まず、11月6日から8日までソウル特別市を訪問しました。
6日には、ソウル特別市議会の朴柱雄(パク ジュンユン)議長を表敬訪問しました。そこでは、東京都とソウル特別市の19年にわたる友好関係の更なる推進を確認し、交通対策及び環境政策、都市づくりなどについて幅広く活発な意見交換を行いました。
引き続いて市議会の本会議場に場所を移し、電子会議システムについて説明を受け、実際に体験するとともに活発な質疑を行いました。
本会議場106の各議員の議席にパソコンのディスプレイがあり、議案、資料などの閲覧、本会議、常任委員会などの各議員の発言の議事録の検索が議席でできます。また、議場の大型スクリーンでは様々な資料を大きく映し出すことができます。記名・無記名の電子投票も各議員の議席ででき、即座に結果も掲示することができます。
このようにソウル特別市議会では積極的にIT化を進めており、非常に参考になりました。
その後、ソウル特別市の都市計画課長からソウル特別市の都市政策について詳しく説明を受け「安心安全・緑のある都市づくり」をはじめ都市計画、環境政策、交通政策など幅広い都市政策課題に関し、東京の実情と比較しながら、活発な意見交換を行いました。
翌日の7日、ソウル特別市の權泳臻(クォン ヨンジン)政務副市長を表敬訪問しました。ここでもソウル特別市の都市計画やその他経済振興策などについてソウル特別市の現状をも踏まえた活発な意見交換を行いました。特に、環境問題をはじめソウル特別市と東京とが手を携えて協力することの大切さを改めて確認しました。
続いて、代表団は清渓川文化館を訪問して清渓川(チョンゲチョン)の清流復元事業について説明を聞き、実際に復元された清渓川を視察しました。
清渓川は市内の中心を流れている漢江(ハンガン)の支流で、朝鮮王朝時代からソウル市民に親しまれてきた川でした。しかし、20世紀の経済発展の中で川は汚染され、やがて高架道路建設のため暗渠化され、その姿を消してしまいました。
しかし、平成14(2002)年ソウル市長となった李明博(イ ミョンバク)氏(次期韓国大統領)のマニュフェストによって復元事業が決まると、わずか2年3か月で高架道路を取り払い、側道を整備し、5.84キロメートルの清流が復活しました。
工事期間の短さもさることながら、4千回を超える周辺住民との粘り強い対話、交渉、話合い、その上に立った、受け皿としての商業施設設備、地下鉄やバス路線の整備などの交通対策など大きな難関にも積極的に取り組んだ事業でした。
実際に川の両側に整備された遊歩道を歩いてみると、葦などの草が生え、水鳥も住んでおり、市民生活に潤いを与えていると実感しました。さらに周囲の温度が2度下がり、ヒートアイランド対策にも貢献するなど非常に有効な事業であるとの思いを強くしました。
次に、平成14(2002)年に開催されたワールドカップスタジアムを視察して、運営状況や利用状況について説明を受けました。グラウンドをサッカーだけでなく、オーケストラ公演にも活用したり、映画館やウエディングホール、コンベンションホールなど、施設を多目的に利用し、黒字経営であるということでした。
さらに、昭和63(1988)年のソウルオリンピックのメインスタジアムも視察し、同じく運営状況や利用状況について説明を受けました。こちらでも、コンサートや国際会議などに利用され、多目的に活用する努力をしているとのことでした。
二つの施設とも日本のスタジアムには例のない多目的な活用をしており、大いに参考になりました。
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