せっきりというのは重く処分されていますよね。それは、要するに議員個人は全然知らないところで、秘書が派閥から受け取って不記載だったという、そういう前提で考えているから、秘書に任せていたっていうのが管理不十分、監督不十分ということになるわけですね。
ところが、実際にはそうじゃなくて、秘書がちゃんと個人のお金を管理して、事務所の机の引き出しの中に入れて管理をしていたというのは、やはりそれは個人のお金とは切り離して、政治資金に使うものとして、区別して保管されていたということであれば、個人に帰属したかどうかということに関しては、まだましな方なわけですね、そっちの方が。それよりも、秘書には任せないで、そのまま自分が受け取っていた方が、はるかに悪質なわけですね。
ですから、前提を何かあらかじめ決めつけてしまうと、本当の行為の評価にならないということがあり得るんで、やはり事の起こりから、どうしてこういう問題が生じたのかということを含めて、しっかり話をしてもらうことによって、その中から、これは確かによろしくないことだけれども、それほど悪質じゃないんじゃないかということと、やっぱりこれはちょっとどうかということの判断も違ってくるんじゃないかという気がします。
○白石委員 ただいま郷原先生いわれたとおり、この問題、やっぱり全容解明しないと、何が問題で、なぜこういうことが起こったのか、どうしてこういうことが必要、まあ裏金が必要なのか、どこに保管していたのか含めて、当委員会できちんと当事者から聞くということが、やっぱりまず問題の解決の大前提であるというふうなことは、私も今のご意見に確認させていただきました。
もう一つ、この本、私も読ませていただきました。都議会議員の、先ほど触れられましたけれども、自民党都議の柴崎氏の問題にも触れられております。また、刑事告発もされているというふうに思いますが、改めてこの柴崎氏の問題をどういうふうな問題として考えているのかと同時に、何度もいいますけれども、直接説明を本人に聞かないと、やっぱり分からないところがあると思います。そこら辺のお考え、ご意見を含めてお聞きしたいなというふうに思います。
○郷原参考人 柴崎議員の問題というのは、当初の処理が政党支部に帰属したお金だったという処理と併せて、じゃあその部分のお金は政党支部でどこに使ったんだということの説明が、当初は人件費とか事務所費とか、そういったところで使ったことになっていて、それがもう端数も含めて全部ぴったり、その裏金の金額とが合うという全く考えられない処理になっているということを、その後、問いただされて、追及をされた。赤旗日曜版の方から問いただされて、それで今度は、そうじゃなかったといって、全部翌年度に繰越しにしてしまったと。もうこれはほとんど語るに落ちたというか、説明になっていないということですから、もう実態としては、そのまんま個人の懐に入っていたというふうに疑われても致し方ない事例じゃないかと思います。
あまりに処理の仕方がずさんだったために、そのうそが、もうほとんどばれてしまったという事例じゃないかと思いますから、やっぱりそういう事例が一つあるということは、ほかにも説明してもらうと、ちょっと説明にならないという事例もあるんではないかということを推察しております。
○関口委員 よろしくお願いいたします。立憲民主党の関口健太郎と申します。今日は、お忙しい中ありがとうございます。
まず初めに、私たち立憲民主党としましては、都議会自民党の裏金の問題は、やはり真相解明なくして条例制定なしと。この委員会は、条例の検討委員会ではあるものの、やはり真相解明しなければ条例は制定できないんだという立場でこの間、臨んでまいりました。
そこで、初めに伺いたいわけでありますけれども、今回の都議会自民党の裏金問題の何が大きな要因なのかということ、そして、もしこの裏金問題の再発防止策があるのであれば、どういう手段なのかということをまず伺えればと思います。
○郷原参考人 何が要因なのかということは、どういう目的で、ノルマを超えたお金が中抜きされていたのかというようなところが明らかにならないと、要因すらなかなか特定することはできません。ですから、まずはその辺りの事実を明らかにすることがなければ、ちょっとその要因について考えることもなかなか困難じゃないかと思います。
事実解明というのが、こういう議会の場などでは、なかなか行いにくいという事例も多々あると思います。例えば、何か贈収賄の疑いがあるぞというような指摘があったときに、真相解明、幾らやろうと思ったって、これは捜査機関ではないとできません。
そういう問題ではなくて、基本的な事実が明らかになっていて、なぜそういうことになったのか、そしてどこに帰属しているのかというような基本的な事実の構成要素の部分が明らかになっていないから、それは議会でも十分解明可能なんじゃないかと思っています。
○関口委員 ありがとうございます。先生の方からも、何が大きな要因なのかというのは、まず事実関係を明らかにしなくては分からないというお話がございました。
そういう意味では、今回、都議会自民党の裏金の問題でありますけれども、やはり裏金議員の当事者からお話をしっかり聞くということを我々は重視をしてまいりました。
不記載のあったパーティーの開催年の、例えば幹事長であったりとか、あるいは政治団体の代表者であったり会計責任者、ここだけに話を聞いてしまっては、私は不十分だと考えております。
裏金議員全員と、そして都議会自民党の事務局、こうした方々からしっかり話を聞き、真相解明をすべきと考えておりますけれども、郷原先生のお考え、伺えればと思います。
○郷原参考人 いわゆる裏金を手にしていたというふうに批判を受けている方々の数も、相当な数ではないかと思いますから、全員から詳しく話を聞くという時間が果たしてあるのかどうか、私もよく分かりません。
ただ、効率的に事実解明を行うとすれば、やはり全体の中には、明らかにこれは政治団体の方に帰属して政治資金だという事例も中にはあると思いますし、そういう解明が比較的書面ベースで容易なものもあると思いますから、そういったところは書面による質問、回答でとどめて、やはりちょっとこれはどう考えても納得できない、世の中的にはもう少し詳しく話を聞いてみないと事実が解明できないという方々に絞って、直接話を聞かれるのが効率的なんじゃないかという気がします。
○関口委員 ありがとうございます。今、郷原先生の方から、裏金議員の方々に書面で質問状を送っていくと。その中で、しっかり裏金の今までの経過を明らかにしていくと。その中で、この人はという人はやっぱり参考人として招致をすべきじゃないかという話を伺いました。
具体的に、どういうことを書面で聞いていくのがベストだと、先生、お考えでしょうか。
○郷原参考人 先ほども申しましたように、そもそも政治資金パーティーのノルマを超えた分、何か半額らしいですけれども、それがそのまま、いわゆる中抜きという形で留保されるようになったのは、誰からどのような形で指示を受けていたのか、じゃあその売上げっていうのはどのように政治団体の方に報告をされていたのか、そして中抜きで残ったお金が、どこの口座、誰名義の口座で、どのように保管され、どういう使い道であったのか。これを具体的に回答してもらえば、そこに何か疑惑が残るのかどうかというのは、書面による回答で、おおむね判断できるのじゃないかと思います。
○関口委員 ありがとうございます。裏金の今までの経過の中で、誰がどのように指示したのかという全体像の話と、あとは、おのおのの議員の裏金を、じゃあどこの口座に保管していたんだと。そして、どのように保管していたのかと。そして、どのように使ったのかということをやはり書面でしっかり聞いていくということが重要であると分かりました。
まさかですけれども、政治資金パーティー券を売って、現金でもらって、事務所で保管していて、そのまま保管しっ放しでしたということは、まさかないとは思うんですけれども、そういったことを書面でしっかり調査をするということが重要だということが分かりました。これ、委員会として、私も、書面で裏金議員全員にしっかり明細を答えていただくことが重要だと思っています。
そして、先生には政治資金パーティーそのものの在り方についても、ぜひ伺いたいと思います。
私は、政治資金パーティーというのは、もちろん個人の方が一枚二万円のパーティー券を買ってくださる、それはありがたいことなのかもしれませんが、やはり大きくは企業や団体が非常に高額なパーティー券の額を買うというのが、非常に政治に与える影響が大きいと思っています。
今まで日本の政治、東京の政治は、パーティー券を買える企業や団体、こうしたところに政策や予算が大きくゆがめられてしまったんじゃないかということを非常に痛感をしているわけでありますけれども、この政治資金パーティーの弊害、こういったものは、先生、どのようにお考えでしょうか。
