北京市

 続いて、11月5日から7日まで北京市を訪問しました。

北京市の概要

北京市は省が介在しない国の直轄市である。

《基礎データ》
  • 市長:郭金龍
  • 人口:1695万人(2008年末)
  • 面積:16807平方キロメートル
  • 市街区面積:1040平方キロメートル
  • 行政区画:16区、2県
北京市人民代表大会
 北京市人民代表大会は、地方国家権力機関として憲法に定められており、立法権、予算や経済計画の決定権、人事権(人民政府の長の選出など)、監督権(人民政府、人民裁判所、人民検察庁の監督)などを有する。
 人民代表大会の開催は、年に1回程度のため、常設機関として、常務委員会が設置され、閉会中の業務にあたっている。
北京市人民代表大会
  • 代表数:781名
  • 任期:5年
  • 会議:年に1回程度
北京市人民代表大会常務委員会
  • 構成:主任、副主任、秘書長、委員63名
  • 任期:5年
  • 会議:主任が招集、少なくとも2か月に1回開催
北京市人民代表大会常務委員会機構図
(北京市人民代表大会ウェブサイト参照)

 5日には、北京市人民代表大会常務委員会杜徳印(ト トクイン)主任(主任は日本では議長にあたる。)を表敬訪問しました。

 杜主任とは、中華人民共和国建国60周年、東京都・北京市友好都市締結30周年という節目の年にあたること、30年に渡る文化・経済など幅広い分野での東京都と北京市の交流が、両都市、さらには日中の友好に大きく貢献したことを再確認しました。同時に、環境問題をはじめ世界的な大都市となった両都市の抱える諸課題について解決に向けた取り組みなど、率直な意見交換を行いました。この訪問は現地新聞「北京日報」でも報道されました。


杜徳印が日本の客人と会見

 昨日午後、北京市人大常務委員会主任 杜徳印は東京都議会議長田中 良氏を団長とする東京都議会友好代表団一行と会見した。

 杜徳印は北京市人大を代表して熱烈に歓迎の意を表し、また田中氏の議長就任を祝った。杜徳印は、中日両国は一衣帯水の友好隣国であり、長い友好の歴史がある。また北京市と東京都は1979年に友好都市として結ばれて以来、北京市人大と東京都議会、また北京市区県人大と東京都市区町村議会の間で絶えることなく友好交流を続けてきた。今回の代表団の訪日が、双方の友好関係を更に一歩進めるために大きな役割を果たすことを信じていると話し、同時に人民代表大会の制度と北京市人大の現在の状況を紹介した。

 田中氏は北京市人大常務委員会の歓迎に感謝の意を示すとともに、東京都議会と北京市人大、および東京都市区町村と北京市区県人大の交流が今後更に密接になることを望んでいると話した。

 会見には市人大常務委員会副主任柳紀鋼、秘書長唐竜も同席した。

 翌6日には、北京太陽宮(タイヨウキュウ)熱電所を視察しました。この施設は、「緑色五輪」理念に基づき、大気汚染の改善のため、昨年の北京オリンピック前に稼動した天然ガス式の発電所です。

 この発電所は、従来の石炭式発電所の倍以上という高いエネルギー効率を誇るだけでなく、発生する有害物質を25分の1まで減少させ、CO2を年間60万トン削減するなど、世界最先端の技術を駆使したものとの説明を受けました。また、騒音対策にも万全を期し、世界一静かな発電所であるとのことでした。

 説明後、施設を視察しましたが、周囲の景観に配慮し、建物の外環を万里の長城に模している様子などからも、北京市が積極的に環境対策に力を入れている様子を知ることができました。

 この発電所で使用する天然ガスは、中国西部から引かれた既存のパイプラインから供給されているとのことでした。中国は天然ガス資源が豊富だが、インフラ整備が十分でなく、一般家庭ではまだ石炭を使用していることが大気汚染の原因の1つであり、そのインフラ整備が喫緊の課題であるといった説明も受けました。

 代表団からは天然ガスパイプラインの状況についての質問が出るなど、ここでも活発な意見交換を行いました。

 次に、初の国立劇場である中国国家大劇院を視察しました。外観は卵のようなドーム型をしており、オペラ劇場や音楽ホール、コンサートホールなどがあるという大きな施設で、設備や内装なども素晴らしいものでした。

 当初は、天安門広場の近くということもあり、その斬新な外観が周囲の景観にふさわしくないといった意見もあったということですが、現在では、北京市市民に受け入れられているとのことでした。

 世界的な公演を鑑賞できる市民の文化施設として積極的に活用されている様子が公演ポスターからもわかり、また、施設の状況と同時に、それぞれのホールで次に公演予定のオペラの舞台準備やコンサートや劇の練習の様子なども視察しました。

 また、有料で施設の見学が可能になっており、視察時も、公演がないにもかかわらず、施設を見学する多くの観光客で賑わっていました。

 文化施設を観光資源としても有効に活用しており、大変参考になりました。

 続いて、北京都市計画展示館を視察しました。北京市の過去から現在までの都市計画の歴史や未来に向けた都市づくりについて、様々な映像や模型などを使って説明を受け、意見交換をしました。

 館内には、北京市内を750分の1のスケールで再現した巨大なジオラマや映像などで、わかりやすく展示されており、北京市の都市計画や目覚しい発展の様子を視察することができました。

 次に、北京市政府の郭金龍市長を表敬訪問しました。

 郭市長とは、北京市と東京都が、今年9月に環境に関する分野において、技術交流・技術協力に関して合意したこと、民間レベルでも北京首都空港と東京羽田空港の間で定期便の運航が開始されたことなどに触れ、今後の両都市の友好関係を更に緊密化していくことを確認し、両都市共通の都市問題などについて、活発な意見交換を行いました。

 翌日の7日、北京オリンピックのメインスタジアムである北京国家体育場を視察しました。

 北京オリンピック終了後も中国全土からの観光客で大変賑わっている状況がわかりました。また、多目的活用も行われており、今年の10月にはイタリアのオペラ「トゥーランドット」が上演されたとのことでした。さらに、訪問直前にはF1のエキシビジョンが行われ、トラックやフィールドにF1用の道路が作られたとのことで、道路撤去の様子を実際に視察し、大胆な活用方法に驚かされました。

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