東京都議会は、ラグビーワールドカップ2019組織委員会からの依頼を受け、ジャパンパビリオンにおいて開催されるレセプションに出席するとともに、会場及び試合などを視察し、大会運営・安全面などの調査を行うことを目的として議員団を派遣しました。
イギリス ロンドン市
平成27年10月23日(金曜日)から29日(木曜日)までの7日間
随行 議会局職員3名
総額 約19,709千円
高島 なおき議員を団長とした調査団11名は、平成27年10月23日から29日までの7日間、ラグビーワールドカップ大会が開催されているイギリスロンドン市を訪問しました。
10月24日、まず、調査団は、ラグビーワールドカップ大会の盛り上げを目的に、試合会場以外でもラグビーを楽しむために設置されたファンゾーンを視察しました。この日視察した試合会場近くのファンゾーンでは、多くの一般市民が、大型電光掲示板に映し出される試合映像、飲食やグッズの販売、アーティストによる音楽演奏、移動式遊園地などを楽しんでおり、大会の盛り上げに大いに寄与していたのは印象的でした。また、このファンゾーンには、日本では珍しい移動式のATMが設置されており、世界中の人が利用している姿を見て、今後、東京においても普及の研究・計画の必要性を大きく感じました。
その後、「ラグビーの聖地」と言われ、8万人の観客を収容できるトゥイッケナム競技場での準決勝において、大会運営方法を視察しました。入場の際には、セキュリティ対策として荷物検査が実施されていましたが、大勢の観客を円滑に入場させるために、会場周辺における無料のシャトルバスの運行や、多くのボランティアによる誘導案内の充実など、様々な工夫がなされていました。一方で、試合終了後、8万人の観客が一度に退出するため、会場周辺が非常に混雑し、特に、駐車場に関して、競技場周辺に十分なスペースを確保できていないなどの課題がありました。
ファンゾーンや大会運営における、このような工夫や課題は、2019年の日本大会で、開会式や開幕戦の会場となる東京スタジアムにおいても、今後十分に検討する必要があることを実感させられました。
翌10月25日、まず、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の嶋津事務総長から、現地イギリスにおけるラグビーワールドカップの盛り上がりや日本開催に至るまでの経緯について説明を受けました。特に、イギリスにおいては、ラグビーを楽しむ文化が根付いており、大会が進むにつれて自然に盛り上がっていく雰囲気があること、開会式におけるセレモニーが、簡素であるものの、ラグビーの歴史をたどる非常に素晴らしい演出であったとの説明がありました。日本大会においても、東京ひいては日本全体をどのように盛り上げていくかについては重要な課題であり、今後、日本の英知を集め工夫するべき点であると考えています。 次いで、ロンドン中心部に位置するトラファルガー広場におけるファンゾーン、及び、オリンピックスタジアム周辺のオリンピックレガシーを視察しました。都心に位置し、大勢の人が集まるトラファルガー広場のファンゾーンは、子供向けのラグビー体験ができるなど、一般の人が楽しめるように工夫されており、狭いながらも素晴らしい内容でした。
翌10月26日、キャンプ地の運営を視察するために、イギリス第2の都市と言われる、バーミンガム市にあるバーミンガム大学を訪問しました。バーミンガム大学の方々から、キャンプ地の運営は、学生にとって貴重なボランティア経験ができる場であることや、大学の知名度向上、地域の繁栄という点から投資効果は非常に高いことなどの説明を受けました。
翌10月27日、まずはロンドン市議会において、アーノルド市議会議長を表敬訪問しました。先日、友好都市となったロンドン市との友好の絆を再確認するとともに、オリンピックレガシーや住宅問題などについて意見交換を行いました。
次に在英国日本国大使館において林大使を表敬訪問した後に、ジャパンパビリオンを視察し、世界中のラグビー関係者が集うレセプションに出席しました。レセプションでは、ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビーのベルナール・ラパセ会長をはじめ、多くの重要な国際関係者と挨拶し、2019年の東京、そして日本全体の大会の成功を熱く約束しました。
10月28日、自治体国際化協会ロンドン事務所において、ラグビーワールドカップイングランド大会の成功とその経済効果を中心に説明を受けた後、ヒースロー空港から帰途に着き、翌29日、無事に帰国しました。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を翌年に控え、アジア初の開催としても世界中が注目しているラグビーワールドカップ2019日本大会は、必ず成功させなくてはなりません。私達のイングランド滞在中には、正式に東京で行われる開会式が2019年9月20日と決定いたしました。この開幕の盛り上がりこそが、大会の成功の鍵を握り、大会の盛り上がりが、翌年の東京オリンピック・パラリンピックの成功へと繋がっていきます。
東京のみならず、日本全体のために、団員一同、2019日本大会成功に向けて全力で取り組んでいく決意を新たにし、覚悟を固めたところです。
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