○郷原参考人 私、この本の中で、かなり、先ほど申しました二十年前の長崎地検時代のことを書いておりますが、ちょうどまさに二十年前の事件というのが、県連の政治資金パーティー、裏金事件でして、相当な金額が政治資金パーティーの収益から裏に回されていて、本当の会計帳簿と別の会計帳簿がつくられていたと。そのお金が県連パーティーに招待された党本部の幹部のお土産代とか、数百万もする高級陶器とか、そういったものに回されていたという、そういう事実について、徹底して捜査で解明しようとしたんですが、なかなか当時の検察の最高検とか法務省などの抵抗に遭いまして、それが最後まで徹底してやることができない面もあったと。
やはりその当時から政治資金パーティーのそういう裏の部分っていうんでしょうか、不透明な資金のやり取りが行われやすいという弊害があって、それがある意味では、当時から自民党の資金源になっていたんじゃないかという疑いがあって、それが今回まさに大きな形で表面化したのが、この派閥政治資金パーティーの問題ではないかと思っています。
そういう意味で、どうしても小口のパーティー券で多くの人に政治資金を出してもらうということ自体は必要なことでもあるんですけれども、企業がまとめて買った場合に、それが不透明な形での企業献金代替のような金の流れになりやすい、裏金になりやすいというのが、政治資金パーティーの大きな弊害だと思います。
○関口委員 ありがとうございます。非常に、今、先生の方から企業、団体がパーティー券を買っていくことの弊害というお話をいただいたわけであります。
最後でありますけれども、やはり今回先生がお話しいただいた、裏金議員どころか脱税議員なんだということをご指摘されていました。国会議員の政治資金パーティーの裏金よりも、都議会議員の政治資金パーティーの裏金の方が、むしろ個人に帰属をしやすいというお話でありました。
個人に帰属しやすいということで、それを明らかにするために書面でのということで先ほどお話もいただきましたが、やはり本委員会でやるべきこと、そして、これから都議会でやるべきこと、こういったものをもう一度最後に先生のお話、伺えればと思います。
○郷原参考人 政治倫理条例の制定について検討されている場だということですから、やはり条例ということで、法律と抵触する条例はつくれないという、もちろん限界はあると思いますが、東京都の実情に即して、どういうルールをつくるのが都民の政治倫理への信頼回復につながるのかという観点から検討されて、可能な範囲のこういう問題についてのルールを条例でつくられるのが期待される方向ではないかと思います。
○もり委員 ミライ会議、もり愛です。郷原先生、今日は本当に貴重なお話、また、大変参考になるお話をいただきましてありがとうございます。
私たちの会派も、本当に全容解明なくして、しっかりと都民の信頼を得る条例はできないという思いで、やはり真っ先に何より求められるのは真相解明だと思っております。
その中で、政治と金をめぐる不祥事が起きた場合に、その防止のための効果的なコンプライアンスの体制をつくるためには、事実関係を明確にし、その不祥事が起きた原因を明らかにすることが原因となります。
まさに日弁連でも第三者委員会のガイドラインに書かれてあると思うんですけれども、日弁連では二〇一〇年の七月に企業等不祥事における第三者委員会ガイドラインを示して、また、二〇二一年の三月には地方公共団体における第三者調査委員会調査等指針を示しています。
フジテレビの事件では、二か月という短期で第三者委員会の報告を作成、公表し、記者会見もご存じのとおりだと思うんですけれども、他方で、第三者委員会がそれを主たる業務の一つとする特定の弁護士事務所のビジネスとなっているというのは、私も予算委員会で質疑をしたところで、スルガ銀行事件のような危機管理委員会や第三者委員会のストーリーを裁判所が真っ向から否定をされた事例もあり、第三者委員会の第三者性というのは大変、各法、証拠に基づいて事実を積み上げる作業が大切だと考えています。
本件では、客観的な事実関係、また、その原因を明らかにして、効果的なコンプライアンスの仕組みを構築するために、議会で議論の材料として、日弁連の方針に基づいて、この委員会が立ち上がるときにも、やはり今日も無所属の方や一人会派の方も傍聴にいらしているんですけれども、この委員会に参加をされていない状況があります。
そうすると、どうしても大会派順になってしまうと、追及をすべき会派の意向によって、全ての議員の意見が反映されないというのはやはり問題だと考えますので、そういった面でも、本当により公平性を担保したものとなるように第三者委員会を設置して、調査報告書を提出していただくことが適当ではないかと考えますが、郷原先生は、それについてはどのようにお考えでしょうか。
○郷原参考人 第三者委員会を設置して調査をすることで初めて真相解明に迫れるという事案もたくさんあると思います。なかなか客観的な調査じゃないと、当事者の側の調査では、信頼される調査結果にならないという場合もあると思うんですが、やはり事案によって違うと思うんですね。
今回の、この今問題になっている政治資金パーティーの問題などは、これは先ほどからいっていますように、おおむねもう外形的な事実は明らかになっていて、あとは当事者に説明してもらうということが中心ですから、その調査する側の主観とか立場とかによって何かこう判断や結論が変わってくるという部分は、あまり大きくないんじゃないかと思うんですね。
ですから、一般的には、そういう第三者性を持った委員会、第三者機関的なものの設置が必要な事例もあろうかと思いますが、本件は必ずしもそれには入らないんじゃないかという気がします。
○もり委員 ありがとうございます。やはり本当に当事者の方に参考人として出てきていただいて、そして、その上で話を聞いて、しっかりと事実を解明していくことが大事だということを改めて伺わせていただきました。
今回の事例は、国の政治と金の問題構造と本当に酷似した問題だと考えますが、このままでは本当に政治全体への不信が広まってしまうという中では、都議会が――先ほども先生がおっしゃったように、国の政治資金規正法にも大きな穴がある。あと、不起訴になってしまって、なかなか処罰を受けないということにおいては、都議会として、そこを条例でどういった拘束力を持たせることができるか。条例ですので、法を超えることはできませんけれども、やはり都議会から、国の法に穴が開いているからこそ、しっかりとその結論を導き出せるような条例にしていかなければいけないとも考えています。
一方では、今、二か月後に選挙を控える中で、都議会としても本当に政策的な議論ができないまま選挙に入ってしまうのではないかという危機感を持っているんですけれども、郷原先生は、国の政治と金の問題についても告発をされておりますが、本件について、遅くとも都議会選挙の前までに、この事実関係や原因を都民に明らかにすることが民主主義のために必要だと考えていますが、これについてご意見を伺わせていただければと思います。
○郷原参考人 最初にも申しましたように、私は、都議会自民党で裏金が問題にされている議員の方々も、決して税金を払いたくないとか、そんなことを考えられてはいないんじゃないかと思うんですよね。
ですから、むしろ、そんな問題を放置したまま都民の審判を仰ぐということだけはなしにした方がいいんではないかと。やはりそんなに、国会議員の裏金と比べれば、金額はそれほど大きくないわけですから、そういうことで税金も含めて、しっかり処理が行われるということが確認されて、その上で四年に一回の都民の審判を都議会議員として仰ぐということは、私は何より必要なんじゃないかと思います。
だから、そういうことを阻んでいる要因があるとすれば、何とかそれをなくしていくことが必要なんじゃないかと思います。
○もり委員 ありがとうございます。今後、これから当事者、誰を呼ぶかというのは議会でも参考人の議論に入っていくんですけれども、本日、先生のお話を聞いて、国以上に、都議会の問題というのは本当に議員個人への帰属が大きいということを鑑みて、やはり疑惑のある方は、それをしっかりと都民の方の政治の不信を払拭するためにも、この場に参考人としてお招きして、お話を聞くことが大変重要だと感じますので、議会としても本当に超党派でしっかりと条例をつくっていきたいと感じました。今日はありがとうございます。
○高倉委員長 以上で質疑は終了いたしました。
これをもちまして本日の参考人からの意見聴取は終わりたいと思います。
郷原先生におかれましては、長時間にわたりまして本当にありがとうございました。
委員の皆さん、そのままちょっとお待ちください。先生、ご退出いただいて結構でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、この後、一旦休憩にして、そして前回から課題になっております有識者以外の参考人の招致ということにつきまして、お諮りをさせていただきたいと思いますけれども、委員の皆様含めて、ちょっと若干の、まあ、いってみましたら、それぞれの会派でのご協議も必要だと思いますので、三十分間ほど休憩をいたしたいと思います。
したがいまして、三時半をめどに再開したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、委員会を休憩いたします。
