まず、11月3日から5日までソウル特別市を訪問しました。
3日には、ソウル特別市政府の徐張恩(ソウ チャンウン)政務調整室長(11月9日政務副市長就任)を表敬訪問しました。政治面だけではなく、民間においても、経済・産業・芸能など多くの分野で交流が進んでいることに触れ、友好関係の更なる推進を確認しました。また、文化遺産と調和した都市づくりのため市内の建築物に高さの制限を設けていることなどの説明を受けるとともに、環境対策、経済振興策などについて活発な意見交換を行いました。
引き続き、ソウルワールドカップスタジアムの視察を行いました。まず、施設の概要、現在の運営状況や利用状況についての説明を受けました。スタジアムをサッカーなどのスポーツだけでなく、ウエディングホールやオーケストラ公演などにも活用するなど、多目的に利用している状況を視察することができ、大変参考になりました。
その後、船に乗り、漢江事業本部の事業企画部長から「漢江ルネッサンスプロジェクト」についての説明を受けました。
「漢江ルネッサンスプロジェクト」は、ソウル中心部を流れる河川である漢江を世界的な観光資源や市民の憩いの場にすることを目指し、音楽堂をはじめとする各種文化施設の整備や、ライトアップを通じた景観の創出を行うと同時に、沿岸の高速道路の一部を地中化し、緑道や橋から漢江に降りるエレベーターの設置、盤浦大橋には滝のような噴水や公園を整備し、市民に開放するという大事業です。
説明を受けた後、船上から両岸に広がる漢江の様子を視察しました。
その中でも、盤浦大橋の月光虹噴水のスケールの大きさには大変感動しました。これは、全長1キロメートル以上の盤浦大橋から放水し、音楽を流しながら、7色にライトアップするというもので、市のランドマークとして観光名所になっているとの説明にもうなずけました。代表団からは年間予算や今後の事業計画についての質問が出るなど、活発な意見交換を行いました。
翌日の4日、蘆原(ノ ウォン)水素燃料電池発電所を視察しました。この施設は、ソウル特別市の政策である「クリーン&グリーンソウル」の一環として、今年5月に竣工したばかりの新しい発電所です。
水素と空気中の酸素で化学反応を起こして電気を生産する方式を採り、電気効率が既存の火力発電の30%から35%に比べ、47%から60%と高く、温室ガスの排出量も約半分の水準との説明を受けました。
また、騒音が少なく、火力発電所や他のエネルギー生産設備に比べて施設に必要な空間が小さくてすむため、発電所を分散して設置することにより送電・配電の経費を削減することができ、地下空間を活用することも可能となるなど、大都市に適した新しいタイプの発電所で、ソウル特別市では、この燃料電池発電の普及に今後力を入れていくとのことでした。
説明の後、施設を視察しましたが、実際に非常にコンパクトな設備で、騒音も少なく、東京の都市づくりの参考になると実感しました。
代表団からは、今後の事業の見通しなどについて質問が出るなど、活発な意見交換を行いました。
続いて、ソウル特別市議会の林承業(イム スンオップ)副議長を表敬訪問しました。
林承業副議長は昨年、ソウル特別市議会の友好代表団の団長として東京都議会を訪問されており、相互に訪問して交流する意義について話し合い、友好都市提携を結んで以来、21年間にわたって続いてきた多彩な交流を更に推進していくことを確認しました。
さらに、両都市に共通する環境対策や都市づくりについて活発な意見交換を行いました。
引き続いてソウル特別市議会の本会議場に移動し、電子会議システムについて説明を受けました。
本会議場には106の各議員の議席に端末機があり、議案・資料などの閲覧、議事録の検索などが議席でできます。また、電子投票も議員の座席で行うことができ、即座に結果を表示することが可能です。
さらに、議場正面の大型スクリーンでは資料などを写し出すことができ、傍聴者にも配慮しています。
積極的にIT化を進めているソウル特別市議会の状況を体験することができ、大変参考になりました。
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