11月10日から12日までは上海市を訪問しました。移動するバスの車内から急速に経済発展をしている上海市の様子を目の当たりにしました。渋滞緩和などの交通基盤整備のため、市内のあちこちで地下鉄工事が進められており、平成22(2010)年の万博開催もあいまって上海市の経済発展が加速している印象を強く受けました。
広大な万博会場の予定地は、まだほとんどが更地の状況でしたが、2年後には風景が一変し、内外から多くの訪問客を集めることは確実であり、上海の新しい姿を予感させました。
11日には上海浦東国際空港から実用化されたリニアモーターカーに乗車して、時速430キロメートルの世界を体験しました。
全長約30キロメートルを7分15秒で走行しましたが、発車後、瞬く間に加速され約3分程度で最高時速431キロメートルが車内に表示されました。
今後、市内中心部への延伸が計画されていますが、日本でもJR東海によるリニア実用化の計画もあり、参考になると考えられます。
リニア大国のドイツの技術で開発された。常設実用線の磁気浮上式リニアとしては、イギリス・ドイツに続いて世界で3番目。商業用リニアモーターカーとしては、世界初である。
磁気浮上式リニアとは、電磁力を利用して車体を浮かせる列車。浮上式リニアは高速走行という点で注目されているが、建設コストが高いのが難点。愛知万博で活躍したリニモも磁気浮上式で同じタイプ。(ただし、最高速度100キロ)
また、時速500キロと超高速が可能な山梨リニア実験線は磁気浮上式の中の一つである、超電導磁気浮上式である。
鉄道で最も普及しているのは、車体は車輪で支え、推進方式のみリニアモーターカーを使う鉄車輪式で、車体がコンパクトですむ、登坂能力が向上するなどの利点がある。都営地下鉄大江戸線はこのタイプ。
このようにリニアモーターカーには様々なタイプがある。
次に、上海都市計画展示館を視察しました。
上海市の歴史から、浦東空港の拡張工事万博会場予定地、さらには臨港新都市開発の構想などの説明を受け、意見交換を行いました。
ここでは360度のスクリーンで、何かの乗り物で空を飛びながら上海市内を見ているような、疑似体験ができる映像により都市を案内する展示や、大きなジオラマの模型など多様な技法を用いて、テーマパークのように来訪者を飽きさせない工夫が随所にみられました。
北京市の都市計画展覧館の展示と同様、都市をアピールする広報のあり方として大いに参考になりました。
続いて、平成20(2008)年の竣工時には492メートルでアンテナ部分を除くと世界一の高さになる上海世界金融センターを視察しました。
建設中のビルや建設地の浦東新区(面積は千代田区と港区をあわせたぐらい)の再開発について詳しく説明を受け、活発な意見交換も行い、上海の都市づくりについて理解を深めました。
超高層ビルが林立する状況を建設中の上海世界金融センターの工事現場からも視察しましたが、上海市では50メートルを超える高層建築が5000棟を超えているということであり、その発展の速さに驚かされました。
12日には、上海市人民代表大会常務委員会の胡煒(コ イ)副主任を表敬訪問しました。
上海市の発展に向けては環境等にも十分配慮しているという話をうかがい、上海市の都市づくりが、経済最優先から転換期にあるという印象を持ちました。
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