午後二時五十九分休憩
午後三時二十九分開議
○高倉委員長 それでは、委員会を再開いたします。
先ほどは、お疲れさまでございました。
そして、これから、既に書面でもって各会派からご提案をいただいております、今回の都議会における収支報告書の不記載問題に関係する参考人の案につきまして、皆様にお諮りをさせていただきたいと思います。
三つの案が出てきておりますので、順番にお諮りをさせていただきたいというふうに思いますので。都民ファーストさんから、それから公明党から、それからあと、共産党、立憲民主党、ミライ会議から共同で出されている三つの案ということでございます。
それでは……(「自民党さんの案は」と呼ぶ者あり)さっき打合会で……(「平場でやらないんでしたっけ」と呼ぶ者あり)うん、ということでさっき、そうなんです。
それでは、順次、お諮りをさせていただきたいと思います。
提案をした会派の名前をいって、起立により採決をしたいと思います。
それでは、最初に、都民ファーストの会東京都議団からのご提案に賛成の方のご起立をお願いいたします。
〔賛成者起立〕
○高倉委員長 賛成少数ということで、一応否決ということでございます。
次に、都議会公明党からの提案に賛成の方のご起立をお願いいたします。
〔賛成者起立〕
○高倉委員長 では、賛成多数ということで、可決というふうなことでございます。
それから、もう一つ、日本共産党東京都議会議員団、東京都議会立憲民主党、ミライ会議、三会派の共同提案にご賛成の方のご起立をお願いいたします。
〔賛成者起立〕
○高倉委員長 賛成少数ということで、これは否決でございます。
今、お諮りをさせていただいた結果、都議会公明党の案について決定ということで結論を出させていただきます。
○白石委員 今の結論ですけれども、一つは、それぞれ今、三会派、都民ファーストさんでいけば四人、公明党さんでいけば二人で、私たちは十九人プラス三ですので二十二名というふうなことでやってきました。
先ほど郷原先生の参考人質疑の中でも、やっぱりきちんと事実解明が必要だと。そのためには、その当事者を呼ばなければならないというのを私たちは聞いたわけですね。
今の結論だと、公明党案、要するに、その当時の代表者のみ、二人ですね。鈴木章浩都議と、それから小宮あんり都議ですかね。この二名で、多数で決まるというふうなことなんですけれども、先ほどの参考人の質疑も聞いて、やっぱりきちんと、なぜそうなったのかっていうふうなのを、私たちは何の説明も、私たち三会派は受けていないので、なぜそこでまとまったのかっていうのは、どういうふうな理由でそうなったんでしょうか。ちょっとそこはお聞きしたい。都民ファーストさんも含めて。自民党さんも含めて。
○高倉委員長 今、お諮りをさせていただきましたので、この決定についてはもう決定ということでお願いしたいと思いますが、もし理由があるんであれば、ご説明をいただければと思います。
○小山委員 私どもは、先般、都民ファーストの会東京都議団として、政治団体都議会自由民主党の代表者及び会計責任者の招致をお願いしたわけでございます。
私どもの会派の、ただいま表決は、残念ながら私どもの会派のみで、賛同者は得られなかったということで、否決ということになりました。
その結果を受けて、私どもとしては、一人でも、こういった実情をしっかり分かる方にやはり出ていただくべきだということもありまして、都議会公明党の皆さんが二名ということで、私どもとしては十分ではないと考えますが、招致できないよりは招致できる方がこれはよろしいという判断の中から、この都議会公明党さんの案にも賛成をさせていただいたところでございます。
また、先ほど参考人の郷原先生からもありましたように、多くの方のということについては、文書によってなどということも検討の一つということがありましたので、それは今後の委員会等々で検討されるべきものというふうに考えております。
私からは以上です。
○西沢委員 私どもの案に賛同が少なかったのは大変残念でございますが、討論がなかったので、今、都民ファーストさんからは、現実的に呼べるということであれば、我々の案に賛成すれば、それはそれで現実的になるんじゃ――むしろ多くの方、今日も参考人の方からも、当事者の方の話を聞くのはやっぱり大事だという話だったので、そういうことにならないんじゃないかと思うので、その理由ももしよかったらお聞かせいただきたいと思いますし、ほかの会派の方々も、そういった話を聞かせていただきたいというふうにも思いますが、いかがでしょうか。
○高倉委員長 何かありますか。
○小山委員 先ほども申し上げましたように、ほかの方の真相解明ということについては、文書でもっても十分確認ができるというような、先ほど郷原先生からのお話もいただいたところでありますので、それらを踏まえて、今後、委員会の中でそちらについては検討されればよろしいかなと、このように考えております。
○白石委員 いや、だから、委員会できちんと、私たち三会派は全員呼ぶわけですから、ここできちんと公開の場で事実解明、真相解明をしようじゃないかというのが、普通はその方に考える。
しかも、先ほどの書面の話というのは、一切この打合会でも委員会でもされていないと。今になって、これをやる、やらないみたいな、検討しようというふうなのが出たんだったら、だったら事前にこちらにだって、しっかりと相談をしたりとか、こういう方向でどうかっていうのをするのがちょっと筋ではないかというふうに思いますし、本気でこの問題を解明しようというふうにするんであれば、全員を呼ぶってのは当たり前の話だと。
しかも、それを参考人の質疑によって明らかになったわけですから、そういうふうにやるべきだというのを改めてちょっと私、意見としていいたいというふうに思います。
○大山委員 参考人は何で呼んでいるかっていったら、この委員会、検討会に生かすために呼んで、意見を聞いているわけですよね。
それで、その中でも、やっぱり事実は本人しかいえない、このケースの場合、都議会自民党の場合、本人しかいえないということでは、やはり、本来、当事者は全員来てもらわなきゃいけないと。
しかし、関口さんの質問の中で、まずは書面で全員に事実を書いてもらうということの案も出たわけです。ですから、やっぱり、その最低限、書面で、当事者の皆さん全員に記入してもらって、それで、そんなに時間がかかることじゃないでしょうから、集めて、それでさらに、これを事実解明するためには、この方も呼んだ方がいいよねっていうのは、またこの委員会で、検討会で議論していただきたいと。
だから、とにかく、全員に事実は記入して書面で出してもらうというのは、ぜひちょっとここで確認していただきたいと思います。
○もり委員 先ほど郷原先生のお話を全員で伺った中で、やはり国政の問題と違って、都議会の問題というのは個人の帰属性が高いということの認識があったからこそ、疑惑のある方は全員出席していただいて疑惑を解明することが、やっぱり都民の政治への不信を払拭することであるというお話の結論になったと思った中で、本当に私たちの案が否決をされてしまったというのは大変残念です。
そういった中で、本当に全員から書面でも話を聞くことが可能なのかということは、やはりしっかりと位置づけなければ、この二名をもって全容解明したということにはならないということは、強く訴えたいと思います。
○関口委員 今、三会派が公明党案に乗ったということでありまして、その経過というのを先ほど都民ファーストの小山委員、都民ファーストとしての立場をお話しいただいたわけでありますが、やっぱり、これ、自民党さんに聞きたいわけですよ。
だって、この前は、政治倫理条例検討委員会の参考人の提案ということで、都議会自民党の裏金議員、誰を呼ぶかっていう話のときに、結局、自民党が呼んだのは共産党と立憲じゃないですか。私は委員会の中でも、反省の色がないということを強く申し上げたつもりであります。
そして、先週の議論のときには、一旦それを考えさせてくれということで、今回何にも説明責任がないまま、結局、公明党案にふっと乗ったわけですよね。ブラックボックスの象徴じゃないですか。ブラックボックスの議会、ブラックボックス委員会じゃないですか、このままじゃ。
ぜひ、これは自民党さんに説明いただきたい。なぜ今回公明党に乗ったのか。そして、なぜ、今回共産党と立憲の参考人招致を取り下げたのか。これ、しっかり明らかにしないと、この我々の委員会の審議、進みませんよ。ブラックボックスだ。早速、ブラックボックスになっちゃっているじゃないですか。
議論の透明化を行おう、委員会でしっかり平場で議論しようといったものが、全部なし崩しになっているじゃないですか。
そこはぜひ、しっかり説明責任を果たしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○高倉委員長 ほかにご意見ございますか。(関口委員「いやいやいや、委員長、これ、答えていただきたいですよ、自民党に」と呼ぶ)自民党さん、何か今のことについてご発言がありましたらどうぞ。
○川松委員 ブラックボックスとか、いろいろそういうふうにいわれる前に、大前提として、先ほど私が郷原参考人にお話を聞きました。政治資金規正法というものがあって、それに対して政治倫理基準をこの場で話をしているっていった。郷原参考人も、政治資金規正法がある以上、この政治倫理基準でこの問題について根本的に解決するのは厳しいという話がありました。まずこれが第一です。
かつ、皆さん方は全容解明と話をされていますが、その入り口の中において、今、例えば、もり委員なんかがお話しされた個人の帰属の問題以前に、この問題に関しては、都議会自民党のパーティーの在り方、そのパーティー券のチケットの販売、そして、その後の集金の在り方がまず問われていて、そのことについて都議会自民党として説明責任を果たすのは、その指示を出したときの幹事長であるこのお二人がまずお話をされないと、それは、皆さん方が全部呼んでお話ししようということの前に、まずここが重要なんだという考えです。
私は、本件については、自民党の中で調査をしていた現小松幹事長も必要だとは思っていましたけれども、事前の段階で、各会派の皆さん方からそれは必要ないというご意見があったので、それだったら、このパーティーについて説明のできるお二人ということを我々は、公明党案ということで、これでいいんじゃないかという判断をいたしました。
一方で、共産党、立憲民主党、ミライ会議の案については、先ほども、私、郷原参考人にもお話をしましたが、あくまでしんぶん赤旗が名前を挙げた疑惑の段階にある人、いわゆる不記載ということで確定をして東京地検の捜査も終わり、確定して不記載で出していない人まで含まれているので、これに対して賛同するのは、前回の委員会でもお話をしましたが、怪文書の類いにも賛同するようなもの、これだったら何でもありだ、白石委員はそれでもいいんだとおっしゃっていましたけれども、その怪文書の問題に対して対処するわけにいかないので、今、現実的なところで公明党さんの案に私たちは乗らせていただいたと。この説明です。
これを反対しようが、賛成しようが、これが私の説明です。
○白石委員 いや、まず、根本原因は裏金問題で、要するに、今回、中抜きなんですね。当事者を呼ばなければ分からないというのは明らかな問題なんです。
先ほど、集金の在り方だとかなんとかいっていますけれども、調査したとかっていっていますけれども、公開質問状で私たちはやりましたよ。この裏金を幾ら集めて、そして、どこに保管をしていたか。それは銀行なのか、それともそうじゃないのか。そして、なぜ、その裏金はどういう使い道なのか。一つも具体的に何の回答もしていない。これが今の自民党の現状なんですね。
それで、疑惑だ疑惑だといいますけれども、疑惑を解明するんだから、しっかりとそこは出てきて説明するって、当たり前の話じゃないですか。
それをこの二人で、当事者の小宮氏と、それから鈴木氏の二人だけで済まそうということはやっぱり、本当に、これ、お茶濁しになります。
全員呼んで、きちんと――全員呼ぶ、時間的、効率的な問題があるんであれば、じゃ、どうしようかって、普通だったら、先ほどの関口委員からの質問でもあったように、じゃあ書面できちんとやらせるというふうなことも含めて、本来議論しなければならないのに、こういう形で強行して、これで終わらそうなんて、絶対許されないというふうに思います。
同時に、疑惑だ疑惑だといっていますが、柴崎都議については刑事告発もさらにされております。先ほども参考人からの話もありました。
そういうことが明らかなのにもかかわらず、その人も呼ばないと。こんなんでいいのかってのが、私は問われているというふうに思います。
本当にこのままで、この二人だけで事を済まそうとしたら、この問題はうやむやになります。きちんと呼んでやるべきだと改めていいたいと。
○大山委員 ですから、やっぱり疑惑だったら、そうしたら、ちゃんと出てきてきちんと説明する場があるわけですから、ちゃんと説明すればいいじゃないですか。
そして、あと、ここでちゃんと議論してもらいたいのは、この二人だけでおしまいにするんじゃなくて、やはりきちんと疑惑解明しなかったら、実のある条例できませんよねって話から、参考人を呼んだり、それから当事者も呼ぼうねって話になっているわけですから、これで終わりじゃなくて、必要だったら、また呼ぼうという確認はしてもらいたいです。
○西沢委員 多数決ですから、議決というか、最初にこれは諮りましょうということですから、討論みたいのがないですから、今いろいろと各自で話をさせていただきましたし、私の意見もいいました。まあ改めてね、残念ですけれども。
私の考え的にいうと、このままだと全容解明は、この条例検討委員会が自ら放棄したというふうに思うので、先ほどお手紙の話がありました、文書でやればという話もありましたが、少なくとも、そこは最低限やるということを、今ここで委員会としてちょっと決め――結構さっきも話もして、議論も結構したと思うので、もし可能であれば、今ここで、文書についてはやりましょうということを、委員会として決めてもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○高倉委員長 ほかにありますか、ご意見は。
今、皆さんからご発言をいただきました。いろんなご意見を述べていただいたと思いますけれども、その中に、ご提案として、書面でもってというご提案があったかもしれませんが、もしこれについてご提案をいただいたということであれば、どこかの段階できちっと早期にそれを諮っていかなきゃいけないというふうには思いますけれども、正式なご提案ということでよろしいですか、今の話は。違うんですか。
○大山委員 それはもう最低限、書面で確認するというのはやっていただきたい。と同時に、この二人でおしまいにはしませんということを確認してほしいです。事実をきちんと解明することが役割なわけですから、ちゃんと事実を解明できるように、参考人、当事者も引き続き呼びましょうと。これでおしまいにはしませんということも確認してください。
だから、書面と、これでおしまいではありませんという両方です。
○高倉委員長 書面については、すみません、今のご発言、西沢委員からもお話ありましたけれども、書面の対象者っていうのをしっかり確定しないといけませんので、そういったところはちょっとご提案はきちっとしていただかないと、書面の提案者っていうのは、関係者ってどこまでですかっていうことです。
先ほどもお話もちょっとあったかもしれませんが、ここに載っかっている、いわゆる共産党さん、立憲民主党さん、それからミライ会議さんの方々宛でいいのか、それ以上いらっしゃるのか。つまり、どういう方に書面を出すべきなのかということも、ちょっとすみませんけど、ご提案であれば、はっきりさせていただかないと。
すみません、それをちょっと後で、後でっていうか、諮りますので、そこも諮っていきたいとは思いますけれども、ちょっと提案をはっきりしていただいた方がいいと思うんですよ。
それとあと、これで終わりじゃないようにという話がありましたけれども、ご提案は随時していただいて構わないと思いますので、そこは、委員長が、もう提案やめてくださいって、こういうふうなことはいうことはできませんし、そこは今後、ご提案はあってしかるべきだというふうには思っておりますが。
○中山委員 私も提案はこの委員会ではどんどんしていただいていいんじゃないかと思います。
その上で、やっぱり提案は、今の採決した提案についても書面で出しましたので、どなたが合意されて出せるのか分かりませんけれども、書面にしていただいて、対象者とか、そういう目的とか、そういうものを書いていただいて、採決を仰ぐ形にしていただきたいと。それは次回の打合会というものでもいいかもしれないというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
その上で、全容解明ということについて話がございました。私も、解明できるものなら、もうどんどんやりたいです。
ただ、やっぱり全容解明するには、手順だとか基準だとか、それから、来ていただくことを義務づけるだとか、資料を出してもらうとか、いろんな規定が必要です。そのために審査会条例というのをつくるわけですので、審査会を設置するわけですので、全容解明を審査会も設置しないでできるんだったら、審査会なんて要らなくなっちゃうわけですから、そういう面では、よりよい条例をつくるために、現在起きている問題について、可能な限りで情報を得ましょうということ。私はそのつもりで、この当事者の方々、自民党の方々についても招致を求めました。
もちろん前提の問題意識としては、提案させていただいた際に、政治資金規正法という、有権者の方々の信頼の前提になるものを損ねる不祥事ですよということはきちっといわせていただいて、自民党の方々に猛省を促すといういい方をさせていただきましたけれども、その前提の上で、あくまでもこの委員会は条例をつくるための委員会です。
最後、関口委員からも郷原先生に質問されていましたけれども、やはり郷原先生も、どれだけ時間的余裕があるのかということについて、それは私は分かりませんと郷原先生もおっしゃっていました。だから、全員呼べるのかどうかとか、そういうことは分からないということで、その中で、先ほど出た文書の話も出てきたんだというふうに思いますので、ある面では、私どもとしても、少なくとも誰も来ないというような状況は絶対避けるべきだという面で、これは自民党さんにお願いするしかないんですけれども、この二名の方々でさえ、これを義務づけることはできないわけですから、もう来ていただくしかないので、そこは自民党の方々にお願いしたいと思います。
そういう面で、委員長の話とかぶっちゃって申し訳ないんですけれど、資料をきちっと出していただいて、提案していただければ、それをまたみんなで検討すればいいんじゃないかというふうに思っております。
以上です。
○白石委員 じゃあ書面で最低限きちんと調べようと、誰が対象なのかも含めて、それは次回、みんなで話し合って出させていただきたいというふうに思いますし、同時に、正直いって、この間やってきているわけですね。私たち会派は、自民党さんに公開質問状をやっていますよ、書面で。
だけれども、何の返答もないわけですから、今回、委員会できちんと、だからそこは提案をして、諮って、きちんと、最低限、それは書面でも、必要な事実解明ができるようにはしていかなければならないということが一点。
それから、ほかにも、要するに、この委員会でやっぱり当事者を呼ぶっていうのは、私は大事だと思うんです。
先ほど公明党さんも都民ファーストさんもいわれたのは、誰も呼ばないというふうなことにはやっぱりしたくないから、まずは鈴木氏、小宮氏の二人なんだというふうな話だったので、そこで全く、全容解明含めて、具体的なところが分からなければ、必要に応じて呼んでいくということは、それは否定されなかったというふうなことですので、そこについても今後もさらにちょっと提案をしていきたいというふうには思っております。
○高倉委員長 それでは、今、ご提案を含めて、いろんなご意見をいただきましたので、提案については、恐れ入りますけれども、先ほどの書面の件もそうですけれども、よりはっきりしていただかなきゃいけませんので、これまでと同じような形で、書面で提案を出していただきたいと。
様々な提案があろうかと思っておりますので、それを拒むものではありませんし、提案についてはご自由に出していただいて構わないと思いますので。ただし、はっきりと、分かりやすく出していただければありがたいなというふうに思っています。
提案が出てきた段階で、どういうふうにお諮りしていくのかということについては、打合会も含めて、お話合いをしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、先ほど決定させていただいた公明党案のお二人については、今度、十六日、二十三日、それぞれお一人ずつ、学識経験者をお呼びすることになっておりますけれども、この今決定していただいたお二人について、もちろん出席を私の方から早急に要請をしますけれども、出席していただけるんであれば、こうしたまず日程の中に入れていきたいというふうに思います。
決定し次第、これはもう皆様にすぐに共有できるように、お話を情報提供したいと思いますので、恐れ入りますけれども、その出席の要請と、その確認と、それからどこの日にちに入れていくか、これ、恐れ入りますが、委員長にお任せしていただいてよろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高倉委員長 じゃあ、その件はよろしくお願いしたいと思います。
以上で、その他の参考人、今日のところの参考人の決定については終了したいというふうに思います。
○高倉委員長 続きまして、私の方からお願いをしておりました、条例案のことについての検討ということで、すみません、差し出がましかったとは思いますけれども、今日のところは、その入り口ともなるような審査会の請求と、そして審査会の在り方っていうんですか、構成とか、こういったところを中心にご意見いただければありがたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
あまり時間は長くかけないでというふうに思っておりますが、時間を区切るものではありませんので、まず、恐れ入りますが、いつものように一通り、まず各会派のご発言をいただければと思っております。自民党さん、いかがでしょうか。あ、ちょっと待って。(大山委員発言を求む)どうぞ。
○大山委員 ごめんなさい、前回、委員長が発言されて、ちょっとよく理解できなかったというのがあるんですけれども、何のために研究者だとか呼んでいるかっていったら、やっぱり共通認識をつくるということですよね。
それで、条例案についても、裏金問題で倫理条例をつくっているところというのは、今まだないんですよね。
それで、どういう条例をつくるのかっていうことは、やっぱり参考人の皆さんの、研究者の皆さんなどの意見も聞いて、それから事実も明らかにして、それで議論していくんだろうなというのが思っていたことなんです。考えていたことなんです。
それで、しかも、全ての議員に関わることじゃないですか。ですから、少数会派の皆さんの意見をどう聞くのかとか、どういうふうに議論を一緒にしていくのかとかということを含めて決めないとまずいんじゃないかなと思っているんです。
だから、それで、このたたき台がどういうものなのかっていうのもちょっとよく分からないですし、それから一つ一つの請求、例えば審査の請求にしても、一筋縄ではいかないというか、いろいろ研究しないと、一緒に深めていかないと議論にならないんじゃないかなとは思っているんです。
ですから、その辺の、少数会派の意見をどうするのかってことと、議論をどうしていくのかっていうのをちょっと整理していただければと思います。
○高倉委員長 あとご発言あります――いいですか、大丈夫ですか。
今、大山委員からお話しいただきました。理想的なっていうことをいっちゃいけないとは思いますが、できることなら、いろいろご意見も聞いた上でやっていくというようなことは、当然そういう考え方というのはあると思います。
しかしながら、この委員会が立ち上がった時期のこともありまして、今この任期中に何らかの作業を進めていかなきゃならないと。次回の、次の任期まで申し送りでもできればいいんでしょうけれども、どのような議会構成になるか分からないものを申し送りしたところで、本当にそのとおりになるのかどうかって分かりませんので、まず、今この任期中に、特に、第二回定例会というのも一つあるわけですけれども、そこまでどういった形で作業が進められるのか、すみません、委員長としてはそういうことをちょっと考えております。時間的なことですね。
したがって、形としては同時並行的なことになりますけれども、協議も進めていって、ただ、一回やった協議はそこでもうやっちゃったから、もうそれでいいですよということではなくて、当然ながら、その後、また同じテーマについて意見交換をする、協議をするというようなことも当然あってしかるべきだというふうに思いますけれども、一つにはそういう時間的なこともあるということと、それから、毎週水曜日に日にちを定例化しているということがあります。
五月の日程というのはちょっと決めてはおりませんけれども、後でまた打合会のメンバーと決めていきたいと思っていますけれども、仮に五月の水曜日にやるとすれば、五月の最後の水曜日あたりは、もう定例会の委員会の日程が入ってきますので、そこまでの回数しかないということがあります。
非常に時間的な制約がある中で、誠に申し訳ないとは思っておりますけれども、同時並行して話を進めていくというようなことで、したがって、参考人の方からいろんな意見を聞いた後に、例えば今日これから協議していただくとした場合に、そのことについても、いやいや、あのときはこういうふうにいったけれども、実はこういうふうなことというふうに考え方が変わったとか、それはあってしかるべきだと思っておりますので。ただし、作業は、申し訳ありませんが、そうやって進めていきたいと思っております。
ご意見がもしないんであれば、それはそれで、ご意見というか、その条例の中身の協議について、その段階でご意見がないということであれば、それは単にないんじゃなくて、またいずれ出していただくというふうに私は考えたいと思っておりますので、基本的に私の考え方はそういうものです。
○関口委員 先ほど参考人の郷原先生にも一問目で伺わせていただきましたけれども、今回の問題を受けてどうするべきかっていうのは、まず初めに真相解明をすべきだということを、やはり郷原先生おっしゃっておりました。
それは我々が今までいってきたことと同じことであるものの、やはり条例をつくるといったときに、何が一番コアなのかと、中心部なのかということを考えると、特にこの政治倫理条例に関しては、例えば条例の前文、そして目的、責務、政治倫理基準、ですから、この最初の委員長の私案でいえば、第一条、第二条、第三条、あるいはこの前文、ここの部分をしっかり、立てつけをしっかりしなければ、やっぱり詳細の議論に私は入れないと思います。
確かに委員長がおっしゃることも分かります。時間が限られた中でどうするかということは、おっしゃるとおりかもしれませんが、しかし、やはりしっかり真相解明する、真相解明を一番にやって、その後、やっぱりこの条例が何のためにあるのかっていうことをしっかり明確化しないと。やはり私は議論の最初はそこにあるべきだと思っております。
○高倉委員長 ほかにご意見はありますでしょうか。
○中山委員 今、関口委員からお話があった前文だとかそういったこと、目的とか、書いてあることですから、大事なことだと思います。
ただ、いろんな議論の仕方、順序がある中で、これは打合会で委員長の方も提案させていただいて、これはあくまでもたたき台なので、草案でもないし、私案でもないし、一つの議論の俎上に利用していただくという形で、大分限定的に限ってやっていきましょうということでしたので、それはご了解いただいたものと私は認識しておりました。
打合会で検討すべきことは、意見が分かれることを調整するということじゃなくて、検討の仕方の手順ですね。そういったものを合意を得ていくということだったと思いますので、その面では、話題を一つ一つ区切りながら検討していくということは、やはりタイムスケジュール的にもあってしかるべきなのかなと。
さらにその上で、それぞれの参考人の方々の意見を聞いた上で、前はこういう見解だったけれども、やはりこういう見解に変えたいと思うとか、あるいは、こういうことも大事だと思うということをいっていただくことは全然構わないというお話でしたので、私は今日お示しいただいている話題について議論をした上で、関口委員がおっしゃったような事柄についても、きちっと議論をしていけばいいんではないかというふうに思っております。
○高倉委員長 何度も申し上げますけれども、私から出したのはたたき台でありまして、私案でも素案でもないというふうに受け止めていただいて全然結構ですので。
いわゆる、関口委員さんがおっしゃったように、最初から、もちろん前文というのはすごく大事なところでありますけれども、目的とか、そこからやっていくべきっていうふうな感じもいたしましたけれども、ちょっとなかなか、この間、あれは打合会だったですか、お話ししたときに、あんまり打合会の内容って申し上げられませんけれども、特に倫理基準みたいなところ、今日、郷原先生からも倫理基準についてお話がいろいろあったかもしれません。そこでどういうことを定めていくのか。
それは順番にやっていくと最初から、基準のところに話が行くんですね。これは大きな大事な論点のポイントだと思っていますし、それから、今日ちょっとご意見を一旦いただく審査会の請求なり、審査会の構成なり、どういうふうなものにしていくのかとかですね。そして、すみません、何度も申し上げて申し訳ないんですけれども、審査会の権能ですよね。調査権限とか、そういうものをどうするのかとか。そして、決定したことを最終的にどう措置していくのか、その手続ですけれども、基本的にこういうものじゃないかなって考えてはいるんですよ。ただし、それは絶対的なものじゃありませんので、今、関口委員さんの方から大事な意見もいただいたと思うんですけれども、この議論の過程の中でご意見をどんどん出していただければと思っています。
ただ、この議論を進めていくに当たって、ある程度絞ってやった方がいいんじゃないかと。最初から全体で、ご意見をどうぞというやり方もきっとあるのかもしれませんけれども、そういう協議をしながら、もちろん最終的には、全体をどうするのかということにも当然なっていくと思いますし、先ほど申し上げたように、時間的な制約というのが一番、私としては大きな要件になっているということを、ちょっと踏まえなきゃいけないと、委員長としてはですね、と思っておりますので、今日のところは、すみません、一回、最初ですけれども、一度協議を行わせていただければと思っています。
○大山委員 さっきの、私、申し上げた、その少数会派の意見のことと、それから、裏金問題で倫理条例をつくるっていうのは初めてなわけですから、どういう条例にしようかっていうことをやっぱり議論しないと、ちょっと前へ進めないんじゃないかなと思うんですよ。
○高倉委員長 もしそれを必要であれば、今日いっていただいて構いませんよ。あるところ限定はして、絞ってしましょうねって話はしていますけれども、外れても構いません、それは。外れてって、つまり、ここからやっていくべきです、そこについて私たちはこう考えていますというご意見いただくことは、一向に構わないと私は思っています。
入り口は、いろいろ入り口があるんだと思うんですよ、きっとね。分かりませんが。だから、それを、こういうことをいっちゃいけないというつもりはありません。一応、絞ってはおりますけれども、そもそもですねっていうお話をしていただいても全然構わないと私は思っています、そこはね。(大山委員「少数会派……」と呼ぶ)あ、ちょっと待ってください。
あと、それから、少数会派、これに参加されていない、会派に所属していない方とか一人会派の方々については、もう最初の委員会のときからご意見はいただいていますので、これは打合会に一度、できれば正式な案を出してください。つまり、例えばどういう方々をどういうふうな形で呼ぶのかっていう案を出していただいて、協議したいと思いますので。
○白石委員 私も少数会派、一人会派、要するに全都議会議員に関わる条例になるので、それを一部の都議会議員だけで議論して決めるということは、これはやっぱり駄目だよと。これはもう最初からいっていると。
当委員会でも配慮していくんだ、そういう趣旨の発言もあったということで、本来、きちんとそこは議論した上で、そこの対応についてが明らかになった上で、具体的な条例の中身について入っていくべきだというのが、私の意見でもあります。
今、委員長がおっしゃられたので、私はオブザーバーで一人会派を入ればいいというふうに思います。一応、委員会上は、委員は決まっちゃっていますので、なのでオブザーバーで入れれば、皆さんが合意できれば、一人会派、それから少数会派を入れて、きちんと議論ができるようにしていった方がいいというのが提案です。
それから、委員長がいわれた、この条例の、要するに時間的制約というふうにいわれるんですけれども、一番大事なのは要するに再発防止で、きちんとこの裏金問題、政治資金パーティーをめぐったこの裏金問題を再発させないんだという、実効性ある条例をつくるってのが一番の課題であって、それが、要するに時間だけでパフォーマンス的に終わってしまうということは、これは不本意になることは間違いないので、やっぱりそういった意味でも、改めていいますけれども、やっぱりこの政治資金パーティーをめぐるパー券問題の事実解明抜きにしては、実効性ある条例はつくれないと思うので、しっかりとそういうところをいかにこの委員会で担保していくのかというのが、今後さらに問われるかなというふうに思っております。
以上です。
○高倉委員長 それでは、いわゆる少数会派の方々のことについては、次回打合会、委員会でも協議をさせていただきたいと思います。
それで、すみません、条例のことについてのお話ですけれども、そもそものいろんなご意見もあろうかと思っておりますので、そして、今日、私はこの辺りのことについてご意見いただきたいということをちょっと提示はしておりますけれども、そこを踏まえてご意見をいただければありがたいんですけれども、必ずしもそこに、それ以外はご意見は駄目ですよというつもりもありませんので、すみませんけれども、ちょっとご意見をいただければありがたいと思っていますので。
ちょっと、まず一回だけ、会派の順番でご意見をいただいた上で、あとそれ以外の、それ以外って変ですが、さらに意見のある委員の方から意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○浜中委員 委員長、大変お疲れさまでございます。
今回、事前にいっていただいたのは、審査の請求、第四条と、審査会の設置等、第五条、第六条ということでございます。
我が会派としては、これ、都道府県では九県ですか、今、条例を既に持っているところがあるので、できれば、ここについて、今、具体的に何分の一以上で請求して何とかというのを、我が会派の意見というよりは、資料として、各九都道府県のものを比較して出してもらったりとかすると、議論がしやすいのかなと。
これは、そこの部分だけではなくて、ほかの部分も、条例をつくるときに、恐らくその先行事例のような形で、先ほど前文のありやなしやだとか、目的だとか定義とかっていうのがあると思うので、議会局とかにお願いをして、それを一覧とかでつくってもらえると、多分そのどれが、まず我々にとっていいのかみたいなのを議論しやすくなるのかなというふうに思いましたので、ちょっと今、この四条はこうした方がいい、五条、六条はこうした方がいいという話ではないんですけれども、比較検討しながらやっていくと、フィットしやすいのかなと思ったので、もし事務局が対応できるのであれば、そういう資料をつくっていただきたいなというふうに思います。
以上です。
○遠藤委員 都民ファースト、遠藤です。
先ほど、この議論に入る前にいろんなご意見がございました。私どもも、やっぱりこの条例をつくる際の、いわゆる立法事実ですね、何がこの条例の核になるのか、これが一番大事だという点については同意するものであり、やっぱり真相の解明と再発の防止、ここは大変重要な点であるというふうに思っております。
そういったことを踏まえて、委員長のご質問といいますか、意見表明についてお答えするんであれば、まず今回の話は、核として、都議会だけで決めない、都議会議員だけで決めないと。この核はしっかり会派として、まず前提として、柱として申し上げていきたいというふうに思います。
例えば、実はうちの会派では、森口委員が中心となって、各議会の比較、請求要件や審査会の構成、措置決定の要件等は、もう一覧で森口委員がつくってくださったものですから、それを基に調査を進めてまいって、今日も文言について考えてきたわけですけれども、これらの文言についても、柱として申し上げたいのは、都議会だけとか、都議だけで決めないという点です。
その上で、まず四条から申し上げます。この四条におきましては、請求要件が問われているわけですね。例えば鳥取県ですと、議員の三分の一プラス二会派以上ですとか、福井県議会は十二分の一以上の議員の請求、奈良県議会は八分の一、この三県の議会だけでもそれぞれ請求要件が違いますし、いろんな背景があるんだと思います。
我々、あまり多くても少なくてもという意味においては、調査特別委員会等を請求する人数、つまり四分の一ぐらいが適切かなと思っておりますが、これに加えて、議会、つまり議員の請求要件だけでなく、都民からの請求要件、審査会の請求を都民が要請できるような、こういった要件も設けるべきではないかというのが、まず四条についての考え方です。
住民審査請求といいますか、そういった項目を設けるべきではないか。例えば五十分の一とかですね。この数字については今後議論だと思いますけれども、都民から、とにかくこういったことについて、請求の規定を設けるべきではないかと考えています。これがまず四条について。
そして、五条ですね。審査会の設置等でありますけれども、こちらも先ほどの例で申し上げますと、鳥取県議会は議員プラス学識経験者、福井県議会は議員のみ、長崎県議会は議会運営委員会がこれを代替しています。
そういった背景を踏まえて申し上げますと、都議会においては、繰り返しになりますが、議員だけで決めないという柱を我々は提案したいと思っていますので、外部の民間有識者が一定数必要であるということを申し上げたいと思います。
六条の委員長の職務代行については、特に意見はありません。
以上です。
○中山委員 冒頭、それぞれ様々な意見がございましたけれども、やはり会議ですので、私が申し上げておきたいことは、例えば全容解明とかいうことについても、何をもって全容解明するかということは、最終的には、みんなの合意で決めていくしかありません。
仮に立場が変わったとしても、追及される側が逆転したとしても、もう自分たちは十分説明しましたよというふうにいっても、いつまでも納得してもらえないという場合もあるかもしれませんけれども、それは逆で、ある面ではそれはきちっと、これは審査委員会が設置された後も、最終的な合意というのは、ある程度の、過半数だとか三分の二だとか、そういう形で決めていくしか、そうじゃない、それがみんなの全体の意見ですという形で決めていくしか方法はないということを申し上げておきたいと思います。
その上で、まず審査の請求に関してですけれども、私どもは、まず、議員は絡まない方がいいと。専門家の方々だけで構成される、第三者性を重んじた委員会にすべきだというふうに思っております。
審査には恣意性を排除する必要があります。仮に議員を一部入れるにしても、その一部の議員を誰にするのかとか、そういったことで、その時点での多数を構成する会派の人たちが入るとか、そういうようなことではいけないんじゃないかと。
というのは、私、別に、本当に法律の専門家を自認できるような立場じゃ全然ありませんけど、たまたま法学部を出ておりまして、その中で、やはり追及する側、刑事事件でいえば訴追する側と、それから、それを査定する裁判をする側、これが同一人物であってはいけないというのが司法準則になっています。
ノットバイアスっていいますけれども、偏見を持たないと。それは、英米法なんかでもそうやって強調されるところで、やはり、この人、疑念持つよということはある程度の議決で、誰を呼ぶかってことはいいと思うんですけど、実際その人の陳述がどうなのかとか、それを判定する審査の委員会というのについては、これは議員が絡まない方がいいんだと私は思っています。
その意味で、学識経験者のほか、弁護士会、東京にも幾つか弁護士会はありますので、それぞれの弁護士会の代表者とか、公認会計士会の代表者の方、専門団体の方からの推薦を得て構成していく必要があると。
人数は、それぞれ、私も県とか市とかの条例を見ましたけれども、ばらばらなんですが、あんまり二十人も三十人もいたらまとまらないので、やっぱり一桁以内が妥当ではないかと。正確に何人だとか特定するつもりはありませんけれども、一桁以内が大体妥当ではないかと思います。
内容によっては、専門家が当然追及していくわけですので、先ほど郷原参考人もおっしゃっていましたけれども、事実関係を固めていく必要があるということからいっても、個人情報とかそういった内容が入ってきますので、これは原則非公開でいいんじゃないかと思います。
ただ、当然、構成される方々のご判断によって、この内容は公開するということがあってもいいと思いますし、ただ、絶対条件というわけじゃないんですが、審査結果については、きちっと論理立てて分かるような形で、都民に公開しなきゃいけないというふうに思います。
そして、審査結果に基づく議会での取扱いは、議長の下、どういうふうに議会として対応するのかということは、きちっと議長の下、議会運営委員会を経てということになるかもしれませんけれども、議会の意思として、どういうふうに処分といいますか、不利益処分を与えなきゃいけない場合もあるかもしれませんけれども、それについては議会としての意思としてやると。
これは、なかなか専門家の方に任せるというのは非常に難しいことだと思いますので、そこは議会が責任を持たなくてはいけないと。結果に基づいてですね。そういうふうに思っています。
あと、もう一つ加えたいことは、委員会は常設とするということです。というのは、専門家の方々を必要が生じたたびごとにどの人になってもらうかとか、大変、これは非常に時間がかかる可能性があります。ある面では、それぞれの団体から、ふだんは何もないかもしれませんけれども、事態が起きたら集中的に審議していただきますよということを前提にした上で、そのことをご承知おきの上で委員に就任していただくという形で、第三者性を重んじようと思えば、これは常設にしていかざるを得ないんではないかというふうに思っています。
議員の審査請求権ですけれども、これはやはり様々な自治体、本当ばらばらで、市町村の条例の中には過半数とか、そういった非常にハードルの高い請求の条件を求めているところもありますけれども、私どもとしては一応三分の一ということを考えております。
これは皆様よく分かっていらっしゃることなのでいうまでもありませんが、有権者の直接請求権というのが八十条第一項、これは議員の解職請求ですけれども、それから八十一条第一項、これは首長の解職請求ですけれども、そこに三分の一ということがあります。
当然、人口四十万以上の場合どうするかとか、多い人口の場合に緩和する規定というのは取られておりますけれども、基本的な考え方は三分の一です。
先ほど遠藤委員も紹介されていらっしゃいましたけれども、四分の一という考え方のところもあります。それは地方自治法百一条第三項で、おっしゃっていただいた、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができるということが四分の一になっています。
ただ、私どもとしては、三分の一というのは、直接請求権というのは、住民の方々が直接請求するのは三分の一ということになっていまして、これは大規模人口のところでは非常にハードルが高いので、やはり議員が有権者の気持ちっていいますか、それをしっかり受け止めて、担ってやっていくべきだというふうに思っております。
加えて、会派数ですね。これも、ある時期からの条例制定では、二会派以上というようなことが明記されている例が多いです。二会派にするのか三会派にするのか、それはいろいろ見解があると思いますので、現時点では、複数会派以上というふうに申し上げておきますけれども、これも仮に、三分の一を占めるとか、過半数を占める会派があったとしても、その一つの会派だけの意見だけでは決めないということで、二会派以上という要件が認められておりますので、そこはこの東京都の事例でも尊重していくべきだというふうに思っております。
第六条、これはあくまでも草案でも私案でもないわけですけれども、委員長の職務代行ということについての今日の話題がありました。これについては、正副の委員長が欠損した場合に、年長者がやるという考え方ですけれども、これは議員が前提の場合はそういう考え方があるので、年長者に限定する必要はないんじゃないかなと。それぞれの職責から応じて、事前に職位順を決めておけばいい話ではないかなと思っているところでございます。
以上です。
○大山委員 やっぱり共通の学習をしてからやった方がきっといいんだと思っています。
今度、駒林先生は、公明党さん推薦の方は、本当に政治倫理条例の研究を深めていらっしゃる方ということでは期待しています。
そして、今回の四条、審査の請求ですけれども、やっぱり条例案を検討するときに、例えば請求するときに、単数の会派でいいのかとか、複数の会派が必要だとか、あと人数どうすればいいかとかっていうのは、やっぱり人数が少なかったらどういうことが利点であり欠点なのかとか、多かったらどういうところが利点で欠点なのかとかという、ちゃんと議論できるテーブルがないと、資料がないとまずいなと思っています。
請求は、もちろん私たちとしては、会派としては複数の会派の方がいいと思いますし、それから都民の皆さんも請求できるようにした方がいいということです。
そして、あと、審査会なんですけれども、これも第三者機関にするのか、それとも議会の中につくるのかということであると思うんですけれども、それらが、第三者機関にすればどういうことがあるのか、議会の中だったらどういうことがあるのかということを含めて議論できる素材をやっぱりみんなで共有しないといけないなと思っています。
審査会は何より公正さというのが重要になってきますし、それから、審査会の権限、どうするのかっていうのも、やっぱり検討していかなきゃいけないことだと思っています。
ということで、今日はこのくらいにします。
○西沢委員 私どもの方で、確かに、例えば審査請求の基準の中で、外部からとか有識者という話がありました。少数会派が多数決によって、いってみれば、倫理違反だということを議員が政局絡みになって多数決で決めるというようなことができるような形にはするべきではないというのは、そういった考えはあります。
その上でですけれども、私どもとしては――確かに委員長の方でかなり汗をかいていただいて、議論しやすいように、こうしたことで出していただいています。倫理基準であったりとか前文とかそういったところに、今回の件、できるだけ遠いところから議論しようということでご提案いただいたんだと思いますけれども、そうはいっても、私ども会派で検討しましたけれども、先ほど関口議員からも話があったとおり、前文をどうするのかとか、もともとこの条例をつくろうという中においても、趣旨説明の中で、都議会自民党の裏金問題にやはり端を発しているということは明らかなわけですよね。
先ほど、全容解明の道を閉ざすような方向を決定したと私たちは思っているわけですよ、今回の件に関しては。全容解明をしないでつくりましょうというようなことを委員会でやるということですから、やはりこうした部分について議論すべきではないというような立場です。
むしろ最初に議論すべきところは、全容解明を早めに特にやると。決まりましたから、鈴木元幹事長、小宮元幹事長、話を聞いて、ほかの全容解明が本当にそれでできるのか、ほかの議員の話も知っていますかと。どうやっているのかというのを聞いた上で、それを解明できればいいですけれども、それができないんであれば、やはりこれは難しいという話をいわざるを得ないと思います。
文書の話、先ほどありました。都民ファーストさんがうちの案を反対した理由は、一つ、文書という方法もあるからというふうに話されていましたけれども、これも本当にそれでできるのかと、まだ決まっているわけじゃないですよね。
だから、早々にそういったことをやった上でやはり議論しないと、私はいけないんじゃないかなというふうに思います。
○もり委員 委員長からのたたき台は、議論しやすいようにということでお示しをいただいたということは、大変理解をしているんですけれども、まだあと二人の有識者の先生のお話を聞いた上で、しっかりとどういうところを条例に盛り込むべきなのかというような課題が、まだ全て明らかになっていないと考えています。
また、今日の採決でも実感をしたんですけれども、今、大会派順でこの委員会が構成をされておりますので、そういった中においては、一人会派や少数会派、本当に全議員に関わる課題なので、そういったところがやはりこういった決を採られてしまうと、少数会派の意見が否決をされてしまうという段階においては、審査対象となる方の意見が通ってしまうのではなく、やはりしっかりと公正、公平なものにならなければ、せっかくの条例ですが、拘束力を持たないのではないかということを危惧しております。
そういった中では、本当に審査会の権限ですとか、先ほど郷原先生の質疑の中でも、第三者による公平性を担保する委員会を設置したらどうかというのを一応質問はしたんですけれども、今後、この条例がしっかりと公平、公正で再発防止に役立つものとするためには、やはりそういった一人会派ですとか、ここに全議員の声が盛り込まれるようなものにしてほしいということを今日は意見にとどめ、また、今後の参考人の有識者の先生方の意見も踏まえて、しっかりと条例の制定には取り組んでいきたいと思っています。
以上です。
○高倉委員長 ありがとうございました。さらに他の委員の方でご発言がありましたらどうぞ。よろしいですか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○高倉委員長 それでは、先ほど申し上げましたように、並行した形にはなってしまいますけれども、条例のことについての協議は行っていきたいと思っておりますけれども、例えば、今日こうしてあるところに絞ってご意見もいただいたわけですけれども、このことについてはもう議論はおしまいということではありませんので、常に全体にわたって様々なご意見をいただくということで結構だと思いますので、その件については確認をさせていただくということでよろしいでしょうか。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○高倉委員長 あと、それから、今日、今いろいろご意見がありましたので、特に一人会派の方、少数会派の方をどうしていくのか、それからあとは――すみません、ちょっとメモが散乱してしまっていますが、ご提案については次回また、できるだけはっきりとした形でご提案をいただいて、それは協議をさらにしていきたいというふうに思いますので、その点はよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、今日これ以上ご意見ないということであれば、委員会を終了としたいと思いますが……(「五月の日程」と呼ぶ者あり)日程ですよね。
最後に、すみませんけれども、五月の日程なんですけれども、委員長の希望として、できましたらば定例日を設けておきたいと。もちろん、様々な諸事情でどうしてもこの日はということがあれば、それは皆さんと協議していきたいというふうに思っております。
私の方では、四月が水曜日にやってまいりましたので、水曜日を定例日というふうに引き続きしておきたいと思いますけれども、何かご意見ありますでしょうか。まあ大変お忙しいと思うんですよ、五月はですね。さらに四月以上にお忙しくなってくるとは思うんですけれども、できるだけ、すみません、効率的にはやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思いますが、よろしいですか、そういうことで。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
○高倉委員長 一応現段階では、そういう方向ということで決めさせていただく、何が何でもやるということではありませんので、そこはご意見いただければ結構だと思いますので。
それでは、次回の委員会は来週水曜日、四月十六日でありますが、次は、有識者として立命館大学の駒林良則教授を参考人としてお呼びをいたします。
なお、今日決定をしていただいたその他の参考人の方については、至急お伝えをして、出席していただけるかどうか、そして、いつ出席していただけるのか、これを確認した上で、したがって、この日、さらに参考人の意見聴取を行うということになりますので、その点はご承知おきいただきたいと思います。
次回は、十三時から打合会、そして、おおむね十三時半ぐらいになろうかなと思っておりますけれども、参考人の方をお呼びしますので、もし打合会で何らかの協議があって結論が出ない場合は、打合会を休憩として、十三時半から今日のように参考人の招致、駒林先生が最初になると思いますけれども、始めたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。よろしいでしょうか。――以上をもちまして本日の政治倫理条例検討委員会を閉会いたします。
午後四時三十四分散会
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